2019年の大晦日

工房えらむの2019年の大晦日を迎えました。
木の器制作に関しては、あれこれいっぱいやりたいことがありましたが、相変わらず制作スピードの遅さ、技術の無さ故、オーダーをいただくと納期などに追われる一年でした。
今年は、思いがけず、旅館で使用される食器の一部を作らせていただく、ご注文をいただき、打合せからサンプル制作、納品までほぼ半年近い仕事となりました。
その間、個別にお客様から、早い時期にオーダー品のご注文をいただいていたにもかかわらず、お届けが年越しになってしまい、申し訳なく思っております。
来年は、できる限り自身の持ち味を引き出した作品や新作を、見ていただけるようにもしていきたいと思います。
毎年恒例の、新年への思いを込めて、工房に自分で作ったしめ縄を飾りました。
藁は実家の田んぼから、ウラジロや松やナンテン、竹など、すべて近くの雑木林などからの頂きもの。
私たちは、木や綿や絹など自然からの頂き物で仕事をさせていただいていることに感謝して、その思いをしめ縄に込めて、新年を迎えたいと思います。
この一年本当に沢山の方のお世話になりました。
みなさんに感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

山荘 竹ふえ さんの木の器制作

この度、ご縁をいただいて、熊本県の阿蘇山のふもとにある旅館「秘境 白川源泉 山荘 竹ふえ」さんで使用される食器の一部の木製食器を作らせていただきました。
私にとって、今年の最後を締めくくる仕事となりました。
竹ふえさんとは、作る器の打合せを繰り返し、サンプル制作などを経て、秋から冬にかけて制作させていただき、ようやく年末に納品させていただきました。
私は、現地を訪問したことはありませんが、打合せの際に送っていただいた、旅館の紹介冊子を見せていただくと、山荘 竹ふえさんは、約5000坪の広大で自然豊かな竹林の敷地に、わずか12室の客室が点在する旅館で、すべての部屋に自家源泉かけ流しのお風呂があり、客室はそれぞれ異なった趣のある、こだわりのプライベート空間を演出されています。
私の受けた印象は、自然と調和した芸術的とも言える癒しの空間です。
ネット等で拝見すると、施設も含め、食事、サービスにおいても大変高い評価を受けておられます。
このような、素晴らしい空間やサービスを演出する一部を担う食器を作らせていただく、この度のご縁をいただいたことに感謝いたします。

秘境 白川源泉 山荘 竹ふえ
熊本県阿蘇郡南小国町満願寺5725-1

 

 

 

 

 

 

 

 

ウズベキスタンへの贈り物

今年もあとわずかとなりましたが、今年のちょっとした出来事として、私の作品が、中央アジアの国ウズベキスタンとの国際交流のための贈り物として、海を渡っていきました。
国際交流事業を行っている知り合いの方から、今度、日本の音楽団をウズベキスタンに派遣して、音楽の交流イベントを開催することになり、交流に際していくつかの贈り物を持って行きたいとのことで、私の漆塗りの器を贈り物として持参していただくことになりました。
渡航に際して、楽器などの荷物がかなりあるので、なるべくコンパクトで、日本らしい印象のあるものということで、いろいろ考えた結果、漆塗りの豆皿6枚を刳りものの箱に収めて、お渡しすることにしました。
私が、現地へ行く訳ではないので、現地へ行く代表の方に、日本は森林の国で、木の種類も多く、古くから木を使ったもの作りが盛んであること。とりわけ漆塗りの技法は古くから木の良さや美しさを生かす、日本の伝統技法として発展し、伝えられていることなどのメッセージを託しました。
漆塗りで栃の杢目の美しいところを蓋にした刳りものの箱に、6枚の豆皿を収めて、日本を代表する贈り物としては、何ともつたない作品ですが、コンパクトな贈り物をお渡しすることができました。
後日、ウズベキスタンの文化担当大臣の方への贈り物の贈呈時の写真が送られてきました。
私は、ウズベキスタンには行ったことはありませんが、シルクロードを連想させる、中央アジアのとても魅力的な国の印象があります。
ささやかではありますが、日本とウズベキスタンの国際交流に、お手伝いできたことを嬉しく思います。

