工房 えらむ

木の器と手織の工房

作家の方々

白髪一雄さんのTシャツ

先日、尼崎総合文化センターで開催されていた、「村山明 木工芸の世界」を見に行った際に、入館料で階下にある「白髪一雄 記念室」の展示を見ることができました。
尼崎市出身の白髪一雄さんは、前衛美術グループ「具体美術協会」に所属されていた美術家。2008年に83歳で亡くなられましたが、キャンバスの上に絵具をぶちまけ、天井からぶら下げたロープにつかまって、素足で滑走して描くと言うアクションペインティングが印象的で、力強く大きなスケールの画を描かれる方でした。
白髪さんの「具体」の人のまねをするな。これまでになかったものを創れ。の理念に基づいて生み出された作品はどれも迫力あるものでした。また、子供向けの本の表紙を長年に渡り描かれるなど、人の心に染み入る絵を描かれる方だったようです。
白髪一雄さんのサインを染め抜いたTシャツが、会場に限定200部で販売されていたので思わず買ってしまいました。
具体美術協会は、兵庫県を中心に活動されていたこともあって、1972年に解散しましたが、所属されていた作家の方の作品を目にする機会が、兵庫県に住んでいることで、多いことが嬉しい限りです。
嶋本昭三さんの粘土の中に入れた火薬を爆発させて作ったオブジェ、元永定正さんの絵本、工房のほど近くにお住いの向井修二さんのご自宅を訪問させてもらったり、堀尾貞治さんには、工房にお出でいただいて、インスタレーション作品を作ってもらったり、沢山の刺激をいただきました。
そして、最近世界中で「具体」が再評価され、人気が高まっているのがまた嬉しいことです。

 

 

 

 

 

 

 

人間国宝 村山 明 木工芸の世界 展

昨日は、尼崎市総合文化センターで開催されている「木に活きる50年 人間国宝 村山明 木工芸の世界」展を見てきました。
私が、ほとんど独学で刳りものによる器作りを始めたころ、もう30年ほど前の話ですが、どうしても作った木の器に拭き漆塗りがしてみたかったのですが、漆塗りを習う場所がなかなかありませんでした。
そんな時、当時、村山 明さんが講師を務めておられた、大阪のカルチャー教室に長く通っておられた方と知り会って、拭き漆塗りのごく基本的なことなら教えてあげましょうと、その方の手ほどきで、拭き漆塗りを始めたのが、漆を扱う出発点でした。
その方は、村山先生は、拭き漆塗りは、いかに研ぎを丁寧に根気よくするかが、大切な事だとおしゃっておられたと言うのが、今でも頭に残っています。
村山 明さんから直接手ほどきを受けた訳ではまったくありませんが、そのエッセンスのようなものは、私の漆塗りにほんの少しは残っていると思います。
そして確か1991年に初めて、うめだの阪急百貨店で開催された村山 明さんの個展を見に行って、その作品の美しさとすごさに圧倒されました。
ちょうど在廊されていた村山さんに直接、漆塗りの技法について質問させていただいて、丁寧に対応していていただいた記憶があります。
正直、それ以来、沢山の作品を見る機会がなかったのですが、村山さんが人間国宝となり、尼崎市の出身ということで、尼崎市での作品展の機会が持たれたようです。
凛とした造形美と、木の美しさを最大限に引き出した漆塗りの作品はどれも素晴らしいものばかりでした。
会場で上映されていた、文化庁制作の「村山 明のわざ」と言う30分ほどの、ひとつの作品の木取りから出来上がりまでのビデオを食い入るように見て帰りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ふじい製作所さんとお互いの工房訪問

今日は、ゴールデンウイークの工房展も終わり、かねてより予定していた、同じ兵庫県小野市内で木の器制作をしている、ふじい製作所さんと工房えらむが、それぞれの工房を訪問し合うイベントを行いました。
漆関係の講座で知り合った共通の知り合いの皆さんと一緒に、お互いの工房を訪問し合い、実際の制作現場を見たり、作品を見たりして、楽しい時間を過ごしました。
私たちも、ふじい製作所さんの工房を訪ねるのは初めてでしたが、洗練された、実用的なデザインの器が出来上がる現場と、器の良さを引き出す巧みな漆塗りの部屋は、とても勉強になり、いろいろ刺激を受けました。
後半は、工房えらむを皆さんで訪ねていただいて、ふじい製作所の美奈子さんの手作りケーキをいただきながらのカフェタイムで、笑いの絶えないにぎやかな時間を過ごしました。
最後に、みんなで工房の近くで山菜のわらび採りをしましたが、これが意外と好評で、田舎の春のひと時を楽しんでいただくことができました。

