小さめのお椀を作る

少し小さめのお椀を作りました。
栗の木で、口径11センチ、高さ7センチでそのうち高台部分は、少し低めの1センチとしました。
ご高齢の方が、持ちやすく取り回しの良いお椀と言うことの、ご注文でした。
私の経験で、作らせていただいたお椀です。
私の作るお椀は、手彫りのごつごつしたお椀ですが、その分、すべりにくく、持ちやすいのではないかと、私は良いように考えています。
このお椀が、食事にささやかながら、味わいをプラスしてくれることを願っています。

事情によりブログを少しお休みいたします。
拙いブログですが、またの再開までしばらくおまちください。

2024年4月16日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

2024年の桜とミツバツツジ

2024年の4月12日、快晴の暖かい春の一日でした。
今年は、工房前の桜とミツバツツジの花を同時に見ることができました。
これまで同時に花を見ることができるのはごく稀だったのですが、今年は、工房の桜の開花が遅れたことと、最近の急激な暖かさで4月中旬から咲き始めることの多いミツバツツジが早く咲き始めたことで、桜とミツバツツジの花が同時に見られることになったようです。
ミツバツツジは、工房の土地に最初から自生しているもので、工房に贈られた花束のようでとても気に入っています。
花は1週間ほどで終わってしまうのですが、今年は桜が花束に彩を添えてくれて、とても得した気分です。
毎年の季節の巡り合わせで、工房の木々の表情が変わりますが、こんなささやかな出来事が何とも愛おしく感じる日々です。

2024年4月12日 | カテゴリー : 工房の四季 | 投稿者 : えらむ

茶箱を彫る

小さな茶道具を収めて、お茶を楽しむための茶箱。
小さいけれど、お茶の世界を詰め込んだ、宇宙のような箱と言うイメージ。
分厚い11センチの栗の木を彫り抜いて作るのですが、この度のご注文は、以前作った茶箱より、口径が小さくなって、難物でした。
小さいほど、簡単に出来そうなイメージがありますが、深くて口径の小さい箱を彫るのは、とても苦労します。
持っている道具をあれこれ試しながら、深い底を平らに彫って行きます。
自由に刃物が動かないもどかしさの中で、少しずつ彫り進んでいく時間をただひたすら過ごします。
出来上がった箱に、小さいほど秘められたお茶の宇宙の展開を、想像しながら楽しみます。

 

2024年4月7日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

2024年の工房の桜咲く

2024年3月31日、工房の敷地に植えた吉野桜が咲き始めました。
ここ数日の暖かさで、固かった蕾も一気に膨らんだようです。
昨年より1週間遅れの開花です。
暑くなったり、寒くなったり、なんともつかみどころのない最近の季節ですが、桜の開花で正式な春の訪れを感じるところです。
「コウボウノサクラサク。」
もうこんな電報を送る人はいないでしょうね。
でも貰ったら嬉しいな。

 

 

2024年3月31日 | カテゴリー : 工房の四季 | 投稿者 : えらむ

鉢を彫る

厚さ8センチの栗の木を彫って、少し大きめの鉢を作りました。
厚い栗の木はなかなか手に入らず、希少な材料なので、しっかり厚みを感じられる器にしたいと言う思いで、鉢を彫りました。
こんな場合は、やはり轆轤の均質な表情より、手彫りの武骨さが似合っているように思います。
少し厚めに彫って、器の縁も変化をもたせて、全体から感じさせる器の存在感を意識して作りました。
意図したとおりには、なかなか出来ませんが、少しでもその思いを表現できればと言う思いで出来上がった鉢です。
拭き漆塗りで仕上げ、料理に彩を添えるものになればと思います。

2024年3月30日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

海外への作品の発送

多くはないですが、時々海外へ作品を発送することがあります。
先日も、やっとの思いで、15キロの荷物を海外向けに発送しました。
自分の作品が海外に渡って行くことは嬉しいことですが、発送の手間が大変で、これがなかなかの大仕事になります。
書類の作成が大変。種類はすべて英文、作品名を英訳して、作品リストを作成。同時に輸出用書類のインボイス等を英文作成してパウチシートに入れる。
クライアント側の希望により、運送会社が異なることが多く、郵便局のEMS、ヤマト宅急便の国際便、ドイツ系のDHLなど、それぞれ書類が異なり、戸惑うことしばしば。
梱包が大変。海外向けの荷物は、おおむね航空貨物で送られるですが、目的地まで何度も中継基地を経由していくので、厳重に梱包しておかないと、壊れる可能性が大きいので、国内向けの荷物に比べ倍以上の梱包作業が必要になります。
段ボール箱は二重にして、エアーキャップでぐるぐる巻きにして梱包します。
発送会社のもとへ持って行くと、重圧から解放されてほっとします。
あとは、各運送会社の荷物の追跡状況をパソコンで確認しながら、無事通関をしていくかなど、運ばれていく荷物の行方を、どきどきしながら見守っています。
海外発送は、何度やっても大変です。

