土のミュージアム SHIDOを訪問

今日は、兵庫県淡路市(淡路島)にある、「土のミュージアム SHIDO」に行ってきました。
ミュージアムは、壁材の専門店の近畿壁材工業株式会社さんが今年開設されたのですが、工房えらむの建物を廃材で建築する際に、工房の壁材となる漆喰をおよそ17年前に購入させていただいた、壁材店さんなのです。
そんな「土のミュージアム SHIDO」のインスタグラムに私の作ったお盆で、お茶を出されている投稿を見て、すごいご縁を感じて訪問させていただきました。
17年前、私の工房を建てる最終段階で、壁材となる漆喰の購入の仕方が、素人の私には判らず、最終的にたどり着いたのが近畿壁材工業さんでした。直接会社へ買いに行くと、若い社長さん夫妻が、素人の私たち夫婦を丁寧にもてなしてくださり、サンプルなども沢山いただいて、本当に気持ちよく対応していただいた印象が強く残っていました。
近畿壁材工業さんのおかげで、私たちの工房も無事完成となり、木の器製作も本稼働に至りました。そしてこのミュージアムで、図らずも私の作品を販売店で購入して、使用していただいていると言う、思いがけない巡りあわせに、ただただ驚くばかりです。
社長さんご夫妻も私の訪問と、その経緯をとても喜んでくださいました。
「土のミュージアム SHIDO」は、地元の左官職人さんで、テレビの「情熱大陸」や「プロフェッショナル仕事の流儀」でも紹介された久住有生氏の土関係の施工によるもので、様々な土の表情を表現し、とても緊張感のあるアート的空間となっています。
屋上からは、海を一望できる素晴らしいロケーションです。機会がありましたら訪問されることをお勧めします。

土のミュージアム SHIDO  兵庫県淡路市多賀2150

Bar HALF TIMEの思い出

昨年からひどい肩こり、首こりによる緊張型頭痛に悩まされ、月1回の通院を余儀なくされて神戸へ。
久しぶりに神戸三宮のBar HALF TIME の前を通った。
脱サラ以前のサラリーマン時代、気の合う仲間と時々出かけて行った所。
30年ほど前、木の器づくりで生計を立てたいと思いながら何の知識もなく、ものづくりの勉強のためにと、ギャラリーをあちこち巡っていました。
かつて神戸元町駅の北側にあった「サーカス・サーカス」と言うギャラリーがとても気に入って、足しげく通っていました。ギャラリーのオーナーさんとも親しくなって、いろいろ勉強させてもらった気がします。そんなギャラリーのオーナーさんが経営していたのがHALF TIMEでした。
HALF TIMEは、小説家の村上春樹さんのデビュー作「風の歌を聴け」を映画監督の大森一樹氏が、映画にした時のロケに使ったBar 。
室内は、小説のイメージそのものの雰囲気で、気の合う仲間と時々出かけて行って、古いピンボールで遊んだり、オセロゲームをしたりしてまったりしていた思い出があります。
体調は、ほぼ快方に向かっているので、こんなことで神戸に行くのは、そろそろ終わりにしたいものです。

 

2023年7月6日 | カテゴリー : その他 | 投稿者 : えらむ

鍛冶師さんの麦茶

工房にやって来られる隣町の鍛冶師さんから、自家製の麦茶をいただきました。
鍛冶師さんは、いつも私の工房にやって来て、コーヒー飲みながら他愛のない話をして帰られるだけで、刃物の購入を勧めるようなことは一切されないし、その気も全くない。
鍛冶職人としては、玉鋼の原料となる砂鉄を川から採取し、日本古来の製鉄法のタタラによって玉鋼を作り出して刃物を作ると言う凄い鍛冶職人さん。
同じ隣町で家具作りをされている著名な木工家の方をして、それまでのカンナとは次元の違う切れ味に驚いたとされる刃物を作られる方。
麦茶は、自身で麦を脱穀して、焙烙で炒って作られたとのこと。
飲むと、市販の麦茶では感じることの無かった、麦そのもの風味がとても爽やかな味わいで、雑味の無い非常に美味しい麦茶でした。
鍛冶師さんの旺盛な好奇心と探求心には、いつもながら脱帽です。

2023年7月3日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

雑誌 住む 掲載から5年

ちょうど5年前の今頃、雑誌 住む66号に工房えらむの建物を紹介した記事を、掲載していただきました。
工房の建物は、ローコストを追求してお願いした建築家の方が、家屋の解体会社から廃材を貰い受け、集まった廃材を基に設計を行うと言うやり方で、大工さんに依頼せず、建築家の方と私が3年半かけてことこつと手作りしたものです。
そんな建物が面白いと9ページに渡り掲載いただいたのですが、写真家の方が撮られた沢山の写真とともに、建築家の方との対談文、編集長さんの依頼で私の書いた「工房えらむの四季」と言う文章と、私の撮った工房周辺の写真も掲載いただきました。また思いがけず、工房えらむの建物内部の写真が雑誌の表紙を飾ることにもなりました。
掲載から5年が経ちましたが、いろいろな方に工房を見ていただき関心を寄せていただきました。
とある老舗のフレンチレストランのシェフが、工房の建物に興味をもっていただき、とても気に入った土地を手に入れたので、ここに工房えらむの建物をコンセプトにしたようなレストランを新規オープンしたいと、たびたび工房を訪ねていただきました。
どのようなレストランが出来上がるのか、とても楽しみにしています。

