工房 えらむ

木の器と手織の工房

作家の方々

美術家 堀尾貞治さんの思い出

11月3日に、戦後日本を代表する前衛美術集団「具体美術協会(具体)」の元メンバーで、神戸を拠点に国際的に活躍した美術家、堀尾貞治(ほりお・さだはる)さんが79歳で亡くなられたことが報じられました。
堀尾さんには、私の工房に来ていただいたこともあり、その美術家としての活動ぶりにはいろいろ影響を受けました。
掘尾さんをはじめとする、美術家の方が集まるアトリエが私の工房から車で5分ほどの距離にあったことから、私も時々訪ねて行っては、いろいろ刺激をもらっていたました。
そんな縁もあって、私が工房を建てて間もないころ、掘尾さんをはじめとする、アートのグループの方が、私の工房でアートな集まりをやろうと言う事になりました。
10名近いアーティストの方が集まって、6月だったので「雨」と言うテーマでそれぞれが、作品を発表したり、パフォーマンス、インスタレーションを行うことになりました。
工房の内外をフルに使ってにぎやかに、そして痛快に楽しく時間は過ぎて行きました。
堀尾貞治さんの作品は、私の工房のファサード、格子状のガラス窓に、紙きれをテープで止めて、建物の構造体を利用して連続する漢字の「雨」を表現され、全員、恐れ入った!と皆感心しきり。
私の工房の建物を見て即興で思いついたと言われていました。
気さくな素晴らしい美術家の方でした。亡くなられたことを本当に残念に思います。
心よりご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

工房Openのお客様

2018年10月の工房Open日が終わりました。
久しぶりの秋の穏やかな好天に恵まれ、各地で大きなイベントが開催される中で、工房えらむを訪ねていただきました皆様には、本当にありがとうございました。
県外から車で3時間かけてお出でいただいたお客さまもいらっしゃって、本当にありがたく思います。
また、親しくしていただいているお客さまが、ご自身で作られた木の器を持参されました。
手で彫る木の器作りに魅せられて、心から木の器作りを楽しんでおられます。今回は、栗の木を手で彫って、料理の映える実用的な器を作られました。どんな料理を盛って、食事や宴会を楽しむかをイメージしながら楽しんで作られた器は、本当にのびやかで、素敵な器に感じます。
私も、このように料理をイメージして楽しんで作ると言う思いを持って作ることの大切さを改めて感じさせてもらいました。
お客様の器は、ご要望により、私が拭き漆塗りで仕上げてさせていただくことになりました。

 

 

 

 

 

 

 

ギャラリー木の在る暮らし展を訪ねて

今年の6月21日に発行された雑誌「住む。66号」に当工房の建物の記事を掲載いただいたのですが、同じ号に掲載された鳥取県鳥取市にある、「ギャラリー木の在る暮らし展」さんを訪ねて来ました。
同じ雑誌「住む。66号」に掲載されたご縁で、先に「ギャラリー木の在る暮らし展」のオーナーさんが工房えらむを訪問いただいたことから、今回私たちも鳥取市の鳥取砂丘にほど近い海に面したギャラリーを訪ねてきました。
「ギャラリー木の在る暮らし展」さんは、ご主人が工務店を営んでおられ、地元鳥取県産材をふんだんに使った、木造家屋を造っておられます。
そして、大量の地元県産材のストックの一部をテーブルに加工されて、奥様がギャラリーで販売とカフェをされています。
目の前が海と言うロケーションの中で、鳥取の豊かな森から切り出され、加工されたテーブル材を販売されているところが、なかなか面白くて興味の尽きないところです。
もちろんギャラリーも木をふんだんに使ったしつらいで、カフェも併設されていて、海原を望む素晴らしい空間でした。

 

 

 

 

 

 

