久しぶりに大阪へ材木を買いに行ってきました。
田舎の工房から軽トラックを走らせて、大阪市西区立売堀の都会の真ん中にある老舗の材木店「橘商店」さんへ。
普段ほとんど田舎道しか走らないので、都会の軽トラの運転にはいつも緊張します。
橘商店さんは、栗の木の専門店として有名で、だれもが知る有名建築家や木工家の方も利用されている材木店です。私が工房を立ち上げると同時に、知り合いの木工家さんに紹介していただいて、現社長さん、先代の社長さんともに、木の知識の乏しい私にも、とても親切に対応していただいて、私の活動を支えていただいている材木店です。
栗の木の専門店ではありますが、お願いすると必要な樹種やサイズを探してきてくれたり、これは工房えらむにちょうどいいのじゃないかと取りおいていただいたりと、いろいろ気遣いもしていただいて、とてもありがたいです。
今回は、春から年末まで予定している展示会に向けた作品用の材と、あらかじめお願いして探していただいた、高級旅館さんからのオーダー品用の材を購入して帰りました。
カテゴリーアーカイブ: 作品づくり
ワンプレート皿
2022年3月19日より4月10日まで、広島市中区にあります、Pier Lokki(ピエラロッキ)さんで個展をさせていただいておりますが、展示会用に製作したクルミの木のワンプレート皿です。
最近は、ひと皿にいろいろな料理を盛り付けるワンプレートの食事がちょっと人気。
華やかな見た目を楽しめるうえに、主菜・副菜・主食を食べられるワンプレート。
ワンプレートに使いやすい24センチ径と26センチ径のお皿を作りました。
このサイズになると、陶器のお皿だと少し重さが気になるところですが、木のお皿だと軽くて取り回しも楽で、収納もしやすくなります。
いろんな料理を盛り付けやすいように、お皿の底を広くフラットにしています。
水分のある料理も盛り付けられるように、水に強く、におい移り、色移りが気にならない、食品衛生法をクリアーしたウレタン含有の植物性油でできた、ウレタンオイルを塗布しています。
衛生的でオイルメンテナンス少なくて楽です。
表面に塗膜を作らないので、木のナチュラル感もそのままです。
Pier Lokki(ピエラロッキ)さんで展示販売しておりますので、機会がございましたら、会場にて実物をご覧ください。
「工房えらむ 田中陽三 Exhibition in Hiroshima」
日時 2022年3月19日(土)~4月10日(日) 11:00~17:00 水曜定休日
会場 Pier Lokki( ピエラロッキ) → click
広島県広島市中区本川町2丁目5-12 鳥越ビル3F
新作のだ円箱
2022年3月19日より4月10日まで、広島市中区にあります、Pier Lokki(ピエラロッキ)さんで個展をさせていただいておりますが、展示会用に新作のだ円箱を作り、出品しています。
だ円箱は、昨年末の姫路市のギャラリーでのチャリティ展に出品して好評をいただいたこともあって、少し大きさと形状の種類を増やして。作ってみました。
栗の木を彫って作ったの器部分に、栃の木で作った蓋を載せて、拭き漆塗りで仕上げています。
蓋の栃の木は、少し杢目模様の面白いものを選び、拭き漆塗りで杢目模様を浮かび上がらせてアクセントにしています。
ちょっとした小物入れやアクセサリー入れにしても楽しいですし、漆塗りで仕上げていますので、料理や食品を入れても衛生的です。
機会がございましたら、会場にて実物をご覧ください。
「工房えらむ 田中陽三 Exhibition in Hiroshima」
日時 2022年3月19日(土)~4月10日(日) 11:00~17:00 水曜定休日
会場 Pier Lokki( ピエラロッキ) → click
広島県広島市中区本川町2丁目5-12 鳥越ビル3F
工房えらむ 田中陽三 Exhibition in Hiroshima始まりました
展示会場のお店のコンセプトとしては、メインを北欧雑貨のお店として営業されておられることもあり、この度の展示会では、オイル仕上げの木のナチュラル感を生かした器を中心とした、カジュアルで日常使いの作品を多く出品しています。
左上の千鳥、右中ほどの鯛、その下のオシドリ、一番下の隅切り。
4点の新作を加えてみたのですが、定番にするには、デザイン的にもう少し検討の必要がありそうです。
展示会に向けてカトラリー作り
3月19日から広島市にある北欧雑貨のお店「Pier Lokki ピエラロッキ」さんで開催予定の展示会に向けて、カトラリーを作っています。
展示会の依頼を1年以上も前にいただいていたのに、どうも製作スピードが遅く、いろいろなオーダー品と並行して製作していると、いつの間にか展示会の納期が迫ってきて、相変わらずのドタバタ状態。
作っているのは、定番のデザートスプーンとデザートフォーク。
最近は、金属のカトラリーと見紛うばかりの、スタイリッシュな木のカトラリーを作られる方が多くなりましたが、私の作るのは、いつもざっくりと彫った、太い持ち手のスタイリッシュとは言えない、まったりとしたカトラリー。
