寄物陳思 冬じたく展にて

今日は、2023年11月21日から26日に、兵庫県姫路市の姫路市書写の里・美術工芸館内 交流庵で開催されている、お茶会にまつわる展示会「寄物陳思 冬じたく」に行ってきました。
書写の里・美術工芸館 交流庵は、竹林に囲まれた大変趣ある場所で、この度の展示会にぴったりの場所でした。
いろいな素材の作家により、それぞれの解釈と技法で表現されたお茶道具は、とても見ごたえのある作品展でした。
展示会は、11月26日までです。
ぜひ機会がございましたら展示会にお越しください。

期間 2023年11月21日(火)~26日(日)  休み 24日(金)
10:30~16:30(初日は13:00から、最終日は15:00まで)
会場 姫路市書写の里・美術工芸館内 交流庵  兵庫県姫路市書写1223番地

未来へつなぐ陶芸 伝統工芸のチカラ展

現在、兵庫陶芸美術館で開催中の「未来へつなぐ陶芸 伝統工芸のチカラ」展を見てきました。
日本の工芸を多様な技術や表現で製作された、人間国宝から現代作家までの素晴しい作品139点。
伝統工芸としての数百年のバックグラウンドのあるものから、現代の創作まで、どれも長い年月をかけ、苦労してたどりついた、素晴らしい作品ばかりで、感動し刺激をもらいました。
自分の昨今の作品作りは、ほとんど商品製作ばかりで、時間をかけた渾身の作と言ったものは、ほとんど作っていない日々。
木の器を作り始めて30年ほどになりますが、拙い技術しか持ち合わせていないけれど、自分の持てる力を存分に出して表現した作品を、もっと作っていかなければいけないとつくづく思う機会となりました。

 

2023年11月12日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

角偉三郎さんの器

2005年に65歳で亡くなられた輪島塗の作家、角偉三郎さんの器を、ご縁をいただいたお客様からいただきました。
漆塗りの産地、輪島の漆塗りの器作家の方で、高い技術と表現力で、日展入選17回、特選受賞の経歴をお持ちの方ですが、晩年は、卓越した技術を持たれながら、一方で素手で漆を塗るなど、伝統的な輪島塗を超越した前衛的な漆塗り表現がすごくて、私にとってはなんとも魅力的な、あこがれの漆の器作家の方でした。
クラフトの公募展、朝日現代クラフト展の1999年と2000年の審査員のお一人が、角偉三郎さんで、ここで入選したいという思いで応募し、角さんが一票を投じていただいたかどうかは定かではありませんが、私の漆塗り作品が両年入選できたことが、ささやかな思い出です。
そんな角偉三郎さんの器が欲しいと、何度も購入を考えては、その値段に躊躇してあきらめていたのですが、角さんが亡くなられてからは、ますます購入も難しくなり、遠い存在となっていました。
先日、ご縁をいただいて、お客様からもう断捨離をするので、この器の良さを一番理解してくれる人に、この器を引き継いでほしいと仰られ、思いがけず、角さんの器をふたつ渡してくださいました。
角さん特有の表現の、なんとも味のある美しい大きなお椀でした。
今度は、あなたが育ててくださいと。
感謝の思いを大切に、愛用していきたいと思います。

