梅雨にアートな思い出

工房のある近畿地方は、早々に梅雨が明けましたが、その後も戻り梅雨のような鬱陶しい日々が続いています。
そんな梅雨の時期に思い出されるのが、美術家 堀尾貞治さんらと私の工房で、アートパフォーマンスを楽しんだこと。
廃材で工房を建てて間もないころ、かつての前衛美術家団体、具体美術協会に所属しておられた美術家の堀尾貞治さんとそのお仲間の方に工房にお出でいただきました。当時、堀尾さんは、ヨーロッパ、アメリカ等で「具体・GUTAI」の人気が高まっていることもあって、世界中を回っておられましたが、縁あって私の工房で、アートパフォーマンスを楽しむことになりました。
当日は「雨」をテーマにそれぞれのアーティストの方により、さまざまなアート作品やインスタレーション、パフォーマンスが繰り出されました。
堀尾貞治さんは、私の工房のファサード、格子状のガラス窓に、一見無造作に紙きれを張り付けていき、工房の構造体と紙で連続する「雨」の文字を即興で表現されました。工房の構造を見事にとらえて、巨大な雨の文字を浮かび上がらせるパフォーマンスには、さすが!と脱帽でした。
私の工房の建物を見て即興で思いついたと言われていました。
堀尾さんは、気さくな素晴らしい美術家の方でしたが、2018年に亡くなられたことを本当に残念に思います。

2022年7月20日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

松田一戯 木彫50年の歩み 作品集

先日出版された本、木彫家 松田一戯さんの作品集「辺境の地から 松田一戯 木彫50年の歩み」を購入しました。
松田一戯さんは、地元兵庫県の但馬地域で活動されておられる木彫家の方です。
私も松田さんの作られた作品はとても好きで、招き猫の作品を購入してもっているのですが、但馬木彫と呼ばれる、民芸調の木彫で全国的にご存じの方も多いかもしれません。
松田さんの作品は、民芸調の作品だけではなく、本来、ご本人が目指しておられた、現代美術系の彫刻にこそ素晴らしい作品が沢山あります。
こうした作品を見る機会がなかなかなく、今回、作品集が出版されたことで、ぜひ氏の現在の作品の集大成を拝見したいという思いで、購入しました。
氏の作品は、造形的にも表現的にも大変魅力ある作品ばかりで、木でもの作りをしている人間としては、木の持つ可能性のようなものを非常に感じるとともに、自分の作っている木の作品の深みのなさをひしひしと感じる思いです。
そして、木の魅力を強く感じさせてくれます。

2022年7月14日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

彩りガラスの世界 展

JR加古川駅構内にある、加古川市民ギャラリーで開催されている、サンドブラストとクリスタルペイントによる「彩りガラスの世界」展を見てきました。
以前、光ファイバーアートの展示会でご一緒させていただいた、Lee Wainwrightさんによる特殊なクリスタルペイントによって描かれた、ガラスのアート作品と、私の中学校時代の同級生で、サンドブラスト作家の藤本悦子さん、そして藤本さんに師事されている藤原むつみさんによるガラス作品の作品展です。
Lee Wainwrightさんによるガラスのアート作品は、クリスタルペイントによって描かれた塗料が、ガラス上で結晶化して、独特の美しいテクスチャーが作品に彩を添えています。
藤本悦子さんのサンドブラストのガラス作品は、熟練の技により表現された、非常に気品のある作品で、どれも見ごたえのある美しい作品ばかりです。
JR加古川駅構内にある、加古川市民ギャラリーで6月18日まで(10:00~17:00、最終日は16:00まで)開催されていますので、ぜひご覧いただければと思います。

2022年6月16日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

三人展 原・風・景 を見てきました

岡山県勝山市にある勝山文化往来館ひしお で開催されている、三人展 原・風・景を見てきました。
ガラス工芸家の磯谷晴弘さん、漆芸家の西川雅典さん、テキスタイル作家の岡本昌子さんの三人展です。
3名の作家の方は、私がかつて法人の解散まで所属していた、日本クラフトデザイン協会の会員として、活動の中核を担っておられた方々で、この度、漆芸家の西川さんから展示会の案内をいただき、岡山県勝山市の会場へ伺いました。
城下町の名残を残す町並みにある勝山文化往来館ひしおは、趣のある美しい建物で、展示物もしっとりと溶け込んで、とても落ち着いた素晴らしい展示となっていました。
3名の方の作品は、それぞれ心のこもった、素晴らしい作品で、作品の力を感じるものばかりでした。
今日は、3名の方によるオープニングトークイベントもあり、それそれの作品についての技法や作品に込められたメッセージを語っていただき、さらに深く作品を感じることができました。
私は、日頃は販売ための生活雑貨のようなものを作っていますが、時にはこのような熱のこもった作品を作れる力量を持ちたいものだと思いました。

