ジャズピアニスト山下洋輔トリオのLP

今日、2月8日は、小説家 立松和平さんの命日。立松さんの本で思い出すこと。
立松和平さんの本「青春放浪」を読んでいると、本の中に私が好きなジャズピアニスト山下洋輔さんの若かりし頃、自主制作されたLPレコード「DANCING古事記」が製作された経緯が書かれていました。
レコード「DANCING古事記」は、1969年の学園闘争の真っただ中に、田原総一郎氏の企画で、山下洋輔トリオが早稲田大学 四号館内で演奏されたものをLPレコードにされたもの。
レコードは、立松和平さんがまだ売れない作家であったころ、有り余る時間を持て余していると言うことで、新婚住まいのアパートを事務所にして、山下洋輔さんらとともに、剣道仲間だった舞踏家の麿 赤児さんを代表にして、麿プロダクションと言う名前で製作されたもの。今ではビッグアーティストになっておられる方々の、なんとも初々しく、不思議な縁で製作されたものだったのです。
山下洋輔トリオの最初のLPレコードとしての存在は知っていましたが、偶然、立松和平さんの本で、その経緯を知るや、どうしても聞きたくなって、再販されたCDではなく、絶版のLPレコードを探して購入しました。
レコードに針を落とすと、その時代を彷彿とさせる臨場感と、迫力ある演奏に感動しました。
その後、山下洋輔さんのソロピアノコンサートに行った際に、ご本人からレコードジャケットにサインをいただき、大切にしています。
それにしても享年62歳、立松和平さんの死は早すぎます。

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星野 尚 タラセアの世界展 と 三木金物まつり

工房の隣町の三木市で今日、明日開催の三木金物まつり2014に行ってきました。
木工をしている者にとって、良い道具に出会うことは、いい作品作りをして行く上で、とても重要なことです。
そう言った意味では、三木金物まつりは、三木市の大工・木工道具のほとんどのメーカー、鍛冶屋さんが勢ぞろいして、素晴らしい道具を見つけることのできるイベントです。
素晴らしい道具は美しく、いつまで見ていても見飽きないものです。

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三木市の兵庫県立三木山森林公園内にある森の風美術館で開催されている「星野 尚  タラセアの世界展 無着色自然木・象嵌絵画 34年の歩み」を見てきました。
タラセアとは、チーク、桜、ケアキ、縞黒檀など80種類ほどの木々を1cm位の厚みに切り、着色しない自然の木の質感や色彩を組み合わせて埋め込み象嵌の手法で描かれた木の絵画のスペインの呼び名です。
星野尚氏は、スペインのコルドバ国立美術専門学校でタラセア技法を学び、以来34年間この技法により絵画を制作してきました。
2013年1月より3か月間、スペイン・ルセナ市主催により、サン・アナ宮殿で個展を開催し好評を博しました。世界でも数少ないタラセア作家として日本とスペインで活躍しています。(以上パンフレットより)
これまで木の象嵌による絵画作品を見たことはありますが、初めて見た星野氏の作品は、木の個性を生かした、独特の表現、用い方、そして絵の奥深さに感動しました。

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加東市 ステラパーク

工房から車で20分ほどのところの、兵庫県加東市社町に、ステラパークと言う公園があります。
円形の芝生の公園には、12星座をモチーフにした石彫刻作品が、12基設置されています。
これらの石彫作品は、1993年に兵庫県 旧加東郡社町が、「やしろ星の彫刻国際シンポジウム」を開催し、公開製作により設置されたものです。
海外からの作家を含め、12名の彫刻家の方が、加東郡社町に滞在し、それぞれ12の星座をモチーフに石彫作品を製作するもので、製作現場は公開され、自由に見学することができました。
まだ私たちが、小野市に移り住んで間もないころ、新聞で、この彫刻国際シンポジウムのことを知り、記事を読んでいると、製作されている彫刻家のおひとりは、私たちのすぐご近所にお住まいの方のようなので、すぐに現場を訪問しました。
そのとき初めてお会いしたのが、彫刻家の井上 直さんでした。井上直さんは、てんびん座をモチーフに花崗岩で彫刻作品を製作しておられました。訪問をとても喜んでくださり、以来親しくお付き合いをさせていただくことになりました。ご近所なので、お会いする度に、いろいろアートな話を聞かせていただいてり、個展会場を訪問したり、また、私たちの展示会に足を運んでいただいたりと、アートなご近所さんに出会えたことを、とても嬉しく思っています。
ステラパークは、見晴らしのよいシンプルな公園です。設置されている石彫は、ベンチとして座ることもできるものもあり、彫刻を身近に感じることができます。夏場は、木陰が少ないので、ちょっと暑いですが、とてもいいところです。

