福知山市で展示会の打ち合わせ

京都府福知山市のカフェギャラリー「まいまい堂」で工房えらむの展示会をさせていただくことになり、打合せを兼ねて今開催中の「日々の硝子展」を見てきました。
まいまい堂は、とても落ち着いたシックなカフェギャラリーで雑誌でも紹介されました。
「日々の硝子展」はガラス作家の大野なつみさんと金子朋恵さんの二人展で、シンプルでとても使いやすい器や落ち着いたガラス作品はとても好感が持てる作品でした。
工房えらむは、木の器と織のあるくらしをテーマに9月10日〜29日まで展示会を行います。
詳細は後日お知らせします。

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まいまい堂で現在開催中の「日々の硝子展」

 

 

木の酒器を彫る

9月下旬〜10月上旬に兵庫県伊丹市の江戸時代に建てられた町屋で、「町家に集うクラフト」と言うイベントが開かれることになり、イベントの運営と出展をすることになりました。
そこでのイベントとして、地元酒造メーカーさんの協力をいただき、出展者による酒器で日本酒を楽しんでいただけるコーナーを設けることになり、酒器も出展させていただくことにしました。
一般的に木の酒器は意外と少ないのですが、木の酒器は保温性もあり、熱燗などの熱も和らげるので、使いやすいのではないかと思います。
イベント用に日本酒に合う木の酒器を、いくつか彫ってみることにしました。
今回は、栗材を彫って、お米と木の出会いをイメージして、お酒をひきたててくれるようなシンプルな酒器を作ってみました。
拭き漆で仕上げる予定です。
イベントの詳細は、後日お知らせいたします。

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ブルーベリーと はなびら皿

工房の片隅に植えているブルーベリーの実を収穫しました。
ブルーベリーは、異種を混植するとよく実がなると言われているので、種類の違うブルーベリーを3本植えています。
まだ木が小さいこともあって、実は少ししか生りませんが、熟した実を口に入れると甘酸っぱい味はなかなかのもので、夏の味がします。
栗の板をはなびらのかたちにフリーハンドで彫った、はなびら皿に収穫したブルーベリーの実を入れてみました。
栗の板の色と紺色の実のコントラストが新鮮に感じます。

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花びら皿 栗材

 

 

木の片口の仕上がり

6月7日に製作記事を書いた栗の木の片口が仕上がりました。
栗の木の素朴な木目が好きなので、木目を生かしながら酒器などに使えるよう黒っぽい漆で仕上げました。
以前に作った栗の木の隅切り盆に載せ、ぐい呑みを添えてみました。水キレも問題なく、酒器以外にも多用途に使えそうです。

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片口 栗材 拭漆       ぐい呑み 栗材 拭漆

 

 

綿の栽培 和綿の花

工房の畑に植えた和綿が大きくなり、花が咲きはじめました。
梅雨が明けましたが、その後も比較的雨の日があり、葉も茂り、背も高くなりました。
成長にはばらつきがありますが、高いものは70cmぐらいになり、まだほんの少しですが黄色い花が咲きはじめました。

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東山嘉事さんの牛

用事があって久しぶりに神戸に行きました。
少し時間があったので、JR神戸と元町駅の間の高架下にあるカフェ「プラネットEartH」に置いてある、アーティスト東山嘉事さんの作られたゴミアートの作品を見に行きました。店内には、ほぼ本物の牛と同じ大きさの牛のオブジェ「モーモーモー」があります。
東山嘉事さんは好きだったアーティストのひとりでしたが、残念ながら2006年に亡くなられました。
私が、登山からものづくりに興味が移ってきたころ、40歳の誕生日の記念に、東山嘉事さんのゴミアートのワークショップに参加しました。
最近では、古材や廃材で作品を作る人は多くなってきましたが、東山さんはあくまでゴミだったと思う。
古材や廃材は素材であることに対して、ゴミと言う廃物で作品をつくることにすごいエネルギーのようなものを感じて、私はN市のごみ処理場で東山さんとゴミから生むアート作りを行いました。
2年前、東山さんが亡くなられて作品を目にする機会が少なくなっていた時、このカフェで牛のオブジェに出会った時は、鳥肌が立ちました。
何度作品を見てもその存在感に圧倒されます。

