万博で輪島塗大型地球儀を見てきました

先日、EXPO2025 大阪・関西万博に行ってきました。
1970年の大阪万博を体験している者としては、やはり一度は見ておきたい衝動に駆られて、EXPO2025 大阪・関西万博へ。
9月中旬になって初めての訪問、かけこみ万博の猛烈な来場者に圧倒されました。
パビリオンの見学もままならない状況でしたが、その中で一番印象に残っているのが、パビリオン「夜の地球 Earth at Night」に展示されていた輪島の漆塗りの職人の方々の技術を結集して作られた大型地球儀。
その正式な作品の説明は、「輪島塗の伝統的な技術を高度に凝縮した「夜の地球 Earth at Night」は、椀木地・曲物木地・指物木地・朴木地・髹漆・呂色・蒔絵・沈金の8部門からなる技術者たちが、それぞれの職能を存分に発揮して完成させました。その球体は宇宙に浮かぶ幻想的で美しい地球の夜景を表しており、漆芸にしか生み出せない深い黒に、蒔絵や沈金による金の輝きが地上の光を映し出します。」とあります。

薄暗い会場に浮かび上がる漆塗りの地球儀や世界の都市を表現した夜のランドスケープの作品は、本当に美しいと感じました。
そして輪島塗の技術の高さと、幾多の災難を乗り越えてきた底力に感動しました。

2025年9月18日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

MINGEI ALIVE いま、生きている民藝 展

2025年9月6日、兵庫県丹波篠山市にあります、兵庫陶芸美術館で開催されている「MINGEI ALIVE いま、生きている民藝」 展を見てきました。
開催初日は、記念講演とトークセッションがあり、展示作品とともに大変興味深いお話を聞くことができました。
鞍田崇氏(哲学者、明治大学理工学部准教授)による「いまなぜ民藝か」と言う記念講演と、鞍田崇氏を交えて出品作家の安藤雅信氏と内田剛一氏によるアーティストトークを聞かせていただきました。
今、民藝をどうとらえるか、そしてこれからの民藝はどのように暮らしのなかに息づいていくのかを、学者、作家の立場から熱く語られました。
安藤雅信氏と内田剛一氏、お二人ともその作品は、新しい感覚と味わい深いもので、今もその作品に私は興味深々の日々です。
お二人のトークセッションの話題の中で、雑誌「芸術新潮 2001年4月号の現代のうつわ」「芸術新潮2005年7月号の日本民藝館へいこう」は、作品のターニングポイントになったと語られていましたが、私も芸術新潮 2001年4月号の表紙で見た内田剛一氏の作品に衝撃を受け、掲載されていた安藤雅信氏の作品、 古道具 坂田和實氏のものの見方などに出会い、これまでなかった感覚を覚えました。
お二人の作品は新しくなりながら今なお多くの人の心をつかみ続けていることに、なにか民藝に由来する底力のようなものを感じずにはおられません。
2001年頃に出会った作品とこの感覚が、はたして私の今の作品に反映されているかと言えば、まったくお恥ずかしい限りです。

2025年9月8日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

土のミュージアム SHIDOを訪問

先日、兵庫県淡路市(淡路島)にある、「土のミュージアム SHIDO」に行ってきました。
2023年のミュージアムオープン時以来の訪問です。
ミュージアムは、壁材の専門店の近畿壁材工業株式会社さんが運営されておられますが、工房えらむの建物を廃材で建築する際に、工房の壁材となる漆喰をおよそ20年前に購入させていただいた、壁材店さんなのです。
20年前、私の工房を建てる最終段階で、壁材となる漆喰の購入の仕方が、素人の私には判らず、最終的にたどり着いたのが近畿壁材工業さんでした。直接会社へ買いに行くと、若い社長さん夫妻が、知識のない私たち夫婦をとても丁寧に、気持ちよく対応してくださった印象が残っています。
近畿壁材工業さんのおかげで、私たちの工房も無事完成となり、木の器製作も本稼働に至りました。そしてこのミュージアムのカフェコーナーで、偶然にも私の作品を販売店で購入して、使用していただいていると言う、思いがけない巡りあわせに導かれての訪問です。
2年ぶりにお会いした社長さんご夫妻も私たちの訪問をとても喜んでくださいました。
「土のミュージアム SHIDO」は、地元の左官職人さんで、テレビの「情熱大陸」や「プロフェッショナル仕事の流儀」でも紹介された久住有生氏の土関係の施工(空間プロデュース)によるもので、様々な土の表情を表現し、とても緊張感のあるアート的空間となっています。
現在は、美術家スギサキハルナさんの作品展が開催されています。
土と言う地球を形成する根源的な素材の魅力と、それに導かれるように表現されるアート作品の空間づくりへのオーナー夫妻の思いを聞かせていただき、素晴らしいひと時を過ごさせていただきました。

