ちょうど5年前の今頃、雑誌 住む66号に工房えらむの建物を紹介した記事を、掲載していただきました。
工房の建物は、ローコストを追求してお願いした建築家の方が、家屋の解体会社から廃材を貰い受け、集まった廃材を基に設計を行うと言うやり方で、大工さんに依頼せず、建築家の方と私が3年半かけてことこつと手作りしたものです。
そんな建物が面白いと9ページに渡り掲載いただいたのですが、写真家の方が撮られた沢山の写真とともに、建築家の方との対談文、編集長さんの依頼で私の書いた「工房えらむの四季」と言う文章と、私の撮った工房周辺の写真も掲載いただきました。また思いがけず、工房えらむの建物内部の写真が雑誌の表紙を飾ることにもなりました。
掲載から5年が経ちましたが、いろいろな方に工房を見ていただき関心を寄せていただきました。
とある老舗のフレンチレストランのシェフが、工房の建物に興味をもっていただき、とても気に入った土地を手に入れたので、ここに工房えらむの建物をコンセプトにしたようなレストランを新規オープンしたいと、たびたび工房を訪ねていただきました。
どのようなレストランが出来上がるのか、とても楽しみにしています。
6月 2023のアーカイブ
オニグルミの実
工房の敷地に植えたオニグルミの実が大きくなりました。
このオニグルミは、親しい木工家のK君が、岐阜の高山で木工修行していた頃に、鉢植えで育てていたものが大きくなって、私の工房に移植されたもの。
今は、高さは6メートルほどに成長して、毎年たくさん実を実を付けるようになりました。
初めて付けたオニグルミの実は、和歌山県で独立した木工家のK君のもとへ送りました。その実もK君の工房の敷地で大きな木に成長しているそうな。
こんなささやかな循環がとても楽しい。
最近、器やトレイの製作のための素材としてオニグルミの木をよく使っています。
工房の敷地のオニグルミの木を材料として生かすまでには至りませんが、素材として使用する木の成長過程を、日々見届けながら製作することは、木を単なる素材として扱うだけでなく、命ある素材を大切に生かすことへの思いを感じます。
うつわと道具と喫茶室ころはOpen
以前、神戸市垂水区にあって、器の販売や展示会をさせていただいた、「うつわと道具と喫茶室ころは」が、兵庫県三木市に移転して、本日プレオープンしましたので、行ってきました。
オーナー夫妻には、神戸市からのお店の移転に際して、候補地探しの相談を受けていて、ほんのちょっぴりですが、物件探しのお手伝いさせていただいたこともあって、この度の新しいお店のオープンには、思い入れもあり、楽しみにしていました。
お店は、私の工房からは車で15分足らずで行ける、三木市の郊外の田園地帯にあり、江戸時代に建てられたと思われる、大きな古民家を改装されています。
のどかな田園地帯のロケーションを背景に、ゆったりとした広い店内で、作家ものの器や雑貨選びが楽しめます。
カフェのスペースもあり、コーヒーなどを飲みながらくつろぐこともできます。プレオープン中は、カフェ利用のみですが、グランドオープンされた際は、神戸のお店では評判の、スパイスカレーなどの食事などもできる予定です。
とても寛げるところなので、機会がありましたらお立ち寄りください。
うつわと道具と喫茶室ころは
兵庫県三木市口吉川町大島55
夏めくクラフト展終了のご報告
岡山市のお店 海と月とさんへ納品
昨日、岡山県岡山市南区にある、「海と月と 暮らしの道具 吉野本店」さんへ納品に行ってきました。
お店の開店される前から、お声がけいただいていたのですが、まだお店に伺ったことがなかったので、納品を兼ねて初めてお店を訪ねてきました。
岡山市南の郊外の高台に建つ、築180年の古民家を改装されたお店です。
古民家の良さを生かしながら、オーナーさんのセレクトした器が、店内にゆったりと配置されて、とても落ち着いた、上品な空間でした。
自然に囲まれた建物と、見晴らしの良いロケーションが、器や雑貨選びをさらに楽しい時間に演出してくれるようなところです。
四季折々、また違った趣を楽しめるところだと思います。
海と月と 暮らしの道具 吉野本店
岡山県岡山市南区川張995
播州清水寺の住職さんの思い出
先日、西国第二十五番霊場 播州清水寺の住職さんが、永眠されたことを知りました。
住職さんご夫妻は、私の木の器等の作品を気に入っていただいて、何度か工房を訪ねてくださいました。
私の拙いお椀を、住職さんの朝がゆを食べるのにちょうどいいと仰って、お使いいただりもしていました。
時折、お寺へ納品に伺うと、気さくにお声がけいただいて、いろいろな話をしてくださるのが楽しみでした。
標高約500メールの山上にあるお寺ですが、住職さんの子供のころは、現在のお寺への車道がまだ無くて、生活が大変だったことなど、とても気さくに話してくださり、昔のお寺の様子など、興味が尽きませんでした。
また別の日に、納品にお寺を伺った時には、先代の住職さんが、地中から偶然発見したという仏像があって、その仏像を明日から一般公開するのだけど、今ちょうど準備ができたところだから、よかったら見て帰りなさいと、その仏像を案内してくださったりして、特に信仰心のある訳でもない、ただ単なる木の器の作り手に過ぎない私を、ていねいに対応してくださる、本当に気さくで心優しいお人柄の方でした。
享年85歳で、もっとお会いしていろいろな話をお聞きしたかったのですが、本当に残念です。
住職さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
グミと片口
工房の敷地に自生しているグミの実もほぼ終わりとなり、熟するほどに野鳥に食べられていきます。
わずかに残ったグミの実を、栃の木を彫って拭き漆塗りで仕上げた、浅い片口に入れてみました。
片口は、気ままにフリーハンドで描いたラインに沿って彫り上げたものです。
堅苦しくなく、自由な雰囲気が気に入っています。
浅い片口なので、ちょっとした小鉢として使っても楽しいと思います。
明日から夏めくクラフト展
夏めくクラフト展 ふく蔵にて
兵庫県加西市の酒造会社 株式会社富久錦さんのギャラリー「ふく蔵」で2023年6月6日~18日「夏めくクラフト展」を開催させていただきます。
陶芸家(渓水窯)の芥川清さんと芥川けいこさん、レザークラフト作家のWillyさん、草木染作家の大久保佳子さん、と木の器(工房えらむ)の田中陽三の5人によるクループ展です。
私は、お酒を楽しむぐい吞みや、美味しく食事や肴を楽しむ食器、お盆などを出品します。
加西市の郊外にあるふく蔵は、美しい屋敷に囲まれたとても落ち着いた、雰囲気のある所です。
株式会社富久錦のお酒のラベルやロゴマークなどのCI.ブランディングは、世界的に有名なグラフィックデザイナー・アートディレクターの北川一成さんによるもので、なかなかおしゃれな雰囲気もあります。
ふく蔵は、造り酒屋ですので、もちろん美味しいお酒もその場で購入でき、季節の食事もできます。
いろいろなジャンルのクラフトが展示販売されますので、お気軽にお立ち寄りください。
日時 2023年6月6日(火)~18日(日) 10:00~18:00 (最終日は16時まで)
会場 ふく蔵 兵庫県加西市三口町1048 (駐車場有)
TEL 0798-48-2005 ホームページ