松田一戯 木彫50年の歩み 作品集

先日出版された本、木彫家 松田一戯さんの作品集「辺境の地から 松田一戯 木彫50年の歩み」を購入しました。
松田一戯さんは、地元兵庫県の但馬地域で活動されておられる木彫家の方です。
私も松田さんの作られた作品はとても好きで、招き猫の作品を購入してもっているのですが、但馬木彫と呼ばれる、民芸調の木彫で全国的にご存じの方も多いかもしれません。
松田さんの作品は、民芸調の作品だけではなく、本来、ご本人が目指しておられた、現代美術系の彫刻にこそ素晴らしい作品が沢山あります。
こうした作品を見る機会がなかなかなく、今回、作品集が出版されたことで、ぜひ氏の現在の作品の集大成を拝見したいという思いで、購入しました。
氏の作品は、造形的にも表現的にも大変魅力ある作品ばかりで、木でもの作りをしている人間としては、木の持つ可能性のようなものを非常に感じるとともに、自分の作っている木の作品の深みのなさをひしひしと感じる思いです。
そして、木の魅力を強く感じさせてくれます。

2022年7月14日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

厚い板

工房には、いろいろなオーダーに備えて、いろいろな厚さの板を、できるだけ在庫するようにしています。
特に厚い板は、なかなか確保が難しいので、厚い板を在庫していると、なんとなく安心感があります。
木工を始めたころは、材の買い方すら分からなくて苦労しました。
4~5センチぐらいの厚さの板なら、何とか手に入れることができるのですが、お椀を彫るサイズの6センチ以上ともなると、なかなか市場には無く、最初は、小さな端材でも6センチ以上の厚みのある板は、見つけると何でも買っている始末でした。
いろいろな先輩木工家の方から、広葉樹の買い方や、材木店を教えてもらい、今では何とか必要な材をある程度確保できるようになりました。
材木店の方とも、親しくしていただけるようになると、材料を探していただいたり、特別に丸太を注文で挽いてもらったりしてもらい、必要な樹種の、いろいろな厚さの板を確保できるようになました。
とりわけ苦労していた、厚い板6~10センチのものも在庫できるようになりました。
まったく木工業界の知識のないまま脱サラしてしまった私に、親切に対応していただいた、先輩木工家、材木店の方のおかげです。

2022年7月9日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

鉋仕上げ皿製作中

きれいな板目の栗材で、直径30センチ、厚さ2センチのお皿を製作中です。
木工ろくろは使用せず、板に円を描いて、ディスクグラインダーで荒彫りをして、四方反りの豆鉋で仕上げています。
ろくろで挽いたような端正な円ではなく、表面も鉋目の残ったざっくりとした仕上がりですが、この少しゆるやかな雰囲気が気に入っています。
栗の木の杢目が端正で、少し緊張感を与えてくれているようです。
そんなバランスを生かしていい雰囲気のお皿が出来上がることを願っています。
拭き漆塗りで仕上げて、9月に予定している東京での展示会にもっていければと思います。

 

2022年7月7日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

2022年の梅雨明けと夏野菜

工房のある近畿地方の梅雨も、記録的な速さと短さで明けました。
梅雨明けと同時に、猛烈な暑さがやって来ました。
そして今日は、近くの丹波地方で記録的豪雨。
暑さと湿気、ただ開け放っただけの工房での仕事もさすがにしんどくなります。
体調もぱっとしない日々にこの暑さに、果たしていい作品は出来ているのだろうかと。
工房となりの畑の夏野菜も、今年の出来はいまいちで、畑の手入れの悪さを置いといて、やっぱり例年にない梅雨明けと暑さが影響しているのではないかと思ってしまいます。
野菜も例年にない厳しい気象条件に喘いでいるのではないかと思います。
自然と寄り添いながら、もの作りをするというコンセプトの作品作り、野菜と同じように自然のあるがままを受け入れながら、ベストを尽くすしかないのかなと思います。
出来の悪い夏野菜の中で、唯一、元気に育っているインゲン豆に励まされる日々です。

2022年7月3日 | カテゴリー : 工房の四季 | 投稿者 : えらむ

工房えらむ 木の器と織の自由時間 展終了しました

2022年6月21日より26日まで、兵庫県芦屋市にあります、ギャラリーPawにて「工房えらむ 木の器と織の自由時間」展を開催しておりました、展示会が終了しました。
「工房えらむ 木の器と織の自由時間」と題して、木の器製作の田中陽三と手織りの田中雅子の夫婦での展示会として開催し、日頃製作している木の器や手織り作品の定番的なものから、いろいろな切り口と自由な発想で製作した、ちょっと遊び心のある立体や平面作品なども展示販売させていただきました。
期間中は暑い中、沢山の方に会場にお出でいただき、本当にありがとうございました。
今回は、アートギャラリーでの展示会と言うことで、少しアート的なことを意識して展示作品を作ったりしましたが、日頃作りなれないものを作るというのは、なかなか難しいく、付け焼き刃的な作品は、お恥ずかしい限りです。そんな作品でも見ていただいて、面白いと興味を持っていただけた作品もあって、日頃の制作の幅を広げるきっかけになったかなとも思います。
アートギャラリーならではのお客様や、いろいろな出会いもあり、とても充実した時間をすごすことができました。
この度の展示会に際しまして、私たちの作品を見に来ていただいたお客様、ギャラリーにご推薦いただいた作家の方、親切丁寧にに対応していただいたギャラリーオーナーの方、に心よりお礼申し上げます。