高校生の訪問を受ける

今日は、工房に高校生の訪問を受けました。
以前、姫路市で開催された「ひめじアーティストフェスティバル」に参加した際に、制服姿の女子高生が私の出展ブースにやって来て、いつか工房を訪ねて仕事ぶりを見せてほしいとの申し出があり、快諾の返事をしたことがありました。
その後、正式な訪問の連絡を受け、今日、兵庫県立姫路工業高等学校 デザイン科写真クラブの有志3名が顧問の先生とともに工房を訪ねられました。
それぞれカメラを手に、工房の建物を撮ったり、私の仕事ぶりや、作品などを思い思いのアングルで写真に収めていきました。
そして、みんなでお茶を飲みながら、部活のこと、それぞれの夢や希望の仕事のことなどを話して、楽しい時間を過ごしました。
私たちも、ものづくりを仕事にしたいと言う思いから脱サラして始めた工房の経過などを話しながら、学生さんたちのこれから、学んだデザインをベースに、自分のやりたい分野のクリエイターの道を目指して行きたいと言う思いに、ささやかなエールを贈りました。
若い高校生が、私たちの仕事や暮らしに興味を持ってくれて、訪ねて来てくれるのは、私たちも刺激を受け、本当に嬉しいことです。

 

 

 

 

 

 

 

納品 と 座る・くらべる一脚展

昨日は、日頃、一点ものの木の器などを中心に販売していただいている、神戸市東灘区の「Gallery 住吉倶楽部」さんへ納品と、年末に向けての作品の打ち合わせを行いました。
そして現在、神戸市の「竹中大工道具館」で開催されている「第8回 座る・くらべる一脚展+2018」を、親しくしていただいている木工家の方が運営され、案内をいただいたので見てきました。
会場の竹中大工道具館は、1984年に神戸市中山手に設立された、日本で唯一の大工道具の博物館を、新神戸駅近くの竹中工務店ゆかりの地に移転して新たに開館されている施設の1階ホールですが、都心とは思えない、素晴らしい庭園に囲まれた、落ち着いた佇まいの会場です。
会場には、15名の木工作家が製作された新作の椅子一脚と家具が並べられ、椅子は、すべて座ることができ、アンケートにより、デザインや坐り心地を投票できるようになっています。
「シコウの椅子」と言うテーマで、日々の仕事の中から生まれてくる、座り心地と機能性を追求した椅子であったり、遊び心や素材にこだわった椅子など、それぞれの座り心地がありました。
今回は、時間がなかったので竹中大工道具館の展示を見ることはできなかったのですが、収集された古い時代の優れた道具や、「道具」を使いこなす「人」の技と知恵や心、そこから生まれる「建築」とそれを取り巻く木の文化について、紹介されており、木工好きにはとても興味深い施設となっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フォトグラファー ヨシダナギさんの話

昨日、フォトグラファー ヨシダナギさんの話をデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)へ聞きに行ってきました。
人間ウォッチイング大好の私。どこに行っても、名勝旧跡よりも通りすがりの人たちを見ていると飽きないのです。人々の生き様や醸し出す表情にとても面白さを覚えます。
以前、ブラジル人写真家のセバスチャン・サルガド氏の労働者をテーマとした写真展を見に行ってとても感動したのですが、フォトグラファー ヨシダナギさんの被写体は、アフリカやアマゾンなどに暮らす少数民族。
とかくアフリカ人は貧困や飢餓の先入観がもたれるのですが、実際は、とてもかっこよく魅力的な人々であることを写真で伝えようとしています。
ヨシダさんの写真は、記録映像的に撮影されることが多い少数民族や、ほとんど外界との接触のない人たちの、本当にかっこいい姿を、かっこ良く撮ると言うスタンスで、場所を選びポーズを選び表現すると言う撮影の仕方です。
そのためには、人々に溶け込みながら信頼を得ると言うところがなにより重要ですが、ヨシダさんはそれをごくストレートに自然体でやっているところが、すごいと感じるところです。
外人に会ったことがない。カメラを見たことがない。車に乗ったことがない。
そんなピュアな被写体となるモデルを最大限にかっこよく撮る、それはなかなか難しいことですが、ヨシダさんの写された、そんなピュアな人々の見せる表情は、私たちの社会では垣間見ることのできないとても素晴らしいものでした。
紆余曲折を経てフォトグラファの仕事をしているヨシダさんですが、次は家具屋になりたいとのこと、この方の生きざまにも興味深々です。

 

 

 

 

 

 

