クロモジの木

昨年から、天然木のクロモジの木を使った、黒文字楊枝作りを覚えて楽しんでいます。
楊枝に使う、クロモジの木の採取は、木の水分の吸収が少ない冬場が良いとされているので、クロモジの木のある雑木林に行ってきました。
なんと、今年はもう枝の先に丸い玉のような蕾ができていました。
この冬は、暖冬気味であったせいか、昨年よりかなり早いペースで、蕾ができ、花の準備が進んでいるようです。もう少し早く採取に来ればよかったと思いながら、少しだけ枝をいただいてきました。
クロモジの木は、切ると大変香りの良い木で、楊枝にして和菓子などに添えると、この香りが菓子の味をひきたててくれるような気がします。
黒文字楊枝は、耐久性もあり、繰り返し使用でき、経年の木肌の感じもなかなか味わい深いものがあり、本当にいいものだと思います。

明日2月20日(土)〜22日(月)まで工房ギャラリーをOpenします。
ご希望がありましたら、黒文字楊枝作りのワークショップも行います。
皆さんお気軽にお立ち寄りください。

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2016年2月19日 | カテゴリー : 工房の四季 | 投稿者 : えらむ

5寸丸鉢を彫る

昨年末に、お店の方から冬の鍋料理の取り鉢に使うような木の鉢を作ってほしいと言う依頼をいただいて、納品させていただいた栗の木の5寸丸鉢。
すぐ追加製作の依頼をいただいて彫っています。
5寸径(15cm)と言えば、鍋料理の取り鉢としては、少し大きめかと思いますが、大きな具材も出汁もしっかり取り込め、手に持った時熱くなく、保温性が良いことがいいのかもしれません。
そして器の底も少し平らにして、見込みを広くし、いろいろな料理を盛り付けやすくしています。
このような鉢だと、木工ろくろを使うと効率的に、端正な器ができるかと思いますが、どうも手で彫る方が性に合っているようで、 手で彫って作っています。
手彫り故に、ひとつひとつ微妙に形の違う鉢ですが、この陶芸で言う手びねりの感覚が好きなようです。
彫る際には、あらかじめドリルなどで、下穴を開けておきますが、やはり大半は手彫り作業で、一日数個しかできません。当然写真のものは、一日で彫った訳ではありません。
武骨な鉢ですが、しっかり拭き漆を施して、栗材の趣を生かした、堅牢な扱いやすい木の器にしていきます。

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2016年2月16日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

第55回 日本クラフト展出品作品

先月、第55回日本クラフト展が終了しました。
私の今年の出品は、桧と栗の木で作ったキャニスター。
桧も漆も抗菌作用があると言われていることから、蓋の部分は無塗装の桧を使用し、容器の部分は水に強い栗材を黒めの拭き漆塗りで仕上げました。
最近は、抗菌作用のあるいろいろな商品がありますが、私は、食品のための自然素材による、優しいキャニスターを提案してみました。
製作は、ルーターなどを使用していませんので、日頃の刳りものの器を作る要領で、あくまで手彫りの少々まったりとした容器になっています。
茶筒のような密閉性はありませんが、食卓にそのまま置いておいても良いような、気軽に使える容器になればと言う思いで製作しました。

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2016年2月9日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

メジロの季節

工房にある猫の額ほどの雑木林にも、この季節になるといろいろな野鳥がやって来ます。
今年も、工房の近くでメジロの鳴き声がよく聴かれるようになりました。
スーパーで、見切り品のミカンを格安で買ってきて、仕事場の目の前の山桜の木に、輪切りにして付けておくと、メジロが食べにやって来ます。
決して珍しい光景ではないのですが、野鳥が目の前3メートルほどの位置で、ミカンを啄んでいる姿を見ながら、仕事をするのは、なかなかほほえましく、楽しいものです。
しがしながら、のんびり見ていられるかと言うとそうではなく、メジロがミカンを離れた隙に、必ずヒヨドリがやって来て、メジロより4倍はあるかと思われる図体で、ミカンをあっという間に食べてしまうか、引きちぎって地面に落としてしまうのです。
ちょっと下を向いて仕事をしている隙に、ミカンを全部食べてしまうので、しょっちゅうやって来るヒヨドリを追っ払うのが、なかなか大変。
同じ野鳥ながら、その扱いがえらく違うのですが、ささやかな楽しみのために、ヒヨドリには気の毒な思いをしてもらっています。
とは言え、いつもヒヨドリにすべて食べられて、お楽しみは終わってしまうのですが。

