撥水セラミックによる塗装

最近、漆塗り以外の木の器の塗装でよく使うようになったのが、撥水セラミックによる塗装。
撥水セラミックは、セラミック成分をアルコールで溶解しているもので、木に深く浸透し、固まることで、木の対候性、腐食を防ぎ、水や熱に強く、匂い移りや染み、カビなどに強い塗料です。
食品衛生上の問題もなく、食器に使え、実際に有名うどんチェーン店の釜揚げうどん用の桶などの塗装にも使われています。
飲食店などの業務用の食器の制作を依頼されて、木の素材そのままの透明の塗装での仕上げを希望されて、何にするか悩んでいた時に、たまたま、ミシュランの3星レストラン用の木の食器を納品している知り合いに、これがいいと教えてもらった塗料が撥水セラミックでした。
親切にも、撥水セラミックを小分けして試させてもらい、また塗料の開発者の徳永家具工房の徳永さんも紹介していただき、直接塗料についてのアドバイスもいただきました。
実際に使用してみて、塗膜を作らないため、木の自然な風合いを保っていながら丈夫に木を保護してくれること。食器として匂い移りや、色の移りがほとんどないことがなんと言っても安心感があります。アルコールベースの塗料であるためシンナー臭が無いため、塗装が苦にならず、だれでも簡単に塗れることも嬉しいことです。
撥水セラミックの強度が強いと言っても、木の器を長期に渡って使い続けると、やはり表面が磨滅してきますが、再塗装することで強度が増していくようになります。ただ器のユーザーの方にもメンテナンス用の撥水セラミックを常備していただくことが、ベストと言えるようです。
これからの次世代の塗料としてお勧めしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

大きな木の鉢を彫る

久しぶりに鉢ものを彫りました。
厚い栗の木で、直径18センチ、高さ8.5センチの大ぶりな鉢。
用途としては、麺類や丼ものの料理用にお使いいただいているものです。
陶器では、一般的なサイズですが、木のものは比較的少ないように思います。
陶器の麺鉢では、しっかりしたものになると、少々重く感じるのですが、木で作ると、重量は半分ぐらいになると思います。
木で作ることの利点は、やはりこの軽さにあると思います。
最近は、年齢的に重い陶器の器は、持つのが大変になってきたので、少しづつ食器を木のものに変えて行きたいと言われて、木の器を購入いただく機会も増えたように思います。
また、木の器は、熱さが伝わりにくいことで、持ちやすいなどのメリットがあると思います。
麺鉢用などの3寸(約9センチ)近い厚板の乾燥材の入手は、なかなか難しいこともあるのですが、私にとっては、刳りものの楽しみは、大きな鉢をダイナミックに彫ることにあるような気がします。
この鉢は、しっかり漆を塗って仕上げます。

栗の木の鉢

 

 

 

 

 

 

2020年夏を待つ野菜

工房のご近所の方に畑をお借りして、野菜作りを楽しんでいます。
自然と寄り添って暮らすと言う、私たちのライフスタイルにとって、畑での野菜作りは、今や大切なライフワークとなっています。
野菜作りは、ほとんど素人ですが、野菜によっては、ビギナーズラックで豊作の時もあれば、ほぼ全滅の時もあり、それも自然から教えられる関わり合いの面白さと感じています。
ある年、キュウリがものすごく豊作で、ピーク時には、1日に40本も収穫できる日が続き、これはさすがに食べきれないと、キュウリを入れた籠を持って、知り合いの個展会場へ出向き、手当り次第に差し上げたりしたこともあり、収穫を分かち合うのもまた、楽しいことかなと思います。
現在の畑は、冬に植えたエンドウは、暖冬だったせいか今年は豊作、玉ねぎは、残念ながらちょっと小ぶり。じゃがいもは間もなく収穫。アスパラガス、ミョウガ、しそなど。
そして今年植えた夏野菜は、キュウリ、トマト、ズッキーニ、ウリ、なす、ピーマン、サヤインゲン、黒豆、カボチャ、里芋、さつまいも、かんぴょう等、夏野菜の本番を待つばかりです。
色々植えましたが、果して上手く収穫できるのはどれでしょうか。

木の豆皿を彫る

栗の木で定番の豆皿を彫りました。
今回は、木瓜、亀甲、桃の3種類。
豆皿を作り始めたころは、10種類ぐらいあったのですが、人気の高いもの、需要の多いものなどから、ほぼ6種類に絞られ現在に至っています。
最近では、栗の木のほかにクルミの木のものもあり、オイル仕上げ以外に、朱と黒の漆塗りと拭き漆塗りのものがラインナップに加わりました。
豆皿は、色々な方に使っていただき、時折Instagramなどで、豆皿を使っていただいた食事の様子などの投稿を見かけると、とても嬉しく思います。
最近では、販売には至っていませんが、海外からの問い合わせもいただくようになり、海外でも興味を持っていただけるようになったことも嬉しく思います。
そろそろ、新しいデザインの豆皿を提案していきたいと思います。

