我谷盆を彫る

栗の木で我谷盆を彫りました。
本来の我谷盆は、栗の木の丸太を鉈や斧で割って、自然に割れた状態などを生かしながら、鑿で彫り上げていき、野趣あふれる雰囲気が、我谷盆の魅力と言えるところではないかと思います。
私の場合は、あらかじめプレーナーがけした板状の栗材を、ルーターで荒彫りしたものを、鑿で彫っていっていますので、我谷盆と呼べるものかどうかわかりません。
今回彫ったのは、縦18㎝、横38㎝、厚さ2.5㎝の少し細身の長方形で、二人分のお茶を運んだりするような場合に、気軽に使える取り回しのいい大きさかと思います。
ひとつは、これから拭き漆塗り仕上げにします。もうひとつは、無塗装のままで、栗の木の経年変化を楽しんでいただくものにします。

我谷盆我谷盆

Button Inspiration vol.15 に出展

今年最初の展示会は、東京のACギャラリーさんで、2月1日より開催される、ボタン作品の合同展示会「Button Inspiration vol.15 」に出展させていただきます。
陶器やガラス、布、木などさまざまな素材で創作活動されている、49名の作家により作られたボタンが、展示販売されます。
ボタン作品の展示会は、初めてですが、私は木を素材としたボタンを出品します。
木の杢目を生かしたもの、漆塗りのもの、木彫りのものなど、木の様々な表情を生かしたボタンを作りましたので、ご覧いただければと思います。
ACギャラリーさんは、東京の銀座5丁目にあるとても立地の良いギャラリーです。
相変わらずのコロナ禍の日々ですが、ギャラリーでは感染予防に十分配慮して対応されておられます。
会場が東京ですが、お近くの方がいらっしゃいましたら、ご高覧ください。

会場 ACギャラリー 東京都中央区銀座5-5-9 岡崎ビル4F
期間 2021年2月1日(月)~2月7日(日) 11:30~18:30 最終日は17:00まで

 

お椀を彫る

栗の木でお椀を10個彫りました。
昨年秋にご注文いただいていたお椀ですが、作業スピードが遅く、時間的になかなか作業に入れず、気になっていたのですが、やっと彫り上げました。
口径は11.5センチ、高さ6.3センチです。
私が、一番使いやすいと思い定番にしているサイズです。
手で彫っているので、かたちが微妙に違っていると思います。なので、持った時の感じや、飲み口の感じもそれぞれ印象は異なると思います。
こんなお椀ですが、面白いと言っていただいて、ご注文いただくことが少し増えました。
今回は、一ご家族からのご注文で、それぞれどこか個性のあるお椀の使い心地を、ご家族で楽しんでいただけることは、とても嬉しいことです。
これからしっかり拭き漆塗りで仕上げていきます。

手彫りのお椀手彫りのお椀

最近買った本

最近買った本の紹介です。
工芸でもクラフトの本でもない本なのですが、「Rhapsody in John W.Lennon」立川直樹 著、40年前に亡くなったミュージシャン、ジョンレノンの40年の生涯を追った旅の記録。
ジョンレノンはとても好きなミュージシャン。ビートルズ時代も好きでしたが、それ以上にビートルズを解散して、ソロで活動してからのジョンが、何より素晴らしい。
ビートルズ時代は、絶大な人気を得ていましたので、ソロになってからも、当然のように一挙手一投足が注目をあび、莫大な収入を得られるシンガーではあるのですが、アメリカに移住した彼は、非常にピュアな気持ちで、お金儲けのための歌作りではなく、戦争や差別のない社会、平和な世界をメッセージに込めて歌い続けていました。それは、やがて、ジョンの平和へのメッセージに共感するアメリカ市民が起こす運動が大きなうねりとなったことに、危機感を持ったアメリカ政府が、ジョンを国外に退去するよう命令を出すまでに至ると言ういきさつがあります。
世界的に有名になれば、当然のように注目をあびることで、収入を得られるのですが、彼はそれを差し置いて、一貫して平和な社会を作ることを歌にすることに情熱を傾けた、杞憂な本当に素晴らしいシンガーだったと思います。
残念ながら、40年前の12月8日に、変質者に射殺され40歳で生涯を終わることになりました。
自分の作品にメッセージを込めて、多くの人に伝えることの素晴らしさを教えてもらったように思います。
私も、脱サラ以前は、ささやかな自然保護へのメッセージを込めた作品を作って、コンペなどに出品していたこともあるのですが、脱サラ後は、生活の糧となる作品とは、と言ったことばかり考えての作品作りの日々です。
いつか作品にしっかりメッセージ込めて、共感してもらえる人のところに届けることができるような作品作りができるようになればと思います。

 