2023年6月29日 | カテゴリー : 工房のこと | 投稿者 : えらむ

オニグルミの実

工房の敷地に植えたオニグルミの実が大きくなりました。
このオニグルミは、親しい木工家のK君が、岐阜の高山で木工修行していた頃に、鉢植えで育てていたものが大きくなって、私の工房に移植されたもの。
今は、高さは6メートルほどに成長して、毎年たくさん実を実を付けるようになりました。
初めて付けたオニグルミの実は、和歌山県で独立した木工家のK君のもとへ送りました。その実もK君の工房の敷地で大きな木に成長しているそうな。
こんなささやかな循環がとても楽しい。
最近、器やトレイの製作のための素材としてオニグルミの木をよく使っています。
工房の敷地のオニグルミの木を材料として生かすまでには至りませんが、素材として使用する木の成長過程を、日々見届けながら製作することは、木を単なる素材として扱うだけでなく、命ある素材を大切に生かすことへの思いを感じます。

 

2023年6月25日 | カテゴリー : 工房の四季 | 投稿者 : えらむ

うつわと道具と喫茶室ころはOpen

以前、神戸市垂水区にあって、器の販売や展示会をさせていただいた、「うつわと道具と喫茶室ころは」が、兵庫県三木市に移転して、本日プレオープンしましたので、行ってきました。
オーナー夫妻には、神戸市からのお店の移転に際して、候補地探しの相談を受けていて、ほんのちょっぴりですが、物件探しのお手伝いさせていただいたこともあって、この度の新しいお店のオープンには、思い入れもあり、楽しみにしていました。
お店は、私の工房からは車で15分足らずで行ける、三木市の郊外の田園地帯にあり、江戸時代に建てられたと思われる、大きな古民家を改装されています。
のどかな田園地帯のロケーションを背景に、ゆったりとした広い店内で、作家ものの器や雑貨選びが楽しめます。
カフェのスペースもあり、コーヒーなどを飲みながらくつろぐこともできます。プレオープン中は、カフェ利用のみですが、グランドオープンされた際は、神戸のお店では評判の、スパイスカレーなどの食事などもできる予定です。
とても寛げるところなので、機会がありましたらお立ち寄りください。

うつわと道具と喫茶室ころは
兵庫県三木市口吉川町大島55

2023年6月21日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

夏めくクラフト展終了のご報告

ギャラリーふく蔵での「夏めくクラフト展」は、昨日をもちまして、無事終了いたしました。
お出でいただいたお客様、ご購入いただいた皆様、お店の皆様、ご一緒いただいた作家の皆様、大変お世話になりありがとうございました。
最終日にお出でいただいたお客様が、私の器をご購入いただき、レジでお支払い際の抽選会で、特賞を引き当てると言うサプライズがあり、お客様と一緒に大喜びすると言う楽しい出来事もありました。
工房敷地にある枇杷の実が、熟し始めました。ほとんどカラスに食べられてしまうのですが、せっかくなので、わずかに残った枇杷の実を器に入れて記念撮影しました。
器は、栗の木を彫って、中央に麻布を漆で貼った、30センチのお皿です。

岡山市のお店 海と月とさんへ納品

昨日、岡山県岡山市南区にある、「海と月と 暮らしの道具 吉野本店」さんへ納品に行ってきました。
お店の開店される前から、お声がけいただいていたのですが、まだお店に伺ったことがなかったので、納品を兼ねて初めてお店を訪ねてきました。
岡山市南の郊外の高台に建つ、築180年の古民家を改装されたお店です。
古民家の良さを生かしながら、オーナーさんのセレクトした器が、店内にゆったりと配置されて、とても落ち着いた、上品な空間でした。
自然に囲まれた建物と、見晴らしの良いロケーションが、器や雑貨選びをさらに楽しい時間に演出してくれるようなところです。
四季折々、また違った趣を楽しめるところだと思います。

海と月と 暮らしの道具 吉野本店
岡山県岡山市南区川張995

 

2023年6月17日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

播州清水寺の住職さんの思い出

先日、西国第二十五番霊場 播州清水寺の住職さんが、永眠されたことを知りました。
住職さんご夫妻は、私の木の器等の作品を気に入っていただいて、何度か工房を訪ねてくださいました。
私の拙いお椀を、住職さんの朝がゆを食べるのにちょうどいいと仰って、お使いいただりもしていました。
時折、お寺へ納品に伺うと、気さくにお声がけいただいて、いろいろな話をしてくださるのが楽しみでした。
標高約500メールの山上にあるお寺ですが、住職さんの子供のころは、現在のお寺への車道がまだ無くて、生活が大変だったことなど、とても気さくに話してくださり、昔のお寺の様子など、興味が尽きませんでした。
また別の日に、納品にお寺を伺った時には、先代の住職さんが、地中から偶然発見したという仏像があって、その仏像を明日から一般公開するのだけど、今ちょうど準備ができたところだから、よかったら見て帰りなさいと、その仏像を案内してくださったりして、特に信仰心のある訳でもない、ただ単なる木の器の作り手に過ぎない私を、ていねいに対応してくださる、本当に気さくで心優しいお人柄の方でした。
享年85歳で、もっとお会いしていろいろな話をお聞きしたかったのですが、本当に残念です。
住職さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

2023年6月15日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

グミと片口

工房の敷地に自生しているグミの実もほぼ終わりとなり、熟するほどに野鳥に食べられていきます。
わずかに残ったグミの実を、栃の木を彫って拭き漆塗りで仕上げた、浅い片口に入れてみました。
片口は、気ままにフリーハンドで描いたラインに沿って彫り上げたものです。
堅苦しくなく、自由な雰囲気が気に入っています。
浅い片口なので、ちょっとした小鉢として使っても楽しいと思います。