三谷龍二さんのバターケース

もう30年以上前に買った木のバターケースを今も使っています。
これは、まだ社会人山岳会に所属して登山に熱中していたころ、1986年に北アルプスへ春山登山に行った帰りに、長野県の松本駅前の土産物店の片隅に置かれていた木のバターケースに目がとまったものです。
ペルソナ工房と言う名前で販売されていて、当時、木のバターケースはめずらしく、なんと言っても「BUTTER」と言う文字が丁寧に手彫りされていたのが、とても印象的で購入しました。
それから数年後、このバターケースの作者は、木工作家・デザイナーの三谷龍二さんの作品であることを知りました。
以来このバターケースは、我が家の唯一のバターケースとして今も使い続けています。
それからさらに何年か経って、神戸市内の工芸品店で、企画展をされていた三谷龍二さんにお会いする機会があって、バターケースの購入のお話をしましたら、ケースの状態は悪くなっていませんかとたずねられ、ひび割れや反りもなく、何の問題もなく使っていることをお伝えすると、喜んでいただいた記憶があります。
現在、私は自然とともに生活をしたいと言う思いから、サラリーマンを辞めて、木の器作りを仕事にしていますが、このバターケースを見ると、丈夫で飽きのこない、長く使い続けてもらえる作品を作っていかなければと、いつも思います。

 

 

 

 

 

 

木の家具 羽賀達哉 作品展

親しくしていただいている兵庫県篠山市の家具作家、羽賀達哉さんの作品展を見てきました。
私の工房からほど近い、兵庫県三木市の兵庫県立三木山森林公園にある風の森美術館で開催中の「木の家具 羽賀達哉 作品展 やさしい椅子と小さなテーブルたち そして 少しヘンなモノ」と言う展示会です。
羽賀さんの家具は、長いキャリアと確かな技術で洋家具を日本の暮らしに合うように作られ、木の質感を生かす手の込んだ塗装がほどこされた家具が中心です。
また洋家具以外に、随所に大変手の込んだ作りが施されているにも関わらず、それらが目立つことなく、使い手の立場に立ったやさしいフォルムの家具がたくさんありました。
そして、木工家ならではのアイデアに富んだ木のいろいろなグッズが、楽しませてくれます。
羽賀さんと久しぶりにお会いして、熟練の木工技術にしばし感心しながら、楽しい時間を過ごさせてもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

木の家具工房 林工亘 木工作品展

長い付き合いになる親友の木工家 木の家具工房 林工亘の神吉臣人さんが、木工作品展を大阪府箕面市のギャラリーで開催するので、会場設営の手伝いに行ってきました。
神吉さんとは、彼が美術大学卒業後、海外青年協力隊で中南米のエルサルバドルに赴任して帰国後まもなくに知り合いました。
その後、岐阜の高山で木工技術を修得し、家具工房勤務などを経て、現在和歌山県の北山村で廃校となった保育所に開かれた木工房で独立し、木工活動をしています。
昨年、テレビ番組の「遠くへ行きたい」で彼の工房が紹介されて、沢山の人に知られるようになってきました。
彼の作る家具は、実用性を重要視した、細かいところまで気持ちの行き届いた作品で、そしてどこか柔らか味のある、暖かい作品です。
家具のほかに使いやすいトレイや額、フォトフレーム、カトラリーも展示販売されています。神吉さんは毎日会場に在廊されています。家具のオーダーの受け付けもしていますので、ぜひこの機会に彼の作品に触れていただければと思います。

会場 ミカリ・ギャラリー 大阪府箕面市箕面6-2-18 Cafe サルンポヮク2F (阪急箕面駅から徒歩3分)

期間 2018年5月18日(金)〜21日(月) 11:00〜18:00 (最終日は14:00まで)

 

 

 

 

 

 

美術家 向井修二氏のご自宅を訪問

ご縁をいただいて、「アートプランおの」の代表で彫刻家の井上 直さんと美術家の向井修二 氏のご自宅・アトリエを訪問させていただきました。
向井修二さんは、元 具体美術協会の会員で現在も素晴らしい活動されておられる美術家の方。
ルイヴィトンのニューヨーク ソーホー店の店内装飾やシャネル銀座並木店において店舗にアートワークスを施されたり、作品は海外の美術館に収蔵されていたりと、現在も国内外で活動されておられます。
ご自宅・アトリエは自然に囲まれた、大変美しい場所で、室内も白を基調とした大変落ち着いた、そして少し緊張感漂う素敵な空間でした。
私たちを魅了する作品は、この空間から生まれるのだなと妙に納得。
「アートプランおの」の活動について助言をお願いすると、気さくにそして、とても真摯にいろいろな助言をいただくことができました。
日頃、私が感じることのない、目から鱗の貴重なお話を伺うことができ、本当に良い時間を過ごさせていただきました。

いただいた名刺の裏側には直筆の記号。