工房 えらむ

木の器と手織の工房

01月

廃材のコラージュ

木の器を作っていると沢山の廃材がでます。
木と言う素材は、当然のように自然なものなので、割れや節があったり、腐っていたり、虫が食っていたりするところがあります。せっかくなので、できるだけそんな部分も生かして器にすることもしていますが、大方、器に向かない部分は除いて使います。
しかし、この除いた部分になかなか味のある表情があって、捨てられない。
そんなことから始めたのが、廃材のコラージュ。
面白そうな廃材と、小さくて使い道の無くなった木を組み合わせて、絵のようなものを時々作っています。
アクリル絵の具で少し色を付けたりして、また違った木の表情を表現できればと、楽しんでやっています。

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新子 薫さんの杓子

もう20年ほど前になりますが、木の器作りに興味を持ち始めたころ、百貨店の手作り品の実演販売で、新子薫さんの栗の木で作った杓子に出会いました。栗の木を独特の刃物で勢い良く削り、ざっくりと削られた跡が美しく、それでいて機能的な杓子にひきつけられました。
この杓子は何も塗装はしない素のままで、栗の木は水に強く丈夫なため、使い続けると、黒く渋い色あいに変わり、木の道具の良さを味わうことができます。
新子薫さんは、奈良県吉野地方で作られていた、茶粥などをすくう杓子を作る木地師をされておられた方ですが、戦後、プラスチックや金属の杓子の出現に需要が激減したため、木地師の方はほとんどおられなくなる中で、おひとり続けてこられた方でした。
杓子以外にも、皿や鉢などどれも、栗の木の刳り物で、よく切れる刃物で、澱みなく入れられた刃物の跡が美しく、とても魅了的です。
ある日、新子さんの作品を販売されている奈良県内お店で、新子さんの作品はほんとにいいものですねとお店の方と意気投合していると、売り物じゃないけどと言って、店の奥から、新子薫さんが彫られた、神楽で使うような栗の木のお面を見せてくださった。これがまたすごく良くて感激しました。

写真の上の杓子は、私たちが長年使っているものですが、傷みも無く、独特の色合いになっています。
写真の下の大きな杓子は、時代や作者は定かではありませんが、古道具屋で買ったものです。同じ吉野の木地師の方が作られたものだと思います。使い込まれて渋い味わいになっています。
現在はお孫さんがその伝統を受け継がれておられるようです。

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工房のメジロ

冬の到来とともに、工房の雑木の葉はほとんど落ち、いろいろな野鳥の姿がよく見えるようになりました。
どのくらいの種類の野鳥がやって来ているのか、詳しくないのでわかりませんが、工房のいたる所からいろいろな鳥の鳴き声が聞こえてきます。
工房周りを縄張りにして、窓ガラスに写る自分の姿に、体当たりしていたジョウビタキも、どこかへ行ってしまいました。
冬になると、木の枝にみかんを置いておくと、メジロがやって来ると聞いたことがあったので、仕事場の目の前の山桜の木に切ったみかんを付けておいたところ、しばらくしてメジロがやって来るようになりました。
作業をしている、3メートルほど先ですが、メジロはあまり警戒する様子もなく、みかんを啄んでいます。すぐ目の前で野鳥の姿をじっくり眺められるのは、そんなにないことで、ほのぼのとして、とても癒されるものです。
メジロがいなくなると、やって来るのがヒヨドリ。
ヒヨドリは、メジロの3倍はありそうな大きな体にまかせて、みかんを皮ごと引きちぎるように食べていきます。しかし、人の気配を感じると大慌てで逃げていく様は、メジロとまったく対照的で、どうしてこうも性格が違うのだろうと思う。

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工房の雪景色

この冬、工房が初めての雪景色となりました。
昨夜からの雪が、予報通り、近畿の南部にも広がったようです。
小野市は、兵庫県の山間部にあると思っている人が多いせいか、「冬になると雪が大変でしょう」とよく言われる。
実際に雪が積もるのは、せいぜい年に2、3度。それも1日で消えてしまうことがほとんど。
それでも、小野市街地と比べると工房のあるところでは、積雪量はあきらかに多くなり、少しは山間部と言うことになるのでしょうか。
今日の積雪は、わずか5センチ足らずですが、久しぶりの雪景色は、工房を別世界に変えてくれます。
この雪景景色も、午前中で終わってしまいました。

