撥水セラミックによる塗装

最近、漆塗り以外の木の器の塗装でよく使うようになったのが、撥水セラミックによる塗装。
撥水セラミックは、セラミック成分をアルコールで溶解しているもので、木に深く浸透し、固まることで、木の対候性、腐食を防ぎ、水や熱に強く、匂い移りや染み、カビなどに強い塗料です。
食品衛生上の問題もなく、食器に使え、実際に有名うどんチェーン店の釜揚げうどん用の桶などの塗装にも使われています。
飲食店などの業務用の食器の制作を依頼されて、木の素材そのままの透明の塗装での仕上げを希望されて、何にするか悩んでいた時に、たまたま、ミシュランの3星レストラン用の木の食器を納品している知り合いに、これがいいと教えてもらった塗料が撥水セラミックでした。
親切にも、撥水セラミックを小分けして試させてもらい、また塗料の開発者の徳永家具工房の徳永さんも紹介していただき、直接塗料についてのアドバイスもいただきました。
実際に使用してみて、塗膜を作らないため、木の自然な風合いを保っていながら丈夫に木を保護してくれること。食器として匂い移りや、色の移りがほとんどないことがなんと言っても安心感があります。アルコールベースの塗料であるためシンナー臭が無いため、塗装が苦にならず、だれでも簡単に塗れることも嬉しいことです。
撥水セラミックの強度が強いと言っても、木の器を長期に渡って使い続けると、やはり表面が磨滅してきますが、再塗装することで強度が増していくようになります。ただ器のユーザーの方にもメンテナンス用の撥水セラミックを常備していただくことが、ベストと言えるようです。
これからの次世代の塗料としてお勧めしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年5月30日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

大きな木の鉢を彫る

久しぶりに鉢ものを彫りました。
厚い栗の木で、直径18センチ、高さ8.5センチの大ぶりな鉢。
用途としては、麺類や丼ものの料理用にお使いいただいているものです。
陶器では、一般的なサイズですが、木のものは比較的少ないように思います。
陶器の麺鉢では、しっかりしたものになると、少々重く感じるのですが、木で作ると、重量は半分ぐらいになると思います。
木で作ることの利点は、やはりこの軽さにあると思います。
最近は、年齢的に重い陶器の器は、持つのが大変になってきたので、少しづつ食器を木のものに変えて行きたいと言われて、木の器を購入いただく機会も増えたように思います。
また、木の器は、熱さが伝わりにくいことで、持ちやすいなどのメリットがあると思います。
麺鉢用などの3寸(約9センチ)近い厚板の乾燥材の入手は、なかなか難しいこともあるのですが、私にとっては、刳りものの楽しみは、大きな鉢をダイナミックに彫ることにあるような気がします。
この鉢は、しっかり漆を塗って仕上げます。

栗の木の鉢

 

 

 

 

 

 

2020年5月26日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

木の豆皿を彫る

栗の木で定番の豆皿を彫りました。
今回は、木瓜、亀甲、桃の3種類。
豆皿を作り始めたころは、10種類ぐらいあったのですが、人気の高いもの、需要の多いものなどから、ほぼ6種類に絞られ現在に至っています。
最近では、栗の木のほかにクルミの木のものもあり、オイル仕上げ以外に、朱と黒の漆塗りと拭き漆塗りのものがラインナップに加わりました。
豆皿は、色々な方に使っていただき、時折Instagramなどで、豆皿を使っていただいた食事の様子などの投稿を見かけると、とても嬉しく思います。
最近では、販売には至っていませんが、海外からの問い合わせもいただくようになり、海外でも興味を持っていただけるようになったことも嬉しく思います。
そろそろ、新しいデザインの豆皿を提案していきたいと思います。

木の豆皿

2020年5月21日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

いろいろなお盆を彫る

昨今の状況への対応として、私もほとんどのイベントや展示会を中止していますが、夏から秋にかけて、活動の再開を想定して、いくつかの展示会を予定しています。
今は、それぞれの展示会に向けての作品作りを中心に日々過ごしています。
最近は、ご要望をいただくことが多くなった、お盆を中心に制作しています。
先日、紹介しました、我谷盆もその一つです。
我谷盆は、木と言う素材のずっしりとした存在感のあるお盆として好きなのですが、カジュアルに普段使いすると言うことでは、もう少し浅くて軽いお盆の方が、使い勝手が良いと感じます。
我谷盆の雰囲気を残しつつ、軽くて浅いお盆を作ると言う思いで、栗の木で2種類のお盆を彫りました。
栗の木の厚さは1.8センチで、お盆の縁も浅くしています。運び盆としても、軽食やお茶のトレイとしても使っていただけるのではないかと思います。
それにしても、予定している展示会までが実施できないことになると、さすがに少し落ち込みそうです。

栗の木のお盆

2020年5月8日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

5寸茶托の漆塗り

栗の木で彫った、5寸(15センチ径)の茶托の漆塗りが出来上がりました。
栗の木を彫る際に出来ていく、自然な彫り跡をしのぎとして意匠的に残しながら彫り上げています。
仕上げは、黒っぽくした漆を拭き漆し塗りしながら、木の質感と杢目を生かして、落ち着いた雰囲気にしています。
作った茶托は、器の脇役として、あるいは器の引き立て役として、あまり自己主張しないながらも、少し存在感を持たせたいという思いがありますが、使い手の方が、どのような器を載せられて、お使いいただけるのか見てみたいものです。

