工房 えらむ

木の器と手織の工房

作家の方々

画家 石野善浩 展を見てきました

画家の石野善浩さんの個展を、兵庫県西脇市の西脇市岡之山美術館アトリエに見に行って来ました。
石野さんとは、同い年で親しくしていることもあり、石野さんから頼まれていた、愛用のぐい吞みの金継ぎが出来上がったので、個展の初日と言うこともあって、ぐい吞みのお届けも兼ねて、会場に行きました。
石野さんは、東京芸術大学の大学院を修了して、美術の教師などを経て画家として活動しているのですが、その間アジアからヨーロッパを沢木耕太郎のように旅したりして、いろいろな感性を磨き、今日に至っているようです。
同世代の人間として、私は彼の歩んできた世界には到底及びませんが、同じ時間を過ごしてきた者同士として、どこか共通の趣向や話題で盛り上がるところがあるのが嬉しいところです。
今回の個展の絵には、石野さんの豊かな感性や独特な視線が表現されていて、本当にどの絵も奥の深さを感じさせてくれる、いつまでも見ていたい絵ばかりでした。
機会がありましたら会場へ足をお運びください。

期間 2019年10月29日~11月17日 10:00~17:00 月曜休館
会場 西脇市岡之山美術館アトリエ棟 兵庫県西脇市上比延町345-1

 

 

 

 

 

 

 

 

ネパールからの手紙

ネパールから絵葉書が届きました。
知り合いの登山者、山本美雪さんからネパールヒマラヤの8000m峰、マナスル(8163m)の登頂に成功し、無事下山しましたとの報告の手紙。
彼女の登山は、昨年はネパールヒマラヤ、アマダブラム(6814m)、今年2019年5月にエベレスト(8848m)、ローツェ(8516m)の登頂に続き、10月にマナスル(8163m)の登頂と、1年間に3座の8000m峰に登頂すると言う、素晴らしい登山を行いました。
私もサラリーマン時代は、登山に熱中し、休日と有給休暇のほとんどを登山に費やす日々で、ヒマラヤやヨセミテのビッグウォールを夢見て登山していました。
ただ厳しい登山をするほどに、雪山で怪我をするなど、あまり登山センスもないと感じて、段々と山村や、自然とともに暮らしたいと言う思いにシフトしていきました。その結果として自然素材を使ったもの作りで生活するスタイルを目指し、脱サラし今日に至っています。私としては、今の生活スタイルも登山の延長線上にあると思っています。
山本さんは、5月に8000m峰に2座登頂して、なんとか10月にマナスル登頂を目指したいと言うことで、日頃は夜勤専門の看護師をして頑張っているのですが、今回は、資金的に厳しいので私にスポンサーになってほしいとの依頼があり、ごくささやかではありますが、資金援助させていただくことにしました。
彼女は、本当にこまめに登山経過をネパールからメールしてくれ、登頂の知らせの手紙とヒマラヤの地図を送ってくれました。
親しいネパール人登山家と連携を密にとり、信頼関係を構築しながら、登山を成功させていくやり方で、日々のトレーニングと高所に耐えられる体づくりの努力の結果として、大きな登山を成功に導いたようです。
日本人女性として1年間に3座の8000m峰に登頂した人は、まだいないようです。これから彼女はどこへ向かって行くのか、これからも応援していきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

デザイナーさんの訪問

最近は、いろいろな方が工房に来られます。
今日は、知り合いのデザイナーさんが、工房を訪ねて来られました。
デザイナーさんは、もうかれこれ30年近く前に、私の工房の建設に携わっていただいた建築家の方が、所有されていたビルの一室で個展をさせていただいた時に、当時同じビル内に事務所を構えてデザインの仕事をされていたことから、私たちの個展会場に見に来ていただいたことが縁で知り合った方。
ただ、工房を訪ねていただくのは初めて。
今回は、デザイナーさんが現在企画制作されている、地域振興のために、お住いの地元特産の桧を使った、お弁当箱の仕上げなどについての相談。
桧のお弁当箱は、地元の大工さんが作られているもので、商品化に向けての仕上げや塗装について、ささやかですがアドバイスをさせていただきました。
そして、デザイナーさんが、企画デザインされた、地元の特色を生かした、タータンチェックの生地との組み合わせについていろいろ意見交換。
タータンチェックの生地は、地元の風土や特産品などを配色にデザインされたもので、イギリスのタータンチェックの組織に申請され、公式認定を受けられたもの。
ポジティブかつ柔軟な仕事ぶりに、いろいろ刺激を受けます。

 

 

 

 

 

 

 

 

