茶箱を彫る

小さな茶道具を収めて、お茶を楽しむための茶箱。
小さいけれど、お茶の世界を詰め込んだ、宇宙のような箱と言うイメージ。
分厚い11センチの栗の木を彫り抜いて作るのですが、この度のご注文は、以前作った茶箱より、口径が小さくなって、難物でした。
小さいほど、簡単に出来そうなイメージがありますが、深くて口径の小さい箱を彫るのは、とても苦労します。
持っている道具をあれこれ試しながら、深い底を平らに彫って行きます。
自由に刃物が動かないもどかしさの中で、少しずつ彫り進んでいく時間をただひたすら過ごします。
出来上がった箱に、小さいほど秘められたお茶の宇宙の展開を、想像しながら楽しみます。

 

2024年4月7日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