昨年から、少しマイブーム的に彫っている鎬(しのぎ)で、酒器を作りました。
栗材に三分ほどの丸鑿で、鎬を入れた片口とぐい吞みを彫ってみました。
鎬を器のどこまで彫るかで、器の印象はかなり変わるようです。今回は、口あたりや手触りを考えて、器の口の少し手前で止めることにしました。
最終的には、漆を塗って仕上げる予定です。陶器に比べて、木の器の保温性、断熱性の高い特徴を生かした、使いやすい酒器になってくれればと思います。
今日は、兵庫県多可郡多可町中区の多可町北播磨余暇村公園内にある、「Cafe Chattanaの森」での木のスプーン製作のワークショップを行いました。 Chattanaとは、地元の方言で「よう来ちゃったな」などという言い回しの「ちゃったな」から名付けられました。
今回は、カフェでのワークショップで、出来上がったスプーンで、地元食材を使ったオリジナルのカレーを昼食にいただくというプログラム。参加者も10名という多人数のため、地元の木工家 雑木LifeWorkerの石井康彦さんとともにワークショップを行いました。
みなさん彫刻刀を持つのは小学校以来、小刀を持つのは初めてと言う方がほとんどでしたが、休憩には美味しいコーヒーをいただきながら、怪我もなく無事にスプーンを完成することができました。そしてお昼には、さっそく出来上がったスプーンでカレーをいただき、楽しいひと時を過ごしました。
昨年8月にリニューアルされたカフェは、広くオープンな雰囲気が素敵で、自然に囲まれたカフェから望む眺望も良く、この時期、お洒落な薪ストーブが暖かく迎えてくれます。とても癒されるカフェです。機会があれば訪ねてみられてはいかがでしょうか。
2015年2月11日から3月9月まで、所属しています公益社団法人 日本クラフトデザイン協会(JCDA)の企画展「春うらら 展」に出品いたします。
会場は、富山県高岡市のJR高岡駅 地下街にあるクルン高岡B1ギャラリーです。
JR高岡駅、そして平成27年3月14日に開業予定の北陸新幹線のJR新高岡駅には、県内外の多くの観光・出張のお客様が見込まれます。
クルン高岡B1ギャラリーは、アート&クラフト都市を目指す、高岡市からの要請を受け、JR高岡駅地下商店街に新設されたギャラリーです。
春うららをテーマにした、数名のクラフトデザイン協会会員の作品が展示販売されます。期間は約1か月ありますので、機会がございましたらご覧いただければと思います。
日時 2015年2月11日(水)〜3月9日(月) (定休日 火曜) 10:00〜20:00
会場 クルン高岡B1ギャラリー 富山県高岡市下関6-1 クルン高岡B1F
今日、2月8日は、小説家 立松和平さんの命日。立松さんの本で思い出すこと。
立松和平さんの本「青春放浪」を読んでいると、本の中に私が好きなジャズピアニスト山下洋輔さんの若かりし頃、自主制作されたLPレコード「DANCING古事記」が製作された経緯が書かれていました。
レコード「DANCING古事記」は、1969年の学園闘争の真っただ中に、田原総一郎氏の企画で、山下洋輔トリオが早稲田大学 四号館内で演奏されたものをLPレコードにされたもの。
レコードは、立松和平さんがまだ売れない作家であったころ、有り余る時間を持て余していると言うことで、新婚住まいのアパートを事務所にして、山下洋輔さんらとともに、剣道仲間だった舞踏家の麿 赤児さんを代表にして、麿プロダクションと言う名前で製作されたもの。今ではビッグアーティストになっておられる方々の、なんとも初々しく、不思議な縁で製作されたものだったのです。
山下洋輔トリオの最初のLPレコードとしての存在は知っていましたが、偶然、立松和平さんの本で、その経緯を知るや、どうしても聞きたくなって、再販されたCDではなく、絶版のLPレコードを探して購入しました。
レコードに針を落とすと、その時代を彷彿とさせる臨場感と、迫力ある演奏に感動しました。
その後、山下洋輔さんのソロピアノコンサートに行った際に、ご本人からレコードジャケットにサインをいただき、大切にしています。
それにしても享年62歳、立松和平さんの死は早すぎます。
2月1日から東京ドームで開催されている、テーブルウェアフェスティバル2015に行ってきました。
開催イベントのひとつ、第23回テーブルウェア大賞 オリジナルデザイン部門に入選した、最終審査結果の発表がありましたので、初日に会場入りしました。
結果は、残念ながら作品の木の器は、入賞には至りませんでしたが、せっかく東京まで来たので、受賞セレモニー会場で審査員のおひとり、漆芸家の大西長利先生にお願いして個人的に作品の講評をいただきました。丁寧にお答えいただきとても勉強になりました。その中で先生は、木は、人間が造り出すことができない素材。そして、いろいろな自然環境とともに生きてきた命のある素材であることを、よく考えて作品作りをすることが大切と言われました。これから木の器を作っていく上で、とても素晴らしい話を聞かせていただくことができました。
その後、フェスティバル会場の東京ドーム内見て回りました。全国のテーブルウェア製作者・事業者の方が、技術・技法等を駆使して製作された、膨大な数の器とその関連商品・作品の出店と展示、そして想像を超える多くの来場者の数に圧倒されながら、これからどう器作りをしていけばよいのか、を考えさせられるイベントでもありました。