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夏はレゲエ

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レゲエは、ジャマイカ生まれの音楽ですが、暑さの中で聴くと、なぜか心地よく、暑さもすっきりと過ごせる。私にとっては、風鈴のようなもの。
レゲエを始めて聞いたのは、確か1970年の終わりごろ、NHKのラジオ番組で「若いこだま」と言うのがあって、上田正樹さんがDJをしていた時に、ジャマイカで流行っている音楽と言うことで、レゲエを紹介していたのが最初でした。最近のようにCMでも頻繁に流れるような時代ではなかったので、その後は、私はあまり意識することなく過ごしていたのですが、1990年にひとりでインドネシアのジャワ島を旅していた時に、タクシーの中で出会うことになりました。ジャワ島は南緯5度、ほぼ赤道直下にあって、日中は猛烈な暑さでしたが、たまたま乗ったタクシーから流れている音楽が、その暑さの中で、なんて心地よい音楽なのだろうと、タクシー運転手に何の音楽?と聞いたところ、レゲエだと言う。その日から暑い日、夏にはレゲエと言うパターンが出来上がってしまいました。かと言ってレゲエに詳しくて、ラスターカラーのファッションが好きと言う訳でのないのですが、夏は風鈴のようにレゲエを聴き流して、暑さを快適に過ごしています。

兵庫県小野市、私たちの住まいの、すぐご近所出身のレゲエアーティストJING  TENGさんは、素敵な数少ない日本人レゲエアーティスト。朗々と伸びやかな声で歌う日本語のレゲエは、とっても心地いい。

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鍛冶でっせ!に行ってきました

工房から車で20分のところにある、かじやの里メッセみきで開催された「鍛冶屋博覧会 第3回 鍛冶でっせ!」に行ってきました。
会場の駐車場には、兵庫県以外のナンバーの車がずらりと並び、県外からも大勢の方が、関心を持って来られているようでした。
会場は、鍛冶屋さんや、刃物メーカーさんのブースも賑わっていましたが、それ以上に各種の実演や競技が熱気を帯びていました。
年々内容が、マニアックな内容になってきているように感じるのですが、そうした手仕事への興味や関心を持つ人が多くなっているということは、大変よいことではないかと思います。
「はつろう会」でっせ!では、鉞(まさかり)釿(ちょうな)で丸太がはつられている姿は、なかなかの迫力。逆に、鉋薄削り大会では、鉋の調整に神経をとがらせている姿が対照的でした。
その他に、鉋の台打ち、鑿の柄付け、鋸の目立て等、どれもごく日常的に行われている仕事なのですが、そのよどみない職人技は、いくら見ていても飽きないものです。
ゆっくり見ていたかったのですが、最近仕事場を離れることが多くなったので、早々に切り上げて工房に戻って来ました。

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北斎 ボストン美術館浮世絵名品展

神戸市立博物館で開催されている。「北斎 ボストン美術館浮世絵名品展」を見てきました。
海外で保管されている、浮世絵の大きな規模の作品展を見るのは初めてであること、そして何より究極のエコロジー文化の時代である、江戸時代の生活ぶりや風景を感じ取ることができる機会として、見てきました。
江戸文化は、何と言っても化石エネルギーや電気を一切使わない社会が作り上げた、すばらしい文化社会。そしてどこか神秘を帯びた、人間社会。
北斎の版画は、そんな時代に生きる人物像を、随処に登場させています。そして、美しい日本の原風景をさらにデフォルメして表現し、江戸時代がいかに素晴らしい時代であったかを表現しているように思います。
北斎の版画には、江戸時代にあって、外国の絵も意識して、絵の中の表題を、ひらがなを横書きするなど、斬新な表現をしている作品もありました。
強い探究心をもった、時代の先端をゆくアーティストであったことを感じさせてくれました。

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鍛冶屋博覧会 鍛冶でっせ!

5月31日(土)、6月1日(日)の二日間、金物の町 兵庫県三木市で鍛冶屋博覧会「第3回 鍛冶でっせ!」が開催されます。
工房のある小野市の隣町は、日本有数の金物の町。とりわけ木工道具、大工道具、左官、園芸、調理用具を製造するメーカーや鍛冶屋さんが沢山あります。
刳り物の木の器を作っていると、良い手道具に巡り合うことが、とても重要なことになりますが、隣町が木工道具職人さんの町と言うのは本当にありがたいことです。
「鍛冶でっせ!」は、メーカーや鍛冶屋さんのブースが並ぶだけでなく、左官体験や天然砥石を鍛えるワークショップ。鉋薄削り大会なども行われます。
またプログラムでは、「はつろう会」でっせ!と言う実演披露もあり、丸太の原木を鉞(まさかり)釿(ちょうな)で古式製材実演。昨年明石で発足した「はつろう会」、全国からハツリストが結集とあり、非常に興味のあるイベントが行われます。
興味のある方はいかがでしょうか。会場は、国道175号線にある「道の駅みき」の隣にある「かじやの里 メッセみき」です。

