工房 えらむ

木の器と手織の工房

02月

木のおもちゃ

木の器づくりを職業としていますが、以前から販売目的ではなく、木のおもちゃも好きで作っていました。
私の作る木のおもちゃは、できるだけシンプルで、木の質感を楽しめるもの。
使う子供が想像力を膨らませながら、自由に遊べるおもちゃをコンセプトに作っていました。
最近の子供たちは、コンピューターによるロールプレイングゲームが主流で、これらは、あまりになにかも環境が整いすぎた遊びで、豊かな子供の感性や想像力が入り込む余地があまり無いように感じます。
私たちの世代は、いわゆる「ごっこ遊び」が楽しかった世代。わずかなおもちゃや、何かに見立てたもので、世界を膨らませて、時間を忘れて遊ぶことができたように思います。
写真のおもちゃは、木のおもちゃの公募展「丹波の森ウッドクラフト展」で奨励賞をいただいた作品です。
抽象的な何かを連想させるようなかたちの木のパーツを40個ほど作って、おもちゃ箱に入れたもの。子供たちが自由に想像力を膨らませて、いろいろな世界や場面を作って遊んでくれれば、と言う思いで作りました。

DSC07072

 

 

ウグイスの声

厳しい寒さも少し和らいで、明るい日差しに暖かさを感じるようになりました。
数日前から、ウグイスの鳴き声のようなものを聞くようになって、気にはなっていたのですが、はっきりとウグイスとわかる鳴き声が工房の近くの雑木林から聞こえてきました。
まだ2月の下旬、例年より早く鳴いているように思います。
空からはヒバリの鳴き声も聞こえてきて、厳しい寒さも峠を越えて、確実に春がやってきているようです。
工房前の山桜の枝につけたみかんを啄みにやって来るメジロを楽しんでいたのですが、その姿もあまり見かけなくなり、みかんはほとんどヒヨドリの餌となっている状態。
最近は、工房の敷地内ではホオジロがやって来て、チィ、チィ、チィとしきりに鳴いていますが、もう少し暖かくなれば、ウグイスも工房前で鳴きはじめると思います。

DSC06841 (1)
ホオジロ

 

 

アセビの花

工房の傍にある、アセビの木の花が咲きはじめました。
工房の敷地に自生していたもので、高さは3メートルほどの木ですが、寒空の下、まだほとんど花のない季節に、木いっぱいに鈴なりの花を咲かせ始めました。
まるで高山植物のような白く小さな可憐な花。
この寒い冬の時期に、なぜこんなに綺麗な花が咲くのか不思議です。
アセビは「馬酔木」と書くように、枝葉に有毒成分を含んでいて、馬が食べると酔って歩けなくなると言われているそうです。
そのため、シカの食害に合う山でも、アセビは食べられることなく残っているそうです。
毒をもって種の保存を続けてきたのでしょうか。
ほんとうに不思議な木ですが、まもなく満開になる美しい花が楽しみです。

DSC07057DSC07048

 

 

木工家の訪問

親しくしている木工家のKさんが、工房を訪ねて来られました。お土産に畑で採れた大根と白菜を持って。
木工ろくろを得意としているKさんの作品は、独創的でとても面白い。
時に、足踏み式の木工ろくろを自作して作品を作られたりと、いつも新しいことに挑戦されていることに刺激を受けます。
今度は、あまり一般的にはやられていないスタイルでの家具作りに挑戦されているとのことで、どんな作品ができるのか楽しみです。
お互いのペースが合うせいか、仕事を忘れてつい長話になってしまいます。
写真はKさんが持ってきてくれた独楽。子供でも老人でも廻せる独楽。長い軸が大人は片手で、子供や老人は両手で回せるように作っているとのこと。そういえばこんな独楽は、あまり見たことがないような気がします。何気ない作品だけど、しっかりした造りとデザインが、堅実なもの作りぶりを物語っているような気がします。

DSC07038

 

 

 