2022年2月23日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

月蛙展を見てきました

先日、月蛙こと画家の石野善浩さんの個展を姫路市のギャラリールネッサンス・スクエアーへ見てきました。
画家の石野さんとは同じ年齢と言うこともあって、親しくさせてもらっています。
この度の「月蛙展 複数の私をかき混ぜる1992~2021」と言うタイトルの個展には、これまでの画業の集大成のような雰囲気もあって、深い表現力のある作品が並び、とても見ごたえのある個展でした。
東京藝術大学の大学院を修了して、画家となり、沢木耕太郎のようなスタイルで、アジアからヨーロッパを旅するなど、お互い同じ年齢で、同じだけ時間を過ごしてきたとは言え、磨いてきた感性や能力、表現力の豊かさの差を大いに感じました。
何かを想像して、第三者に伝えることを仕事にしていることに関しては、お互い似ているのですが、私などは、もっともっと深める努力をしていかなければならないと感じるところです。
私は、同ギャラリーで12月に開催されるチャリティー展用の作品を納品してきました。
その詳細は、後日お知らせします。
現在開催中の月蛙展、ぜひご覧いただければと思います。

ギャラリールネッサンス・スクエアー
兵庫県姫路市三左衛門西の町205-2 株式会社パナホーム兵庫1F
2021年11月6日~11月21日(水曜休み)10:00~18:00

2021年11月12日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

詩 絵と書の世界 展を見てきました

兵庫県三木市にある森の風美術館で開催されている「詩 絵と書の世界」展を見てきました。
美術家の柏原清人さんと書の加藤美鈴さんのお二人による作品展です。
美術家の柏原清人さんとは、以前に所属していたアートグループでの展示会で、一緒に展示会をさせていただいたことがあります。
柏原さんの作品は、自然をモチーフにされた絵画作品や立体作品等が多く、やさしく、そして深く訴えかけてくる作品にとても好感が持てます。
私も、自然界の営みを意識した作品作りに興味を持っていることもあり、お互いに相通じるものを感じます。
今回は、書家の方の、やわらかい落ち着いた書との雰囲気がとても合っていて、とても癒される雰囲気のある展示会になっていました。
機会がございましたら、ぜひご覧いただければと思います。

会場 森の風美術館  兵庫県三木市福井字三木山2465-1 三木山森林公園内
期間 2021年8月9日(月)~8月17日(火) 9:00~17:00 最終日は15:00まで

2021年8月13日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

クラフトデザイン協会の解散

私が2007年より所属しておりました、日本クラフトデザイン協会(JCDA)は、2021年6月21日をもって解散いたしました。
1956年の創設以来65年にわたり、公益法人としてクラフトデザインの普及を図り産業の発展と人々の生活文化の向上に寄与することを目的に活動を続けておりましたが、会員の減少等のため法人運営の継続が困難となり、残念ながら解散することになりました。
木の器作りを職業としたい、プロになるにはどうしたらいいかと模索していた時に見に行った、日本クラフトデザイン協会が主催するクラフトの全国公募展「日本クラフト展」の作品に心奪われ、この公募展に入選するレベルになれば、プロになれるんじゃないかと思うようになり、入選を目指しました。
そして何度もこの公募展を見に行き、作品を作り、2001年に念願の初入選を果たすことができました。以後5回の入選の後、クラフトデザイン協会の会員に推挙していただく機会をいただき会員に入会しました。
私はまだそのころは、まったくの素人でしたが、会員のほとんどは有名なプロのクラフト作家の方ばかりで、美術大学の教授や専門学校の講師、世界的に活躍されておられる方も沢山おられ、木の器の世界のとても有名な方も在籍さていました。私は、会員になることにあこがれてはいましたが、圧倒的なレベルの差を感じ、かなり場違いなところに入ったものだと思いました。
それでも会員の方々は皆とても優しく、2012年に脱サラしてプロになった時には、なかなか仕事が無いだろうと言って、グループ展や展示会に誘っていただいたり、ワークショップの仕事をお世話いただいたりと、まったくの独学で素人上がりの私を親身に支援してくださいました。
65年の歴史ある公益社団法人日本クラフトデザイン協会が、私の時代を最後に活動に幕を下ろすことになったことは、とても残念なことですが、いろいろなジャンルの第一線で活躍されている、多くの作家の方と知り会うことができ、いろいろなアドバイスをいただき、展示会などをご一緒できたことは、現在の活動の財産となっています。

