欅の木を彫った大鉢です。
大きな塊のような欅の木を、思いのままフリーハンドで刳り抜いて作っています。
杢目も複雑で、節のような穴もありますが、どこをどう彫るのか、木と向き合って彫る輪郭を決めていきます。
とても厚くて固い木なので、正直手ですべて彫ることはできないので、ディスクグラインダーに取り付けた、ディスクカービングで、おおよそ彫り込み、手で形を整えていきます。
手彫りと言う表現を、私自身よく使っていますが、大方はこのような作り方です。
なので、純粋な手彫りとは言えません。
とは言え、木の塊を前にして、機械の手助けを得ながらも、どう彫り抜くかという、木と向き合う思いに変わりはない思っています。
木との一期一会の器作りは、楽しく魅力的です。
1月 2022のアーカイブ
栃の輪花盆
栃の木で輪花盆を作りました。
普段あまり作ることのなかった輪花型のお盆ですが、海外からのお客さんのご注文で、作らせていただきました。
直径34センチと大きめのお盆ですが、ちょうどいい栃の板があって作ってみましたが、拭き漆塗りで仕上げると、墨絵のようなにじんだ景色の、とてもいい感じのお盆ができました。
栃の木は、木によってかなり個性のある木ですが、この度の栃の木は、輪花型のお盆の雰囲気を盛り上げてくれる、私としてはベストマッチの板でした。
幅の広く薄いお盆を作ると反りが気になるところですが、この板は時間を置いても、反りも捻じれも生じず、そう言った意味でもとても良い板でした。
何かきっかけがないと、新しい作品はなかなか生まれないのですが、とても良い機会をいただきました。
端材の端材
先日、朽ちかけた端材で作った板皿のことを書きましたが、その板皿を作った端材が捨てられず、さらに小さな板皿の作品を作りました。
杢目が結構気に入っていたので、一定の大きさの板皿は、4枚しか取れませんでしたが、その残りを捨てるのが惜しまれて、小さな不定形な板皿を2枚作りました。
小さいなりに、小さな飾りの敷板や茶托として使えそうです。
捨ててしまうのは簡単ですが、まだ何か出来ないかと考えるのも面白いことです。
こんなことをいつまでも考えているので、端材が捨てられず、大量の段ボール箱が、工房中にあふれ、作業スペースをどんどん狭くしている状況です。
材料のどこで、捨てる端材としての一区切りをつけるか、悩ましい問題です。
端材への思い
最近工房内の材料がとても多くなったこと、そして製作後に出来た端材が捨てられず、大量に溜まってきたこともあって、保管場所が無くなってきので、工房の片隅に仮設の材料置き場を作りました。
整理をしていると、小さかったり、薄かったりして捨てられず、いつか使うこともあるだろうと、ただため込んで忘れてしまった材料が大量に出てくる。
そんな中から出てきた、朽ちかけた栗の薄板。虫穴はあるし、部分的に腐っている。それでも杢目がなんとも魅力的。いっそこれをそのまま生かして、何かできないかと思って、小さな板皿が4枚できました。
朽ちかけた板も漆を塗ると杢目の表情が生き生きとして、朽ちた部分が漆で固まって真っ黒になって、表情にコントラストがついて、いい感じになってくれました。
虫穴も人為的でない表情が面白い。
私なりにいい板皿ができてうれしい限りです。だから端材が溜まってしかたがないのかもしれません。
Button Inspiration vol.16に出展
昨年初めて出展させていただいたボタンの展示会、東京のACギャラリーさんで、2022年2月1日より開催される、「Button Inspiration vol.16」に出展させていただきます。
陶器やガラス、布、木などさまざまな素材で創作活動されている、50名の作家により作られたボタンが、展示販売されます。
私は木を素材としたボタンを出品、販売いたします。
木の杢目を生かしたもの、漆塗りのもの、木彫りのものなど、木の様々な表情を生かしたボタンを作りましたので、ご覧いただければと思います。
今年は、ACギャラリーさんでの会期終了後、2月17日~2月19日まで、横浜市の横浜大さん橋ホールで開催されます、「素材博覧会」で引き続展示販売されます。
お近くの方がいらっしゃいましたら、ご高覧ください。
会場 ACギャラリー 東京都中央区銀座5-5-9 岡崎ビル4F
期間 2022年2月1日(火)~2月6日(日) 11:30~19:00 最終日は17:00まで
素材博覧会へ巡回
会場 横浜大さん橋ホール 神奈川県横浜市
期間 2022年2月17日(木)~2月19日(土) 10:00~17:00
2022年1月の工房Open日
木の器と織の工房、工房えらむは、原則毎月、第3土曜、日曜、月曜の3日間、、工房を公開しています。
今週末は今年最初の工房Open日です。
2022年1月の工房Openは、1月15日(土)、16日(日)、17日(月)10:00〜16:00 の3日間です。
なお、今年は近く個展や展示会の予定もあり、今後の工房Openは、ゴールデンウイーク頃までお休みさせていただきます。
申し訳ございませんが、1月の工房Open日以降は当分の間、工房Openはお休みいたしますのでご注意ください。なお今後の予定はホームページでご案内させていただきます。
今月の工房Open日では、日頃製作しています木の器等の作品、織の作品と、あると楽しい古道具、古民具を展示販売いたします。とりわけ古布類は在庫があります。
見学、おしゃべり歓迎いたします。
冬の工房へお気軽にお立ち寄りください。
板皿を作る
2022年2月中旬に、兵庫県内のギャラリーでガラス、金属の作家の方、そして木工の私の3人展を予定しています。
展示会に向けて、板皿を作りました。
栗の木の味わいのある杢目を生かした、シンプルな板皿です。
表面は四方反りの豆がんなで仕上げています。表面が、きれいなフラットな状態だと、どうも落ち着かなくて、少し豆がんなで表情をつけると、杢目もやわらかく見えてくるように思います
はがきより一回り大きいぐらいの板皿で、拭き漆塗りで仕上げますので、銘々皿として、茶托として使えると思います。
また、ちょっとした飾り台にも使えそうです。
木に求める魅力はいろいろありますが、やはり木の味わいは、第一に杢目かなと、自然が作り出す美しさは魅力的です。
拭き漆塗りで、どのように仕上がるのか楽しみです。
2022年 新年明けましておめでとうございます
2022年 新年明けましておめでとうございます。
今年で、工房えらむも工房を立ち上げて10年目を迎えました。
なんとか続けてこられたのは、多くの方のおかげと感謝しています。
まだまだコロナ禍の脅威は続いていますが、私たちの作るものや工房活動を通じて、少しでも暮らしに潤いを感じていただければと思います。
今年も小さな林の工房で、自然と寄り添いながら、気負わずじっくりと作品作りに取り組んでいきたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。