2022年6月29日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

工房えらむ 木の器と織の自由時間展開催中

2022年6月21日より26日まで、兵庫県芦屋市にあります、ギャラリーPawにて「工房えらむ 木の器と織の自由時間」展を開催しています。
「工房えらむ 木の器と織の自由時間」と題して、木の器製作の田中陽三と手織りの田中雅子の夫婦での展示会です。
日頃製作している木の器や手織り作品の定番的なものから、いろいろな切り口と自由な発想で製作した、ちょっと遊び心のある立体や平面作品なども展示販売しています。
木のものは、器、皿、お盆、スプーン、カトラリーレスト、フラワーベース、木のオブジェ、ボタン、キーホルダー、端材のコラージュ作品、漆絵など。
布ものは、マフラー、タペストリー、コースター、テーブルクロス、バッグ、ウェア、ブローチ、アクセサリーなど。
最終日6月26日(日)は、夫婦で在廊しています。
どうぞお気軽にお立ち寄りください。
会場 ギャラリーPaw 兵庫県芦屋市精道町2-15
期間 2022年6月21日(火)~26日(日) 12:00~18:00 (最終日は17:00まで)

2022年6月24日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

ギャラリーPawでの展示会搬入

2022年6月21日より26日まで、兵庫県芦屋市にあります、ギャラリーPawにて「工房えらむ 木の器と織の自由時間」展を開催いたします。
本日は、ギャラリーへの作品の搬入と展示を行いました。
「工房えらむ 木の器と織の自由時間」と題して、木の器製作の田中陽三と手織りの田中雅子の夫婦での展示会です。
日頃製作している木の器や手織り作品の定番的なものから、いろいろな切り口と自由な発想で製作した、ちょっと遊び心のある立体や平面作品なども展示販売します。
会場のギャラリーは、阪神芦屋駅、JR芦屋駅から徒歩10分ほどの芦屋市内の瀟洒な住宅街にあります。
6月21日(火)、23日(木)、26日(日)は、夫婦で在廊しています。
どうぞお気軽にお立ち寄りください。

会場 ギャラリーPaw 兵庫県芦屋市精道町2-15
期間 2022年6月21日(火)~26日(日) 12:00~18:00 (最終日は17:00まで)

 

2022年6月20日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

タモの美しい杢目の皿

タモの木の美しい杢目の板があったので、シンプルなお皿を彫りました。
木工ろくろは使わず、削り出してかんなで仕上げています。
私が、器作りを始めた30年ほど前は、大工さんや建具職人のおじさんたちが、これはいい杢でているだろうと、杢目のきれいなお盆や指物を自慢げに見せてくれる人が沢山いました。
その頃は、杢目がきれいと言うのは何となく分かるのですが、あまりこだわりや興味はなかったように思います。
何年もかけて、いろいろな木の器を沢山作るようになると、杢目の美しさに魅かれるようになりました。
この美しい杢目を生かして器にしてみたい、漆を塗るとどうなるだろうと、美しい杢目の木を使って器を彫るのが、わくわくするようになりました。
最近は、節やひび割れなどの、木の自然な表情や野性味を生かした器などに興味をもたれる方が多くなったように思いますが、私には、宝石のような美しさを放つ、木の美しさになんとも魅力を感じます。
私もいささか古い時代の木工屋になったのかもしれません。
美しい杢目のお皿ですが、あまり杢目が強すぎると食器として使いにくいところもあるので、拭き漆塗りの色合いを調整して、落ち着いた雰囲気に仕上げたいと思います。

2022年6月17日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

彩りガラスの世界 展

JR加古川駅構内にある、加古川市民ギャラリーで開催されている、サンドブラストとクリスタルペイントによる「彩りガラスの世界」展を見てきました。
以前、光ファイバーアートの展示会でご一緒させていただいた、Lee Wainwrightさんによる特殊なクリスタルペイントによって描かれた、ガラスのアート作品と、私の中学校時代の同級生で、サンドブラスト作家の藤本悦子さん、そして藤本さんに師事されている藤原むつみさんによるガラス作品の作品展です。
Lee Wainwrightさんによるガラスのアート作品は、クリスタルペイントによって描かれた塗料が、ガラス上で結晶化して、独特の美しいテクスチャーが作品に彩を添えています。
藤本悦子さんのサンドブラストのガラス作品は、熟練の技により表現された、非常に気品のある作品で、どれも見ごたえのある美しい作品ばかりです。
JR加古川駅構内にある、加古川市民ギャラリーで6月18日まで(10:00~17:00、最終日は16:00まで)開催されていますので、ぜひご覧いただければと思います。

2022年6月16日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

工房えらむ 木の器と織の自由時間展

2022年6月21日より26日まで、兵庫県芦屋市にあります、ギャラリーPawにて「工房えらむ 木の器と織の自由時間」展を開催いたします。
工房えらむは、木の器製作の田中陽三と手織りの田中雅子の夫婦のユニットですが、久しぶりに夫婦での展示会です。
今回は、アートギャラリーを会場に「工房えらむ 木の器と織の自由時間」と題して、木の器や手織り作品の定番的なものから、いろいろな切り口で自由な発想で製作した、ちょっと遊び心のある立体や平面作品なども展示販売します。
工房えらむの自由時間をお楽しみください。
会場のギャラリーは、阪神芦屋駅、JR芦屋駅から徒歩10分ほどです。
どうぞお気軽にお立ち寄りください。

会場 ギャラリーPaw 兵庫県芦屋市精道町2-15
期間 2022年6月21日(火)~26日(日) 12:00~18:00 (最終日は17:00まで)

在廊日 6月21日(火)、23日(木)、26日(日)

2022年6月12日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