工房 えらむ

木の器と手織の工房

好きなもの・こと

金継ぎを習う

昨年から、漆塗り技術を身に着ける一貫として、金継ぎを習っています。
金継ぎは、割れたり欠けたりした陶器などを漆を使い、金粉や銀粉で意匠的に修復し、修復された姿を、完品とは違った趣として見立てる修復の仕方です。
兵庫県の漆芸家の江藤雄造先生の講座で、習っていますが、江藤先生は、文化財の修復や古美術品の修復、金継ぎも仕事として行っておられるので、技術的に大変高度で、また美術価値の高いものとして、修復をされています。
講座の最初は、割れた器を接着剤で張り合わせる、簡易的な技法で金継ぎの簡単な流れを体験するところから始めました。
その後は、すべて漆で修復する金継ぎを習っていますが、用途に応じた漆の扱いそのものから学んでいく必要があり、その奥の深さと難しさをつくづく感じます。
先生の話では、一口に金継ぎと言っても、その技術や表現は多様で、陶器の種類や欠けひびの状態により、やり方を見極めていくそうです。
今は、所有している古伊万里などを中心に金継ぎをしていますが、修復後の器に趣を感じるまでにはなっていないようです。
なかなか、しっかりとした技術の習得には至りませんが、漆を扱う面白さとその奥の深さに興味が尽きません。

 

 

 

 

 

 

 

明珍火箸の風鈴

我が家では、ながらくエアコン(冷房)のない生活をしていました。
四季に寄り添って生活をすると言う、ささやかな思いの中で、エアコンのない夏の暮らしを続けていました。
そんなことから、夏を涼しく感じるグッズにはいろいろこだわりを持って、買い集めていました。
なかでもお気に入りは、地元兵庫県の鍛冶屋さんが作る明珍(みょうちん)火箸の風鈴。
風鈴にはいろいろなものがありますが、明珍火箸の風鈴の音は、群を抜いていて、涼しさもさることながら、その音色は芸術的とも思える音色です。
ミュージシャンのスティービー・ワンダー氏も「近くで響いているのに遠くで響いているように聞こえる東洋の神秘の音色」と絶賛しています。
明珍火箸の風鈴を作られている、明珍家は平安時代より続く甲冑師の家系で、12世紀半ばに近衛天皇よりその技を賞賛され「明珍」の姓を賜られ、江戸時代には姫路藩のお抱え甲冑師として姫路へ移り住んで、鍛冶を営まれている、大変由緒ある鍛冶職人さんです。
さすがに近年の猛暑に耐え切れず、数年前にエアコンを設置したことで、風鈴の出番は少なくなりましたが、五感で涼しさを感じれるような、風情のある夏はもうなくなってしまったのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

茶庵 瀧屋さんを訪ねてきました。

先日、開業にあたり、お店で使用される木製食器やカトラリーの一部を作らせていただいた、兵庫県芦屋市の日本茶の専門店「茶庵 瀧屋」さんを訪ねてきました。
今年、5月8日にグランドオープンされて、またお訪ねくださいと案内をいただいていたのですが、なかなか訪問の機会がなく、やっと先日訪ねてきました。
JR芦屋駅から北東へ宮川沿いを約10分のところにお店はあります。
宮川の川面に面した落ち着いた佇まいのお店です。店内は、和洋折衷の落ち着いた作りに、大変居心地の良いインテリアでまとめられています。
カウンターも広くとられ、日本茶を楽しむバーのような雰囲気もあります。
お茶は、生産農家さんから直接買い付けされた厳選の日本茶を、最良の入れ方で、入れていただけます。茶器も全国から日本茶にふさわしいものを選ばれて、器とともに味わうことができます。
かき氷やわらび餅などのお茶請けや卵掛けごはんやお蕎麦などの軽食も楽しめます。
私は、煎茶と国産の本わらび粉のみで作られたわらび餅をいただきましたが、これまで経験したことのない、上質の味わいを楽しませていただきました。
機会がございましたらぜひお訪ねください。

「茶庵 瀧屋」ホームページ

 

 

 

 

