栗本夏樹 漆造形展

伊丹市立工芸センターで開催されている「栗本夏樹 漆造形展  いのちの再生」を見てきました。
栗本夏樹さんは、漆の現代的な作品を製作する造形作家の方です。
会場には、大きな漆塗りのオブジェや、車のボンネットに螺鈿などの多様な漆装飾を施された作品が、伝統的な作品が多い漆塗りの世界で、強いインパクトを放っていました。
また、樹皮や段ボール紙に漆を施した作品など、一般的に漆塗りの対象とはされなかったものに、漆を施し変容する素材の美しさも、とても興味を覚えました。
私も、漆の美しさに魅せられて、刳り物の器に漆を施しているのですが、その技法は拭き漆の範囲を出ないので、多様な技法を駆使して漆の可能性を追求される作品には非常に魅力を感じます。
展覧会は、10月27日(日)までです。

img058

 

 

想造工房さんを訪問

昨日は、午後から「町屋に集うクラフト」の2度目の会場当番。午前中は、会場近くに工房がある、お世話になっている先輩木工家の想造工房さんを訪問して来ました。
想造工房さんは、木工家の奥田守保さんとイラストレーターの奥田千珠さんが主宰されている工房で、最近、京都府綾部市の築100年の古民家から兵庫県伊丹市内の3階建てのビルに引っ越されました。
新しい工房を訪問するのは初めてだったので、楽しみに伺いました。以前の山間の古民家も田舎暮らし大好きな私にとっては、あこがれの工房だったのですが、今度訪問した工房は、都会のビル空間で、おしゃれな工房に魅せられました。
ビルの屋上には、たくさんの果樹や野菜の鉢植えがあって、自然とスローにかかわりながら暮らしておられるのが印象的でした。
工房で木工談義に花を咲かせて、楽しいひと時を過ごさせていただきました。
工房は、「町屋に集うクラフト」の会場となっている町屋や伊丹市工芸センター、美術館から南へすぐのところで、ビルの2階は作品を展示販売されているギャラリースペースになっています。今のところギャラリースペースは、日曜日のみのオープンとのことです。

DSC05936DSC05942

 

 

町屋に集うクラフト 会場当番

今日は、「町屋に集うクラフト」の会場当番に行ってきました。
クラフトデザイン協会会員が順に会場の当番をして、お客様への応対をさせていただいています。
今日は私と数名で会場当番。日頃多くの作家の方の作品を見る機会としては、クラフトコンペの会場の場合が多く、各作家1種類の展示なのですが、今回は、いろんな作品のバリエーションを見ることができます。
会場当番を利用して作品をじっくり見させていただきました。よく見ると、見過ごしてしまうような作品へのこだわりや、製作の苦労のようなものが感じられて、いろいろ刺激を受けました。
「町屋に集うクラフト」は10月13日(日)までとなりますので、ご覧いただければと思います。

DSC05902DSC05911

 

 

アート・クラフトフェスティバルinたんば2013 終了しました

10月5日、6日に開催されたアート・クラフトフェスティバルinたんばが、無事終了しました。
いつごろからか、たんばクラフトフェアに雨はつきもの、とささやかれるようになり、昨年は2日目に台風接近のため、午前中でやむなく開催終了となったのですが、案の定、今年も 初日5日は、小雨模様の中でのスタートとなりました。
なんとか午後からは傘が無くても歩けるようになりましたが、雨対策は必要とあらかじめ覚悟していくと、特に気にはならないものです。
2日目の6日は、気温30度を超える10月とは思えない猛暑日となり、お客さんも木陰で休む姿が多く見られました。
私たちは、大勢のお客さん、作家の方たちと出会い、楽しい時間を過ごさせてもらいました。
年に一度、ここで出会うお客さんや作家さんと近況報告や情報交換。私たちのホームページを見られて来ていただいたお客さん。ワークショップで出会ったお客さん。新しい作家さんや、お会いしたかった作家さんと会うこともでき、有意義な2日間となりました。
最後は、会場の後片付けのお手伝いをし、真っ暗になった会場に、明日地元へ帰ると言う、作家さんのキャンプの灯りを見ながら家路につきました。
来ていただいてお客さん、運営をしていただいた実行委員、ボランティアのみなさん本当にありがとうございました。

DSC05881

 

 

明日からアート・クラフトフェスティバルinたんば2013

明日10月5日から6日まで、兵庫県丹波市でアート・クラフトフェスティバルinたんば2013が開催されます。
工房から車で1時間というロケーションでもあるので、最近は、前日の会場設営のお手伝いをさせてもらっています。
半年以上前から入念な準備をされている実行委員の方たちに比べると、ほんのお手伝いに過ぎないので申し訳ないのですが、テント張りや看板設置など、お祭りの準備みたいに楽しませてもらっています。
今回、私たちは、本部受付の左側辺りにブースを設けています。知人のイラストレーターの酒井ひさおさんとお隣同志で、なごやかに楽しみたいと思います。
少し天候が心配ですが、会場でお会いできることを楽しみにしています。

DSC05868DSC05865

 

 

