ペンシルバニア州アレンタウン近郊での滞在も終わりが近づき、マイアミから合流された音楽家の方と書道家の方は、一足先に帰国の途につかれ、ホームステイの滞在者も少なくなりました。
私たち夫婦もカリフォルニアの息子家族のもとへ出発する日が近づき、ホームステイさせていただいたお礼に、私たち夫婦の作品をお贈りすることにしました。
お住まいのご主人は、アールデコがお好きで、部屋の調度品や展示品などは、アールデコ調のこだわりの品で上品に室らえられ、お気に入りのアールデコの本を何冊も見せてくださいました。
私からは、この部屋の雰囲気に合うものとして、普段あまり作らない蒔絵の皿を、妻からは手製のコースターをお贈りました。
とても気に入っていただけたようです。
そして、もう一軒のホームステイのご家族の方が、私の木製品を気に入っていただいたようなので、豆皿や漆塗りのお皿と妻の手織りのコースターをプレゼントさせていただきました。
こちらのお住まいは、上品なインテリアと、美しいこだわりの木製家具が室らえられていて、木が本当に好きと言うことが感じられるお住まいでした。
プレゼントはとても気に入っていただけたようです。
あなたの木の作品はどこで買えるの?とお尋ねいただいたので、迷わずニューヨークのお店をご案内させていただきました。
カテゴリーアーカイブ: 作品づくり
小さめのお椀を作る
少し小さめのお椀を作りました。
栗の木で、口径11センチ、高さ7センチでそのうち高台部分は、少し低めの1センチとしました。
ご高齢の方が、持ちやすく取り回しの良いお椀と言うことの、ご注文でした。
私の経験で、作らせていただいたお椀です。
私の作るお椀は、手彫りのごつごつしたお椀ですが、その分、すべりにくく、持ちやすいのではないかと、私は良いように考えています。
このお椀が、食事にささやかながら、味わいをプラスしてくれることを願っています。
事情によりブログを少しお休みいたします。
拙いブログですが、またの再開までしばらくおまちください。
茶箱を彫る
小さな茶道具を収めて、お茶を楽しむための茶箱。
小さいけれど、お茶の世界を詰め込んだ、宇宙のような箱と言うイメージ。
分厚い11センチの栗の木を彫り抜いて作るのですが、この度のご注文は、以前作った茶箱より、口径が小さくなって、難物でした。
小さいほど、簡単に出来そうなイメージがありますが、深くて口径の小さい箱を彫るのは、とても苦労します。
持っている道具をあれこれ試しながら、深い底を平らに彫って行きます。
自由に刃物が動かないもどかしさの中で、少しずつ彫り進んでいく時間をただひたすら過ごします。
出来上がった箱に、小さいほど秘められたお茶の宇宙の展開を、想像しながら楽しみます。
鉢を彫る
厚さ8センチの栗の木を彫って、少し大きめの鉢を作りました。
厚い栗の木はなかなか手に入らず、希少な材料なので、しっかり厚みを感じられる器にしたいと言う思いで、鉢を彫りました。
こんな場合は、やはり轆轤の均質な表情より、手彫りの武骨さが似合っているように思います。
少し厚めに彫って、器の縁も変化をもたせて、全体から感じさせる器の存在感を意識して作りました。
意図したとおりには、なかなか出来ませんが、少しでもその思いを表現できればと言う思いで出来上がった鉢です。
拭き漆塗りで仕上げ、料理に彩を添えるものになればと思います。
海外への作品の発送
多くはないですが、時々海外へ作品を発送することがあります。
先日も、やっとの思いで、15キロの荷物を海外向けに発送しました。
自分の作品が海外に渡って行くことは嬉しいことですが、発送の手間が大変で、これがなかなかの大仕事になります。
書類の作成が大変。種類はすべて英文、作品名を英訳して、作品リストを作成。同時に輸出用書類のインボイス等を英文作成してパウチシートに入れる。
クライアント側の希望により、運送会社が異なることが多く、郵便局のEMS、ヤマト宅急便の国際便、ドイツ系のDHLなど、それぞれ書類が異なり、戸惑うことしばしば。