私の好みとして、太い持ち手が好きで、こんなのを金属で作ると重くてしょうがないところですが、木で作ると、ほとんど重さが気になることもなく、木だからできる太目のカトラリー。
こんなカトラリーがいいよと言っていただける方がおられると嬉しいのですが。
手彫りのオーバルボックス
クルミの木で、手彫りのオーバルボックスを作りました。
播州織のファッションブランド「hatsutoki」さんの企画で、手彫りによるオーバルボックスを作らせていただきました。
大・中・小の3種類で、大は縦25×横18.5×厚6.9センチ、中は縦17×横12×厚5.8センチ、小は縦12×横9×厚4.2センチとなります。
オーバルボックスと言えば、一般的には、薄くした板を熱で曲げて作られるものがほとんどですが、木を彫って作たオーバルボックスも、一味違った雰囲気で楽しめると思います。
塗装は、撥水セラミック塗装で、木の持つ自然な質感を損なわず、におい移りも少なく、水分にも強い食品衛生法上問題のない塗装をしています。
食品を入れても清潔に保つことができます。
食品や小物入など、使い方は限定しません。
写真を撮り忘れていましたが、同サイズで漆塗り塗装のものも作っています。
「hatsutoki」さんのオンラインショップで販売いただいていますので、ご興味ある方はご覧ください。
「hatsutoki」オンラインショップ → click
栗の5寸皿
写真は、栗材、拭き漆塗りで作った5寸皿(15センチ径)です。
木の器作りを仕事にしたころから作り始めて、定番にしているものです。
お皿の底をおおよそ平らにしているので、湯飲みなどをのせても安定しますので、茶托としても使えます。
シンプルなお皿ですが、私の定番として生き残り、もうなん百枚作ったかわかりません。
栗材の味わいを生かしながら、ざっくりと彫り上げ、拭き漆塗りで仕上げています。
以前は、黒色を強く仕上げていたのですが、最近は、栗の木の杢目の味わいを生かすようにして、黒色を薄くして、仕上げています。
意外とこの淡く黒い感じを出すのに苦労しています。
この5寸皿は、現在、兵庫県明石市の「ギャラリー風来(ふうき)」さんにて開催されている「素のかたち 三人展」に出品しています。よろしければ手に取ってご覧ください。
会場 「ギャラリー風来」 兵庫県明石市天文町1-7-9
期間 2022年2月11日(金)~2月20日(日) 11:00~18:00 (最終日は17:00まで) 会期中無休
欅しのぎ大皿
以前に欅(けやき)の木で作った鎬(しのぎ)の大皿です。
おおよそ縦25センチ、横45センチの美しい杢目の欅の板に、ざっくりと鎬と呼ばれる彫を斜めに入れています。
以前にこのよう陶製の板皿を見たことがあって、いつかいい板が見つかったら、木の大皿を作ってみたいと思っていました。
焼き締めの陶器のような表情が出せると思われる欅の板が見つかり、ざっくりと彫り上げてみました。
漆を塗ると、板の表情が豊かになり、いい雰囲気の板皿ができたように思います。
このサイズの陶製の板皿ですと、かなりの重さになるのですが、木で作るとずいぶん軽く、取り回しも、収納も楽になります。
この皿に料理をざっくりと盛り付けて、野趣あふれる雰囲気を味わってみたいものです。
欅の大鉢を彫る
欅の木を彫った大鉢です。
大きな塊のような欅の木を、思いのままフリーハンドで刳り抜いて作っています。
杢目も複雑で、節のような穴もありますが、どこをどう彫るのか、木と向き合って彫る輪郭を決めていきます。
とても厚くて固い木なので、正直手ですべて彫ることはできないので、ディスクグラインダーに取り付けた、ディスクカービングで、おおよそ彫り込み、手で形を整えていきます。
手彫りと言う表現を、私自身よく使っていますが、大方はこのような作り方です。
なので、純粋な手彫りとは言えません。
とは言え、木の塊を前にして、機械の手助けを得ながらも、どう彫り抜くかという、木と向き合う思いに変わりはない思っています。
木との一期一会の器作りは、楽しく魅力的です。
栃の輪花盆
栃の木で輪花盆を作りました。
普段あまり作ることのなかった輪花型のお盆ですが、海外からのお客さんのご注文で、作らせていただきました。
直径34センチと大きめのお盆ですが、ちょうどいい栃の板があって作ってみましたが、拭き漆塗りで仕上げると、墨絵のようなにじんだ景色の、とてもいい感じのお盆ができました。
栃の木は、木によってかなり個性のある木ですが、この度の栃の木は、輪花型のお盆の雰囲気を盛り上げてくれる、私としてはベストマッチの板でした。
幅の広く薄いお盆を作ると反りが気になるところですが、この板は時間を置いても、反りも捻じれも生じず、そう言った意味でもとても良い板でした。
何かきっかけがないと、新しい作品はなかなか生まれないのですが、とても良い機会をいただきました。