土のミュージアム SHIDOを訪問

今日は、兵庫県淡路市(淡路島)にある、「土のミュージアム SHIDO」に行ってきました。
ミュージアムは、壁材の専門店の近畿壁材工業株式会社さんが今年開設されたのですが、工房えらむの建物を廃材で建築する際に、工房の壁材となる漆喰をおよそ17年前に購入させていただいた、壁材店さんなのです。
そんな「土のミュージアム SHIDO」のインスタグラムに私の作ったお盆で、お茶を出されている投稿を見て、すごいご縁を感じて訪問させていただきました。
17年前、私の工房を建てる最終段階で、壁材となる漆喰の購入の仕方が、素人の私には判らず、最終的にたどり着いたのが近畿壁材工業さんでした。直接会社へ買いに行くと、若い社長さん夫妻が、素人の私たち夫婦を丁寧にもてなしてくださり、サンプルなども沢山いただいて、本当に気持ちよく対応していただいた印象が強く残っていました。
近畿壁材工業さんのおかげで、私たちの工房も無事完成となり、木の器製作も本稼働に至りました。そしてこのミュージアムで、図らずも私の作品を販売店で購入して、使用していただいていると言う、思いがけない巡りあわせに、ただただ驚くばかりです。
社長さんご夫妻も私の訪問と、その経緯をとても喜んでくださいました。
「土のミュージアム SHIDO」は、地元の左官職人さんで、テレビの「情熱大陸」や「プロフェッショナル仕事の流儀」でも紹介された久住有生氏の土関係の施工によるもので、様々な土の表情を表現し、とても緊張感のあるアート的空間となっています。
屋上からは、海を一望できる素晴らしいロケーションです。機会がありましたら訪問されることをお勧めします。

土のミュージアム SHIDO  兵庫県淡路市多賀2150

鍛冶師さんの麦茶

工房にやって来られる隣町の鍛冶師さんから、自家製の麦茶をいただきました。
鍛冶師さんは、いつも私の工房にやって来て、コーヒー飲みながら他愛のない話をして帰られるだけで、刃物の購入を勧めるようなことは一切されないし、その気も全くない。
鍛冶職人としては、玉鋼の原料となる砂鉄を川から採取し、日本古来の製鉄法のタタラによって玉鋼を作り出して刃物を作ると言う凄い鍛冶職人さん。
同じ隣町で家具作りをされている著名な木工家の方をして、それまでのカンナとは次元の違う切れ味に驚いたとされる刃物を作られる方。
麦茶は、自身で麦を脱穀して、焙烙で炒って作られたとのこと。
飲むと、市販の麦茶では感じることの無かった、麦そのもの風味がとても爽やかな味わいで、雑味の無い非常に美味しい麦茶でした。
鍛冶師さんの旺盛な好奇心と探求心には、いつもながら脱帽です。

2023年7月3日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

うつわと道具と喫茶室ころはOpen

以前、神戸市垂水区にあって、器の販売や展示会をさせていただいた、「うつわと道具と喫茶室ころは」が、兵庫県三木市に移転して、本日プレオープンしましたので、行ってきました。
オーナー夫妻には、神戸市からのお店の移転に際して、候補地探しの相談を受けていて、ほんのちょっぴりですが、物件探しのお手伝いさせていただいたこともあって、この度の新しいお店のオープンには、思い入れもあり、楽しみにしていました。
お店は、私の工房からは車で15分足らずで行ける、三木市の郊外の田園地帯にあり、江戸時代に建てられたと思われる、大きな古民家を改装されています。
のどかな田園地帯のロケーションを背景に、ゆったりとした広い店内で、作家ものの器や雑貨選びが楽しめます。
カフェのスペースもあり、コーヒーなどを飲みながらくつろぐこともできます。プレオープン中は、カフェ利用のみですが、グランドオープンされた際は、神戸のお店では評判の、スパイスカレーなどの食事などもできる予定です。
とても寛げるところなので、機会がありましたらお立ち寄りください。

うつわと道具と喫茶室ころは
兵庫県三木市口吉川町大島55

2023年6月21日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

岡山市のお店 海と月とさんへ納品

昨日、岡山県岡山市南区にある、「海と月と 暮らしの道具 吉野本店」さんへ納品に行ってきました。
お店の開店される前から、お声がけいただいていたのですが、まだお店に伺ったことがなかったので、納品を兼ねて初めてお店を訪ねてきました。
岡山市南の郊外の高台に建つ、築180年の古民家を改装されたお店です。
古民家の良さを生かしながら、オーナーさんのセレクトした器が、店内にゆったりと配置されて、とても落ち着いた、上品な空間でした。
自然に囲まれた建物と、見晴らしの良いロケーションが、器や雑貨選びをさらに楽しい時間に演出してくれるようなところです。
四季折々、また違った趣を楽しめるところだと思います。

