ハイジのお椀

親しいお客様から、欠品していた長方形の角鉢と、ハイジの使っていたようなお椀を作って欲しいと、ご注文をいただきました。
ハイジの使っていたお椀とは、アルプスの少女ハイジのアニメに登場してくる、食事用のお椀のことだと私は思って、軽い気持ちで引き受けました。
当然現物は私も見たことがなく、詳しい希望のサイズも聞かないまま、私がアニメで見たことがあるような、イメージだけで作らせてもらいました。
栃の木で、コロンとしたお椀を彫って、拭き漆塗りで仕上げました。
そもそも1800年代後期のスイスに、漆器など無かったと思いましたが、あまり気にせず実用性を考えて漆塗りにして、ちょっと違うかもしれないけどと、お客様に渡しました。
お客様からは、見かけも手に取った感じも、ハイジのミルク椀でした!と。かなりひいき目なような印象もありますが、嬉しい感想をいただき、ほっと胸をなでおろしました。
後日、お客様からメールで、お客様の所へ来られた方に、何も説明せずこのお椀を渡したところ「ハイジが山羊の乳を飲んでいたお椀みたい」と呟かれて驚いたと、思いがけない知らせをいただきました。
ハイジのお椀とは何だろう。よし!今度は漆塗りにはせずに、これぞハイジのお椀と言うのを作るぞと、思いを新たにしました。

 

2023年9月6日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

小野市役所での展示会

2023年9月3日(日)~9月8日(金)9:00~17:00間、私が所属しています、兵庫県小野市で活動するアートや工芸のクリエイターの集まり、アルスカンパニー(小野市文化連盟所属)の展示会を、小野市役所の1階ウエルカムギャラリーにて開催いたします。
小野市で活動する、陶芸家、伝統工芸職人(そろばん)、フォトクリエイター、画家の方と木の器製作の私の6人での展示会です。
私は、9月3日(日)の9時~13時まで在廊いたします。
機会がございましたらご高覧ください。

高山辰則 (伝統工芸職人)
井上仁志 (陶芸)
桝本明彦 (陶芸)
赤秀利成 (フォトクリエイター)
田中陽三 (木の器製作)
有馬真美子(画家)

2023年9月2日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

お椀をひとつ彫る

栗の木の手彫りのお椀を、一つご注文いただきました。
お客様のご希望の、おおよそのサイズをお聞きして、あとはおまかせしますとのこと。
お椀をひとつのご注文は、集中して思い入れをかたちに出来るとても嬉しいご注文。
私自身のこれまでお椀を作ってきた経験を生かして、一球入魂ならぬ、一椀入魂の思いで、お椀を彫っていきます。
彫って作りますので、時間はかかりますが、微妙な手の感覚の、ここを彫れと言う声を聴きながら、お椀をかたち作っていきます。
少々いびつなお椀ではありますが、手彫りが醸し出す味わいを感じていただけるお椀を目指します。
拭き漆塗りで仕上げます。

 

2023年9月1日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

板皿に模様を描く

昨年から、職業病と思われる肩こりがひどく、手で彫る仕事が少々辛い日が出てきました。
そんな訳で、彫らないでできる作品もいろいろ作ってみるようと試行錯誤しています。
昨年辺りから、製作しているのが、板皿とそれに模様を描いた作品。
写真の板皿は、ナラの板に漆刷毛や筆で模様を描いたもの。
ナラの板は、裏側を持ちやすいいように面取りをして、いろんな漆を何度も塗り重ねて、納得いく表情が出るまで塗り重ねています。
漆の板皿のキャンバスが出来上がったところで、気の向くままに刷毛で模様を描いていきます。
模様に意味はなく、ほとんど勢いだけで描いています。
こんな板皿ですが、食器として使っていただける方がいらっしゃると嬉しいのですが。

