器の底を彫る刃物

何故か、底の深い器を彫るのが好きで、とりわけ口径が小さくて、底の深い器を彫るのに、面白さを感じます。
よく同業者から、木工ろくろで荒彫りして、そこから彫り込めば楽なのにと言われます。
彫りによる刳りものを仕事としていると、妙なこだわりがあって、丸くないものや、ろくろの端正なかたちをなるべく出したくないと言う思いがあって、陶芸で言うところの手びねり感覚の木の器に魅力を感じています。
浅いものだと、曲りの丸ノミなどで、何とか彫ることができるのですが、口径が狭く深いと、それに対応する道具が必要になるので、どんな道具を使うかと言うところが、ポイントになります。
これなら彫れそうだと思う道具は、見かけるととりあえず買って使ってみるを繰り返しています。なので、そんな道具がいろいろ増えてきます。
実際に使ってみて、頻繁に使うもの、ほとんど使わないもの、あるいは形状に応じて細かく使い分けるものなどがあります。
何かパズルの謎解きのように道具使いをしていますが、よく考えると木工技術の無さと、不器用さの結果のような気もします。

 

2021年3月5日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