ギャラリーPaw 素・布 Vol.2展にて

兵庫県芦屋市にあります、ギャラリーPawで開催の、素・布 Vol.2展を見てきました。
素・布 Vol.2展は、布をテーマとして、様々な作家の方が自由な発想で作られたアート作品を持ち寄っての展示会です。
布をテーマとしていますが、作品は布に限らず、いろいろな素材で表現される布にまつわる作品、布をイメージした作品は、発想や解釈が多様で、思いもよらない表現があったりして、面白い展示会でした。
そして以前から、ギャラリーのオーナーさんから、こちらのギャラリーで展示会をしてみませんかとのお誘いをいただいていたこともあり、お話をさせていただきました。
ギャラリーPawさんは、アートギャラリーとして、多くのアーティストの方が、年間フルに活動されておられるアートギャラリーだけに、私たちのような作品で、ギャラリーの雰囲気に応えられる展示ができるかが難しいところです。
日頃は、ショップの企画展やクラフト系のギャラリーでの個展がほとんどなので、私たちの表現の幅を広げる機会としてとらえ、双方の思いを交換しながら、展示会の実施に向けて相談させていただきました。

雑誌「住む。78号 夏」より

先日販売された雑誌「住む。78号 夏」に私の工房の地元、兵庫県小野市の多鹿治夫鋏製作所さんが紹介されました。
記事は、「ひとり問屋・日野明子、作り手の家を訪ねる 鋏職人 多鹿大輔さん」として「鋏を作り 鋏を使う家」という記事で掲載されました。
大変質の高いラシャ鋏を製造されておられ、「TAjiKA」と言うブランド名でも人気の、新しい鋏を製造されておられます。
私は、工房をお訪ねしたこともお会いしたことも無いのですが、地元でも意外と知られていない地場産業を堅実に守り、非常にクオリティの高い鋏を作られている方と、スタイリッシュで洗練されたお住まいがあることを知ることができたことをとても嬉しく思います。
余談ですが、この記事の取材の折、編集長の伊藤さんが、取材が終わって時間があったら帰りに工房えらむに寄りますと連絡があって、今回は取材とは関係なく、まったくプライベートに工房に、日野さん、カメラマンさんとともに、東京に戻る忙しい中、工房に立ち寄ってくださいました。
私の工房は、材木と山積みの段ボール箱で、ごじゃごじゃ状態。2階の工房ギャラリーもほとんど、場末の古道具屋状態で、多鹿鋏製作所さんとのギャップに戸惑われたことと思います。
この時、日野さんがNHKワールドのテレビ番組で、日本の金継ぎを紹介する番組に関わっておられて、番組中で金継ぎをする草刈正雄さんが使用する金継ぎ用の道具入れを探しておられて、工房で販売していた古道具のブリキの缶を、これが使えそうだと購入したいただきました。
後日、日野さんからテレビ番組の案内をいただき、見せていただいたところ、ほんの少しですが、購入いただいた古いブリキ缶が映っており、少しはお役に立てたのかなと思いました。

2021年7月2日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

書籍「日本のクラフト もの くらし いのち」

先日、「日本のクラフト もの くらし いのち」と言う本を購入しました。
この本は、私が現在所属している、公益社団法人日本クラフトデザイン協会の創設30周年を記念して、出版された本です。
実際この本が出版されたのは、1986年です。
公益社団法人日本クラフトデザイン協会は、1956年に創設され、1976年に社団法人として許可を取得し、2013年に公益社団法人としての認定を受けました。クラフトデザインの普及を図り、産業の発展と人々の生活文化的向上に寄与することを目的に、半世紀近く日本のクラフトデザインの中心的役割を担い、活動を行っております。クラフト関連の組織として唯一法人化された全国組織で、スタジオクラフトマンや伝統的地場産業に関わる生産者を中心とした正会員、賛助個人会員、賛助法人会員、会友により構成されている組織なのです。
私が、当協会が主催している公募展「日本クラフト展」に5回の入選を果たして、会員に推挙いただいたのが、2007年なので、かなり古い本ではあるのですが、私がクラフトに携わる以前の、日本のクラフト運動の初期から黎明期にかけての、活動を記した貴重な本だと思います。
本には、克明に当時クラフト製作にかかわっておられた方々の作品や証言が、沢山記録されていて、現在著名な作家の方々がこの協会で活動されていたことが良く分かります。
この本を、なぜ今買ったかと言うと、65年の歴史を持つ日本クラフトデザイン協会が、役割を終え、今年で解散予定となり、在庫の書籍が、安く販売されたと言う理由です。
協会とのこれまでの関わりについては、また後日詳しくお話したいと思いますが、とても残念なことです。