オーダーのお椀を彫る

小さな子供さんがいらっしゃるご家族からお椀のオーダーをいただきました。
子供たちには、これからはしっかり味わってご飯を食べてもらいたいと言う思いから、家族みんなが、しっかりとしたお椀で食事をしようと言うことで、家族4人分を私の作るお椀にオーダーをいただきました。
ご要望により、子供さんでも使いやすいように、口径は11センチ、高さは7センチで、高台を少し広めにして安定感を持たせるようにしました。そしてお汁がこぼれにくいかたちを意識しました。
栗の木を手彫りによるお椀ですが、今回はのみ跡はない方がご希望ということで、できるだけ滑らかな表情に仕上げました。
このようなお椀だったら、木工ろくろで作れば、ほぼ同じかたちの端正なお椀ができると思うのですが、あくまで手彫りで作らせていただきました。
手彫りなので、完全な丸椀ではないし、それぞれ持った感じも、口当たりも微妙に違うものになっていると思います。家族それぞれが自分のお椀を使うと言う意味で、ひとつひとつ個性を感じるお椀があってもいいのではないかと思います。
個性のあるお椀が、使う人にとって、飲んだ感じや、持った感じが次第に馴染んでいくことで、食事をさらに味わうことにつながればいいなと思います。
お椀は、しっかり拭き漆塗りにて仕上げます。


 

 

 

 

 

 

2017年3月28日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

TODAY’S SPECIAL kobe Open

神戸市中央区三宮町にある神戸BALビルが2017年3月17日にリニューアルオープンし、新しくTODAY’S SPECIAL kobe がオープンしました。
この度、TODAY’S SPECIAL kobe さんにて、工房えらむの木の豆皿を少しだけですが、お取り扱いをいただくことになりました。
神戸に行く機会がありましたので、リニューアルオープンした神戸BALに行って、TODAY’S SPECIAL kobe を訪ねて来ました。神戸BALビルは、外観からリニューアルされて、とてもおしゃれなビルに生まれ変わっていました。
新しいお店も増えて、始めて神戸にお目見えしたTODAY’S PECIAL さんは、販売商品の随所に、関連の書籍が、さりげなく添えられていて、商品にストーリー性を感じさせる販売の仕方が斬新で、とてもおしゃれに感じました。
豆皿は、現在いくつかのネットショップを中心に販売いただいておりますが、実店舗での販売は、ほとんど関東エリアで、関西では少ない状況ですので、この度少しですが、お取り扱いをいただけたことをとても嬉しく思います。


 

 

 

 

 

2017年3月23日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

お客様の木の器作品

親しくしていただいているご夫婦が、工房Open日に合わせて、工房へ来られました。
ものづくり大好きのご主人と、染め織りをされている奥様、クラフトフェアで出会って以来、私たちと意気投合して、親しくお付き合いさせていただいています。
今日は、ご主人が作られた手彫りの木の器を持参されました。
おいしいお酒と自らの手料理を楽しむための器として、作られているそうです。
今回見せていただいたのは、小物中心でしたが、自らが楽しく使うと言う思いが、作品にしっかり現れていて、そんな心の赴くままに、フリーハンドに近いかたちで手彫りされた器は、どれも大変味わい深く魅力を感じるものばかりでした。
どう使って、どう楽しむか、と言う思いがしっかり込められている器は、素敵なものだと感じました。
自身の器づくりについても、こうした器づくりをしていかなければと、思いを新たにしました。

3月の工房Openの3日間、遠方から足を運んでいただいた方もあり、お出でいただきました皆様に感謝申し上げます。


 

 

 

 

 

 

