工房にS君がやって来た。
S君が私の仕事場に初めてやって来たのは17年前。友達家族の末っ子で、小学校1年生の時。
夏休みの宿題の工作を作りたいとやって来て以来、毎年のように夏休みの工作を作りに来るのが恒例になった。
夏休みの工作の必要がなくなっても、受験や浪人生活中以外の、ほぼ毎年1回やって来る。2浪の末、志望の大学に合格したと言って、嬉しそうにやって来てくれた。
大学生となって、アメリカに短期留学してきたと言って、お土産を持ってやって来て、アメリカの音楽事情を聞かせてもらい、いろいろ語り合った。
2浪しながらも、厳しい体育界系の部活に入部し、時間がないと言いながら年に1度は、訪ねて来てくれた。
そして、就職が決まり、明後日から東京へ行くと言って、工房を訪ねてくれた。S君が私のところに来て17年目の訪問となりました。もうしばらく会う事もないだろうと、いいながら、パソコンを持ち込んで、お互いの好きな音楽のことで盛り上がった。
たいした木工技術もない、つまらない私のところに、事あるごとにやって来てくれる、素直なS君の、社会人としての第一歩にエールを送りたいと思います。