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2016年2月5日 | カテゴリー : 工房の四季 | 投稿者 : えらむ

画家の方との三人展「gift:自然の声」

2016年2月26日〜3月2日まで、画家の方との三人展を行います。
親しくしていただいている、画家の上原由起子さんのお誘いで、私、田中陽三の木工(木の器等)と日本在住のアメリカ人画家、アラン・ミラーさんと兵庫県西宮市の「ギャラリー甲風画苑」で三人展をさせていただきます。
個性的な3人での展覧会ですが、何故か3人とも共通して自然をモチーフとした作品を中心に製作していると言う不思議な縁もあって、「gift:自然の声」と言うタイトルで、それぞれの感じた自然や、自然への思いを作品に表現しての展覧会となりました。(作品は、すべて販売いたします。)
私は、画家の方との合同のグループ展ということで、少し緊張していますが、日常的に製作している木の個性を生かした器を中心に、自然への思いを表現した作品も展示したいと思っています。
会場の西宮市のギャラリーは、神戸からも大阪からもほど近い、阪急電車西宮北口駅から徒歩3分のとても便利なところです。お時間ございましたらご高覧いただけましたらと思います。

日時 2016年2月26日(金)〜3月2月(木)  11:00〜19:00(最終日は18:00まで)
会場 ギャラリー甲風画苑 http//www.kofugaen.co.jp
兵庫県西宮市甲風園1丁目7-8   阪急神戸線 西宮北口駅下車 北西出口より徒歩3分
TEL    0798-67-9174

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2016年2月2日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

木の角皿づくりワークショップ報告

2016年1月31日(日)、木の角皿づくりのワークショップを行いました。
会場は、いつもワークショップをさせていただいている、兵庫県多可郡多可町にある、お洒落なカフェ・チャッタナの森にて。
今回は、定員を上回る方に参加をいただきました。
材は、栗の木を使い、彫りやすいように出来るだけ杢目の細かい柾目板を用意しました
多くの方が、彫刻刀を持つのは小学生以来ということで、最初は慣れない彫りに少々苦労しておられ、カフェの大きな薪ストーブで暖かくなった部屋で、しばらくは真冬にもかかわらず、汗をかきながらの作業でした。
みなさん、程なく道具の扱いにも慣れ、予定していた時間よりもスムーズな進行となりました。
最後にオイルを塗って仕上げたお皿を使って、カフェ・チャッタナの「おはぎ」を召し上がっていただきました。
薪ストーブで温まりながら、ロケーションの良い、森に囲まれたおしゃれなカフェで、楽しいひと時を皆さんと過ごすことができました。
ご参加いただいた皆さんありがとうございました。
そしてお疲れさまでした。

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アートプランおの展覧会報告

2016年1月22日〜1月24日まで、兵庫県小野市の小野市うるおい交流館エクラにて、小野市在住、在勤作家5名による「アートプランおの展覧会」が開催されました。
石の彫刻家、画家、写真家の方と私の木工作品の合同の展示会でしたが、たくさんの方に会場に足を運んでいただきました。
今回の展示会は、アートをメインとした展覧会という趣旨なので、私は、日頃個展などで紹介することが無かった、創作的な器やオブジェなども展示を行い、自身の木への思いや、木の魅力を伝える作品展示を目指しました。
全体の出品点数は、それほど多くはないのですが、多くの方に本当にじっくり時間をかけて作品を見ていただき、いろいろなお話をさせていただくことができました。
それぞれの作家の方の知人の方やファンの方、絵の好きな方、写真の好きな方、またジャンルの違うクリエーターの方など、いろいろなジャンルの愛好者の方から作品を見ていただいたり、批評していただけたことは、とても貴重な体験となりました。
このような貴重な機会をいただけたことに感謝して、いただいた刺激をともに、さらなる新しい魅力的な作品作りにつなげて行ければと思います。