兵庫陶芸美術館

工房から車で60分のところにある、兵庫陶芸美術館に行ってきました。
兵庫陶芸美術館は、兵庫県篠山市今田町にある、地元では立杭焼きと呼ばれている丹波焼の窯元が、60軒近く立ち並ぶ地域の中心にあります。
木の器を作っていると、以前から陶芸にも興味があり、工房から近いこともあって時々訪問しています。陶芸の集落の風情もあって、なかなか雰囲気のあるお気に入りの場所のひとつです。
陶芸美術館は、まだ出来て間もない新しい施設ですが、古典的なものからコンテンポラリーな作品まで幅広く企画され、いろいろ作品づくりの上で、刺激を受けることができます。ちょうどバレンタインウィークのイベントとして、入場者に窯元から提供された小皿のプレゼントがあって、とても得した気分になりました。
今回は、時間の関係で美術館だけで、窯元を巡ることはできなかったのが残念ですが、私たちにとって近くて良いところ、また落ちついたらゆっくりと訪ねたいと思います。

img001DSC07011

 

 

 

 

春を待つ木々

2月8日は、南岸低気圧の通過にともない、太平洋側に、例年にない大雪を降らせました。
工房の周辺も15センチ近い積雪があり、数日経った今も、あちらこちらに雪が残っています。
相変わらず寒々とした日々が続いていますが、工房の周りの木々には、逞しく春を待つ姿があります。
左の写真は、工房の土地を買って一番最初に植えたサクランボの木。50センチほどの苗木でしたが、もう4メートル近くになりました。吉野桜も植えていますが、吉野桜より毎年3週間ぐらい早く咲き、いち早く春の訪れを告げてくれます。もうすでにつぼみは膨らみ、花を咲かせるエネルギーをしっかり蓄えているようです。
右の写真は、岐阜県の高山で木工の修業をしていた友人が、育てていたクルミの木を工房の敷地に植えてくれたもの。クルミの木の芽はまだ固そうですが、しっかりと寒い空に向かって伸びていく姿が何となく、凛としていてかっこいいと思います。

DSC06997DSC07001

 

 

お椀を彫る

栗の木でお椀を彫っています。
刳り物なので、厚さ2寸の板だとフリーハンドで、およそ4寸径のお椀に彫っていきます。
私にとっては正直なところ、このくらいのお椀を彫るのが、一番大変な作業かなと思います。
深い器を彫る場合、大抵ドリルでおおまかに穴を開けて彫っていきます。
大きな鉢だと、鑿を玄能で叩きながら、勢いよく彫っていくことができるのですが、 お椀くらいの口径と深さだと、玄能も使いますが、最終的には、手で彫ることの方が多くなります。底をさらえるのにも力が入り、結構大変な仕事です。
そして、お椀のフォルムは、見た目も重要ですが、使い勝手に大きく影響するので、こうしたフリーハンドのお椀を作るのは、かたちが一定ではないので、なかなか納得のいくものができません。

DSC06985

 

寒い一日

最近一週間ほど、妙に暖かい日が続いていたこともあって、今日は思いのほか寒く感じた一日でした。
工房の周りには、巨大な霜柱ができ。畑に植えた菜の花の葉は、大きく成長した霜に、びっしり覆われていて、寒い一日を象徴する風景がありました。
工房の朝の室温は0℃。終日小雪が舞い、薪ストーブに火を入れても、廃材で建てた工房に、壁は荒壁を塗っただけなので隙間が多いため、なかなか温まりません。
どうも寒い部屋の中では、仕事に取り掛かる元気が出ず、ついつい寒いことを口実に、薪ストーブの世話ばかりしていて、仕事がはかどりません。
床に敷いた座布団に坐って仕事をしていますが、古い足場板を張っただけの床は、けっこう構冷え、最近足の指がしもやけになり、今日の寒さは、少々しもやけに堪えます。
結局、今日は一日、工房の室温は10℃を超えることなく、終わってしまいました。

DSC06964DSC06977

 

 

藤の種

今年は、工房の前にあるコナラの大木の下に、例年になく、フジの種がたくさん落ちていました。
長さは15センチから20センチぐらい。堅いさやの中には、ちょうどマーブルチョコレートそっくりな種が入っています。
コナラの木のすぐそばに太いヤマフジの木があって、周辺の木々に蔓が絡みついています。傍にある細いコナラの木などは、もう見ているだけで窒息しそうなほど、強烈に絡みついています。
その力は、強烈で、絡みつかれた木はやがて枯れるそうです。
実際に工房の敷地内にあった枝ぶりのよい木が、あっという間にヤマフジの蔓に巻かれて枯れてしまったことがあります。
フジの旺盛な繁殖力はすごいものです。
そんなことから、昨年、少しヤマフジの蔓を切っていったことから、子孫を残そうと種が多くできたのかもしれません。
植物の世界も生き残りをかけた、激しい競争をしているのでしょうか。

DSC06953