 

 

 

 

 

 

 

木のお玉を彫る

冬は暖かい鍋料理が美味しい季節ですが、鍋物に欠かせないのがお玉。
栗の木で、お玉を彫りました。
金属やプラスチック製のお玉は、鍋料理の演出にはちょっと味気なく感じるので、やはり木製のものが合うようです。とりわけ土鍋など使うと、木製のお玉の感じが似合うように思います。
中でも栗の木は水にも強く、杢目の感じが素朴で、鍋料理に一番似合うように思います。
作っているのは、すくう部分を少し深くして、具材もお汁もしっかりすくえるようにしました。そして柄を少し細めにして、取りまわしやすくしています。
栗の木は、無塗装でも使えますが、漆を塗ると匂い移りも少なく、洗浄もしやすいので、拭き漆塗りで仕上げます。

木のお玉

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年12月の工房Open日

毎月、第3土曜、日曜、月曜の3日間、工房ギャラリーを定期Openしています。
今週末は、2019年12月、今年最後の工房Openとなります。
2019年12月の工房Open日は、12月21日(土)、22日(日)、23日(月)10:00〜16:00 の3日間です。
工房で製作しています木の器等の作品、織の作品や小物雑貨と、あると楽しい古道具、古民具を展示販売いたします。
冬の訪れとともに工房の周りの木々は、すっかり葉を落とし、工房前は落ち葉の絨毯状態です。
乾いた空気感とともに、さくさくと踏みしめる落ち葉の感触は、遠い過去に忘れていたものを蘇らせてくれるような、心地よさを感じます。
例年に比べると、工房周辺は比較的温暖な冬の日々ですが、工房内はやはり寒いので、薪ストーブでやさしく暖めています。
工房の見学のみ、おしゃべりのみの方も歓迎いたします。
冬の工房へ、お気軽へお立ち寄りください。

 

 

 

 

 

 

 

陶芸工房suntrapを訪ねて

以前から一度伺って見たかった、陶芸家の森本陽子さんが主宰されている陶芸工房suntrapを訪ねてきました。
今年、京都から神戸に工房を移され、神戸の都心で陶芸の創作活動と陶芸教室をされています。
陶芸作品は、ほとんど手びねり作られているとのことで、私の手彫りの木の器と制作スタイルが近いこともあって、いろいろ参考になる話を聞かせていただきました。
陶芸作品は、工房名suntrapにあるように陽だまりを連想させるような、暖かい、やさしい雰囲気の使いやすい食器などを中心に制作されていますが、以前はオブジェ的な作品なども作られて、日展に入選や日本新工芸展で入賞されるなどの実力派の方です。
お互いに素材は違えど、多くの方に喜んでもらえる食器を目指して、頑張って行こうと言う思いは同じで、制作にまつわるいろいろな話は尽きず、私も仕事がひと段落付いたこともあって、長々と話し込んでしましました。
年末のお忙しい時間に、仕事の手を止めていただいた森本さんに感謝いたします。
工房では、作品の販売、陶芸教室もされています。ぜひ一度お訪ねください。

陶芸工房suntrap 兵庫県神戸市灘区水道筋6丁目2-16

 

 

 

 

 

 

 

 

蓋物の器

蓋のある器が好きで、木を刳り抜いて時々作っています。
蓋物の器は、器の部分とふたの部分の両方、作らなければならないので、通常の器の倍の時間がかかります。容器の方は蓋が載るので、多少深い器に彫らなければいけない。そして蓋がぴったりと合わさるよう調整しなければならないので手間がかかります。とりわけ木を手で彫る刳りもので作っている私にとって、時間がかかる面倒な仕事です。
にもかかわら、蓋がぴったりと収まった時の快感と、蓋のある器のまとまり感が面白くて、つい作ってしまいます。
蓋物の代表的なものが重箱で、三段重なども作っていますが、むしろ何を入れて使うのか良く判らないような、いろいろなかたちの蓋物の器が妙に面白くて、ただひたすら時間をかけて作っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年冬の個展・展示会巡り