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2016年1月25日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

明日からアートプランおの展覧会

明日、2016年1月22日〜1月24日まで、兵庫県小野市の小野市うるおい交流館エクラにて「アートプランおの展覧会」が開催されます。
小野市でアートに触れる機会を広げていこうと言う趣旨で、ご近所にお住いの彫刻家 井上直さんの呼びかけにより、小野市シニアサポートモデル事業として、「アートプランおの」が立ち上げられ、その最初のイベントとして、小野市在住、在勤の5名の作家により展覧会が開催されることになりました。
私も、そのお手伝いと、自らの作品の展示ということで参加させていただきます。
今日は明日の開催に向けて、朝から作品の搬入と会場の設営。
100号を超える絵画の運搬と搬入。石の彫刻の搬入など、スタッフ全員で夜遅くまで続けられました。
初めての催しですが、楽しい雰囲気の会場となりました。
入場料200円を頂く有料(18歳以下は無料)の展示会ですが、市外の方も含めご高覧いただければ幸いです。

会 場 小野市うるおい交流館エクラ  兵庫県小野市中島町72番地(無料駐車場 有)
期 間 2016年1月22日(金)〜1月24日(日) 10:00〜18:00(最終日は17:00)
入場料 200円(18歳以下は無料)
出展者
井上 直  (彫刻)
冨田 貞子 (油絵)
御領原 睦美(平面)
赤秀 利成 (フォトグラフ)
田中 陽三 (木工)

1月23日(土)同会場内にて、クラフトワークショップ「ペーパーフラワーブーケを創ろう」開催
13:30〜15:30 体験料500円(入場料・材料費含む)会場にて受付

 

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2016年1月21日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

栃のだ円皿を彫る

1月22日から24日まで地元小野市で開催される、彫刻家、画家、写真家の方との合同展「アートプランおの展覧会」に向けて、何か新作をとぎりぎりまで製作していました。
かなり暴れた栃の板、割れ、入り皮、節ととても上質な板とは言えないけれど、何か引き寄せられるものがあって、買った板。だ円の皿に彫りました。
そんな個性的な板と対峙しながら彫るのは、とてもたのしい。
出来上がりが、どうなるのか?どうなっていくのか?彫って見ないと判らない。
木は、とりわけ個性のあるマテリアルだと思うので、素材との一期一会を楽しむ作品作りがあってもいいのではないかと思います。
先日、地元の新聞社より「アートプランおの展覧会」の事前取材を受けました。それぞれ作品を持ってきてくださいということだったので、私はこの皿を持参しました。
アートと言えるのかどうか判りませんが、私なりに木のある暮らしは楽しい、優しい、面白いを表現したいと思います。

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薪ストーブと鋳物のアイテム

昨年末からお正月前後は、妙に暖かい日が続いて、工房の薪ストーブの出番が無い日も多かったのですが、さすがに最近は、本来の冬の姿に戻って、薪ストーブの本格的な季節となりました。
薪ストーブは、工房にとって大変重宝するアイテム。
もちろん第一に部屋を暖めてくれる。
火が燃えている姿を見ていると、心が休まる。
木工作業で出る木くずがすぐ焼却できる。
一日中湯が沸かせる。料理ができる。
なんと、すばらしいアイテムではないでしょうか。
と言うことで、薪ストーブにかかせないのが、ケトルと鍋。
愛用しているのは、東北の鋳物製のもの。ケトルは、所属している日本クラフトデザイン協会の会員の大先輩の増田尚紀氏のもの。まだ薪ストーブを使っていなかった、30年前にフォルムに惚れ込んで購入して、ずっと使っています。
鍋は、及源(oigen)ブランドのもので、これもスタイルと機能性に惚れ込んで購入したもの。
鋳物製のしっかりしたふたつのアイテムは、一日中ストーブの上にあって、スタイリッシュに空間を演出し(ちょっとストーブが小さいですが)、安らぎを与えてくれるお気に入りです。

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