木の豆皿

工房入口のモチツツジの花

工房の入口のすぐそばに自生している、モチツツジの花が満開です。
モチツツジは、植えたものではなくて、工房の土地に自生しているもので、周辺の雑木林には、普通に見られる木です。
工房の入口付近には、ミツバツツジの木もあって、このホームページのトップ画面の写真にあるように、4月中旬に赤い小さな花を花束のように沢山付けますが、開花の時期は1週間ほどで終わってしまいます。
モチツツジの花は、比較的寿命が長くて、やさしいピンク色の花が、工房の入口を彩ってくれています。
元々、工房の土地は、20年以上前に農地放棄された水田に、自然にいろいろな木が生えてきて、荒れ果てた雑木林のようになったところを、工房建設用地として買ったものです。ジャングル状態の藪や雑木を切り開いて、工房を建て、残った木々が成長し工房を彩ってくれています。
今も、落ちた種や鳥が運んできた種が発芽し、見る見る間に新たな林ができ上がっていきます。
この自然の営みを日々眺めながら、工房での日々を送っていますが、これほど面白く興味の尽きないものはありません。

我谷盆の漆塗り

最近、栗の木で作ったいくつかの我谷盆を漆塗りしました。
無塗装の我谷盆を、長年使い込んで行くうちに、栗の木が渋い味わいに経年変化していく様子を楽しむのも好きですが、どちらかと言うと漆塗りした我谷盆の方が好みです。
拭き漆の色合いに少し変化をつけて、お盆の雰囲気を作るとまた、のせる器とのマッチングを楽しむこともできます。
お盆の場合は、漆塗りをすることで、濡れや汚れをあまり気にすることなく、また洗浄もしやすく使うことができると思います。
そして拭き漆塗りをした我谷盆も、長年使い込むことで、それなりに経年の変化を楽しむことはできると思います。

我谷盆

我谷盆

 

 

 

 

 

 

 

 

いろいろなお盆を彫る

昨今の状況への対応として、私もほとんどのイベントや展示会を中止していますが、夏から秋にかけて、活動の再開を想定して、いくつかの展示会を予定しています。
今は、それぞれの展示会に向けての作品作りを中心に日々過ごしています。
最近は、ご要望をいただくことが多くなった、お盆を中心に制作しています。
先日、紹介しました、我谷盆もその一つです。
我谷盆は、木と言う素材のずっしりとした存在感のあるお盆として好きなのですが、カジュアルに普段使いすると言うことでは、もう少し浅くて軽いお盆の方が、使い勝手が良いと感じます。
我谷盆の雰囲気を残しつつ、軽くて浅いお盆を作ると言う思いで、栗の木で2種類のお盆を彫りました。
栗の木の厚さは1.8センチで、お盆の縁も浅くしています。運び盆としても、軽食やお茶のトレイとしても使っていただけるのではないかと思います。
それにしても、予定している展示会までが実施できないことになると、さすがに少し落ち込みそうです。

栗の木のお盆

山菜の季節

工房の周辺は今の季節、ワラビやタラの芽などの山菜が取れます。
特に、山間でもないので、いろいろな山菜が採れると言う訳ではないのですが、この時期は、工房の周辺地域に毎日のように沢山の方が、ワラビなどの山菜採りに来られます。
もちろん我が家でもワラビを美味しくいただいています。
最近、山菜採りの様子でで少し気になるのは、タラの芽は、もう時期的に遅いのですが、時期ともなると先を争うようにタラの芽採りがはじまります。高い場所にあるタラの芽を採るために、木の根元からのこぎりで切ってしまう人や、高枝切ばさみで、枝ごと切ってしまう人などもいて、翌年は、木が枯れてしまっていることなどがよくあります。自身の欲望を満たすために、節操なく採取する人がいることをとても残念に思います。
山菜は誰の所有物でのありませんが、野辺の自然のものであっても、みんなでルールを守って分かち合うことが、大切ではないかと思います。
例年、ゴールデンウイークは、工房展を実施していて、毎年工房に来られるお客さんの幾人かは、ワラビ採りをセットに楽しまれていたのですが、今年は実施できずとても残念です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5寸茶托の漆塗り

栗の木で彫った、5寸(15センチ径)の茶托の漆塗りが出来上がりました。
栗の木を彫る際に出来ていく、自然な彫り跡をしのぎとして意匠的に残しながら彫り上げています。
仕上げは、黒っぽくした漆を拭き漆し塗りしながら、木の質感と杢目を生かして、落ち着いた雰囲気にしています。
作った茶托は、器の脇役として、あるいは器の引き立て役として、あまり自己主張しないながらも、少し存在感を持たせたいという思いがありますが、使い手の方が、どのような器を載せられて、お使いいただけるのか見てみたいものです。

しのぎの茶托