土人形の魅力

古いもの好きが高じて、古物商の許可を取得して、古道具や古民具も工房内で販売しているのですが、最近入荷した、地元兵庫県丹波地方で作られた稲畑人形が気に入っています。
稲畑人形は、江戸末期に作り始められたとされていますが、現在その伝統を引き継がれておられるのは、お一人だけだそうです。
写真の土人形は、土人形の中でも定番の天神さん、いわゆる菅原道真をかたちどったものですが、素朴さの中にも気品が感じられる、好きな人形です。
菅原道真は、学問の神様として有名で、かつては子供の学業向上を祈って贈られていたようです。
私も学業向上にあやかって、天神さんの土人形はすでにコレクションとして大小3体所有しているのですが、どちらかと言えば、そのほのぼのとした雰囲気が好きで手元に置いていると言うところです。そんな訳で、工房の食器棚の上にもお気に入りのいろいろな土人形が、少しづつ増えています。
土人形は、型にはめて成型された粘土を素焼きしたものに彩色されただけのものですが、人形内は空洞で、壊れやすく危ういところも素朴さと相まって、愛しさを感じるところがあります。
今や人形と言えば、あらゆる素材で、多種多様なものがありますが、この土人形のような、とても簡素な造りで、人々の思いを受けとめる人形の存在も魅力的と言えると思います。
明日から、3日間工房Openします。作品より充実してきた古道具をよろしければ冷やかしにお出でください。