木の器づくりを職業としていますが、以前から販売目的ではなく、木のおもちゃも好きで作っていました。
私の作る木のおもちゃは、できるだけシンプルで、木の質感を楽しめるもの。
使う子供が想像力を膨らませながら、自由に遊べるおもちゃをコンセプトに作っていました。
最近の子供たちは、コンピューターによるロールプレイングゲームが主流で、これらは、あまりになにかも環境が整いすぎた遊びで、豊かな子供の感性や想像力が入り込む余地があまり無いように感じます。
私たちの世代は、いわゆる「ごっこ遊び」が楽しかった世代。わずかなおもちゃや、何かに見立てたもので、世界を膨らませて、時間を忘れて遊ぶことができたように思います。
写真のおもちゃは、木のおもちゃの公募展「丹波の森ウッドクラフト展」で奨励賞をいただいた作品です。
抽象的な何かを連想させるようなかたちの木のパーツを40個ほど作って、おもちゃ箱に入れたもの。子供たちが自由に想像力を膨らませて、いろいろな世界や場面を作って遊んでくれれば、と言う思いで作りました。