細かい鎬(しのぎ)の器

最近、木の器に細かい鎬(しのぎ)を入れた作品を作っています。
鎬紋とは、本来は、刀剣の刃と峰の間に貫いて走る稜線のことを言うようですが、陶芸などの技法としては、素地(きじ)の表面に、凹みを付けて模様にするものです。凹みは放射状や、平行線で、連続して削ずり、その境は凸状の筋になります。この筋を鎬と言います。
これまで、鎬を入れた作品は作っていましたが、どれも比較的太い鎬でした。最近、杢目に逆らって、細かい鎬を彫って見たところ、鎬の奥に現れる杢目が何となく面白くて、ちょっとしたマイブーム的に作っています。
細い彫刻刀や丸鑿で彫るのですが、細かい分、彫る数が増えるので、時間と労力がかかるのが大変です。それでも年輪を重ねた杢目の数のように、人の手を加えていく作業もまた感慨深いものを感じます。
1月10日から東京ミッドタウン・デザインハブで始まる、第54回日本クラフト展の作品も、栗材に細かい鎬を入れた器を出品しています。機会がございましたら、ご高覧いただければと思います。

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2015年1月6日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