鍛冶師さんの栗の皮むき刃物

私の工房に時々遊びに来られる、いや木工指導に来られる鍛冶師さんから栗の皮むき刃物をいただきました。
鍛冶師さんは、隣町で家具作りをされている著名な木工家の方をして、それまでのカンナとは次元の違う切れ味に驚いたとされる刃物を作られる方。
タバコを買いに行く途中やと言って、しばしば私の工房に立ち寄られる。最近は、私の木工の腕の無さにあきれてか、他愛のない話をして帰られる。
この間、沢山採れた栗の実をおすそ分けしたら、数日後、これで栗の皮をむくとむきやすいと、自身が作られた数本の栗の皮むき用の刃物を持って来られました。さっそく鍛冶師の師匠から栗むき用の刃物の使い方を教わり、ふたりで黙々と栗の皮をむく、ひと時。この刃は、かなりいいもん使っとるからなと言われるが、本当によく切れるし使いやすい。
師匠からは、栗むき用の刃物をいただき、刃物の研ぎ方、栗のむき方から栗の料理の仕方まで、しっかり指導を受けるありがたい時間を過ごしました。

 

 

 

 

 

 

白髪一雄さんのTシャツ

先日、尼崎総合文化センターで開催されていた、「村山明 木工芸の世界」を見に行った際に、入館料で階下にある「白髪一雄 記念室」の展示を見ることができました。
尼崎市出身の白髪一雄さんは、前衛美術グループ「具体美術協会」に所属されていた美術家。2008年に83歳で亡くなられましたが、キャンバスの上に絵具をぶちまけ、天井からぶら下げたロープにつかまって、素足で滑走して描くと言うアクションペインティングが印象的で、力強く大きなスケールの画を描かれる方でした。
白髪さんの「具体」の人のまねをするな。これまでになかったものを創れ。の理念に基づいて生み出された作品はどれも迫力あるものでした。また、子供向けの本の表紙を長年に渡り描かれるなど、人の心に染み入る絵を描かれる方だったようです。
白髪一雄さんのサインを染め抜いたTシャツが、会場に限定200部で販売されていたので思わず買ってしまいました。
具体美術協会は、兵庫県を中心に活動されていたこともあって、1972年に解散しましたが、所属されていた作家の方の作品を目にする機会が、兵庫県に住んでいることで、多いことが嬉しい限りです。
嶋本昭三さんの粘土の中に入れた火薬を爆発させて作ったオブジェ、元永定正さんの絵本、工房のほど近くにお住いの向井修二さんのご自宅を訪問させてもらったり、堀尾貞治さんには、工房にお出でいただいて、インスタレーション作品を作ってもらったり、沢山の刺激をいただきました。
そして、最近世界中で「具体」が再評価され、人気が高まっているのがまた嬉しいことです。

 

 

 

 

 

 

 

人間国宝 村山 明 木工芸の世界 展

昨日は、尼崎市総合文化センターで開催されている「木に活きる50年 人間国宝 村山明 木工芸の世界」展を見てきました。
私が、ほとんど独学で刳りものによる器作りを始めたころ、もう30年ほど前の話ですが、どうしても作った木の器に拭き漆塗りがしてみたかったのですが、漆塗りを習う場所がなかなかありませんでした。
そんな時、当時、村山 明さんが講師を務めておられた、大阪のカルチャー教室に長く通っておられた方と知り会って、拭き漆塗りのごく基本的なことなら教えてあげましょうと、その方の手ほどきで、拭き漆塗りを始めたのが、漆を扱う出発点でした。
その方は、村山先生は、拭き漆塗りは、いかに研ぎを丁寧に根気よくするかが、大切な事だとおしゃっておられたと言うのが、今でも頭に残っています。
村山 明さんから直接手ほどきを受けた訳ではまったくありませんが、そのエッセンスのようなものは、私の漆塗りにほんの少しは残っていると思います。
そして確か1991年に初めて、うめだの阪急百貨店で開催された村山 明さんの個展を見に行って、その作品の美しさとすごさに圧倒されました。
ちょうど在廊されていた村山さんに直接、漆塗りの技法について質問させていただいて、丁寧に対応していていただいた記憶があります。
正直、それ以来、沢山の作品を見る機会がなかったのですが、村山さんが人間国宝となり、尼崎市の出身ということで、尼崎市での作品展の機会が持たれたようです。
凛とした造形美と、木の美しさを最大限に引き出した漆塗りの作品はどれも素晴らしいものばかりでした。
会場で上映されていた、文化庁制作の「村山 明のわざ」と言う30分ほどの、ひとつの作品の木取りから出来上がりまでのビデオを食い入るように見て帰りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ふじい製作所さんとお互いの工房訪問

