ちょうど5年前の今頃、雑誌 住む66号に工房えらむの建物を紹介した記事を、掲載していただきました。
工房の建物は、ローコストを追求してお願いした建築家の方が、家屋の解体会社から廃材を貰い受け、集まった廃材を基に設計を行うと言うやり方で、大工さんに依頼せず、建築家の方と私が3年半かけてことこつと手作りしたものです。
そんな建物が面白いと9ページに渡り掲載いただいたのですが、写真家の方が撮られた沢山の写真とともに、建築家の方との対談文、編集長さんの依頼で私の書いた「工房えらむの四季」と言う文章と、私の撮った工房周辺の写真も掲載いただきました。また思いがけず、工房えらむの建物内部の写真が雑誌の表紙を飾ることにもなりました。
掲載から5年が経ちましたが、いろいろな方に工房を見ていただき関心を寄せていただきました。
とある老舗のフレンチレストランのシェフが、工房の建物に興味をもっていただき、とても気に入った土地を手に入れたので、ここに工房えらむの建物をコンセプトにしたようなレストランを新規オープンしたいと、たびたび工房を訪ねていただきました。
どのようなレストランが出来上がるのか、とても楽しみにしています。
カテゴリーアーカイブ: 工房のこと
2023年 工房のさくら咲く
2023年、今日3月23日に工房の入口付近に植えた、吉野桜の花のが咲きました。
工房のある所は、兵庫県中南部付近で、全国の桜の開花時期と比べると、少々遅めのエリアではあるのですが、昨日が、とても暖かい日だったためか、一気に咲き始めたようです。
昨年の開花は3月28日、一昨年は3月22日と、工房のある所は、兵庫県小野市の市街地より少し小高いところにあることもあって、平均的には桜の開花は4月に入ってからが多かったのですが、ここ数年は温暖化のせいか、かなり開花が早まっています。
サラリーマン時代は、ほとんど気にすることなく過ごしていた、細かな自然の移り変わりですが、今ではささやかな季節の移ろいが、なんとも面白く、楽しみながら毎日仕事ができることもいいものだと感じます。
2022年 新年明けましておめでとうございます
2022年 新年明けましておめでとうございます。
今年で、工房えらむも工房を立ち上げて10年目を迎えました。
なんとか続けてこられたのは、多くの方のおかげと感謝しています。
まだまだコロナ禍の脅威は続いていますが、私たちの作るものや工房活動を通じて、少しでも暮らしに潤いを感じていただければと思います。
今年も小さな林の工房で、自然と寄り添いながら、気負わずじっくりと作品作りに取り組んでいきたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
工房えらむ外壁工事中
先日から、工房えらむの建物の外壁工事をしています。
廃材を使って、建築家の方と一緒に建てた建物ですが、外壁は、コストダウンを図るため、漆喰、土、セメントを混ぜ合わせたものを、自分でブレンドして塗っています。
しかし建設から13年が経過し、経年の劣化で、雨水がしみ込むようになり、風雨の強い時には、壁から水が大量に浸水するようになり、最近の強い台風などには、とても耐えられそうにない状況となりました。
このままでは無理と判断し、工房建設に携わっていただいた建築家の方と相談して、外壁に焼杉板を張ることにしました。焼杉は、耐久性を増すために、杉板の表面を焼き焦がし炭素層を人為的に形成したもので、焼板とも言われます。
西日本を中心に使用される伝統技法で、焼き焦がした炭素層は、丈夫で耐久性があり、ほとんどメンテナンスが不要で、化学素材を一切使用しない、完全な自然素材だけの非常にエコな外壁材です。
この度使用したのは、15ミリ厚の杉板を伝統的に素焼きした、一番丈夫で、真っ黒なものです。
焼杉は、私には張ることができず、大工さんにお願いしましたが、最近では、炭の層で服が汚れるとか、洗濯物が干しにくいとかで、焼杉を外壁に使う家は、非常に少なくなったそうで、大工さんも全身真っ黒になりながら作業していただいています。
見慣れた土壁の工房も、焼杉板の黒い外壁で、なかなかきりっとした雰囲気に変わりつつあります。
るるぶ兵庫 最新版に掲載いただきました
旅行会社JTBさんが発行されている、旅行ガイド冊子「るるぶ兵庫 最新版」に少しですが、工房えらむを掲載していただきました。
出版社さんのご意向で、冊子の「播州の手仕事を訪ねる」と言うページで、紹介いただきました。
内容は、西脇市の播州織、小野市の木工品、龍野市のレザー、播州エリアにあるそれぞれの工房&ショップを訪ねると言うもの。
最初に、西脇市の播州織の服飾工房「Tamaki niime Shop&Lab」を訪ね、そこから車で約30分の工房えらむへ、そして龍野市にある龍野レザーなどのショップ「カワラヤ」を訪ねるコースとして紹介されています。
西脇市の播州織の服飾工房「Tamaki niime Shop&Lab」は、デザイナー玉木新雌さんが運営されている、全国的に有名なブランド工房で、大変設備の整ったとても大きな工房なのですが、その次に訪ねるのが当工房と言うコースで、いささかその規模の差に驚かれるかもしれません。
旅行冊子に紹介いただきましたが、私の工房は、常時見学できる観光スポットのようなところではありませんので、あくまで工房を公開Openしているのは、第3土曜、日曜、月曜の3日間のみです。また、Open日は、不定期にお休みいただくことがありますので、必ず当ホームページ又は電話でご確認ください。
2020年明けましておめでとうございます。
2020年 新年明けましておめでとうございます。
昨年は大変多くの方にお世話になり、ありがとうございました。