播州刃物の後継者を育てるクラウドファンディング

私たちの住む兵庫県小野市、兵庫県南西部「播州」に昔から根付く金物産業があります。 元々刀の鍛造が始まりとして、はさみなどを中心とした約 250 年の歴史をもつ大変質の高い「播州刃物」と呼ばれる地場産業です。
現在では様々な刃物が製造されて、海外においてもその品質の高さが評価されて愛用されています。
しかしながら、その産業に携われている職人の方は、高齢化が進み、徒弟制度による技術の伝承が難しい状況もあり、技術を引き継ぐ後継者の育成が急務となっています。この現状を解決するべく、地元の若いデザイナーの方が立ち上がられ、デザイナーご自身のご自宅の敷地に技術伝承のための工場を建設し、刃物職人を目指す方たちが、地域の職人全員から学べる環境づくりをされています。この運営にあたってクラウドファンディングを利用することで、その運営資金を調達するプロジェクトを取り組まれています。
工房えらむも木の器作り、織物作りにおいて、小刀やハサミなど質の高い刃物は必要不可欠なものです。ささやかですが、この地元「播州刃物」の技術が途絶えることのないよう、後継者育成プロジェクトの成功に向けて応援したいと思います。
もしよろしければ、このプロジェクトのクラウドファンディングにご協力いただければと思います。

クラウドファンディングのホームページ

 

 

三谷龍二さんのバターケース

もう30年以上前に買った木のバターケースを今も使っています。
これは、まだ社会人山岳会に所属して登山に熱中していたころ、1986年に北アルプスへ春山登山に行った帰りに、長野県の松本駅前の土産物店の片隅に置かれていた木のバターケースに目がとまったものです。
ペルソナ工房と言う名前で販売されていて、当時、木のバターケースはめずらしく、なんと言っても「BUTTER」と言う文字が丁寧に手彫りされていたのが、とても印象的で購入しました。
それから数年後、このバターケースの作者は、木工作家・デザイナーの三谷龍二さんの作品であることを知りました。
以来このバターケースは、我が家の唯一のバターケースとして今も使い続けています。
それからさらに何年か経って、神戸市内の工芸品店で、企画展をされていた三谷龍二さんにお会いする機会があって、バターケースの購入のお話をしましたら、ケースの状態は悪くなっていませんかとたずねられ、ひび割れや反りもなく、何の問題もなく使っていることをお伝えすると、喜んでいただいた記憶があります。
現在、私は自然とともに生活をしたいと言う思いから、サラリーマンを辞めて、木の器作りを仕事にしていますが、このバターケースを見ると、丈夫で飽きのこない、長く使い続けてもらえる作品を作っていかなければと、いつも思います。

 

 

 

 

 

 

神保町の古本屋にて

先日、東京ドームで開催されたテーブルウェアフェスティバル2018の開催日前日の受賞者招待展示の設営が終わって、夕方少し時間があったので、東京ドームのある水道橋からお茶の水方面へぶらり散歩。
久しぶりに神保町の古本屋街に立ち寄りました。
神戸市内の古本屋をめぐるのが結構好きだったのですが、最近では硬派な古本屋はめっきり減って、大手のチェーン店ばかりになってしまいました。
神保町の古本屋街は、まだまだ硬派な古本パラダイスで、すっかり入り込んでしまいました。
今回買ったのは、小谷方明 著「大阪の民具・民俗志」昭和59年版、著者のサイン入りを1000円(税別)で、もう1冊は、雑誌「季刊 銀花 第61号」1985年を200円(税別)で購入しました。
「大阪の民具・民族志」は、詳細な記述が面白くて、たぶんもうこんな本は出版されることは、まずないだろうと思われる、私には貴重な本。
「季刊 銀花 第61号」は、かつて1990年頃から2010年に161号で廃刊になるまで定期購読していたとても好きだった雑誌。1990年以前のバックナンバーを折に触れ買い集めていますが、かつては古本でも1冊800円ぐらいだったのが、状態の良い古本が200円でありました。もうこの本に興味を持たれる方も少なくなったのでしょうか。この雑誌は、日本の暮らしの豊かさとは、安らぎとは、などを教えてくれる本のような気がします。
私のものづくりに多大な影響を与えてくれた雑誌で、今でも時折ページを開いています。
神保町の古本屋で買った2冊の本は、どちらも文化出版局の本だったのも不思議な縁を感じます。

 

 

 

 

 

 

