ヨットレース「ヴァンデグローブ2020」を応援

若いころ登山に熱中して、登山や冒険のいろいろな関連の本を沢山読んでいました。特に印象に残っているのが、登山とは対極にあるヨットレースの記録の本で、多田雄幸さんの「オケラ五世 優勝す」と言う1982年の世界一周単独ヨットレースの航海記。とても感動もので、読後は登山もさることながら、単純に海のあこがれを強く持ちました。
その多田雄幸さんに弟子入りした白石康次郎さんが、今年開催される、4年に1度のヨットの世界一周単独無寄港によるヨットレース 「ヴァンデグローブ2020」に挑戦されています。
「ヴァンデ・グローブ2020」は、11月8日にフランスの港レ・サーブル・ドロンヌ沖合をスタートして、総距離約45,000Kmを、無寄港単独で3カ月にも及ぶ世界一過酷な世界一周ヨットレースと言われています。
コロナ禍で、世界を自由に行き来することが、ままならない時代ですが、この時代にあって、風まかせに世界一周を目指すなんて、なんと痛快なスポーツイベントではないかと思います。
世界から33艇が挑んでいますが、白石康次郎さんは唯一の日本人レーサーであることと、乗船ヨットとはほんの少し縁があって、毎日公式サイトを見ながら応援しています。

ヴァンデグローブ2020公式ホームページ

ベトナムの寝台夜行バス

コロナ禍で、自由に海外を行き来できない日々が続いていますが、こう言う状況になると無性に海外に行ってみたくなります。
ちょうど5年前の11月、ベトナムの手仕事を訪ねることをメインに海外旅行に行ったことが思い出されます。
旅の詳細は、当時のブログに投稿しましたが、ちょっと思い出深かったのが、ハノイから山岳地帯の村に行くのに始めて乗った、ベトナムの寝台夜行バス。
一般的な観光バスの中がすべて二段ベッド構造で、座席は、ほぼフラットに近い傾斜のシートが並んでいて、前の人のシートの下に足を潜り込ませるような状態で、寝るようになっています。柔らかいシートで毛布のようなものもついていて、足を延ばして楽な姿勢で寝ることができます。シートベルトのようなものは無かったように思いますが、トイレはついていました。
二段ベッド寝台バスは満席で、初めて経験する雰囲気に圧倒されましたが、私は、上段に乗車しましたが、とても寝心地が良く、爆睡状態で目的地に着きました。
乗車後に、隣で寝ていた若いイタリア人夫婦に、私たちは、揺れて眠れなかったけど、あなたは爆睡状態だったな!と言われて、乗り心地が悪いと不評だったようですが、私は前日に、予約していた安宿がオーバーブッキングで寝るところが無く、物置のようなところにマットを敷いて寝たので、睡眠不足だったことが幸いしたのかもしれません。
それを差し引いても、この日本にはない寝台バスは、私には快適そのもでした。
いつか日本でも、こんな寝台バスが走るようになればいいのになと思うのですが、日本の交通法規上では、無理でしょうか。
それにしても、早く世界を行き来できる日が来ることを願ってやみません。

猛暑を風鈴でしのぐ

8月も後半となりましたが、全国的に猛暑日が続いています。
私の工房は、市街地にあり、工房の南側にあるコナラの大木が工房全体を覆い、日陰を作ってくれているので、比較的涼しく過ごせるのですが、さすがに最近は、工房内も32度ほどになり、厳しい暑さに仕事もはかどらず、少々ダウン気味です。
そこで登場させた暑さ対策が、地元兵庫県の鍛冶屋さんが作る明珍(みょうちん)火箸の風鈴。
風鈴にはいろいろなものがありますが、明珍火箸の風鈴の音は、群を抜いていて、涼しさもさることながら、その音色は芸術的とも思える音色です。
明珍火箸の風鈴を作られている、明珍家は平安時代より続く甲冑師の家系で、12世紀半ばに近衛天皇よりその技を賞賛され「明珍」の姓を賜られ、江戸時代には姫路藩のお抱え甲冑師として姫路へ移り住んで、鍛冶を営まれている、大変由緒ある鍛冶職人さんです。
ミュージシャンのスティービー・ワンダー氏も「近くで響いているのに遠くで響いているように聞こえる東洋の神秘の音色」と絶賛しています。
全国各地で40度と言う気温が報告されてくると、さすがに五感で涼しさを感じれるような、風情のある夏はもうなくなってしまったような気がします。

 

 

 

 

 

 

 

 