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角コースターをつくる

角コースターの追加製作依頼をいただいたので、同じものを複数枚作っています。
今回、私が作っている角コースターは、すべて直線と平面で出来ています。
こんな場合、丸鋸盤などを上手に使うと効率よく、短時間で同じものをたくさん作ることができそうですが、 私はすべてバンドソーで直線をカットしています。バンドソーの直線切り用のガイドは使わず、材に書いた輪郭線に沿って切っていきます。
当然、直線に切ったつもりでも微妙な歪みが生じます。その切断面は平鑿でととのえていきます。どうも時間のかかる仕事ですが、手で彫りながら器を作っている私には、機械的でない仕上がりも含めてこの方が性に合っているようです。
コースターは漆をしっかり塗りますので、角皿として多用途に使用できるようにしています。

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角コースター 栗材 (完成品は拭漆仕上げ)

 

 

チチ松村さんと小野市のセミ事情

今日、近畿地方が梅雨明けしました。工房のセミもそのことを知っているかのように鳴き始めました。
セミの鳴き声を聞いて思い出したのが、ちょうど一年前、アコースティックギターデュオの「ゴンチチ」のチチ松村さんと小野市のセミ事情について話をしたこと。
昨年、私たちが神戸で個展をしていた時、見にきていただいた先輩木工家の方から「ゴンチチ」のチチ松村さんの企画で、「豆」をテーマにいろんなアーティストが作品を持ち寄り、大阪のギャラリーで展示会をするので、見に来てと言われてDMをいただいた。
チチ松村さんも時々会場に来られるので、会えるかもしれないよとのこと。
私は、ゴンチチはデビュー当時からのファンだったので、出来ることならお会いしたいと大阪のギャラリーへ。会場では「豆」をモチーフやイメージした絵画、イラスト、書、造形作品などと、チチさんの豆に関するコレクションが展示されていて非常に楽しく面白い展示でした。先輩木工家の木工作品も小さいながらもウイットの効いた、さすがと言わせる面白い作品でした。
ギャラリーの方から午後にはチチ松村さんは来られるとのことで、時間を合わせて再度ギャラリーを訪問し、ご本人とお会いすることができました。小野市ってどの辺にあるの?セミはいる?とセミ好きでもあるチチさんと小野市のセミ事情で談笑し、うれしい時間を過ごさせていただきました。

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椀木地のアラガタ

とある古民具を取り扱う店で見つけた椀木地のアラガタ。
アラガタは、木地屋と呼ばれる人たちが、昔お椀を轆轤で挽くため、山の中で伐採した木を斧やチョウナなどで荒木取したお椀のもとになる木。
写真のアラガタは、もちろん完成品ではなく、いつの時代のものかわかりませんが、人力の轆轤にかけられて丸いお椀に整形されたものと思います。
ダイナミックな木のはつり具合と素朴なフォルムに魅かれて、刳りものの器を作っているものとしては、衝動買いしてしまいました。
木の器を作っていると、このアラガタのような力強さや自然なフォルムを表現できないかとよく思います。

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栃の角皿の仕上がり

5月31日のブログで紹介しました栃の角皿の漆塗りが終わり、仕上がりました。
今回の栃の板は、節や入り皮、ひび割れのある個性的な板でした。
あまり個性を強調しすぎると食器として落ち着かなくなるので、少し黒っぽい漆などを使いながらで全体をシックに抑え、栃の木特有の杢もあまり強く出すぎないようにしました。
最後は、漆の艶を多少おさえて仕上げとすることにしました。

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角皿 栃材 拭漆