小野市の好きな風景

工房のことを説明するとき、小野市ってどこにありますか、とよく尋ねられます。それも県外の方ではなくて、兵庫県内の方に。
確かに特別目立ったものもなく、小野市から何かを連想されるものは少ないようです。あまり目立たない、控えめな町ということなのでしょう。
自然が好きでこの地に住んでいるようなところがあるのですが、私の好きな高い山もなく、唯一、工房のあるところとは正反対の小野市の西の端に小野アルプスと呼ばれる山並みがあるのですが、その最高峰にして189メートルという、控えめな自然環境です。
特別なものはないけれど、人と自然がゆったりと関わりながら暮らせる町という感じがします。
工房は、小野市の東の端の少し高い位置にあります。車ですぐ近くの高台から見渡す、北播磨の山々が私のお気に入りの風景です。
特別高い山があるわけではありませんが、小野市の立ち位置を感じながら、遥かに続く兵庫県中部の里山の山並みを飽きずに見ているのが、私はとても好きです。


 

 

 

 

 

 

第3回 小野ハーフマラソン2016を走る

今日12月4日に開催された、「第3回 小野ハーフマラソン2016」を走りました。
工房での木工仕事は、体を使っているようで、実際はほとんど運動になっていない日々。
自然と寄り添いながら生活したいという思いのなかで、自身の体も少しは、自然の環境に対応できる体にしておかないと意味がないと感じるこのごろ。
今年で3回目になる地元で開催されるハーフマラソン大会を今年も走りました。
練習は、いつも仕事が終わってからの夜間のラニング、あまり街灯のない田舎道を時間がある限り走っていました。
この暗闇の中を走るランニングが、なんとなく異次元の世界を体験しているような、意外と楽しい時間になりました。
月の明るい時は、月明かりの影ができることを知りました。スーパームーンの当日は曇りでしたが、その翌日は、いつもより大きく見える月の下で走るのが、わくわくしてすごく楽しい。
月のない夜は、快晴の夜より曇天の方が明るくて走りやすい。ぽつりと見える民家の明かりが、昼間では感じることのない生活感と温かみを感じるなど。
そんな暗闇のランニングが、楽しくて続けられたのかなと思います。
今日のマラソンは、トレーニングの楽しさとは裏腹に、体力の限界を感じながら、完走するのがやっとと言った感じで、ゴールタイムは、2時間09分と、昨年を下回る記録。
無事完走できたことに満足しましたが、日頃運動していない体では、自然をしっかり受け止めて生活する体にはなっていないことをつくづく感じました。

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三木金物まつり2016に行ってきました

工房の隣町の兵庫県三木市で開催された三木金物まつり2016に行ってきました。
会場は、工房から車で20分ほどのところにあり、三木金物まつりは、三木市の大工・木工道具のほとんどのメーカー、鍛冶屋さんが出店していて、必要な道具を見つけることのできる、木工仕事をしている者にとって、大変ありがたいイベントです。
木工をしている者にとって、良い道具に出会うことは、いい作品作りをして行く上で、とても重要なことだと思います。
もうこのイベントには10年以上毎年行って必要な道具は、ほぼそろっているので、よほどの掘り出し物でもない限り、あまり買うこともなくなってしまって、ほとんど消耗品のようなものを買っている状況です。
それでも良い道具は美しく、いつまで見ていても飽きないものです。
やはりいくら道具があっても欲しくなってしまいます。

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すてきな曲物漆器

日々使う木の器で好きなのが、薄くした檜などの木を曲げて作られた、曲物と言われる器。とりわけ漆の塗られたものがお気に入りです。
軽くて丈夫、コンパクトにまとまって、漆が塗られているのでどんな料理でも入れることができて、とても使い勝手のよい器です。
写真のものは、長野県木曽の曲物で故 土川昇一さんが作られたものと、入れ子になってコンパクトにまとまる静岡県の井川めんぱ。
いづれも20年以上前に購入して以来、弁当箱や重箱代わりにと日々使っています。さすがに傷はたくさんついていますが、何ら器自体の傷みはなく、使用にはまったく支障はありません。
木曽の曲物の場合は、曲げる薄板も底板や蓋板の入る側の部分を薄くして、テーパー状にした板をはめ込むという構造で、丈夫に隙間なくはめ込み、反りの軽減や熱に対する収縮を抑える構造になっているそうです。
軽いにもかかわらず、丈夫で堅牢な作りに頭が下がります。
そしてシンプルだけどスタイリッシュで、使っていて飽きのこない、すてきな器です。

