最近、木の丼鉢を作ることが多くなりました。
なぜか丼鉢を求められる女性の方が多くなって、作る機会も増えました。
ひとつは、口径14㎝で高さは10.5㎝、もう一つは口径16㎝で高さは9㎝、見た目は丼鉢らしくないやや狭い口径で、深いお椀の感じです。
口径は広くないですが、深いのでたっぷり入りますので、ご飯ものも、麺類などの汁物にも使えます。
木で作っていますので、軽くて持ちやすく、熱さも伝わりにくいです。
木工ろくろは使わず、手刳りなので、少々いびつですが、これが意外と手にフィットします。
2021年のアーカイブ
一輪挿しを作る
木の一輪挿しを作りました。
日頃は、木の器を中心に製作していますが、秋の企画展などに向けて、少し趣の違ったものとして、一輪挿しを作りました。
あまり手を入れずに、端材などをそのままに、木の塊のようなかたちを生かしながら作っています。
木の質感を引き出しながら、耐水性を持たせるために、拭き漆塗りで仕上げていますが、水を入れる部分には、念入りに漆塗りを施しています。
野花に、木の単純なフォルムとの組み合わせが、自然の植物同士が相まって、野趣を感じさせる表情になればと言う思いで製作しています。
実際に花を生けた写真を撮り忘れたのが、残念です。
栗の木で板皿を作る
杢目のおもしろい栗の木が手に入ったので、板皿を作りました。
これは塗装前の木地の状態で、縦21×横13㎝、厚さ1.2㎝。
最近は、薄くて広いトレイなどを作ることが多くなったので、反りやすい板目の板を避けて、柾目の板を買うことが多くなりました。
柾目の板は、直線的な杢目が素直な印象でいいのですが、やはり杢目を楽しむと言う意味では、板目の板が断然面白いです。
今回手に入った栗の板は、一口に板目の板とは言い表せない、なんとも味のある雰囲気の杢目です。この杢目を一番生かすにはと考えて、シンプルに杢目を生かすと言うことで、板皿を作りました。
板皿の表面は、四方反りの豆鉋で、仕上げました。
塗装は、この杢目を味わい深く美しく見せるために、拭き漆塗りで仕上げます。
2021年収穫の秋
2021年の収穫の秋。
工房の敷地に植えた栗の収穫も終わり、今度は柿の収穫。
ホームセンターで買った、渋柿の西条柿の小さな苗木も大きくなり、5メートル近くになりました。
昨年からやっと実がつき始め、今年は100個ほど収穫できました。
ちょっと角ばって大きくて艶やかな柿の実は、なんとも美しく、秋を象徴する自然の色のように感じます。
色づいた柿の葉の色も、芸術的ともいえる、複雑な色合い。自然界の色ほど美しいものはないなと、つくづく思います。
ケヤキの木を彫って、拭き漆塗りで仕上げた角皿に、採れたての柿の実を入れてみました。
栃の胴張り角皿
栃の木で胴張りの角皿を作りました。
厚さ2㎝、16㎝角のお皿で、皿の見込みは、四方反りの豆かんなで仕上げました。
私好みの、滲んだような栃の木の模様を、漆塗りで生かすよう、表面をある程度滑らかにしながらも、表面がきれいになりすぎないように、豆がんなだけでざっくり削って、削り跡をしっかり残しました。
かんな削りで出した表面のテクスチャーが、いまいちですが、拭き漆塗りをすると、栃の木の表情と相まって、多少意図した感じになったかなと思います。
陶芸で言えば、ざっくりと轆轤でひき上げた器に、釉薬を付けずに、薪窯で焼き締めただけの器の表情に近いものができればいいなと言う感じです。
陶芸のこんな表情が、木の器でも出せればいいなと、常々思っているのですが、未熟なテクニックでは、なかなか難しいです。
クラウドファンディングでたんばクラフトフェアを応援
工房えらむが、プロとして活動することを目指して、おおよそ25年前に初めて出展したクラフトフェアが、たんばクラフトフェア、現在のアート・クラフト・フェスティバル・イン・たんばです。
25年前の当時、全国的にクラフトフェアと言うのは、ほとんど開催されているところはなく、当時は、「まつもとクラフトフェア」と「たんばクラフトフェア」ぐらいしか無かったように思います。
たまたま、地元兵庫県氷上郡柏原町、現在の丹波市で開催されていたクラフトフェアに出会って、各地からクラフト作家が集まった、こんな面白く興味深い、野外の催しがあるのだと衝撃を受けました。