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西脇市岡之山美術館

工房から国道175号線を北へ車で30分ほど行ったところに、西脇市岡之山美術館があります。車で近くを通ったので、寄ってきました。
西脇市岡之山美術館は、世界的に有名な西脇市出身の美術家・横尾忠則氏の作品を収蔵している美術館で、建築家の磯崎新氏が列車をモチーフに設計された、コンパクトで個性的な美術館です。
工房から近いこともあって、横尾忠則氏の作品を常設展示しているお気に入りの場所として、近くを通る時は、時々寄っていきます。
横尾忠則氏を知ったのは、1970年後半ごろだったと思うのですが、NHKのニュース番組で、日本人のグラフィックデザイナーがギタリスト、カルロス・サンタナのLPレコードのジャケットを全面デザインしたと、ニュースで報じられた時。日本人にもすごい人がいるものだと、感心していたのですが、その後、すぐ近くの西脇市出身と言うのを知ってまた驚きました。
横尾氏がかつて兵庫県内で仕事をされておられた時には、地元のお祭りや商店街のポスターをデザインされたり、和菓子店の包装紙をデザインされたりしておられ、横尾氏を身近に感じることのできる地元西脇市の美術館がお気に入りの場所となりました。小さな美術館ですが、瞑想室と言うのが作ってあって、お客さんのいない時は、ピラミッドパワーの瞑想スペースで胡坐をかいて、瞑想タイムを楽しんでいました。
神戸市に新しくできた横尾忠則現代美術館にも行きましたが、横尾氏の故郷の空気感とともに楽しむことのできる、西脇市岡之山美術館が、なんだか落ち着きます。

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西脇市岡之山美術館                  Carlos Santana LP「AMIGOS」

 

 

Blue Moon Quartet Live

久しぶりに、工房から車で30分のところにあるライブハウスへ出かけました。
最近、気になっていたBlue Moon Quartetのライブ。
コルネット、ギター、ベース、ドラムのパーソネルの若いQuartet。ジャズを中心とした、ともかく聞いてて楽しい音楽に惹かれて、久しぶりにライブ会場へ。
普段はカフェの小さなライブハウスなので、ともかく距離が近くて、グルーブ感がストレートに伝わって来ます。
演奏は、終始リラックスした雰囲気のなかで、ジャズを中心に様々なジャンルのごった煮風選曲もおもしろく、それぞれの個性とテクニックで、思いっきり楽しもう感で聴かせてくれました。
気難しいジャズも好きですが、今回のライブは、「おもしろかった!」そんな気分で会場をあとにしました。

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HALF TIMEの思い出

久しぶりに神戸の街を少し歩きました。
サラリーマン時代に時々出かけた、Bar HALF TIME の前を通ったので、懐かしく記念撮影。
HALF TIMEは、私の好きな小説家のひとり、村上春樹さんのデビュー作「風の歌を聴け」を映画監督の大森一樹氏が、映画にした時のロケに使ったBar 。そのことは、ずっとむかしに新聞で読んで知っていたので、Bar の前を通る度に気になっていました。それが、不思議な縁でBar の扉を開けることになりました。(実際にはビルの2階に上がるだけで、扉はいつも開いたまま)
サラリーマン時代、ものづくりで生計を立てたいと思いながら、勉強のためにと、神戸市内のギャラリーをあちこち巡っていました。とりわけ元町駅の北側にある、とあるギャラリーが気に入って、金曜の夜ともなると、時間の許す限り出かけて行きました。
作品を見て、馴染のギャラリーのオーナーさんと、在廊している作家さんとお茶をいただくのが、楽しみでした。
ある日、オーナーさんが、「ここが終わったらBar の仕事があるの・・・・」と。聞けば、そこがあのHALF TIMEとのこと。一度行ってみたかったBar との接点ができたことで、さっそく気心の知れた仲間と訪ねました。そこは小説にあるジェイズ・バー の世界で、古いピンボールなんかが置いてあって、素敵な空間でした。時々訪ねては、お客さんの少ない時はダーツをしたり、カウンターでオセロゲームをしたりと、好きなジャズをBGMに、まったりとした時間を楽しんでいました。
阪神大震災後は、近くのビルに移って運営されていたギャラリーも、今はその活動を休止されているようです。Bar の看板を見ながら、今に至る日々をいろいろ思い出しました。

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