長方形隅切盆と豆皿

定番で作っていた栗の木の長方形隅切盆のもう少し大きなサイズをお店から依頼され、制作しています。
サイズは、36×26センチ厚さ2センチ。隅切盆と言う名前ですが、このサイズになると、お盆と言うよりいわゆる折敷として使用するためのものになるようです。
サイズが判りにくので、栗の木で制作した3寸(9センチ前後)の豆皿を載せてみました。
隅切盆は、拭き漆塗りで仕上げるのですが、いつも作品作りを紹介している写真は、彫りたて無塗装のものが多いような気がします。
塗り上がった完成品の写真がどうも少ないのは何故か、と考えていると、
いつも漆塗りは夜の仕事で、昼間はほとんど彫り作業と言うわけで、漆が塗り上がると、漆室か室内で漆が安定するまで保管して、納期が来ると夜に発送作業。
と言うような状況で、ほとんど完成品は夜に扱うので、写真を撮るのに適した昼間は、彫り作業が終わった木地の状態のものが多くなってしまったようです。
まるで、絶え間なく注文作業をこなしているように見えますが、そんなことでもないので、これからはもう少し塗り上がった完成品の作品を紹介していきたいと思います。
ちなみに豆皿はオイル仕上げで完成品です。

栗の木 隅切盆 豆皿

 

 

 

 

 

2016年7月5日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

梅雨に豆皿を彫る

6月の工房定期Openの3日間日が終わりました。
梅雨の時期とあってか、お客様も少なく、ひたすら栗の木で豆皿を彫っていました。
それでもOpen最終日は雨も上がり、晴れ間こそ出ませんが、雑木林を渡る風が梅雨の湿度を払い、とても心地よい気分にさせてくれます。
お客様とお茶を飲みながら、お互いに「風に揺れる木を見ているのは飽きないですね」と。
工房の土地に自生していたシバグリやコナラの木は、今だ成長を続け10メートルを超えるものもあります。ゆったりと風になびく枝や葉を見ていると、地球の大気が動いているのを感じるようで、本当に時が経つのを忘れそうになります。
工房にお越しいただいたお客さまありがとうございました。

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木製のミルクピッチャーをつくる

カフェを開業される方からのご依頼で、木製のミルクピッチャーを作っています。
以前に私が作った小さな木製の片口を使っていただいて、カフェのミルクピッチャーにはこれがいいとのお話をいただきました。
栗の木を彫って、まだ塗りは途中ですが、漆塗りで仕上げています。
最近は、ブラックで飲む機会が増えたコーヒーですが、以前はよくミルクを入れていました。
ミルクピッチャーの素材は、陶器、ガラス、金属などが一般的ですが、注ぐミルクのキレの悪さから、垂れたミルクでテーブルやソーサーを汚すものが、時折あるのが気になっていました。
木製の漆塗りミルクピッチャーは、小さなものですが、少しはその点を意識して作っていますので、使い勝手の良いものになっていればと思います。
コーヒーは好きで、いろいろなところでコーヒーを飲みましたが、木製のミルクピッチャーを使っているところには、まだ出会ったことがありません。
いろいろ細部にまでこだわられたカフェのようですが、どんな素敵なカフェになるのか楽しみです。

木製ミルクピッチャー

 

 

 

 

 

 

2016年6月15日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

飾り台をつくる

日頃は、木の器を中心に制作していますが、時々飾り台も制作しています。
木との一期一会みたいなものがあって、器用の材木を買いに行ったときに、これは飾り台の方がいいだろうと思う時が時々あります。
飾り台は、あくまで脇役で、飾るものを引き立てて、それでいて存在感のあるものであることが求められると思うのですが、単に木の質感だけではなく、かたちや表現の仕方も重要だと思います。
この木の質感は、きっと飾るものを引き立ててくれるだろうと感じる時は、飾り台に作ります。
写真の飾り台は、永い年月の間、地中に埋もれて独特の色合いになった神代楡の木を使ったもの。
左の無塗装のものと、右側のオイル仕上げのもの、いづれも木の質感を生かしながら、飾るものを引き立てるようシンプルなかたちに仕上げました。

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2016年5月31日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

しのぎ片口の仕上がり

ここ最近の投稿を振り返ってみると、展示会とワークショップの報告がほとんどだったような気がします。
実際、ゴールデンウィーク前後は、展示会を中心に活動し、思いがけずワークショップのご依頼をたくさんいただいたこともあって、あまり制作時間が取れていなかったことも確かです。
それでも漆塗りだけは、ほぼ毎日続けています。
どんなに忙しくても、漆を塗り重ねることで美しく表情をかえていく木の器を見ているのは、楽しく嬉しい時間です。
写真は、塗り上がった栗の木で彫ったしのぎ片口です。
口の広い片口なので、料理を入れてもいいかなと思います。
ふたつ作ったのですが、すぐに一つは、気に入っていただいたお客様のもとへ行きました。
そろそろ制作モードへ切り替えて頑張ろうと思うのですが、いろいろあってなかなか落ち着かない日々です。

木の器 しのぎ片口

 

 

 

 

 

