最近、お盆のご注文をいただくことが多くなりました。
厚さ2センチの栗の板を彫ったシンプルなお盆です。
サイズも、カフェ用の小さなものから、ざっくり食事がのる大きさのものまで、サイズは様々です。
私のお盆は、縁を細くして、深さも浅め、意匠的な彫跡を入れることもなく、シンプルなつくりです。
収納のスタッキングには、考慮して作っていますので、飲食関係でのご使用も増えています。
ただ、大きなサイズ(一定以上のサイズは作らない)になると、板目の板を使うことが多くなるため、お盆の反りが出ないように気を使います。
カテゴリーアーカイブ: 作品づくり
ブルーベリーの収穫
リム皿は、洋食器のイメージが強いのですが、漆塗りで仕上げることで、和食器風にしてみました。
グミと片口
工房の敷地に自生しているグミの実もほぼ終わりとなり、熟するほどに野鳥に食べられていきます。
わずかに残ったグミの実を、栃の木を彫って拭き漆塗りで仕上げた、浅い片口に入れてみました。
片口は、気ままにフリーハンドで描いたラインに沿って彫り上げたものです。
堅苦しくなく、自由な雰囲気が気に入っています。
浅い片口なので、ちょっとした小鉢として使っても楽しいと思います。
グミの実と舟形盛器
木の角鉢とイチゴ
工房の隣の畑に植えたイチゴが、良い出来とはいえないもいのの、まあまあ収穫出来て、今年は沢山いただきました。
市販のイチゴは、とても甘くて、ほとんど酸味がないものが多いのですが、我が家のイチゴは、酸味があって、ほどよい甘さで、とても好みの味です。
ほとんど小さなものばかりですが、稀にできる、ちょっと大きくてかたちのいいものを、自家製の木の鉢に入れてみました。
朝日現代クラフト展のころ
5月の下旬になると、確か2009年まで開催されていたクラフトの公募展、「朝日現代クラフト展」に熱心の応募していた頃を思い出します。
およそ30数年前に、独学で始めた木の器製作を職業にしたいと思ったものの、業界経験もなく、教えを乞う人もなく、当時はインターネット環境もほとんどなく、クラフトフェアも松本と丹波ぐらいしか思い当たらず、どうしたものかと思っていました。
プロになるためには、個展をやるか公募展で認められるかぐらいしか思いつきませんでしたが、とても個展をやる力量などなく、とりあえず公募展で技量を試して見ようと。
この頃5月の下旬になると、朝日新聞の夕刊に「朝日現代クラフト展」の受賞作品と講評が大きく記事として取り上げられていました。
コンテンポラリーなクラフトを軸足に置いた公募展でしたが、もうこれは見に行くしかないと、メイン会場の大阪梅田の阪急百貨店にでかけました。
広く薄暗い会場に展示された、巨大とも思えるクラフト作品、そしてありとあらゆる技法で、強いメッセージを発して来るような作品に、これは何だとまた衝撃を受け、会場の雰囲気にのまれながら、ふわふわと見て回った記憶があります。その後数年は、ちょうどバブル期の前後だった頃でもあったせいか、出展作品の購入予約も相当なもので、当時は異様な熱気に包まれていたような気がします。
作品は、コンテンポラリーなものが中心ですが、海外からの応募もあり、伝統工芸を駆使したものや、地場産業の高度な技術を生かしたものなどもあり、挑戦的で斬新な作品等が入賞し、高く評価されていました。
この会場に、自らの作品も並べてみたいと言う強い衝動にかられ、落選を繰り返しながら、1999年に入選を果たし、5年連続で入選することができました。
審査員も、柏木博さん、喜多俊之さん、日比野克彦さんや角偉三郎さんなどもおられ、出品する側も審査する側も、何か熱い熱量のようなもを感じました。
それから、木の器作りを職業にするまでに、かなりの時間を要しましたが、この公募展で感じた熱い思いが今の私の作品に反映されているかと言うと、お恥ずかしい限りです。
リム皿にケーキを入れて
クルミの木で作った24センチ径のリム皿にケーキを入れました。
日頃は、作った器を実際に使った投稿が少ないのですが、実際に器に盛ってみると、手前味噌ですが、器が良く見えます。もちろんケーキも美味しそうに見えて、相乗効果を感じます。
ケーキは、兵庫県明石市の「やきラボ」さんのチェリーのクラフティー、プリンのような生地の中にチェリーを入れてオーブンで焼き上げたケーキ。
見た目よりあっさりとした甘さで、素材のおいしさを味わう、とても美味しいケーキでした。
栗の木のトレイ
ご注文をいただいていた、栗の木のトレイ、縦16、横26、厚さ1.8センチの漆塗りが仕上がりました。
定番の一人サイズのトレイですが、この度は、筋彫りを入れています。
白木のオイル仕上げもいいですが、漆塗りにすると、筋彫りが落ち着いた雰囲気になりました。
漆塗りの色合いも、真っ黒ではなく、微妙に杢目が透けて見える感じの仕上げにしています。
複数枚ご注文をいただくと収納も気になるところで、収納のためのスタッキングにも考慮して作っています。
先日、納品に行ってきましたが、とても気に入っていただけました。
ぐい吞みと片口
栗の木を彫ったぐい吞みと片口です。
ぐい吞みは、フリーハンドで彫っていますので、出たとこ勝負の一点ものです。
そんなぐい吞みを気に入ってくださる方がいらっしゃるので、長年気ままに作り続けています。
片口は、持ちやすさ水切れの良さを考慮して作り続けている定番です。
栗の木の雰囲気を生かしながら、少し渋めに拭き漆塗りで仕上げています。
最近は、海外でも日本酒ブームとかで、海外のお客様も軽くて壊れにくい、木の酒器を購入していただくようになってきました。
栗の木で抹茶茶碗を彫る
久しぶりに栗の木で抹茶茶碗を彫りました。
自分なりの思いで、茶碗を彫っていますが、なかなか納得のいくものはできません。
やはり茶碗は難しいとつくづく思います。
それでも、木の茶碗を欲しいと仰っていただける方があるので、できるだけ楽しんでいただけるものをお届けしたいと言う思いで彫っています。
焼き物の茶碗に比べると木製のものは軽くて、壊れにくく、持ち運びが便利なので、野点などで気軽に使っていただけるのがいいと思います。
木の茶碗の良さを生かしながら、より良い茶碗を目指して作っていきたいと思います。
漆で表情を付けながら仕上げていきます。