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有岡良益 氏の木の器

木の器を作りはじめたころは、いろんな木の器が見てみたかったのと、使ってみたかった。
大好きだった、工業デザイナーの故 秋岡芳夫さんの本の中に度々紹介される、香川県の木工家 有岡良益さんの木の器がとりわけ魅力的でした。
樹齢数百年経った肥松と呼ばれる、たっぷりと脂を含んだ松の木で作られた無塗装の器は、秋岡さんの本によると、十年ほど使い込むと、溜塗りの漆器のような器に完成すると紹介されていました。そのとき初めて無垢の木の器は使い込むほどに、独特の色合いと風合いが増し、器を美しくさせるということを知りました。
これを知ってから、どうしても有岡良益さんの肥松の器が欲しくなって、25年ほど前に購入しました。
販売されている肥松の器のそばに、それこそ使い込んだと思われる肥松の器が置いてあって、それは器全体に松脂がコーティングされた状態で、何とも言えない味のある美しい状態になっていました。日々使いながら、時折オリーブオイルなどを塗布して布で拭き込んでいくうちに、このような状態になるのだとか。
もう25年経つ買い求めた二つの肥松の器は、正直なところ日々使い込んだとは言えず、美しく完成するまでには至っていませんが、濃い飴色になった器に、木の器の良さをしみじみと感じています。
有岡良益さんは、2009年に亡くなられました。とても残念です。

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秋岡芳夫さんの本をいただきました

知り合いの木工家の方から、本をいただきました。
伝統工芸展にも出展されている木漆芸家の方から、本の整理をしているので、この本をあげましょうと、秋岡芳夫さんの本を3冊いただきました。
私が、以前に秋岡芳夫さんの本に出会ったことで、とても影響を受け、木工を本格的に始めるきっかけのひとつになったことをお話したことを覚えていただいていたようです。
たぶんもう絶版になっていると思われる故秋岡芳夫さんの本を、私に贈っていただいたことは、本当に嬉しく思いました。
それもすべて器と漆に関する本。
なんだか、しっかり器づくりをやって行きなさいと激励されているような気がします。
工業デザイナーだった故 秋岡芳夫さんは、器などの生活用品には、人の体に合った大きさがあることを常々力説されていました。
この本で、自身の製作する器が、とかく見栄などに意識がいきがちな点を、今一度見直していきたいと思います。

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薪ストーブと鋳物のアイテム

昨年末からお正月前後は、妙に暖かい日が続いて、工房の薪ストーブの出番が無い日も多かったのですが、さすがに最近は、本来の冬の姿に戻って、薪ストーブの本格的な季節となりました。
薪ストーブは、工房にとって大変重宝するアイテム。
もちろん第一に部屋を暖めてくれる。
火が燃えている姿を見ていると、心が休まる。
木工作業で出る木くずがすぐ焼却できる。
一日中湯が沸かせる。料理ができる。
なんと、すばらしいアイテムではないでしょうか。
と言うことで、薪ストーブにかかせないのが、ケトルと鍋。
愛用しているのは、東北の鋳物製のもの。ケトルは、所属している日本クラフトデザイン協会の会員の大先輩の増田尚紀氏のもの。まだ薪ストーブを使っていなかった、30年前にフォルムに惚れ込んで購入して、ずっと使っています。
鍋は、及源(oigen)ブランドのもので、これもスタイルと機能性に惚れ込んで購入したもの。
鋳物製のしっかりしたふたつのアイテムは、一日中ストーブの上にあって、スタイリッシュに空間を演出し(ちょっとストーブが小さいですが)、安らぎを与えてくれるお気に入りです。