今日は、ゴールデンウイークの工房展も終わり、かねてより予定していた、同じ兵庫県小野市内で木の器制作をしている、ふじい製作所さんと工房えらむが、それぞれの工房を訪問し合うイベントを行いました。
漆関係の講座で知り合った共通の知り合いの皆さんと一緒に、お互いの工房を訪問し合い、実際の制作現場を見たり、作品を見たりして、楽しい時間を過ごしました。
私たちも、ふじい製作所さんの工房を訪ねるのは初めてでしたが、洗練された、実用的なデザインの器が出来上がる現場と、器の良さを引き出す巧みな漆塗りの部屋は、とても勉強になり、いろいろ刺激を受けました。
後半は、工房えらむを皆さんで訪ねていただいて、ふじい製作所の美奈子さんの手作りケーキをいただきながらのカフェタイムで、笑いの絶えないにぎやかな時間を過ごしました。
最後に、みんなで工房の近くで山菜のわらび採りをしましたが、これが意外と好評で、田舎の春のひと時を楽しんでいただくことができました。

 

 

 

 

 

 

内田鋼一展を見てきました

兵庫陶芸美術館で開催されている「内田鋼一 展」を見てきました。
陶芸家の内田鋼一さんの作品を初めて目にしたのは、書店で、2001年4月発行の雑誌「芸術新調」の表紙になっていた作品を見た時。雑誌の表紙の白い器を見た時、これまで見てきたいろいろな陶器とはどこか違う、何か違う、と衝動に駆られ、ためらわず雑誌を買って帰りました。
以来、目にする内田鋼一さんの作品は、今日まで、工芸の世界に強い影響力を持って時代を走り続けて来られているように思います。
会場では、大小の白を基調とした器作品が並べられ、色褪せることなく、時代の求めるものを表現するやきものの存在感を感じ取ることができました。
また、内田さんの表現に影響力をもたらしたと思われる、自身の独自の審美眼で集められた工芸品のコレクションの展示もあり、これもまた興味の尽きないものでした。
(会場での写真撮影は許可されていました)

 

 

 

 

 

 

 

 

河井寬次郎展を見てきました

昨日は、兵庫陶芸美術館へ「河井寬次郎展」を見に行ってきました。
京都にある河井寬次郎記念館へは行ったことがあるのですが、大系的に作品やコレクションを見る機会はなかなかないので、昨日で最終日ということで、工房から車で45分の兵庫陶芸美術館へ行ってきました。
作家・河井寬次郎氏(1890-1966)は、古陶磁の技法研究、新しい美意識を創出した民藝運動への参加を経て、独自の芸術性を確立するまで、陶芸作品の他、木彫や書、調度類などを制作されるなど、陶芸家という枠を超えた、まさに芸術家と言う印象でした。
今回初めて一般公開される作品もあり、約200点の展示作品はどれも見ごたえのある素晴らしいものばかりでした。
とりわけ、木を扱う仕事をしている私にとって、河井寬次郎氏の芸術的な数多くの木彫作品には、感銘を受けました。
真摯に作品作りを探求し生み出される作品は、時代を超えて訴えかけてくるものがあるのだと感じました。
※特定のものを除き、写真撮影は許可されていました。

 

 

 

木工仲間のおすそ分け

親しくしている木工家の藤田幸平さんが、近くに行く用があったのでと私の工房に寄ってくれました。
そして、畑でとれた野菜をおすそ分けと言って、持って来てくれました。
きれいな白菜に安納芋、そして極めつけは、自宅で収穫した果物のフェイジョア。
フェイジョア、見るのも聞くのも初めての果物。中南米原産のフルーツで、今年は沢山収穫できたとのことでおすそ分け。すでに独特の甘い香りが漂っているのですが、もう少し追熟させて柔らかくなったころが食べごろとのこと。どんな味と食感かお楽しみ。
そしてもうひとつ嬉しいプレゼント。木工旋盤で作った高さ15センチほどのクリスマスツリー。たくさん作ったからと持って来てくれました。
円錐形の木を木工旋盤のテクニックで、巧みに作られたツリーは、1本の木から作ったとは思えない柔らかい質感と感触。まるで雪をまとったもみの木のようで、たいへん美しくできています。作り始めたころは、なかなか納得のいくものはできなかったそうですが、最近やっとボリュウムのある、柔らかい雰囲気のものができるようになったとのこと。藤田さんは、私の木工旋盤の師匠でもあるのですが、野菜、果物、ツリーとうれしいおすそ分けに感謝です。