2024年3月24日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

竹内絋三 展を見てきました

少し以前になりますが、丹波市にある兵庫県立陶芸美術館で開催された、陶芸家の「竹内絋三 展」を見てきました。
陶芸家という呼び方が相応しいかどうか判りませんが、私の工房のすぐ隣の市で創作活動されていて、世界的に作品は高い評価を受けて、海外の美術館にも収蔵されている作品を作られている、竹内絋三さんのことは知っていましたが、なかなか実物作品を見る機会がありませんでした。
この度、兵庫県立陶芸美術館での展示会では、多くの作品を身近に見ることができ、斬新で迫力ある作品にとても感動しました。
どこか幾何学的に出来上がった立体の陶芸作品を、部分的にハンマーなどで壊して、整然と組み合わされた立体部分と、壊されて予測不能に出来上がった部分との対比の面白さと、生み出される深い美しさのようなものを感じました。
私の工房からほど近いところで、こんな素晴らしい作品を作る方がおられて、そしてその表現の斬新さに、とても刺激を受けました。

2024年3月17日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

裂け繕いの器

先日のギャラリー風来での素のかたち展に出品した「裂け繕いの器」。
栃の木で作った大皿です。
元々栃の板の中央に裂けたひびがあったのですが、良い感じの木味の木だったので、ひびを避けて小さなお皿を作るより、いっそ裂けのひびを真ん中にもってきて、大きな皿を作って見ることにしました。
その裂けの部分を上手く埋めて実用的な皿にするために、日頃行っている金継ぎの要領で、ひびを漆で埋めています。
ひびの部分を金継ぎの要領で漆でなぞって、細く金を蒔く方法もあるのですが、壊れた器の金継ぎ修理品の印象を持たれることがいやだったので、いっそ漆で埋めたひびの部分を大胆に器の装飾にすることにしました。
ひびを漆刷毛で、大胆に漆を引いて、そこに金粉を蒔いてみました。
最近は金が高騰しているので、ちょっと贅沢な装飾になりましたが、ちょっと挑戦的な試みとして、面白いかなと思っています。

2024年3月8日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

素のかたち 4人展が終了しました

2024年2月19日より27日まで、兵庫県明石市の「ギャラリー風来(ふうき)」さんにて開催しておりました「素のかたち 4人展」が、昨日終了いたしました。
ガラス作家の音堂多恵子さん、金属アルミによる器制作者の森下シゲキさん、陶芸家の笹部充恵さん、木の器の田中陽三の4人による展示会でしたが、それぞれの個性を生かした表現を多くの方に楽しんでいただけたようです。
期間中は、天候の悪い日が多かったのですが、沢山のお客様にお出でいただくことができ、無事4人展を終了させていただくことができました。
私としましても、在廊は2日間でしたが、沢山のお客様との出会い、異素材の作家の方との交流で、今後の作品作りへの活力をいただきました。
お出でいただいた皆様、ギャラリーのオーナー様、スタッフの方、ご一緒いただいた作家の方には心よりお礼申し上げます。

2024年2月28日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

2024年 素のかたち展始まりました

2024年2月19日~27日まで、兵庫県明石市の「ギャラリー風来(ふうき)」にて開催の「素のかたち 四人展」が始まりました。
初日は終日在廊しておりました。
終日小雨模様の一日ではありましたが、本当に沢山の方にお出でいただきました。
盛会に展示会を開催することができ、皆様に感謝いたします。
ガラス作家・音堂多恵子さん、
金属アルミ・森下シゲキさん、
陶芸家・笹部充恵さん
木の器・田中陽三の4人による作品展です。
それぞれの素材を生かした作品が沢山並び、見ごたえのある展示会となっています。
機会がございましたら会場へお立ち寄りいただけますと幸いです。
会場 「ギャラリー風来」 兵庫県明石市天文町1-7-9
期間 2023年2月19日(月)~2月27日(火) 11:00~17:00 (最終日は16:00まで) 会期中無休
在廊日 2月27日(火)
2024年2月19日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