 

 

 

 

 

 

内田鋼一展を見てきました

兵庫陶芸美術館で開催されている「内田鋼一 展」を見てきました。
陶芸家の内田鋼一さんの作品を初めて目にしたのは、書店で、2001年4月発行の雑誌「芸術新調」の表紙になっていた作品を見た時。雑誌の表紙の白い器を見た時、これまで見てきたいろいろな陶器とはどこか違う、何か違う、と衝動に駆られ、ためらわず雑誌を買って帰りました。
以来、目にする内田鋼一さんの作品は、今日まで、工芸の世界に強い影響力を持って時代を走り続けて来られているように思います。
会場では、大小の白を基調とした器作品が並べられ、色褪せることなく、時代の求めるものを表現するやきものの存在感を感じ取ることができました。
また、内田さんの表現に影響力をもたらしたと思われる、自身の独自の審美眼で集められた工芸品のコレクションの展示もあり、これもまた興味の尽きないものでした。
(会場での写真撮影は許可されていました)

 

 

 

 

 

 

 

 

河井寬次郎展を見てきました

昨日は、兵庫陶芸美術館へ「河井寬次郎展」を見に行ってきました。
京都にある河井寬次郎記念館へは行ったことがあるのですが、大系的に作品やコレクションを見る機会はなかなかないので、昨日で最終日ということで、工房から車で45分の兵庫陶芸美術館へ行ってきました。
作家・河井寬次郎氏(1890-1966)は、古陶磁の技法研究、新しい美意識を創出した民藝運動への参加を経て、独自の芸術性を確立するまで、陶芸作品の他、木彫や書、調度類などを制作されるなど、陶芸家という枠を超えた、まさに芸術家と言う印象でした。
今回初めて一般公開される作品もあり、約200点の展示作品はどれも見ごたえのある素晴らしいものばかりでした。
とりわけ、木を扱う仕事をしている私にとって、河井寬次郎氏の芸術的な数多くの木彫作品には、感銘を受けました。
真摯に作品作りを探求し生み出される作品は、時代を超えて訴えかけてくるものがあるのだと感じました。
※特定のものを除き、写真撮影は許可されていました。

 

 

 

木工仲間のおすそ分け

親しくしている木工家の藤田幸平さんが、近くに行く用があったのでと私の工房に寄ってくれました。
そして、畑でとれた野菜をおすそ分けと言って、持って来てくれました。
きれいな白菜に安納芋、そして極めつけは、自宅で収穫した果物のフェイジョア。
フェイジョア、見るのも聞くのも初めての果物。中南米原産のフルーツで、今年は沢山収穫できたとのことでおすそ分け。すでに独特の甘い香りが漂っているのですが、もう少し追熟させて柔らかくなったころが食べごろとのこと。どんな味と食感かお楽しみ。
そしてもうひとつ嬉しいプレゼント。木工旋盤で作った高さ15センチほどのクリスマスツリー。たくさん作ったからと持って来てくれました。
円錐形の木を木工旋盤のテクニックで、巧みに作られたツリーは、1本の木から作ったとは思えない柔らかい質感と感触。まるで雪をまとったもみの木のようで、たいへん美しくできています。作り始めたころは、なかなか納得のいくものはできなかったそうですが、最近やっとボリュウムのある、柔らかい雰囲気のものができるようになったとのこと。藤田さんは、私の木工旋盤の師匠でもあるのですが、野菜、果物、ツリーとうれしいおすそ分けに感謝です。

 

 

 

 

 

親しい作家さんの個展めぐり

今日は、親しくしていただいている作家の方から個展の案内をいただいて、夫婦で個展巡りをしてきました。
最初は、いつも私たちの個展でお世話になっているギャラリーのオーナーのご主人で、レザークラフトの作家でいらっしゃる佐藤 健さんの「Unknown World 佐藤 健 革の世界Ⅹ」に行ってきました。
一枚の革から立体的に表現されるアート作品の数々は、日本人でも作られる方は少なく、非常に高度な技術と根気のいる作業から生み出されるもので、大変素晴らしい作品ばかりでした。
神戸市須磨区竜が台6-14-6 「ぎゃらりーゆふ」 にて12月2日まで開催されています。