土のミュージアム SHIDO  @soil_museum_shido
兵庫県淡路市多賀2150

月蛙×ウエダキヨアキ CROSS SESSION展

兵庫県姫路市のギャラリーランズエンドで開催されている「月蛙×ウエダキヨアキ CROSS SESSION~アートとクラフトのあいだで~」の展示会に行ってきました。
月蛙こと石野善浩氏とウエダキヨアキ氏のお二人の展示会。
お二人と私は同年代で、親しくしてもらっている作家の方。
陶芸と洋画、染色と洋画の複数のジャンルを横断するとても魅力的な作品に触れることができました。
当日は、作家によるトークイベントがあり、美大をめざした経緯から美大を卒業して今日に至るまでの紆余曲折の活動の時代や、現代の作品作りの思いなど、とても興味深く聞かせてもらうことができました。
同じ時間を過ごしてきた私ですが、二人が辿ってきた創作活動と深い感性や表現力にはとても及びませんが、少しでも近づけるように頑張っていこうと言う思いにさせてもらいました。

 

 

 

2025年8月25日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

中学校美術クラブのお手伝い

今日は、親しくしている中学校の美術教師の方が顧問をされている、美術クラブの夏休みの部活のお手伝いに行ってきました。
顧問の先生から、夏休みの部活に木の板を彫って、お皿などの自由作品を作ってみたいとの相談を受けました。
作品作りにあたり、木の素材のことや製作過程についてアドバイスをさせていただきました。
部員それぞれが作りたいものを決めて、クルミの板を糸鋸で切り抜いて、彫る段階になったところで、木の扱い方や彫り方をできれば直接アドバイスして欲しいとの依頼で、今日は中学校に出向き、木の彫り方や作り方について説明するととともに、私の実製作過程などを見ていもらいました。
部員それぞれが作ろうとしているものは、自由な発想で楽しいものが沢山。彫刻刀の扱いに苦労しながらも彫り始めて2時間少々で、かたちが出来上がっていく様子にちょっと驚きを感じました。
これからじっくり時間をかけて完成させる予定になっていますが、熱心に木と向き合ってもらって、彫ることを楽しんでもらえたことをとても嬉しく思いました。

 

伊藤俊 展「六月の夜の空」を見てきました。

岡山県勝山市にあります、勝山文化往来館ひしおホールで開催されていた、伊藤俊 展「六月の夜の空」を見てきました。
伊藤俊さんは、私がかつて協会の解散まで所属してた日本クラフトデザイン協会の会員のお一人で、その作品のメカニカルな美しさと、表現の素晴らしさにとても心ひかれる方でした。
伊藤さんは、かつて私も大好きな日本を代表するダンサーの勅使河原三郎氏に指示されておられたこともあり、動きのある作品は、メカニカルな作品でありながら、どこか自然の空気感や人間の動きに近いところもあり、長く見ていてもまったく見飽きることはありませんでした。
会場には、伊藤俊さんが在廊しておられ、作品の動きや表現の美しさに感動しながら、いろいろお話をさせていただき、その作品の素晴らしさを堪能させていただきました。