2017年3月20日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

S君がやって来た

S君が工房へ3年ぶりにやって来ました。そして工房に1泊して帰りました。
先日、大学受験の合格発表があって、2浪の後、第一志望の国立大学に合格したとのこと。
友達の家族に、夏休みの工作の宿題をするなら私の工房においでよと言ったことから、夏休みごとに3兄弟が、私の工房へ来ることになり、末っ子のS君が初めて私の工房にやって来たのは小学校1年生の時。当時はまだ四畳半の小さな工房でした。
以来、長男、次男は高校入学とともに来なくなったのですが、S君は工作の宿題の必要がなくなっても高校2年まで、11年間、夏休みには工房へやって来ました。
そして、高3からしばらく、連絡はなく、こちらから様子を聞くでもなく3年が過ぎて、つい先日、本人から工房に行きたい、そして工房で泊まりたいとメールが来ました。
希望の大学に合格したら、私の工房に行くんだと、ずっと決めていたそうな。
3年ぶりに再会したS君はすっかり20歳の好青年になっていましたが、それでも初めて工房にやって来たころと変わらずピュアな気持ちで、私に接してくれました。
夜は、ふたり工房に寝袋を持ち込んで、あれやこれやと話をして過ごしました。
お昼間は、不思議と好みの合う音楽を聴きながら、私は自分の仕事に没頭し、傍らでS君はマイコースター作りに没頭し、あっという間に時間が過ぎて行きました。
こんな小さな工房に来ることを、いつまでも楽しみにしてくれている人がいるのが、本当に嬉しくなります。
2浪の我慢の時を経て、自分の夢を実現しようと頑張っているS君にエールを送りたいと思います。


 

 

 

 

 

 

2017年3月17日 | カテゴリー : その他 | 投稿者 : えらむ

木のスプーンのワークショップでトクサを使う

いつもお世話になっている兵庫県多可郡多可町のカフェ チャッタナの森で、木のスプーン制作のワークショップをさせていただきまました。
前回に続いて、今回も県外からの参加をいただいて、大阪からお二人の方にご参加いただきました。
今回は、クルミの木でスプーンを作って、そのままカフェで昼食をいただく楽しいメニューです。
いくつか用意したパターンのスプーン木地から好みのものを選んでいただいて、彫刻刀と小刀で作ります。
これまでワークショップでは、仕上げにサンドペーパーを使っていました。
私は、できるだけ良い刃物を使って、なるべく刃物だけで仕上げて、手の跡を残しながら、必要に応じて毛羽立ちや凹凸を均すためにサンドペーパーを使ってきたのですが、直接口に入れる木地仕上げのスプーンなどは、できれば自然なものでできないかと思っていました。
そんな思いから、今回は、昔から研磨に使われていた、植物のトクサ(砥草)で仕上げることにしました。
トクサで、研磨紙を作るのはトクサの内側の薄皮を剥いで、紙などに貼って使うのですが、これはかなり時間と手間がかかるので、トクサの表側で研磨を試して用意しましたが、実際に使っていただくとみなさん問題なくきれいに仕上げに使えました。
今後は、木地仕上げのカトラリーなどのワークショップでは、できる限りトクサ磨きで行いたいと思います。
みなさん、精一杯に自分仕様のスプーンを作られ、手作りの面白さを楽しまれておられたように思います。
さっそくマイスプーンでお昼にオムライスやカレーをいただき、楽しいひと時を過ごされました。
ご参加いただいたみなさん、お疲れさまでした、そしてありがとうございました。

トクサ 砥草で磨くトクサ 砥草で磨く

 

 

 

 

 

焼酎用ぐい呑みの納品

オーダーいただいていた焼酎用ぐい呑みの漆塗りが出来上がり、しばらく寝かせて、ほぼ漆の匂いも消えたところで納品させていただきました。
この度のオーダーは、九州の方からのご依頼で、おおよそのサイズなどの打ち合わせはさせていただいたのですが、あとはおまかせしますとのことで、私なりの思いで作らせていただきました。
写真のぐい呑みは、ケヤキの木を手彫りして、面取りをしたもの。
とりわけ、九州も焼酎の産地の方だったので、気に入っていただけるか心配していました。
納品後しばらくしてからメールで、ぐい呑みについておたずねしたところ、ご本人からお電話にて、雰囲気も使い勝手もとてもいいですとご連絡をいただきました。
気に入っていただけてほっとしました。

木のぐい呑み 焼酎用

 

 

 

 

 

 

2017年3月2日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