兵庫民芸 第51号

昨年、入会させていただいた兵庫県民芸協会の機関誌「兵庫民芸 第51号」が送られてきました。
私が、入会して始めて頂いた協会の機関誌です。
兵庫県民芸協会の存在は、かなり以前から知っていて、とても興味を持っていましたが、入会となると、会員の皆さんは、非常に優れた民芸・工芸の作家の集団と言うイメージがあり、入会など縁のない世界と思っていました。
昨年、展示会を見に行った会場で、兵庫県民芸協会は、民芸に興味のある方なら、だれでも入会できますよと言われ、会員の尊敬する作家の方や、親しい作家の方に勧められ入会を決めました。
冊子の会員募集の欄には、「民芸に興味のある方はどなたでも会員になれます。平和な世の中をしっかり守り、生活の中の美をみんなで育てていきましょう。」とあります。
売れる商品を作り、沢山収入を得ることが、暮らしに平穏をもたらすと考えがちなになる時代ですが、「平和な世の中をしっかり守り」と言う言葉が、どこかとても良い響きに感じます。
冊子「兵庫民芸」は47ページのとてもしっかりした内容の冊子で、これだけのものを発行すること事態、大変な作業だと思います。目次の版画は、棟方志功 氏によるものとあり、長きにわたって組織の趣旨を守り、組織を運営する方々の真摯な取り組みにより、運営されてきた会であることが感じられます。

三木金物まつり2019 に行って来ました

2019年11月2日、3日に隣町の三木市で開催された「第33回 三木金物まつり2019」に行ってきました。
今年は、これまで開催されていた三木市役所周辺の会場から、開催会場を三木山総合公園周辺に移しての開催となりました。
三木市は、大工、木工、園芸関連の金物製造を地場産業としている町で、金物まつりでは、三木市のほとんどの製造業者、問屋さんなどが一堂に出店されるので、道具の購入機会としては、非常に助かるイベントです。
会場に行くと、いくらでも欲しい道具はあるのですが、一度買うと一生使えそうな主だった道具は購入済みなので、欲しい欲望を抑えながら、消耗品や問屋さんの格安のデッドストック品などを中心に少し買いました。
最近は、以前はあまりなかった古い木工道具やマニアックな道具や素材なども販売されるようになり、こちらの方に興味がそそられます。
毎年2日間で18万人ほどが来場されるイベントとのことで、来場者のすべてではないにしろ、木工・大工関連を仕事や趣味にされている方がこんなに沢山集まるイベントは全国的にも珍しいのではないかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

JazzのCDを聴きながらの仕事

今年は、秋から冬にかけては、ほんど注文をいただいた仕事をすることになりました。
朝から夕方まで、納期に間に合うよう、ひたすら作業机に向かう日々で、少々単調な生活に何か潤いをと言う思いで、好きなJazzのCDを沢山買い込んで、聴いています。
たくさん買い込んでと言っても、ネットオークションで、中古品を70枚まとめて出品されているものを、落札購入したもので、ささやかな出費です。
Jazzやワールドミュージックが好きで、何時間聴いていても飽きないのですが、さすがに同じ曲ばかり聴いている訳にもいかず、CD70枚分なら当分は行けるだろうと購入しました。
今回は、せっかくなら、これまでほとんど聴いたことのないミュージシャンのCDを聴こうと言うことにして、ほとんど知らないミュージシャンのCDばかりをまとめ買いしました。Jazzにとりわけ詳しい訳でもないので、メジャーやマイナーにこだわりなく、気に入るか、好みか、そうでないかのレベルでいいので、初めて聴くCDが楽しみで、おかげで単調になりがちな仕事も、ちょっと楽しい気分でやれています。

 

 

 

 

 

 

 

STAEDTLERの文具セット

10年ぐらい前に買った、STAEDTLERの文房具セットを木工仕事に今も愛用しています。
文房具店の特価品という事で、確か500円ぐらいで買ったと思います。
STAEDTLERと言えば、ドイツの高級文房具のイメージがあるのですが、これは、Made in Englandの表示があって、簡易な文房具セットではあるのですが、必要なものが全部そろっていて、とても重宝しています。
コンパクトにケースに必要なものが全部収まっていて、鉛筆と鉛筆削りが付いているのが、妙にかわいらしく感じます。
ケースの真ん中に収まっている赤い鉛筆が無くなると、このセットの雰囲気が壊れそうで、10年経ってもほとんど減っていないのが、ちょっと気恥しいところです。木工仕事にはもっぱら三菱鉛筆の2Bを愛用しているので、あまり出番がないと言えば、それまでなのですが。
国内メーカーの簡易な文房具セットも売られていますが、コストパフォーマンスを含め、これを超えるものに出会っていないように思います。
まだまだこれからも愛用し続けることでしょう。