最近、親しい作家の方から個展、展示会の案内が続々と届いています。
今日は、タイミングよく神戸市内で開催される3会場での個展、展示会の日程が重なったこともあって、久しぶりに神戸で、個展・展示会巡りをしてきました。
最初に訪れたのは、神戸三宮のさんちかホールで開催されている、兵庫県民芸協会主催の「第15回 くらしの工芸展」。技術の高い実力派ぞろいの各分野の民芸系の作家の方の展示会で、どれも欲しくなるような素晴らしい作品が沢山並んでいました。知り合いの作家の方が沢山出展されているので、久しぶりに会って、つい長話になってしまい、時間がいくらあっても足りない展示会でした。
「第15回 くらしの工芸展」2019年12月5日~10日 10:00~20:00
さんちかホール 神戸市中央区三宮町1町目7

次に訪れたのは、神戸の南京町ギャラリー蝶屋で開催の、親しくしていただいていしていただいてるジュエリー作家の石原辰朗さんの「第14回 創作ジュエリー展」。金属加工などの高い技術を駆使して、しっかりとした宝石に彩られた、斬新でアート的なジュエリーは、大変見ごたえのあるものばかりでした。
すっかり話し込んでしまって、後ろ髪を引かれる思いで、次の個展会場へ。
「石原辰朗 第14回 創作ジュエリー展」 2019年12月6日~10日 11:00~19:00
南京町ギャラリー蝶屋 神戸市中央区栄町通2-8-10

最後に訪れたのは、神戸元町のGALLERY&SPACE・DELLA-PACEで開催の「鐘ヶ江総代 展 -想いをカタチに-」展。私の工房のご近所さんで、バスケタリー工芸作家の鐘ヶ江総代 さんのこの度 2019 バスケタリージャパン大賞を受賞されての記念展。日々新しい技術の習得を目指し、素材の垣根を越えて、新しい作品を創作し続けて、この度、2019 バスケタリージャパン大賞を受賞されておられる姿勢は、本当に素晴らしいことだと思います。工芸家の大先輩としていろいろアドバイスをいただいたり、本当に学ぶべきことが沢山ある方です。
GALLERY&SPACE・DELLA-PACE 2019年12月5日~14日(9日休) 12:00~18:00
神戸市中央区北長狭通4-9-10 黒澤ビル1F

他にも案内をいただいた個展がいくつかあるのですが、すべてに伺うことはできませんでしたが、精力的に活動されている作家の方々に刺激をもらい、私たちも頑張って行かなければと思いを新たにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7寸輪花皿

栗の木で7寸径の輪花皿を彫り、拭き漆塗りで仕上げました。
輪花皿は形状的には、どちらかと言えば洋食器として扱われる場合が多いようですが、栗の木の彫り味と拭き漆塗りで仕上げたの雰囲気からすると、和食器の感じが強くなりました。
制作段階から、和食器をイメージして作っていたので、意図した通りに出来上がったと思います。
ただ実際に使うとなると、ちょっと悩ましいお皿かもしれません。
うまくコーディネートして使ってくださる方がいらっしゃると嬉しいのですが。

 

 

 

 

 

 

 

晩秋の夜空の競演

最近は、夕暮れの光景がとても美しくて、工房横の畑から夕景を見るのが楽しみになっています。
最近、日没と同時に、南西の低い空にひときわ輝く明るい星が気になっていました。
ネットで最近の星の情報を見ると、南西の空に金星と木星が輝いているとのこと。そしてこの時期、月と金星と木星が一直線に並んで見えるとのことで、今日は天候も良く、夕暮れの空を写真に収めることができました。
夕焼けのオレンジ色の空の向こうに、細い三日月が現れ、ほどなく右下に明るい金星、さらにその下に木星が並んで見え始めます。
この時間の空の色の移り変わりは、とてもドラマチックでなんとも美しいものです。世の中には美しいものはいっぱいありますが、地球の表情ほど美しいものはないなと、つくづく感じます。
しばらく見ていると、暗闇とともに月の左上にも星が現れます。これは土星だそうですが、写真に写し込むことが難しいので、ブログの写真にはありませんが、一直線に並ぶ月と星々の競演は、仕事の疲れを忘れさせてくれる、この時期のささやかな楽しみです。