かんな仕上げの器

私の木の器作りは、木工ろくろを使用せず、おおよそ機械的に荒彫りをしたものを、手彫りで仕上げるやり方で製作しています。
手彫りの、のみ跡を残した表情が好きで、その上に拭き漆塗りなどで塗装を行っていくやり方です。
表面を滑らかにサンドペーパーなどで磨いた方が、杢目が美しく表現できるのですが、なんとなく平滑に磨かれた表情が、冷たく感じるので、あまりこの方法は行っていません。
最近、隣町の鍛冶師さんが作られた豆がんなが、とても気に入って、四方反りの豆がんなで、器を仕上げるやり方が多くなりました。
ほど良いかんな削りの手の跡と、杢目もほどよい加減で表情美しく表現できるので、手彫り一辺倒だった器づくりも、かんな仕上げにより幅が広がってきました。
これも鍛冶師さん手作りの、独特の切れ味の豆がんなとの出会いのおかげと言えると思います。

2021年12月26日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