2016年5月26日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

しのぎ片口を彫る

栗の木で、鎬(しのぎ)の片口を彫ってみました。
長い年月をかけて年輪を重ねながら成長した木に、尊敬の念をいだきながら、その時間を重ねるように、手でしのぎを一本、一本彫りこんでいく作業が面白くなって、最近は、しのぎの器をよく彫るようになりました。
とは言っても、木が成長に費やした年月と比較すると、手仕事の時間は、ほんの一瞬に過ぎないのですが。
今回の片口は、オーソドックスな片口ですが、少し包み込むような丸い形のものなので、しのぎのラインも、丸鑿で一気に彫るのが私には難しく、少しずつ彫り進んでいく作業の繰り返しで、美しいラインとは言い難いかもしれません。
それでも、漆を塗った出来上がりを想像しながら楽しく彫りました。

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2016年4月9日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

我谷盆風のお盆を彫る

我谷盆(わがたぼん)と呼ばれる、大変美しいお盆がありますが、それに倣って我谷盆風のお盆を彫ってみました。
我谷盆は、石川県の旧 我谷村(わがたにむら)で、江戸時代初期以来、生活具として作られた木地盆で、材は主として栗を用いられ、のみで縁まわりをくりだし、底には丸のみの平行線を刻み付けているところが特色のお盆と言われています。素朴ななかにも、凛とした力強さと美しさの感じられる、大変魅力的なお盆です。
最近は、器の側面に鎬(しのぎ)と呼ばれる細かい彫り跡を残した、器の製作が面白くなって、鎬の器を製作することが増えたことから、お盆の底の面に直線的な彫り跡を刻んだ我谷盆と通じるところがあって、今回、栗の木で何枚か彫ってみました。
我谷盆は、意匠的に彫り跡をつけたというより、生活用具として効率的に製作する過程でできた鑿跡が、そのまま残されて、それが自然な美しさと力強さを、醸し出していると言えるのではないかと思います。
私の彫ったお盆は、どちらかと言うと、意匠的に彫り跡をつけたようなもので、我谷盆というには、ほど遠いものなので、我谷盆風のお盆としました。
もっと研鑽を積んで、我谷盆の魅力に近づけるお盆を彫れるようになりたいものです。

栗の木のお盆

 

 

 

 

 

 

2016年3月15日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

5寸丸鉢を彫る

昨年末に、お店の方から冬の鍋料理の取り鉢に使うような木の鉢を作ってほしいと言う依頼をいただいて、納品させていただいた栗の木の5寸丸鉢。
すぐ追加製作の依頼をいただいて彫っています。
5寸径(15cm)と言えば、鍋料理の取り鉢としては、少し大きめかと思いますが、大きな具材も出汁もしっかり取り込め、手に持った時熱くなく、保温性が良いことがいいのかもしれません。
そして器の底も少し平らにして、見込みを広くし、いろいろな料理を盛り付けやすくしています。
このような鉢だと、木工ろくろを使うと効率的に、端正な器ができるかと思いますが、どうも手で彫る方が性に合っているようで、 手で彫って作っています。
手彫り故に、ひとつひとつ微妙に形の違う鉢ですが、この陶芸で言う手びねりの感覚が好きなようです。
彫る際には、あらかじめドリルなどで、下穴を開けておきますが、やはり大半は手彫り作業で、一日数個しかできません。当然写真のものは、一日で彫った訳ではありません。
武骨な鉢ですが、しっかり拭き漆を施して、栗材の趣を生かした、堅牢な扱いやすい木の器にしていきます。

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2016年2月16日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

第55回 日本クラフト展出品作品

先月、第55回日本クラフト展が終了しました。
私の今年の出品は、桧と栗の木で作ったキャニスター。
桧も漆も抗菌作用があると言われていることから、蓋の部分は無塗装の桧を使用し、容器の部分は水に強い栗材を黒めの拭き漆塗りで仕上げました。
最近は、抗菌作用のあるいろいろな商品がありますが、私は、食品のための自然素材による、優しいキャニスターを提案してみました。
製作は、ルーターなどを使用していませんので、日頃の刳りものの器を作る要領で、あくまで手彫りの少々まったりとした容器になっています。
茶筒のような密閉性はありませんが、食卓にそのまま置いておいても良いような、気軽に使える容器になればと言う思いで製作しました。

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2016年2月9日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

栃のだ円皿を彫る

1月22日から24日まで地元小野市で開催される、彫刻家、画家、写真家の方との合同展「アートプランおの展覧会」に向けて、何か新作をとぎりぎりまで製作していました。
かなり暴れた栃の板、割れ、入り皮、節ととても上質な板とは言えないけれど、何か引き寄せられるものがあって、買った板。だ円の皿に彫りました。
そんな個性的な板と対峙しながら彫るのは、とてもたのしい。
出来上がりが、どうなるのか?どうなっていくのか?彫って見ないと判らない。
木は、とりわけ個性のあるマテリアルだと思うので、素材との一期一会を楽しむ作品作りがあってもいいのではないかと思います。
先日、地元の新聞社より「アートプランおの展覧会」の事前取材を受けました。それぞれ作品を持ってきてくださいということだったので、私はこの皿を持参しました。
アートと言えるのかどうか判りませんが、私なりに木のある暮らしは楽しい、優しい、面白いを表現したいと思います。

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