2025年7月1日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

真木香さんの「夏帯と茶箱」展

テキスタイル作家の真木香さんが、東京南青山のギャラリー「Itonosaki」にて6月11日から15日まで開催中の真木香「夏帯と茶箱」展に出品されている茶箱の組みに、工房えらむの私が製作した茶箱もご使用いただいています。
この度、ご縁をいただいて私が栗の木を刳り抜いて作った茶箱を、いくつか組まれている茶箱のひとつとしてご使用いただきました。
真木さんが、お道具それぞれの美しい作品から閃いた布を仕覆に手掛けられた茶箱です。
私の茶箱をご使用いただいた組みは、
『茶箱・伍』  仲秋(藍の花)・藍のかわり織り 一式
⁡茶箱アイテム一式:
茶箱、茶碗、茶入れ、振り出し、茶筅筒、茶布筒、茶杓、仕覆布、仕覆仕立て
⁡◎茶箱   ・田中 陽三(木工・栗)
◎茶碗   ・菱田 賢治(陶器)
◎茶入れ  ・谷 恭子(木工・茶筒:ウォールナット)
◎振り出し ・森下 真吾(陶器・器) FUTAMONOーYA
・清水 泰(木工・蓋) FUTAMONOーYA
◎茶筅筒  ・藤井 慎介(漆器)
◎茶布筒  ・藤井 慎介(漆器)
◎茶杓   ・谷 恭子(木工・ウォールナット)
◎仕覆   ・真木 香(布・染め布&織り布)
◎仕覆   ・新田 好(おしふく仕立て)
・ギャラリーとーく(おしふく仕立て)

JIMOTO select いちいち新規オープン

兵庫県小野市の国宝 浄土寺のそばにできた、小野市の特産品や工芸品、雑貨等を販売される「JIMOTO select いちいち」が2025年5月11日に新規オープンしました。
この度ご縁をいただいて、私の作品も販売していただいています。
オープンから少し落ち着いたところで、お店を訪問させていただきました。
オーナーさんが足を運んで選ばれた、小野市を中心に北播磨地域の地場産業のもの、特産品の雑貨や食品、地元作家の工芸品や布製品などが展示販売されています。
地元にこだわられた、素晴らしいセレクトショップです。
お店のすぐそばにある鎌倉時代に創建された国宝 浄土寺 浄土堂と、堂内に祀る阿弥陀三尊もぜひ参拝していただければと思います。

「JIMOTO select いちいち」
兵庫県小野市浄谷町3294-1 10:00~17;00
定休日 火曜日、第2・4月曜日
駐車場有

 

JIMOTO select いちいち へ納品

2025年5月11日に、兵庫県小野市の国宝 浄土寺の前にオープン予定の、小野市の特産品や工芸品、雑貨等を販売される「JIMOTO select いちいち」に私の作品を納品させていただきました。
オーナーさんのもっと兵庫県小野市のモノをPRし、地域活性化につなげたいと言う思いをかたちにされたセレクトショップです。
小野市を中心に北播磨地域の地場産業のもの、特産品の雑貨や食品、地元作家の工芸品や布製品などオーナーさんがセレクトされた、商品が販売されます。
これまで、こうした商品を販売されるところがあまりなかったので、素晴らしい非常に楽しみなショップです。
納品時は、まだオープンに向けての内装工事の追い込み中でしたので、お店の外観のみの写真で紹介させていただきます。
お店のすぐそばにある鎌倉時代に創建された浄土寺 浄土堂と堂内に祀る阿弥陀三尊は仏師快慶の作でともに国宝に指定されいます。
堂内に西日が差し込むと、阿弥陀三尊が幻想的に浮かび上がり、荘厳な現世の浄土を顕わすことで全国的に有名です。
5月11日のオープンの際は、ぜひお訪ねください。

「JIMOTO select いちいち」
兵庫県小野市浄谷町3294-1 10:00~17;00 定休日 火曜日、第2・4月曜日

東京滞在中の訪問

2025年5月1日から15日まで、東京表参道にあります、Zakka+Sake Bar DEARYOU 表参道店(東京都渋谷区神宮前4丁目9−1)にて開催の個展の在廊のために、少し東京に滞在し、美術展などを見てきました。
一か所目は、駒場の日本民芸館。もう30年ぶりぐらいの訪問となります。
この度の企画展は、「民芸 無作為の美」深沢直人が心を打たれたものたち。
二か所目は、六本木の国立新美術館で開催中の第99回 国展(国画会展)。
工芸部門などを中心に見てきました。
どちらも民芸的な自然や生活の中から生まれてきた、美しさ、親しさ、愛おしさなどを表現してきた様々な作品の数々。
自身の作品作りの上で、学ぶべきところが非常にたくさんありました。
2025年5月4日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