海と月と 暮らしの道具 吉野本店
岡山県岡山市南区川張995

 

2023年6月17日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

播州清水寺の住職さんの思い出

先日、西国第二十五番霊場 播州清水寺の住職さんが、永眠されたことを知りました。
住職さんご夫妻は、私の木の器等の作品を気に入っていただいて、何度か工房を訪ねてくださいました。
私の拙いお椀を、住職さんの朝がゆを食べるのにちょうどいいと仰って、お使いいただりもしていました。
時折、お寺へ納品に伺うと、気さくにお声がけいただいて、いろいろな話をしてくださるのが楽しみでした。
標高約500メールの山上にあるお寺ですが、住職さんの子供のころは、現在のお寺への車道がまだ無くて、生活が大変だったことなど、とても気さくに話してくださり、昔のお寺の様子など、興味が尽きませんでした。
また別の日に、納品にお寺を伺った時には、先代の住職さんが、地中から偶然発見したという仏像があって、その仏像を明日から一般公開するのだけど、今ちょうど準備ができたところだから、よかったら見て帰りなさいと、その仏像を案内してくださったりして、特に信仰心のある訳でもない、ただ単なる木の器の作り手に過ぎない私を、ていねいに対応してくださる、本当に気さくで心優しいお人柄の方でした。
享年85歳で、もっとお会いしていろいろな話をお聞きしたかったのですが、本当に残念です。
住職さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

2023年6月15日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

それぞれの工房展2023に行ってきました

今年のゴールデンウィークは、工房Openすることもなく、ほとんどどこにも行かず、工房で仕事の日々を送っていましたが、京都へ「それぞれの工房展2023」を見に行ってきました。
京都府福知山市や綾部市在住の工芸家の有志が、およそ30年前に始めた、各工房を公開展示するイベントです。
イベントが始まって間もなくに、福知山市の春日工房さんにこの活動を教えていただき、工房訪問させていただいていましたが、近年のコロナ禍で休止していたイベントを再開するとの案内状をいただき見てきました。
今回は、綾部市の海老ケ瀬工房(陶磁)、苔柿窯(陶)、古汲窯(陶)、福知山市の春日工房(木工・染)の4軒。
苔柿窯さん以外は、もう古いお付き合いの方ばかりなので、久しぶりにお会いして、とりとめのない話で楽しくすごさせていただきました。
全員、古民家に移り住んで、それぞれにリノベーションしながら、地域に溶け込んで創作活動されておられるのが共通点で、とてもしっかりした作り手のネットワークもあってうらやましい限りです。
福知山市の春日工房さんは、ご主人が木工、奥さんが染をやっておられて、およそ30年前に知り合って以来、私たちのお手本としての春日工房さんは、変わらずとても素敵な工房と実感して帰ってきました。

2023年5月6日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

2023年 兵庫県民芸協会総会に出席

先日、2023年 兵庫県民芸協会の総会に出席してきました。
新型コロナウイルスへの対応のため、3年ぶりに対面での総会が、神戸ポートピアホテルで開催されました。
私の作品が、民芸的かと言われれば、そのような作品と言えるものではないのですが、兵庫県民芸協会は、作り手にかかわらず、民芸の愛好者であれば、年齢を問わず広く受け入れながら活動していることから、私も数年前に参加させていただきました。
もちろん、会員の方は、民芸的作品の創作者から、民芸の研究者、民芸作品の販売者の方など、コアに民芸とかかわっておられる方もおられ、こうした方との出会いは、とても刺激になります。
歴史ある活動の中で「兵庫県民芸」と言う機関紙も発行され、非常に組織的にしっかり運営されている組織であることも感じます。
私の作品はとても民芸とは言えませんが、民芸の揺るぎない精神性のようなものを、少しでも意識しながら作品作りに生かしていければと思います。

2023年2月8日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