工房 えらむ

木の器と手織の工房

08月

金継ぎを習う

昨年から、漆塗り技術を身に着ける一貫として、金継ぎを習っています。
金継ぎは、割れたり欠けたりした陶器などを漆を使い、金粉や銀粉で意匠的に修復し、修復された姿を、完品とは違った趣として見立てる修復の仕方です。
兵庫県の漆芸家の江藤雄造先生の講座で、習っていますが、江藤先生は、文化財の修復や古美術品の修復、金継ぎも仕事として行っておられるので、技術的に大変高度で、また美術価値の高いものとして、修復をされています。
講座の最初は、割れた器を接着剤で張り合わせる、簡易的な技法で金継ぎの簡単な流れを体験するところから始めました。
その後は、すべて漆で修復する金継ぎを習っていますが、用途に応じた漆の扱いそのものから学んでいく必要があり、その奥の深さと難しさをつくづく感じます。
先生の話では、一口に金継ぎと言っても、その技術や表現は多様で、陶器の種類や欠けひびの状態により、やり方を見極めていくそうです。
今は、所有している古伊万里などを中心に金継ぎをしていますが、修復後の器に趣を感じるまでにはなっていないようです。
なかなか、しっかりとした技術の習得には至りませんが、漆を扱う面白さとその奥の深さに興味が尽きません。

 

 

 

 

 

 

 

明珍火箸の風鈴

我が家では、ながらくエアコン(冷房)のない生活をしていました。
四季に寄り添って生活をすると言う、ささやかな思いの中で、エアコンのない夏の暮らしを続けていました。
そんなことから、夏を涼しく感じるグッズにはいろいろこだわりを持って、買い集めていました。
なかでもお気に入りは、地元兵庫県の鍛冶屋さんが作る明珍(みょうちん)火箸の風鈴。
風鈴にはいろいろなものがありますが、明珍火箸の風鈴の音は、群を抜いていて、涼しさもさることながら、その音色は芸術的とも思える音色です。
ミュージシャンのスティービー・ワンダー氏も「近くで響いているのに遠くで響いているように聞こえる東洋の神秘の音色」と絶賛しています。
明珍火箸の風鈴を作られている、明珍家は平安時代より続く甲冑師の家系で、12世紀半ばに近衛天皇よりその技を賞賛され「明珍」の姓を賜られ、江戸時代には姫路藩のお抱え甲冑師として姫路へ移り住んで、鍛冶を営まれている、大変由緒ある鍛冶職人さんです。
さすがに近年の猛暑に耐え切れず、数年前にエアコンを設置したことで、風鈴の出番は少なくなりましたが、五感で涼しさを感じれるような、風情のある夏はもうなくなってしまったのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

暮らしに寄り添ったオーダーにお応えして

同じようなタイミングで、3人のお客様からオーダーをいただき、作らせていただきました。
お一人は、納豆べらのご注文。今まで使っていた、納豆べらがすり減ってしまったので、同じようなものを少し改良して作ってほしいとのこと。
柄を少し長くとのご注文でサクラの木で作りました。
お味噌を少しすくったりするのにも具合がいいのだとか。
お一人は、カッティングボードのご注文。料理をのせたりするのにちょうどいい希望のサイズの市販のものがないとのことで、ご希望のサイズでお作りしました。クルミ材で、少し細身で長めのもの。
もうお一人は、パンや料理をのせるプレート。こだわりのサイズで、10ミリ厚の薄いものがご希望とのことで、クルミ材を使いました。表面は、フラットなものより少し削り跡があるものをご希望により、鑿で彫り目を入れました。
すべて納品済みですが、みなさん気に入っていただいて良かったです。
昔は、どこの村や町にも鍛冶屋さんがいて、生活に必要な刃物類の道具や農具などを作って、また修理をすると言う環境があったようですが、私のものづくりも木の器に関連する狭い範囲の道具ですが、かつての鍛冶屋さんのように、暮らしに寄り添って、いろいろなご要望にお応えするかたちで、存在していくことができればいいかなと思います。

納豆べらのオーダークルミのカッティングボードクルミのプレート