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朽ちたブナの木の器

もう10年ほど前なりますが、ブナの木を使った家具やクラフトのコンペがあり、応募しました。
その時、私は朽ちたブナの木で器を作りました。
器は、いわゆるテッポウ虫と呼ばれる、虫が穴を開け、そして一部は朽ち、ひび割れたブナの木をなんとか器にし、腐りかけた部分を漆で固めて作ったものでした。もちろん穴が開いていますので実用的とは言えません。
最近ではあまり話題にならなくなりましたが、当時は、ブナの森の保全が叫ばれ、保水力の高いブナの森を守る運動が高まっていたころだったように思います。たまたま、手元にあった朽ちかけたブナの木を見ていると、水と関係の深いブナの木は。どの木よりも倒れると、朽ちて土に帰っていくのが早いのではないかと思い、危ういブナの木の姿をそのままを器にして、応募することにしました。
コンペではもちろん入賞することはなく、ひとりよがりの作品で、主催者の方はきっと困惑されたのではないかと思います。
昨年の工房での展示会の時に、久しぶりに朽ちたブナの木の器を展示しました。多くの方が興味を示して手に取って見てくださり、「この器は、穴が開いているから使えないね」と言う方は、なぜかほとんどおられませんでした。

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蓮弁の皿を彫る

蓮弁の皿を彫っています。
蓮の花は、仏教の象徴的な花として大切にされ、 蓮弁は、仏像の台座や光背、装飾に用いられています。
器とは言え、蓮弁を彫るのは、少し厳かな行為として、他の器を彫っている時と気持ちが違うような気がします。
私なりの表現として、栗の板を丸鑿でざっくりと彫って、普段使いの器として、漆で仕上げようと思っています。
この皿が、こころ穏やかに、癒しのひと時の一助になればと思います。

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第53回日本クラフト展開催

本日、1月8日より16日まで第53回日本クラフト展が開催されます。
今年は、会場が東京都港区赤坂の東京ミッドタウン・デザインハブに移り、東京ミッドタウン・デザインハブ特別展「原点と可能性」というタイトルで、入場無料により一般公開されます。
作品は、公募作品1342点より入選作品402点と会員作品419点が展示されます。うち14点が受賞作品として選ばれました。
私は、日本クラフトデザイン協会会員として出展いたします。
今年は、日本クラフト展の会期終了後は、日本のクラフトデザインをフランスで紹介することを目的に、パリの日本文化会館にてパリ・デザインウィーク期間に合わせて、作品の一部が展示されることになっています。
今回、招待審査員ロレーヌ・ドシェ賞を受賞された作品は、ルーブル美術館地下アートショップ「ARUTEUM」にて招待展示されると言う、素敵な副賞がついています。
私は、今回は見に行く機会がないのですが、ぜひご覧いただければと思います。

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菓子木型

木を扱う仕事をしていると、古い木製の道具にはとても興味を覚えます。
使い込んだ木製品などを見ると、つい買ってしまいます。
そんなことで、いつの間にか集まってきたのが、菓子木型。とりわけコレクションをしている訳ではないのですが、その図柄の面白さと、巧みな木工細工にはとても魅力を感じます。
菓子木型は、落雁などの干菓子や練り物などの生菓子を作る際に用いられる、和菓子づくりのための型です。
お正月でもあるので、持っている菓子木型から、おめでたい図柄のものを紹介します。どちらもかなり以前に使われた古いものです。
写真の上のものは、「鯛」の型で、おめでたい場で用いられるお菓子の定番と言えるものです。
写真の下のものは、「福良雀(ふくらすずめ)」と呼ばれる図柄で、雀が丸々と太っている姿から「膨ら雀」を「福良雀」として、その年の豊作を意味し、五穀豊穣のおめでたいものとされています。
この菓子木型にデザインされた福良雀は、単純化されたデザインが愛らしいお気に入りです。
菓子木型は、桜などの材を左右、凸凹を逆に彫る高度な木工技術が必要で、今では、作る職人さんは、非常に少なくなっているとのことです。

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明けましておめでとうございます

新年明けましておめでとうございます。
2014年の幕開けです。工房えらむも3年目を迎えます。
少しずつ活動の幅を広げながら、多くの方に喜んでいただける作品づくりを目指して、活動していきたいと思います。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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