黒柿の入隅の皿を彫る

お客様から、とても気に入っている黒柿の板を持っているので、これで出来るだけ大きなお皿を作って欲しいとのご要望をいただき、作らせていただきました。
お持ちいただいた黒柿の板は、縦30センチ横60センチ以上もある大きな板。黒柿特有の黒い縞模様が、味わいのある景色を作っているのですが、ひび割れ、節穴、腐れ、虫くいなどがあり、なかなかの難もの。板の厚さも1.8センチほどの薄さにもかかわらず、ひび割れも両方向から入っているので、いつ割れても不思議ではない板。
こうした大きな個別の一点ものオーダーは、俄然闘志をかきたてられて、何とか仕上げて見せようという気分になります。
割れたり、欠けたりしないよう慎重に作業を進めます。私の彫り跡のある仕上げを気に入っていただいているので、最後は根気よくノミで仕上げていきます。
塗装は、オイル仕上げをご希望でしたが、黒柿特有の白と黒のコントラストをきれいに出すために、いろいろ試した結果、お客様に了解をいただいて、最近気に入っている撥水セラミック塗装にしました。
撥水セラミック塗装により、朽ちかけている部分の補強と、塗膜を作らない自然な風合い、そして黒柿本来の自然な美しさが出せたかなと思います。
納品させていただいたところ、ご自宅の肥松のダイニングテーブルに載せられて、雰囲気がぴったりだと大変喜んでいたけて、とても嬉しく思います。

黒柿の皿黒柿の皿

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年3月19日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