梱包が大変。海外向けの荷物は、おおむね航空貨物で送られるですが、目的地まで何度も中継基地を経由していくので、厳重に梱包しておかないと、壊れる可能性が大きいので、国内向けの荷物に比べ倍以上の梱包作業が必要になります。
段ボール箱は二重にして、エアーキャップでぐるぐる巻きにして梱包します。
発送会社のもとへ持って行くと、重圧から解放されてほっとします。
あとは、各運送会社の荷物の追跡状況をパソコンで確認しながら、無事通関をしていくかなど、運ばれていく荷物の行方を、どきどきしながら見守っています。
海外発送は、何度やっても大変です。
裂け繕いの器
先日のギャラリー風来での素のかたち展に出品した「裂け繕いの器」。
栃の木で作った大皿です。
元々栃の板の中央に裂けたひびがあったのですが、良い感じの木味の木だったので、ひびを避けて小さなお皿を作るより、いっそ裂けのひびを真ん中にもってきて、大きな皿を作って見ることにしました。
その裂けの部分を上手く埋めて実用的な皿にするために、日頃行っている金継ぎの要領で、ひびを漆で埋めています。
ひびの部分を金継ぎの要領で漆でなぞって、細く金を蒔く方法もあるのですが、壊れた器の金継ぎ修理品の印象を持たれることがいやだったので、いっそ漆で埋めたひびの部分を大胆に器の装飾にすることにしました。
ひびを漆刷毛で、大胆に漆を引いて、そこに金粉を蒔いてみました。
最近は金が高騰しているので、ちょっと贅沢な装飾になりましたが、ちょっと挑戦的な試みとして、面白いかなと思っています。
片口を彫る
久しぶりに片口を彫りました。
片口を作るのは好きなのですが、肩こりがひどくなると、片口のような口径が小さくて深い彫り作業を、どうしても避けたくなって、最近は片口を彫ってなかったのですが、2月のグループ展に向けて彫りました。
栃の木で細身で深い片口を、栗の木で浅めでころんとした片口を彫りました。
木の片口は、陶器のものに比べ、軽くて保温性があるので、何かと使いやすいのではないかと思います。
ほとんどフリーハンドですが、手に馴染む柔らかいかたちにしています。
拭き漆塗りで仕上げます。
お椀を彫る
久しぶりに、栗の木のお椀を彫りました。
肩こりがひどくなると、お椀などの深い彫りの器の製作を、自然と避けるようになっていましたが、来月、グループ展も予定しているので、久しぶりに頑張ってお椀を彫りました。
私なりに使いやすいサイズと形状を考えた、定番のお椀です。
口径は11センチ、高さは6.5センチに緩やかな高台を付けています。
口径は、少し小さめですが、その分片手でも持ちやすくなります。
小さく感じますが、少し深めのお椀になっていますので、容量的にも量は入ると思います。
木工ろくろを使用せず、手彫りなので、形状は少々いびつですが、持った感じも、口当たりも、時々の感触が違って面白いのではないかと、勝手に思っています。
拭き漆塗りで仕上げます。
隅切り盆の製作
2023年の暮れも押し迫り、隅切り盆を彫りました。
2.5センチ厚の栗の板を彫った32×32センチの隅切り盆です。
私の作るものは、指物的なものではなく、ほとんどざっくりと丸のみで彫り上げています。
これから漆を塗って仕上げます。
年内の納品に向けて製作していましたが、間に合わず、お客様には申し訳なく思います。
カトラリーを作る
年末になると、こまごました作品の製作が増えるとと書きましたが、相変わらず小さなカトラリーを製作しています。
特に年末用と言うことはないのですが、既存のお取り引きからご注文をいただいた分の製作が、なかなか捗らず、歳も押し迫って、カトラリーをせっせと作っていると言う状況です。
こまごましたものを沢山つくると、どうも落ち着かず、年の瀬の慌ただしさを感じます。
カトラリー作りは、どうも苦手で、自分ではあまり自信はないのですが、こんなカトラリーでもご注文をいただけることに感謝して、作らせていただいています。
これからは、もっと計画的に仕事をして、年末はどっしりと構えて、1年の集大成となるような作品作りをしたいものです。