桜の木で銘々皿を彫りました。
桜の木の硬質な感じを生かしながら、黒く拭き漆をするために、あらかじめ桜材を鉄媒染液で黒く染めました。
写真の左下にある材が染める前の桜の板ですが、鉄と反応すると黒くなるのが不思議です。
桜の木に直接、黒く拭き漆塗りをするのと、あらかじめ桜材を黒くしてから黒く拭き漆塗りをするのとでは、やはり材を黒くしてからの方が、木の中から発する奥深い黒の感じが、桜材のおとなしい杢目と彫り跡をしっかり硬質な感じに仕上げてくれるように思います。
桜材を黒く拭き漆をする場合、すべて鉄染めする訳ではありませんが、今回の銘々皿の表情には、相応しい仕上げになると考えています。
漆塗りに入る前に、匂いや成分が残らないよう、しっかり表面の鉄媒染液を洗い流します。