土人形の魅力

古いもの好きが高じて、古物商の許可を取得して、古道具や古民具も工房内で販売しているのですが、最近入荷した、地元兵庫県丹波地方で作られた稲畑人形が気に入っています。
稲畑人形は、江戸末期に作り始められたとされていますが、現在その伝統を引き継がれておられるのは、お一人だけだそうです。
写真の土人形は、土人形の中でも定番の天神さん、いわゆる菅原道真をかたちどったものですが、素朴さの中にも気品が感じられる、好きな人形です。
菅原道真は、学問の神様として有名で、かつては子供の学業向上を祈って贈られていたようです。
私も学業向上にあやかって、天神さんの土人形はすでにコレクションとして大小3体所有しているのですが、どちらかと言えば、そのほのぼのとした雰囲気が好きで手元に置いていると言うところです。そんな訳で、工房の食器棚の上にもお気に入りのいろいろな土人形が、少しづつ増えています。
土人形は、型にはめて成型された粘土を素焼きしたものに彩色されただけのものですが、人形内は空洞で、壊れやすく危ういところも素朴さと相まって、愛しさを感じるところがあります。
今や人形と言えば、あらゆる素材で、多種多様なものがありますが、この土人形のような、とても簡素な造りで、人々の思いを受けとめる人形の存在も魅力的と言えると思います。
明日から、3日間工房Openします。作品より充実してきた古道具をよろしければ冷やかしにお出でください。

 

薪ストーブ頼みの日々

今日は、本州南岸を通過する低気圧により、早朝から雪模様。工房もうっすら雪景色となりましたが、お昼前にはすべて消えてしましました。
昨今の北陸や信越、東北にかけての豪雪状況には、驚かされるとともに、豪雪被害がひどくならないことを祈りたいものです。
これまでこんな豪雪は、経験したことがないと、皆さん言われているようですが、やはり近年の地球温暖化による海水温度の上昇がもたらす豪雪のようです。地球温暖化による被害は、冬にも顕著に表れるようになってきたようで、世界が、早急にかつ真剣に対応しなければならない時期に来ているようです。
最近の朝の冷え込みは厳しく、朝の工房の室温はマイナス1~2度の日々で、薪ストーブなしでは到底仕事のできる状態ではありません。朝、薪ストーブに火を入れて、部屋と体がおもむろに暖たまるまで、ほとんど仕事をする気になれず、ずるずると時間の浪費と思いながらも、薪ストーブにかじりついています。
時々ストーブで焼き芋をしたり、料理の鍋を載せたりしながら、薪ストーブ頼みの冬のひと時を楽しんでいます。

7寸隅切り鉢

7寸の隅切り鉢を作りました。
漆塗りは、根来塗り風に仕上げて、ハレの日の器にしたつもりです。
できれば昨年末のお正月用品の展示会に間に打合わせたかったのですが、塗りに手間取って間に合わず、やっと仕上がりました。まだ松の内という事で、朱色のお目出たい感じの器もいいかなと思います。
根来塗りの器は、大好きで、とりわけ古い時代の古色を帯びた根来塗りの表情にとても魅力を感じるので、自分でもやってみるのですが、なかなか思うようにいきません。
気に入った朱色がなかなか出せないことや、下地の黒漆の自然な擦れたような表情が出せないのが難しいところです。
いつか、満足のいく根来塗りの作品ができるようになればと思います。

2021年の初荷

今日1月5日、2021年最初の作品の納品のため、宅配会社に荷物を持って行って来ました。
最近では、あまり使わなくなりましたが今年の「初荷」です。
昨年暮れにオーダーをいただいていた作品で、できれば年末までに納品してほしいというご希望でしたが、作業の遅い私としては、漆をしっかり乾かして、落ち着かせてから納品させていただきたいとお願いをして、お正月明けに納品させていただくことにしました。
2021年の仕事始めは1月3日から、相変わらずの作業スピードの遅さから、年明け早々にバタバタと動いています。
今年もありがたいことに、少しづつですが展示会などの予定もいただいて、ボーっとして仕事をしていられない状況になってきました。
今年の最初は、私にとって新ジャンルの「ボタン」の合同作品展示会を銀座のギャラリーで。そしてその次は、台湾で開催される、日本と台湾のクラフトの交流展示会への出品。
ここ数年冬場になると体調不良に悩まされることが多くなってきたので、今年はしっかり体調管理して、体調良く作品作りに頑張って行きたいと思います。

2021年 新年明けましておめでとうございます。

2021年 新年明けましておめでとうございます。
昨年は大変多くの方にお世話になり、ありがとうございました。
今年も小さな林の工房で、自然と寄り添いながら、気負わずじっくりと作品作りに取り組んでいきたいと思います。
今年は、初めての海外での国際交流の展示会へ作品を出品の予定など、少しづつ展示会の予定などもいただいています。
相変わらずのコロナ禍で迎えることになった新年ですが、私たちの作るものや工房活動を通じて、少しでも暮らしに潤いを感じていただき、また、ものづくりの楽しさを共有していくことができればと思います。
今年もいろいろな角度から工房えらむの作品を提案させていただき、多くの方とともに活動を楽しんでいきたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

鉢は、栃拭き漆だ円鉢