そして、ぜひ出展したいと、初めて出展したのが、30年続く現在のアート・クラフト・フェスティバル・イン・たんばです。私たちは、ここで多くの方に作品を見ていただき、ひいては、お声がけいただいたクラフトショップやギャラリーの方とのご縁が、私たちのプロとしての活動の礎となっていると言っても過言ではありません。
そんなクラフトフェアもコロナ禍の影響などもあり、運営費用も厳しくなり、存続、運営が危ぶまれています。この度たんばクラフトフェアの存続に向けたクラウドファンディングに取り組まれています。ささやかですが、私たちも支援させていただきました。
賛同いただける方がおられましたら、ご協力をいただけましたらと思います。
クラウドファンディングのページ → click
WEBサイト「イチオシ」でパン皿を紹介いただきました
WEB Shop の STYLE STOREさんで販売いただいている、私が製作したクルミのパン皿について情報メディアサイト「イチオシ」にてご紹介いただきました。
情報メディアサイト「イチオシ」は、みんなの「買って良かった!」をシェアする、レコメンドサイトで、専門家や、特定ジャンルに特化したYouTuber が“イチオシスト”として、愛用品やイチオシできる商品を紹介されているサイトですが、この度、私の製作し、販売いただいているパン皿を一押しいただきました。
紹介記事をお書きいただいたのは、フリマの達人、家計を支えるおトク情報全般に詳しくテレビ出演や著書も多数出版されておられる川崎さちえさん。
パン皿について、とてもわかりやすく、良さを伝えていただいて、とても嬉しく思います。
よろしければ、サイトの記事をご一読ください。
イチオシのご紹介サイト → click
栃の木の古材で飾台を作る
栃の木の古材で飾台を作りました。
古い材なので、ひび割れもありますが、栃の木特有の杢やスポルテッドと呼ばれる黒い筋状の模様が、深い味わいをみせてくれています。
充分雰囲気のある古材なので、漆を塗らない方がいいかなと悩んだのですが、飾台としては、あまり自己主張が強いと、飾る対象物が引き立たないので、つや消しの拭き漆塗りで仕上げました。
古材らしい味わいを感じさせる飾台になったかなと思います。
古材との一期一会での飾台作りは、楽しいものです。
この飾台は、秋に予定されている企画展に出品予定です。
2021年の彼岸花
2021年のお彼岸。
工房に向かう道中では、彼岸花が満開です。
ヒガンバナは、本当に正確にお彼岸をピークに咲く花ですが、昨年は何故か、彼岸より1週間から10日してからの開花となりました。 昨年は、何か気象上の影響によるものではないかと思いますが、今年はとても正確に花のピークを迎えたようです。
とても時期を正確に出現する、この強烈な赤い色の花は、自然はまだまだ健全に機能しているぞと主張しているように、私は感じます。
彼岸花が、いつまでも正確に咲き続けてくれることを願いたいものです。
9月の工房Open日が終了しました。
お出でいただいた皆さま、本当にありがとうございました。
恥ずかしながら還暦を過ぎた夫婦がやっている朴訥とした工房なのですが、最近は、何故か血気盛んな若いクリエイターの訪問が多くなりました。
なかなか人と会う機会の少ない日々ですが、いろいろ話させていただき、新しい刺激をもらえることは嬉しい限りです。
オニグルミの実
2021年9月お彼岸の少し前、工房の敷地に植えたオニグルミの実が落ちてきました。
オニグルミの実は、ちょうど梅の実ぐらいの大きさですが、実は木に付いている状態で、果肉が真っ黒になって、ほとんど腐ったようになって落ちてきます。
果肉の中は、梅の実の種ような、クルミの固い殻の種で、割ると食べられる部分が出てきます。これを砕いて絞るとクルミオイルも取れます。
最近、器やトレイの製作のための素材としてオニグルミの木をよく使っています。
工房の敷地のオニグルミの木を材料として生かすまでには至りませんが、素材として使用する木の成長過程を、日々見届けながら製作することは、木を単なる素材として扱うだけでなく、命ある素材を大切に生かすことへの思いを感じます。
工房の敷地には、器製作によく使うシバ栗の木もあり、これは自然に木が増えてきて、木も太くなってきたので、いつか素材として使ってみたいと思います。