栗と栃の木でお椀を彫っています。
お椀と言えば、端正な丸いお椀を木工ろくろを使って、作るのが一般的ですが、私は手で彫って作っています。
時間をかけて手で彫って作ることに、どれほどの意義があるのかとも思いますが、手で彫って出来上がる端正ではない丸いお椀の個性が面白いかなと思っています。
高度なろくろ技術で、使いやすいお椀の飲み口や外側の絶妙なカーブを考えて量産されるお椀は、安定感のある素晴らしいものだと思います。
その点、私のものは、陶芸で言うところの手びねりに近い作り方ですので、ひとつずつが微妙に違っています。
なので、持った感じや、飲み口の感じもそれぞれ異なりますし、それも持った位置によって、また違ってくると言うことになります。
私が考えて、使いやすいようにと思って作ったお椀の個性が、使い手の方にうまくマッチングして、しっくりとなじむマイ椀として使っていただけるようになればと思います。
これから漆塗りで仕上げます。