和綿のコットンボール

9月上旬の暴風雨、先日の台風18号に、成長した和綿もかなりダメージを受けましたが、強風に倒されながらもなんとか順調に育っています。
早く花を咲かせた部分は、コットンボールをつけました。
そのコットンボールの実も次第にはじけ、綿が吹き出し始めました。
吹き出した綿が、ふわふわに膨らむと収穫となります。
国外産の綿は、花も完全に終わり、コットンボールだけになってしまいましたが、和綿は、まだこれから花を咲かせるつぼみもあり、ゆっくりとしたペースで綿の収穫が始まります。

DSC05745DSC05764
和綿のコットンボール

 

 

明日から町屋に集うクラフト

明日9月28日から10月13日まで、兵庫県伊丹市の江戸時代の町屋を会場に「町屋に集うクラフト」が開催されます。
今日は朝から、作品の搬入と会場設営を行ってきました。
会場設営は、全国から送られてきた作品を壊さないよう梱包を解き、作品リストと照合しながら展示していくのですが、なかなか神経を使う作業です。
旧岡田家住宅と旧石橋家住宅を会場に、全国の日本クラフトデザイン協会会員約50名の作品が展示販売されます。
とりわけ旧岡田家住宅は、江戸時代1674年に建てられ、現存する日本最古の酒蔵として、重要文化財に指定されています。とても歴史のある大きな建造物で、当時の酒蔵としての様子が偲ばれます。

会場周辺は、酒造会社が多いことから、作品テーマ部門として「酒器」の作品もたくさん集まりました。
お気に入りの酒器を見つけて、伊丹のおいしいお酒を楽しまれてはいかがでしょうか。

DSC05740DSC05736

 

 

合鹿椀への思いを彫る

先のブログで紹介した、合鹿椀のような力強いお椀を作ってみたいと言う思いは、器づくりをする中でいつも持ち続けています。
合鹿椀は、高台の高い大ぶりのお椀で、3〜4寸近い厚みのある材からできているようです。そのくらいの厚い板になるとなかなか手に入らないので、手に入ると、合鹿椀のようなお椀を無性に作ってみたくなります。
今回、4寸近い厚みの栗の乾燥材が手に入ったので、彫ってみることにしました。
とは言え、合鹿椀は、欅などの材を、大まかに手斧で木取りしたものを、人力によるろくろで成形して作られたようですので、私のようにろくろを使わず、手で刳りぬいて作るお椀とは、異なることになります。
合鹿椀への思いを少しでも表現できればと、いつも思います。

DSC04492

 

 

合鹿椀との出逢い

もうかなり以前のことですが、石川県の旧 鳳至郡柳田村に合鹿椀と呼ばれる、江戸時代以前から作られていた古椀があり、私はその写真を見て衝撃を受けました。
そのお椀には、素朴さの中に凛としたたたずまいがあり、それでいて何とも言えない力強さを感じました。
1986年ごろ、趣味の登山に明け暮れ、いつか山や自然の中で暮らしたいと思いをめぐらしながら、どこか移住者を受け入れてくれるような山村はないかと漠然と探していました。その時出会ったのが、石川県の柳田村の特別村民制度。村役場に入会の案内資料を取り寄せた中に、合鹿椀の小さな写真と紹介文がありました。その写真のお椀にこころ魅かれ、漆器の産地である輪島市に近いことから、木の器を作ってみたいと言う思いが重なって、1986年12月に柳田村特別村民となりました。
それから合鹿椀のことが気になり、いろいろ調べましたが、まだ当時はインターネットなどほとんど無い状況で、わずかに紹介された本を頼りに合鹿椀の世界を知るだけでしたが、その魅力に魅かれていきました。
恥かしながら、柳田村特別村民になりましたが、結局一度も柳田村を訪れることもなく、ましてや本物の合鹿椀を目にすることもなく、柳田村から送られてくる物産や村の広報を頼りに、村への思いをはせるだけに終わってしまいました。
しかし合鹿椀との出逢いが、自分で木の器を作るひとつのきっかけとなり、いつか合鹿椀のようなお椀を作ってみたいと強く思うようになりました。

DSC04499

合鹿椀3

 

木のスプーン製作ワークショップ

今日は、展示会中のまいまい堂での、木のスプーン製作のワークショップ。
木のスプーンを一度作ってみたかった、と参加いただいた4名の方と木のスプーン製作。
あらかじめ、いくつかのスプーンのかたちに切り抜いたクルミの木の中から、好みのものを選んでいただいて、作っていきます。
私のお勧めするスプーンは、少し持ち手の部分を太くして手に馴染むもの。そして少しメリハリのあるプロポーションに仕上げます。金属でこれを作ると重くなりすぎるので、木のスプーンがうってつけ。
と言う訳で、木を削り出す部分が少々多いので、皆さん久しぶりに手にした、彫刻刀と小刀に悪戦苦闘しながらも、各自の好みのプロポーションに出来上がりました。
仕上げは、サンドペーパーできれいに磨くことを想定して用意していましたが、皆さん、せっかく手で作ったのだからと、小刀で丁寧に仕上げたあとは、軽くサンドペーパーで表面を均すだけにされました。私もその方が好きなので嬉しくなります。
最後は、クルミオイルを塗って完成。まいまい堂さんの美味しいお茶とお菓子をいただいて、スプーンの出来栄えを楽しまれました。
参加いただいた皆さんありがとうございました。そしてお疲れ様でした。

DSC05588 (1)

DSC05604
まいまい堂での展示会は9月29日まで