2023年8月26日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

抹茶茶碗と棗

最近少しですが、木の抹茶茶碗や道具を作らせていただく機会が増えました。
茶道具は、とても奥の深い難しい世界ですが、私のつくるものは、木と言う素材で表現した、気軽に使っていただけるものです。
老舗の木工芸店さんから、木の抹茶茶碗と合わせて棗の製作もご依頼いただきました。
棗も栗の木を彫って作りました。
棗は、木工ろくろで製作されるのが一般的ですが、私の製作スタイルでは、手で彫った表情を味わいとすると言ったところでしょうか。
小さなものなので、薄く繊細な彫りを求められます。
オーソドックスな棗ですが、少しは木工ろくろと違った表情が出せたかと思います。

2023年8月18日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

2023年8月の工房Open

来週末は、2023年8月の工房Openをいたします。
諸事情で、長らくお休みをいただいておりましたが、2023年8月の工房Open日は、8月19日(土)、20日(日)、21日(月)10:00〜16:00 の3日間です。
工房Open日では、日頃製作しています木の器等の作品、織の作品、手作り雑貨、あると楽しい古道具、古民具を展示販売いたします。
なかなか、作品製作が進まず、木の器作品等は少なめですが、古道具、古布類にプラスして、アメリカのアンティーク雑貨が加わりました。
暑さ厳しい日々ですか、一応、工房2階の展示会場にはエアコンを完備していますので、お気軽にお立ち寄りください。

日時 2023年8月19日(土)、20日(日)、21日(月) 10:00~16:00
会場 工房えらむ  兵庫県小野市万勝町792-7

 

2023年8月12日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

お盆の製作

最近、お盆のご注文をいただくことが多くなりました。
厚さ2センチの栗の板を彫ったシンプルなお盆です。
サイズも、カフェ用の小さなものから、ざっくり食事がのる大きさのものまで、サイズは様々です。
私のお盆は、縁を細くして、深さも浅め、意匠的な彫跡を入れることもなく、シンプルなつくりです。
収納のスタッキングには、考慮して作っていますので、飲食関係でのご使用も増えています。
ただ、大きなサイズ(一定以上のサイズは作らない)になると、板目の板を使うことが多くなるため、お盆の反りが出ないように気を使います。

手彫りのお盆

2023年8月7日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

2023年暑中お見舞い申し上げます

2023年
暑中お見舞い申し上げます。
地球温暖化のせいか、年々暑さが増しているような気がします。
夏は、好きな季節でしたが、こう暑くなると夏の風情を感じている余裕もなく、ただただ辛抱強く行き過ぎていくのを待つ季節になってしまったような気がします。
工房での1階仕事場には、エアコンが無く、開け放った窓と扉のオープンな空間は、真夏の野外そのもの。
それでも、工房の南側に自生するコナラの大木の日陰のおかげで、なんとか仕事が出来ている。
自然と共存する夏の日々。
工房近くの夏の風景。
道路傍にたたずむ一本のアベマキの木がお気に入り。
暑いけど、夏が好きになる風景。

2023年8月5日 | カテゴリー : 工房の四季 | 投稿者 : えらむ

ブルーベリーの収穫

工房の片隅に植えた、ブルーベリーが熟し始めました。
小粒ですが、沢山の実をつけています。
炎天下で、熟した実を選んで、一つ一つ収穫していくのは、なかなか大変な作業。
栗の木を彫った、6寸(18センチ径)の拭き漆塗りのリム皿に入れてみました。
リム皿は、洋食器のイメージが強いのですが、漆塗りで仕上げることで、和食器風にしてみました。

土を感じる

工房の近所の水田で、稲の苗を育て終わったフラットな田が干上がって、ひび割れしている姿が、なんとなく美しく目にとまりました。
先日、淡路島にある土のミュージアムに行ってから、土と言う素材の表情を少し意識するようになりました。
土は、植物や農作物などを育む素材などとして身近ではあるのですが、土そのものを眺める、感じることは意外と少ないように思います。
土は、地球を構成する根源的な素材でありながら、日常的には、あまり意識することなく暮らしているように感じます。
私の工房の土壁のひび割れも、自然に表れた表情ですが、見直してみると味わい深い模様です。
土が、乾燥して、水分を放出していく過程は、ある意味、地球の表面の凹凸の成り立ちの縮図のようなものなのかなと思いながら、土の呼吸と暮らしていく事もいいものだなと感じる日々です。

2023年7月24日 | カテゴリー : その他 | 投稿者 : えらむ