木の器づくり

サラリーマンをしていたころは、社会人山岳会に所属し休日のほとんどを山で過ごす日々を送っていました。そんな日々を過ごす中で、いつも山の見えるところで生活したい、木や森に囲まれて暮らしたいと思うようになり、いつかそんな生活ができないかと考えるようになりました。
山の本ばかり読んでいた時に、工業デザイナーの秋岡芳夫氏やオークビレッジの稲本正氏の本と出会い、木の道具の素晴らしさや木と暮らすことの良さを知り、私が漠然と考えていたことがここにあるような気がしました。何か自分でも木で何かできないかと言う思いから、機械や場所がなくても木を手で彫って器をつくることならできるのではないかと言う思いからスタートしたのが、木を手で彫る刳りものの器づくりでした。
それから多くの方の作品に触れ、多くの方のアドバイスや指導を受けながら、ひたすら試行錯誤をくりかえし木の器づくりを続けてきました。とても遠回りをしましたが、昨年サラリーマンを退職し、刳りものの木の器づくりを職業として生活することをスタートしました。

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工房の建設

工房は廃材を使い、工房を設計していただいた一級建築士の方と一緒に3年半かけて建設しました。
個展会場のオーナーだった建築士の方に安く工房を建てたいと相談したところ、廃材を使って自分で建てることだねと言われたことがはじまりでした。廃材を使って家を建ててくれる大工さんはなかなかいないから、自分でやるしかないねと言われ、結局、建築士の方が解体業者から集めてこられた廃材を基に設計図を描かれ、私と普段仕事で大工仕事はされていない建築士の方とで休日を利用して少しずつ建設することにしました。
私が仕事帰りに山積みの廃材の古釘を抜くのに3か月要するところから始まり、基礎工事、柱の刻み、壁塗り、建具工事と出来上がるまでに3年半かかりようやく完成しました。木組みと込み栓を多用する在来工法を中心に遊びごころのある建物ができたことに満足しています。これもすばらしい建築士の方との出逢いがあったからでしょうか。

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