工房のある兵庫県小野市は、穏やか天候のもと新年を迎えました。
今年も自然と歩調を合わせながら、気負わずじっくりと作品作りに取り組んでいきたいと思います。
そしていろいろな角度から工房えらむの作品を提案させていただき、多くの方とともに活動を楽しんでいきたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2019年の大晦日
工房えらむの2019年の大晦日を迎えました。
木の器制作に関しては、あれこれいっぱいやりたいことがありましたが、相変わらず制作スピードの遅さ、技術の無さ故、オーダーをいただくと納期などに追われる一年でした。
今年は、思いがけず、旅館で使用される食器の一部を作らせていただく、ご注文をいただき、打合せからサンプル制作、納品までほぼ半年近い仕事となりました。
その間、個別にお客様から、早い時期にオーダー品のご注文をいただいていたにもかかわらず、お届けが年越しになってしまい、申し訳なく思っております。
来年は、できる限り自身の持ち味を引き出した作品や新作を、見ていただけるようにもしていきたいと思います。
毎年恒例の、新年への思いを込めて、工房に自分で作ったしめ縄を飾りました。
藁は実家の田んぼから、ウラジロや松やナンテン、竹など、すべて近くの雑木林などからの頂きもの。
私たちは、木や綿や絹など自然からの頂き物で仕事をさせていただいていることに感謝して、その思いをしめ縄に込めて、新年を迎えたいと思います。
この一年本当に沢山の方のお世話になりました。
みなさんに感謝申し上げます。
バンドソーのベアリング交換
バンドソーで器の木取りをしているところへ、時々訪ねて来られる鍛冶師の師匠が、ちょうど来られて、そのバンドソー変な音がしとるし、刃がぶれとるなと言われる。
それは治さんと、まともな仕事が出来んなと。確かに台湾製のバンドソーで、買った時からいろいろ難ありだったものを、調整しながら、使っていたのですが、師匠からは、これではだめだと。ちょっとばらしてみよと言われる。
分解していくと主軸のベアリングが、傷んでがたついている様子。
ベアリングを交換するから買ってこいと言われるが、ベアリングなど買ったことも無く、どこに売っているのかすら判らないので、今日中にやってしまいたい仕事もあるので、今度でいいと言っても、いや治さなあかんと。
師匠は、ちょっと待っとれと言って、主軸から抜けないままの傷んだベアリングを持って、車で出かけられる。
1時間ほどして、新品のベアリングと交換に必要な工具を持って、工房に戻って来られる。
師匠から、ベアリングの交換の仕方を教わりながら、ばらしたバンドソーを組み直すと、バンドソーは、非常に静かに回り始め、刃はぶれることなく、とてもスムーズに切れる状態になりました。
ほんまに世話の焼ける奴やと、師匠に言われながら、自らの技量の無さを感じつつ、ひたすら感謝の思いの1日でした。
雑誌「住む。」の掲載から1年
雑誌「住む。」2018年夏 66号に工房えらむの建物をテーマとした記事を掲載していただいてちょうど1年になります。
工房の建物の2階部分を、私たちの常設ギャラリーにして、月1回の定期Openを始めたことを、雑誌「住む。」のページの最後の方にある読者のページに掲載してほしくて、手紙を書いたのがきっかけでした。
ただ、一般的な掲載の依頼だけでは多分取り上げていただけないだろうと思い、建物を廃材で、建築家の方と一緒に手作りしたことも書いて、写真を添えて出版社へ送りました。
その後、読者のページに掲載されることもなく3年が過ぎた昨年春に、編集長さんから建物の取材依頼のメールをいただきました。その後編集長さんとお話をすると、雑誌のポリシーとして、建物が完成してから、しっかり人や暮らしに馴染んだところで取材することにしているので、興味のある投稿はしばらく寝かせておいたんですよとのことでした。なるほどその通りだと感心しました。
掲載雑誌の発売からちょうど1年が経ちました。沢山の方から雑誌読みましたよとか、思いがけない方から雑誌買いましたと、お声がけいただきました。
建物のある地区の方から、雑誌を買ったので、隣保間の回覧板と一緒に回覧しといたよと仰っていただいて、地域の方にも楽しんでいただけたのかなと嬉しく思いました。
同じ号の雑誌に掲載された工務店の方と相互に訪問し合ったり、それがご縁で知り合うことができた方があったりと、雑誌のご縁で多くの方と知り合うことができました。
SNSを通じて建物や工房活動に興味を持ちましたとお声がけいただいた方もあり、また沢山の励ましの言葉をいただきましたことを、本当に嬉しく思います。
2018年の大晦日
2018年12月31日、工房は穏やかな天候のもとで大晦日を迎えました。
今年も沢山の方のお世話になり、いろいろ思い出深い仕事や体験をさせていただきました。
年頭では、東京ドームでのテーブルウェアフェスティバルに招待出品の機会をいただき、コラボしたテーブルコーディネーターの方の依頼で、工房えらむの木の器と織物作品を使った、テーブルセッティング作品を展示いただきました。
雑誌「住む。」より工房建物の取材の依頼をいただくことになり、乱雑にしていた工房を必死で掃除することに、おかげで工房はリフレッシュできました。本誌では、取材記事とともに拙い自作の文章と写真も掲載いただき、思いがけず雑誌の表紙も飾ることになりました。
また、芦屋市で開業される日本茶の専門カフェで使用されるカトラリーや器の一部を制作させていただきました。
一方で、相変わらず制作スピードの遅さ、段取りの悪さ故、思うように自分らしさを追求する作品作りが、なかなかできなかった一年でした。
この一年本当に沢山の方のお世話になりました。
みなさんに感謝申し上げます。