今年も北海道からクルミの良材が届きました。
1年前に北海道の材木店に薄くて幅の広い板の注文をしていたものです。
クルミ材は個性の強い木で、とりわけ幅の広い薄い良材はなかなか流通していないので、希望のサイズをお願いして、時間をかけて用意してもらわないと、まとまった量の確保は難しい状況です。
届いた材は、人口乾燥済みの、しらたを除いた赤身の板のみで、節や染み、木口割れも非常に少ない状態のもので、ほとんど捨てるところのない良材です。
以前は、丸太を買って、希望のサイズに製材してもらい、人工乾燥機に入れて運送会社に運んでもらっていたこともありますが、結果的には、経費をトータルすると、それなりの費用になります。そして製材してみないと、良い材かどうか判らないというリスクが伴います。
今回のものは、値段的には、一般的には少し高いのだろうと思いますが、立米単価契約で送料無料なので、すべて使いきれる良材のみを選定した、非常に歩留まりの良い板は、考えようによっては割安かとも思います。
無欠点の板ばかりを使って、作品作りをしている訳ではないのですが、需要に合わせた供給体制も必要と考えて、いろいろな材木店さんとお付き合いさせていただいています。
今日は、軽トラックに材の一部を積み替えて、保管場所に運びました。
11月 2020のアーカイブ
工房ワークショップ
今日は、ご予約により3名の方に工房での木工ワークショップを楽しんでいただきました。
今回のお申込みは、先日、出展させていただいたギャラリーでの展示会にて、作品をご覧いただいたご縁で、この度のワークショップのお申込みをいただきましたことを、とても嬉しく思います。
3名の方ともにクルミの木の長方形のお皿作りをしていただきました。
みなさん彫刻刀を持つのは、小学校以来と、ほとんど初体験に近い状態でしたが、道具の扱いに馴れていただくと、それぞれクルミの木を彫る感触を楽しんでおられたように思います。
今日は、天候も良くガラス越しの晩秋の風景を楽しみながら、みんなでゆったりとカフェタイムを挟みつつ、楽しい時間を過ごさせていただきました。
出来上がったお皿に、それぞれ焼きペンを使ってサインや日付を記念に入れていただきました。
皆さんそれぞれの出来栄えに満足していただき、またやりたいとおっしゃっていただき、早速次回のご予約までいただけましたことを、とても嬉しく思います。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
また、次回お会いできることを楽しみにしたいと思います。
森口信一さんの器
写真の器は、森口信一さんの展示会を見に行った時に買った、森口さんが彫られた栗の木の器です。
森口さんは、石川県の大聖寺川の谷あいにあった我谷村の、ダムに沈んだその村で日々の暮らしの道具として作られていた我谷盆を研究され、復興の一人者として我谷盆を作り続けおられる方です。
展示されていた、野性味と美しさを兼ね備えた我谷盆は、本当にすばらしいものでした。
我谷盆と一緒に並べられていた、小さな栗の器、写真の器もとても心惹かれるものでした。栗の丸太をくさびで割ったと思われる表情と、その形状を生かしながら鑿を入れて、なすがままの自然な表情の姿の器にとても魅かれ購入しました。
この森口さんの器を見ていると、私の器作りは、木との対話と言いながらも、あざとく良く見せようと言う思いばかりが出ているように感じます。
会場にいらっしゃった森口さんに、私も木の器作りをしていることをお伝えすると、本当に丁寧に我谷盆のこと、具体的な技法のこと、漆の塗り方のことなど、何ら臆することなく、私に教えてくださいました。
この器を見るたびに、森口さんの木から感じるものを器にする心、人と接するこころに触れ、これからの私の木の器作りをどうすべきかに思いを巡らせています。
漆の塗り直しのご依頼
私の制作した漆塗りの器を沢山ご愛用頂いている方より、器の追加での制作のご依頼と、使用中の器の漆塗りのご依頼をいただきました。
送られてきた、お使いいただいている器は、どれも本当に日常的にお使いいただいている様子で、かなり使い込まれた表情がうかがえました。
本当にご愛用いただいていたようで、とても嬉しく思いました。
漆の器は、傷んできた場合、塗り直しをしてやることで、ほぼ新品同様に戻ります。
今回も、出来るだけ古い漆を研ぎ出して、下地を調整して、塗り直していきました。
写真は、すべて漆の塗る直し後のもので、塗り直し前の写真を撮るのを忘れておりましたので、比較はできませんが、なんとかほぼ新品に近い状態に戻すことが出来ました。
これも漆塗りの器の良さと言ったところでしょうか。
ヨットレース「ヴァンデグローブ2020」を応援