お昼は、神戸市垂水区仲田1-1-6 にある「カレーとうつわのお店 ころは」さんへ。「ころは」さんでは最近、工房えらむの豆皿を販売いただくことになったご縁で、お昼は、ころはさん自慢のキーマカレーを昼食にいただきました。
香り高いスパイスのきいたカレーは、他では味わえないちょっとくせになるおいしさ。

最後は、染織家の岡みちこさんの個展を神戸市灘区六甲町1-1-5にある二つのギャラリー「一客一箸 ことほぎや」でのテキスタイルミニアチュール アーカイブと「着物悉階 あきつ」での 染め織りのこと・コト2018を見に行ってきました。
マフラーやショールなどの染め織り、フェルティングのクラフト作品を、岡さんも在廊されていて、説明を聞きながらじっくり作品を見せていただき、またゆっくりいろいろな話もさせていただき楽しい時間を過ごさせていただきました。
ミシンワークによるテキスタイルフレームは大変印象的でした。
岡さんの個展は、本日が最終日でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美術家 堀尾貞治さんの思い出

11月3日に、戦後日本を代表する前衛美術集団「具体美術協会(具体)」の元メンバーで、神戸を拠点に国際的に活躍した美術家、堀尾貞治(ほりお・さだはる)さんが79歳で亡くなられたことが報じられました。
堀尾さんには、私の工房に来ていただいたこともあり、その美術家としての活動ぶりにはいろいろ影響を受けました。
掘尾さんをはじめとする、美術家の方が集まるアトリエが私の工房から車で5分ほどの距離にあったことから、私も時々訪ねて行っては、いろいろ刺激をもらっていたました。
そんな縁もあって、私が工房を建てて間もないころ、掘尾さんをはじめとする、アートのグループの方が、私の工房でアートな集まりをやろうと言う事になりました。
10名近いアーティストの方が集まって、6月だったので「雨」と言うテーマでそれぞれが、作品を発表したり、パフォーマンス、インスタレーションを行うことになりました。
工房の内外をフルに使ってにぎやかに、そして痛快に楽しく時間は過ぎて行きました。
堀尾貞治さんの作品は、私の工房のファサード、格子状のガラス窓に、紙きれをテープで止めて、建物の構造体を利用して連続する漢字の「雨」を表現され、全員、恐れ入った!と皆感心しきり。
私の工房の建物を見て即興で思いついたと言われていました。
気さくな素晴らしい美術家の方でした。亡くなられたことを本当に残念に思います。
心よりご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

工房Openのお客様

2018年10月の工房Open日が終わりました。
久しぶりの秋の穏やかな好天に恵まれ、各地で大きなイベントが開催される中で、工房えらむを訪ねていただきました皆様には、本当にありがとうございました。
県外から車で3時間かけてお出でいただいたお客さまもいらっしゃって、本当にありがたく思います。
また、親しくしていただいているお客さまが、ご自身で作られた木の器を持参されました。
手で彫る木の器作りに魅せられて、心から木の器作りを楽しんでおられます。今回は、栗の木を手で彫って、料理の映える実用的な器を作られました。どんな料理を盛って、食事や宴会を楽しむかをイメージしながら楽しんで作られた器は、本当にのびやかで、素敵な器に感じます。
私も、このように料理をイメージして楽しんで作ると言う思いを持って作ることの大切さを改めて感じさせてもらいました。
お客様の器は、ご要望により、私が拭き漆塗りで仕上げてさせていただくことになりました。

 

 

 

 

 

 

 

ギャラリー木の在る暮らし展を訪ねて

今年の6月21日に発行された雑誌「住む。66号」に当工房の建物の記事を掲載いただいたのですが、同じ号に掲載された鳥取県鳥取市にある、「ギャラリー木の在る暮らし展」さんを訪ねて来ました。
同じ雑誌「住む。66号」に掲載されたご縁で、先に「ギャラリー木の在る暮らし展」のオーナーさんが工房えらむを訪問いただいたことから、今回私たちも鳥取市の鳥取砂丘にほど近い海に面したギャラリーを訪ねてきました。
「ギャラリー木の在る暮らし展」さんは、ご主人が工務店を営んでおられ、地元鳥取県産材をふんだんに使った、木造家屋を造っておられます。
そして、大量の地元県産材のストックの一部をテーブルに加工されて、奥様がギャラリーで販売とカフェをされています。
目の前が海と言うロケーションの中で、鳥取の豊かな森から切り出され、加工されたテーブル材を販売されているところが、なかなか面白くて興味の尽きないところです。
もちろんギャラリーも木をふんだんに使ったしつらいで、カフェも併設されていて、海原を望む素晴らしい空間でした。