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第2回 小野ハーフマラソン2015に参加

昨日12月6日に開催された、「第2回 小野ハーフマラソン2015」に参加しました。
日頃の運動不足の解消にと、昨年に引き続きエントリーしました。
昨年は、トイレの混雑に時間を取られ、かなり後方からのスターとなった反省を生かし、今年は早々にスタート地点の前半に並び、スタートの号砲から1分以内でスタートラインを越えることができました。
昨年より、少し密度の濃いトレーニングをしたせいか、いつもより若干、足が軽く感じたことと、スタートの雰囲気にのまれて、ややオーバーペース気味に、前半走ったことがたたって、折り返し地点までが苦しい走りに。折り返し手前で、かなり先を走っていた、同じ小野市内で木工をしている、ふじい製作所の藤井健一さんが、私に気付いて、大きく手を振ってくれて我に返り、なんとか折り返し地点からペースを戻すことができました。
ローカルな大会なので、沿道からご近所さんの声援いただいたり、小さな子供とハイタッチしながら、なんとかゴールすることができました。
ゴールタイムは、2時間04分と、とるに足らない記録ですが、昨年のタイムを10分短縮することができ、まあ無事完走できたことと、まだやれば少しはできるのかなと、楽しむことができたハーフマラソンでした。
今日は、筋肉痛と全身疲労に耐えながらの仕事で、運動不足の解消と言うより、早く疲労を取らないと仕事にならないハーフマラソンでした。

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ベトナムの手仕事に触れる旅 その2

2015年11月7日〜11月15日まで、ベトナムの手仕事に触れる旅に行ってきました。
 ベトナム北部の織物作品を求めて、首都ハノイから、中国国境に近いサパの次に訪れたのは、ラオス国境に近い山村のマイチャウ。
サパに比べると訪れる外国人は100分の1以下でしょうか。日本の昭和初期を思わせる、山間の静かな農村地帯。
一般民家を模した、竹のすのこを床にした高床式の建物を宿にして、村と田園地帯を廻ります。
村を自転車で回り、その後は山裾の田園地帯を分け入ってトレッキング。
一般民家は、ほぼ2階建で、足元が透けて見える竹のすのこを床にした2階が居住スペース。1階に相当する壁のない部分は、農作業と自然光の入る織物の作業スペース。
ごく自然な日常生活を垣間見ながら、ここでも美しい織物が生活をささえていることを感じることができました。
わずか1週間の短いベトナム旅行でしたが、喧騒と混沌のハノイ。自然と一体化した暮らしのサパとマイチャウ。どちらも生き生きとした人々の営みに魅力を感じるすばらしい国でした。
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ベトナムの手仕事に触れる旅 その1

2015年11月7日〜11月15日まで、ベトナムの手仕事に触れる旅に行っていました。
予てより、ベトナム北部の山岳地域で作られている、織物作品に興味があり、首都ハノイから、中国国境に近いサパ、ラオス国境に近いマイチャウを訪ねました。
限られた短い時間のなかでの行動なので、ハノイで現地ツアーに申し込んでの旅だったのですが、それぞれの地域の生活に根差した手仕事を垣間見ることができ、充実した時間を過ごすことができました。
ハノイの旧市街の安ホテルをベースにしたことから、これぞベトナムと言う混沌とした街に衝撃を受けましたが、これも次第に慣れて、現地の人たちと道端の屋台で、通り過ぎる物売りの人たちなどを眺めながらの食事も楽しい時間になりました。
最初に訪れたのは、中国国境に近い山岳観光地として有名なサパ。
現地でツアーガイドをしてくれたのは、幼児を背負った19歳の村の女性。そしてツアーのフォロー役ともの売りを兼ねている7歳と10歳の少女に伴われて、数名の欧米の人たちとともに村や果てしなく続く段々畑を巡ります。美しい民族衣装に身にまとった女性たちは、いつも刺繍をしていたり、麻の繊維を手に巻きつけて糸作りをしていたりと、織物が重要な生活の一部となっていることを垣間見ることができました。のどかな2日間のサパの旅はあっと言う間に終わりました。

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