私の工房の片隅に自生しているグミの木があるのですが、先日、工房に時々訪ねて来られる鍛冶師さんが、鑿の柄に少しもらえないかと。
鑿の柄は、樫の木のものが多いのですが、グミ柄の鑿は持ち手への振動が少なく、金槌の打力が素直に伝わる等として柄には、上質のものとされています。黄色味がかった柄の色もなかなか上品です。
拙い木工仕事をしている私に、いつも親身に道具の指導をしてくださる鍛冶師さんの申し出もあり、ちょうどグミの木も伸び放題で、何とかしなくてはと思っていただけに、お役に立てるとあって、一緒に柄に適した枝を落としました。
柄を採取に適する時期としては、冬が過ぎて時期が少々遅くなってしまったようですが、まあなんとかなるだろうと、手際よく適した枝を採取、私も自分用の枝を採取していきました。
切った枝は、鉈で部分的に皮をむいて、陰干ししておくと、黄色い良い色の柄になるとのこと。
金槌の柄にも良いそうで、私には、教わることすべてが新鮮で、とてもためになる話をたくさん聞かせていただいた鍛冶師さんとのひと時でした。