若いころ登山に熱中して、登山や冒険のいろいろな関連の本を沢山読んでいました。特に印象に残っているのが、登山とは対極にあるヨットレースの記録の本で、多田雄幸さんの「オケラ五世 優勝す」と言う1982年の世界一周単独ヨットレースの航海記。とても感動もので、読後は登山もさることながら、単純に海のあこがれを強く持ちました。
その多田雄幸さんに弟子入りした白石康次郎さんが、今年開催される、4年に1度のヨットの世界一周単独無寄港によるヨットレース 「ヴァンデグローブ2020」に挑戦されています。
「ヴァンデ・グローブ2020」は、11月8日にフランスの港レ・サーブル・ドロンヌ沖合をスタートして、総距離約45,000Kmを、無寄港単独で3カ月にも及ぶ世界一過酷な世界一周ヨットレースと言われています。
コロナ禍で、世界を自由に行き来することが、ままならない時代ですが、この時代にあって、風まかせに世界一周を目指すなんて、なんと痛快なスポーツイベントではないかと思います。
世界から33艇が挑んでいますが、白石康次郎さんは唯一の日本人レーサーであることと、乗船ヨットとはほんの少し縁があって、毎日公式サイトを見ながら応援しています。
入れ子角鉢を作る
栗の木で大、中、小の入れ子の角鉢を作りました。
各サイズは、大は16㎝角の4.5㎝厚、中13㎝角の3.5㎝厚、小10㎝角の2.5㎝厚の3サイズ。
入れ子鉢と言えば、丸いものが一般的で作りやすいのですが、せっかく手で彫って作るので、角鉢にしました。
やはり入れ子としての収納具合の良さを考えて、3個の器がフラットに収まるように作っています。
拭き漆塗りで仕上げていますので、多用途に使えます。
入れ子にすると、複数の器をつくらないと1作品にならないのが、いささか大変ですが、入れ子の器としての多様な用途と収納の良さが魅力的で、作りたくなる作品です。
お皿を作る工房ワークショップ
今日は、ご予約による工房での木工ワークショップを行いました。
2名の方のお申し込みをいただき、事前に作りたいものをお聞きして準備させていただきました。
お二人ともクルミの木の6角形のお皿作りを希望されました。
みなさん彫刻刀を持つのは、小学校以来と、ほとんど初体験に近い状態でしたが、道具の扱いに馴れていただくと、それぞれクルミの木を彫る感触を楽しんでおられたように思います。
いつまでも彫っていたいとおっしゃっていただくと、これもワークショップの楽しみ方かと思います。
今日は、天候も良くガラス越しの日差しが暖かく、みんなでゆったりと、カフェタイムを挟みながら、楽しい時間を過ごさせていただきました。
少し余裕をもって彫り上がりましたので、焼きペンを使って名前や日付を記念に入れていただきました。
皆さん出来栄えに満足したいただき、またやりたいとおっしゃっていただけたことを、とても嬉しく思います。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
ベトナムの寝台夜行バス
コロナ禍で、自由に海外を行き来できない日々が続いていますが、こう言う状況になると無性に海外に行ってみたくなります。
ちょうど5年前の11月、ベトナムの手仕事を訪ねることをメインに海外旅行に行ったことが思い出されます。
旅の詳細は、当時のブログに投稿しましたが、ちょっと思い出深かったのが、ハノイから山岳地帯の村に行くのに始めて乗った、ベトナムの寝台夜行バス。
一般的な観光バスの中がすべて二段ベッド構造で、座席は、ほぼフラットに近い傾斜のシートが並んでいて、前の人のシートの下に足を潜り込ませるような状態で、寝るようになっています。柔らかいシートで毛布のようなものもついていて、足を延ばして楽な姿勢で寝ることができます。シートベルトのようなものは無かったように思いますが、トイレはついていました。
二段ベッド寝台バスは満席で、初めて経験する雰囲気に圧倒されましたが、私は、上段に乗車しましたが、とても寝心地が良く、爆睡状態で目的地に着きました。
乗車後に、隣で寝ていた若いイタリア人夫婦に、私たちは、揺れて眠れなかったけど、あなたは爆睡状態だったな!と言われて、乗り心地が悪いと不評だったようですが、私は前日に、予約していた安宿がオーバーブッキングで寝るところが無く、物置のようなところにマットを敷いて寝たので、睡眠不足だったことが幸いしたのかもしれません。
それを差し引いても、この日本にはない寝台バスは、私には快適そのもでした。
いつか日本でも、こんな寝台バスが走るようになればいいのになと思うのですが、日本の交通法規上では、無理でしょうか。
それにしても、早く世界を行き来できる日が来ることを願ってやみません。