三木金物まつり2017に行ってきました

工房の隣町の兵庫県三木市で開催された第31回三木金物まつり2017に行ってきました。
会場は、工房から車で20分ほどのところにあり、三木金物まつりは、三木市の大工・木工道具のほとんどのメーカー、鍛冶屋さんが出店しています。
必要な道具を見つけることができ、日頃より少し安く購入できる機会として、木工仕事をしている者にとっては大変ありがたいイベントです。
木工をしている者にとって、良い道具に出会うことは、いい作品作りをして行く上で、とても重要なことだと思います。
もうこのイベントには10年以上毎年行って必要な道具は、ほぼそろっているので、よほどの掘り出し物でもない限り、あまり買うこともなくなってしまって、ほとんど消耗品のようなものを買っている状況です。
手彫り中心の私にとって、ちょっと薄刃の鑿を作っておられるお気に入りの鑿鍛冶さんのブースに立ち寄って、道具の話を少ししたら欲しいと思っていた彫刻刀を1本買ってしまった。
あんたが、今年のおまつりの最初のお客さんやなどと言われて、一緒におられた奥さんと喜んでもらえたら、ちょっと嬉しくなって、こんな鍛冶屋さんと身近に仕事のできる環境にることを幸せに感じます。
良い道具は美しく、いつまで見ていても飽きないものです。

 

 

 

 

 

 

 

山の日

今日は山の日。
登山に熱中していたサラリーマン時代だったら、この時期必ず山に行っていたと思うのですが、今日も工房で仕事して、もう久しく山には行っていません。
元々、山登りに熱中したことが高じて、いつか山や自然とともに暮らす生活をしてみたいという思いから、木の器づくりを始めて脱サラし、今日に至っているのですが、恥ずかしながら、肝心の山にはほとんど行っていない日々を送っています。
細々と続いているのは、山や旅の本を読むこと。
山岳会に所属していたころ、山狂いが3人でシェアしていたマンションを訪ねていったところ、その一室がすべて山の本で埋まっていたのに衝撃を受け、登山に熱中するということは、山の本を読まなきゃいけないのだと、妙に思い込んで以来、山の本をむさぼり読むようになりました。
東京の神田の古本屋で段ボール箱ひと箱分の山の本を買って帰ったこともありました。
かつてお盆の時期は、サラリーマンにとって一番長く山に入る時。夏山合宿と称して山浸りの楽しい日々を送っていましたが、本でお茶を濁しているようではだめですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

小野市の好きな風景

工房のことを説明するとき、小野市ってどこにありますか、とよく尋ねられます。それも県外の方ではなくて、兵庫県内の方に。
確かに特別目立ったものもなく、小野市から何かを連想されるものは少ないようです。あまり目立たない、控えめな町ということなのでしょう。
自然が好きでこの地に住んでいるようなところがあるのですが、私の好きな高い山もなく、唯一、工房のあるところとは正反対の小野市の西の端に小野アルプスと呼ばれる山並みがあるのですが、その最高峰にして189メートルという、控えめな自然環境です。
特別なものはないけれど、人と自然がゆったりと関わりながら暮らせる町という感じがします。
工房は、小野市の東の端の少し高い位置にあります。車ですぐ近くの高台から見渡す、北播磨の山々が私のお気に入りの風景です。
特別高い山があるわけではありませんが、小野市の立ち位置を感じながら、遥かに続く兵庫県中部の里山の山並みを飽きずに見ているのが、私はとても好きです。


 

 

 

 

 

 

第3回 小野ハーフマラソン2016を走る

今日12月4日に開催された、「第3回 小野ハーフマラソン2016」を走りました。
工房での木工仕事は、体を使っているようで、実際はほとんど運動になっていない日々。
自然と寄り添いながら生活したいという思いのなかで、自身の体も少しは、自然の環境に対応できる体にしておかないと意味がないと感じるこのごろ。
今年で3回目になる地元で開催されるハーフマラソン大会を今年も走りました。
練習は、いつも仕事が終わってからの夜間のラニング、あまり街灯のない田舎道を時間がある限り走っていました。
この暗闇の中を走るランニングが、なんとなく異次元の世界を体験しているような、意外と楽しい時間になりました。
月の明るい時は、月明かりの影ができることを知りました。スーパームーンの当日は曇りでしたが、その翌日は、いつもより大きく見える月の下で走るのが、わくわくしてすごく楽しい。
月のない夜は、快晴の夜より曇天の方が明るくて走りやすい。ぽつりと見える民家の明かりが、昼間では感じることのない生活感と温かみを感じるなど。
そんな暗闇のランニングが、楽しくて続けられたのかなと思います。
今日のマラソンは、トレーニングの楽しさとは裏腹に、体力の限界を感じながら、完走するのがやっとと言った感じで、ゴールタイムは、2時間09分と、昨年を下回る記録。
無事完走できたことに満足しましたが、日頃運動していない体では、自然をしっかり受け止めて生活する体にはなっていないことをつくづく感じました。

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