先日から、工房えらむの建物の外壁工事をしています。
廃材を使って、建築家の方と一緒に建てた建物ですが、外壁は、コストダウンを図るため、漆喰、土、セメントを混ぜ合わせたものを、自分でブレンドして塗っています。
しかし建設から13年が経過し、経年の劣化で、雨水がしみ込むようになり、風雨の強い時には、壁から水が大量に浸水するようになり、最近の強い台風などには、とても耐えられそうにない状況となりました。
このままでは無理と判断し、工房建設に携わっていただいた建築家の方と相談して、外壁に焼杉板を張ることにしました。焼杉は、耐久性を増すために、杉板の表面を焼き焦がし炭素層を人為的に形成したもので、焼板とも言われます。
西日本を中心に使用される伝統技法で、焼き焦がした炭素層は、丈夫で耐久性があり、ほとんどメンテナンスが不要で、化学素材を一切使用しない、完全な自然素材だけの非常にエコな外壁材です。
この度使用したのは、15ミリ厚の杉板を伝統的に素焼きした、一番丈夫で、真っ黒なものです。
焼杉は、私には張ることができず、大工さんにお願いしましたが、最近では、炭の層で服が汚れるとか、洗濯物が干しにくいとかで、焼杉を外壁に使う家は、非常に少なくなったそうで、大工さんも全身真っ黒になりながら作業していただいています。
見慣れた土壁の工房も、焼杉板の黒い外壁で、なかなかきりっとした雰囲気に変わりつつあります。