 

 

 

 

 

 

夏の兵庫県立丹波年輪の里

今日は、所用で兵庫県丹波市にある、兵庫県立丹波年輪の里に行ってきました。梅雨の晴れ間の施設と公園の緑がとても美しく感じられる日でした。
兵庫県立丹波年輪の里は、「木とのふれあい」をテーマとする文化・スポーツ・レクリェーション活動のための施設で、1988年に開館しました。
木工クラフトや絵画などの文化教室、国内随一の木工玩具クラフト作品公募展「丹波の森ウッドクラフト展」も開催しています。
私は、施設がが開設した翌年、ちょうど木の器作りを始めて間もないころに、木工に関連する施設ができたことを知って、初めて伺ったと思います。
以来この施設とのかかわりの中で、木の器作りを仕事にしてみようと言う思いを現実にしてきたと思います。
最初は、木工のことに本当に素人で、木をどこで買ったらいいのか判らず、ここの職員の方に施設の木材を販売してもらいました。そしてその時初めて、木材は1立方メートルの値段で価格が決まることを教えてもらいました。
そして、木工玩具クラフト作品公募展「丹波の森ウッドクラフト展」があることを知り、9度目の応募で大賞のグランプリを受賞しました。
同会場で秋に開催されている、アートクラフトフェスティバルinたんばに出展し、多くの作家の方と知り合い、ギャラリーや工芸店の方の勧めで、販路を広げていきました。また、講座の「刃研ぎ塾」で刃物研ぎの基本を学びました。
本当に木工素人だった私が、脱サラして職業としてやっているのは、この施設との出会いのおかげと言っても過言ではないと思います。
この緑にかこまれた美しい施設と、いつも親切に対応してくださる職員の方に感謝しています。

 

 

 

 

 

 

 

金継ぎを習う

昨年から、漆塗り技術を身に着ける一貫として、金継ぎを習っています。
金継ぎは、割れたり欠けたりした陶器などを漆を使い、金粉や銀粉で意匠的に修復し、修復された姿を、完品とは違った趣として見立てる修復の仕方です。
兵庫県の漆芸家の江藤雄造先生の講座で、習っていますが、江藤先生は、文化財の修復や古美術品の修復、金継ぎも仕事として行っておられるので、技術的に大変高度で、また美術価値の高いものとして、修復をされています。
講座の最初は、割れた器を接着剤で張り合わせる、簡易的な技法で金継ぎの簡単な流れを体験するところから始めました。
その後は、すべて漆で修復する金継ぎを習っていますが、用途に応じた漆の扱いそのものから学んでいく必要があり、その奥の深さと難しさをつくづく感じます。
先生の話では、一口に金継ぎと言っても、その技術や表現は多様で、陶器の種類や欠けひびの状態により、やり方を見極めていくそうです。
今は、所有している古伊万里などを中心に金継ぎをしていますが、修復後の器に趣を感じるまでにはなっていないようです。
なかなか、しっかりとした技術の習得には至りませんが、漆を扱う面白さとその奥の深さに興味が尽きません。

 

 

 

 

 

 

 

明珍火箸の風鈴

我が家では、ながらくエアコン(冷房)のない生活をしていました。
四季に寄り添って生活をすると言う、ささやかな思いの中で、エアコンのない夏の暮らしを続けていました。
そんなことから、夏を涼しく感じるグッズにはいろいろこだわりを持って、買い集めていました。
なかでもお気に入りは、地元兵庫県の鍛冶屋さんが作る明珍(みょうちん)火箸の風鈴。
風鈴にはいろいろなものがありますが、明珍火箸の風鈴の音は、群を抜いていて、涼しさもさることながら、その音色は芸術的とも思える音色です。
ミュージシャンのスティービー・ワンダー氏も「近くで響いているのに遠くで響いているように聞こえる東洋の神秘の音色」と絶賛しています。
明珍火箸の風鈴を作られている、明珍家は平安時代より続く甲冑師の家系で、12世紀半ばに近衛天皇よりその技を賞賛され「明珍」の姓を賜られ、江戸時代には姫路藩のお抱え甲冑師として姫路へ移り住んで、鍛冶を営まれている、大変由緒ある鍛冶職人さんです。
さすがに近年の猛暑に耐え切れず、数年前にエアコンを設置したことで、風鈴の出番は少なくなりましたが、五感で涼しさを感じれるような、風情のある夏はもうなくなってしまったのでしょうか。