蓋のある器が好きで、木を刳り抜いて時々作っています。
蓋物の器は、器の部分とふたの部分の両方、作らなければならないので、通常の器の倍の時間がかかります。容器の方は蓋が載るので、多少深い器に彫らなければいけない。そして蓋がぴったりと合わさるよう調整しなければならないので手間がかかります。とりわけ木を手で彫る刳りもので作っている私にとって、時間がかかる面倒な仕事です。
にもかかわら、蓋がぴったりと収まった時の快感と、蓋のある器のまとまり感が面白くて、つい作ってしまいます。
蓋物の代表的なものが重箱で、三段重なども作っていますが、むしろ何を入れて使うのか良く判らないような、いろいろなかたちの蓋物の器が妙に面白くて、ただひたすら時間をかけて作っています。