しのぎの茶托

2020年5月1日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

兵庫民芸 第51号

昨年、入会させていただいた兵庫県民芸協会の機関誌「兵庫民芸 第51号」が送られてきました。
私が、入会して始めて頂いた協会の機関誌です。
兵庫県民芸協会の存在は、かなり以前から知っていて、とても興味を持っていましたが、入会となると、会員の皆さんは、非常に優れた民芸・工芸の作家の集団と言うイメージがあり、入会など縁のない世界と思っていました。
昨年、展示会を見に行った会場で、兵庫県民芸協会は、民芸に興味のある方なら、だれでも入会できますよと言われ、会員の尊敬する作家の方や、親しい作家の方に勧められ入会を決めました。
冊子の会員募集の欄には、「民芸に興味のある方はどなたでも会員になれます。平和な世の中をしっかり守り、生活の中の美をみんなで育てていきましょう。」とあります。
売れる商品を作り、沢山収入を得ることが、暮らしに平穏をもたらすと考えがちなになる時代ですが、「平和な世の中をしっかり守り」と言う言葉が、どこかとても良い響きに感じます。
冊子「兵庫民芸」は47ページのとてもしっかりした内容の冊子で、これだけのものを発行すること事態、大変な作業だと思います。目次の版画は、棟方志功 氏によるものとあり、長きにわたって組織の趣旨を守り、組織を運営する方々の真摯な取り組みにより、運営されてきた会であることが感じられます。

木のぐい吞みを彫る

久しぶりに木のぐい吞みを彫りました。
ぐい吞みに使えそうな木があると、いろんな木で思いつくままに、ほぼフリーハンドで彫っていきます。
そして、個々の雰囲気に合った、色あいで漆を塗って仕上げます。
特に、定番的なものがある訳ではないのですが、やはり持ちやすさや飲みやすさを意識して作ります。
もう少し遊び心を感じるぐい吞みにしたいなといつも思うのですが、フリーハンドとは言え、どうも同じような雰囲気になってしまいます。
こんな感じで、長いことぐい吞みを作り続けているのですが、ほとんど手元には残らず、何方かのもとでお使いいただいていることを、とてもありがたく思います。
いつもオーダー仕事などの合間に、気まぐれに作るので、なかなかまとまった数の在庫が出来ないのが悩みです。
外出のままならない日々ですが、口当たりの優しい木のぐい吞みで、自宅でゆったりお酒を味わっていただければと思います。

木のぐい吞み

 

 

 

 

 

 

 

2020年4月17日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

ひとり盆の塗り上がり

以前に作った定番のお盆で、縦16センチ、横26センチサイズのひとり盆の漆塗りをしました。
栗の木の柾目材で厚さは1.7センチほどですが、お盆の底の深さは7ミリほどと浅くしていますので、お盆と言うより、トレイの雰囲気のお盆です。
漆塗りをしていない白木の状態だと、少し洋風なカジュアルなお盆の印象を持たれる方が多く、どちらかと言えばナチュラルなオイル仕上げのものを好まれる方が多いと思います。
私は、どちらかと言えば、渋い雰囲気が好きなので、漆塗りで仕上げることが、圧倒的に多いです。
漆塗りも、杢目を生かしながら、黒く拭き漆塗りにして、つや消しで仕上げています。
こんな渋い雰囲気が好みと気に入っていただける方が、少なからずいらっしゃるので、私はこちらをメインに作品作りをしています。

漆塗りのお盆漆塗りのお盆

 

 

 

 

 

 

 

2020年4月11日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

茶さじを作る

夏に出展を予定している、お茶や急須にまつわるグループ展用の作品を制作しています。
展示会は陶芸の作品が中心ですが、木工作品としての出展の機会をいただきましたので、私は、茶托やお盆、茶さじなどを制作することにしました。
山桜の木で、長さ7~10センチぐらいの茶さじをいろいろ作ってみました。
基本的には、使いやすさ最優先ですが、茶入れなどへの収まりやすさ、見た目の面白さなど、こんな茶さじはどうだろうかと、思いつくままに、ほとんどフリーハンド的に作っています。
山桜は硬質で、甘い香りがいいので、無塗装で仕上げます。
使い込むほどにお茶の成分が、茶さじに触れて、良い味わいになってくれるのではないかと思います。

茶さじ

2020年4月7日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

久しぶりの工房でのワークショップ

昨日は、久しぶりに工房での、ご予約による優しい木工ワークショップを行いました。
4名の方のお申し込みをいただき、事前に作りたいものをお聞きして準備させていただきました。
お二人がスプーン、お一人が角鉢、そしてもうお一人の木彫をされる方が、以前にブログで紹介した、隅入りのお皿のミニチュアサイズを作ってみたいとのことで、手のひらサイズの隅入りのお皿と言う、3種類の同時進行。
木彫をされる方以外は、みなさん彫刻刀も小刀もほとんど初体験に近い状態でしたが、道具の扱いに馴れていただくと、それぞれクルミの木の加工を楽しんでおられたように思います。
ウイルス感染に怯える、息の詰まる昨今ですが、静かな田舎の工房で、ウグイスの鳴き声をBGMに、みんなでゆったりと、カフェタイムを挟みながら、楽しい時間を過ごさせていただきました。
馴れない作業に苦労しておられたところもありましたが、皆さん出来栄えに満足したいただき、またやりたいとおっしゃっていただけたことを、とても嬉しく思います。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。