栃の木で片口を彫る

栃の木で片口を彫りました。
栃の木は、白くすべすべした肌合いの木で、杢目そのものは、はっきりしないのですが、漆を塗ると時として、思いがけない美しい模様が浮かび上がります。
もちろん栃の木は、もとから美しい杢模様が見えているものも多くあるのですが、意外と表面的におとなしい表情の木から、漆の浸透具合で、思いもよらない表情が浮かび上がってくるのが、なかなかドラマチックで面白いです。
ただ、ほとんど表情のないことも多々あります。
ちょうど、薪窯で焼く、焼き締めの陶器のような感じに似ていると思います。
私は、できるだけ黒くした漆を薄めて浸透させ、黒と白のコントラストを付けて塗っていくのが、好きなやり方です。
栃の木の柔らかい雰囲気の片口を彫りました。
漆を塗ると、どのような表情になるのか楽しみです。

木の片口

 

 

 

 

 

2017年2月13日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

雑誌に工房を紹介していただきました

この度、雑誌に工房えらむの木の器づくりの事を紹介していただきました。
月刊誌「コープ ステーション」3月号の「暮らしのいいもの、再発見!」と言うページに1ページ分の紹介記事を掲載していただきました。
月刊「コープ ステーション」は、コープこうべを中心に兵庫、大阪のコープ店舗、および共同購入を通じて販売されている雑誌です。
関西エリアのみとは言え、発行部数は8万部もありますので、かなりの方に工房の事を知っていただく機会をいただいて、大変うれしく思います。
先日、雑誌担当の方から連絡をいただいて、カメラマンの方、ライターの方とともに工房へ取材に来られました。昨年、兵庫県西宮市のギャラリーで、画家の方と3人展をした時に、見に来ていただいて、ちょうどお客様が大勢おられたので、声をかけずに帰られたそうですが、木の器の印象が良かったので、雑誌への掲載を決められたそうです。
1ページの中に、作品や制作過程なども写真入りで紹介していただいています。
また機会がありましたらご覧ください。


 

 

 

 

 

 

2017年2月6日 | カテゴリー : 工房のこと | 投稿者 : えらむ

第2回 アートプランおの展覧会

2017年2月3日〜2月5日まで、兵庫県小野市の小野市うるおい交流館エクラにて「第2回 アートプランおの展覧会」が開催されます。
小野市でアートに触れる機会を広げていこうと言う趣旨で、ご近所にお住いの彫刻家 井上直さんの呼びかけにより、「アートプランおの」が立ち上げられ、そのイベントとして、今年は小野市在住の4名の作家により展覧会が開催されることになりました。
私もメンバーの一員なのですが、今年は、会場が狭くなったことと、新たに加わられた2名メンバーの展示を優先して、展示は辞退させていただき、お手伝いのみといたしました。
今回の出展の方は、
井上 直さんは、会の代表で彫刻家、最近NHKのEテレの番組「びじゅチューン」で人気上昇の井上 涼さんのお父さんでもあります。
赤秀 利成さんは、プロフォトグラファでポートレートのとっても上手い方。
坂口 千鶴さんは油絵、示現会に所属されている画家さん。
下次  正一さんは彫刻家、多摩美術大学卒業後、ニューヨークで30年創作活動をしておられた方。
4名全員とも、私のごく親しいご近所さん。
素敵なアーティストの方が、すぐご近所におられるのは、とても刺激的で楽しいことです。
お時間ございましたら、ぜひご覧ください。

会 場 小野市うるおい交流館エクラ  兵庫県小野市中島町72番地(無料駐車場 有)
期 間 2017年2月3日(金)〜2月5日(日) 10:00〜18:00(最終日は17:00)
入場無料

2月4日(土)同会場内にて、クラフトワークショップ「空き缶アート作品を創ろう」開催
13:30〜15:30 体験料300円 会場にて受付(定員20名)


 

 

 

 

 

 

 

 

2017年2月3日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

2017年 東京にて

テーブルウェアフェスティバル2017の公募展での大賞受賞の興奮冷めやらぬところ、せっかく東京へ来たので、授賞式の翌日は、ひとりで南青山のギャラリー 寺田美術さんで開催中の佃 眞吾さんの個展を見に行きました。
佃さんの木工は予てより見てみたいと思っていました。
会場では、我谷盆をはじめとしてお盆や重箱など、凛として緊張感のある作品がとても素晴らしく感じました。
私の好きな栗の木の手彫りの表情に温かみのある木器の作品が印象的でした。

そして、ちょうど開催中の東京芸術大学の卒業・修了作品展を会場となっている上野の東京都美術館と東京芸術大学本校へ見に行きました。
この時期、おおよその学生の方は就職先が決まっているか、作家として活動するか決めているのだろうと思いますが、自身の作品を世に問うプレゼンテーションの場として、展示しているいろいろな学部の作品を見て回るのは、なかなか楽しく刺激的です。
卒展と言う販売を目的としていない、若さ溢れる渾身の作品展に、私も奮起を促された気分になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年2月1日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

テーブルウェアフェスティバル2017にて

1月29日から東京ドームで開催されるテーブルウェア・フェスティバル2017に行ってきました。
フェスティバルで開催される、第25回テーブルウェア大賞のオリジナルデザイン部門(プロフェッショナル)の公募展に共同製作者の芦田俊一さんと製作した、木の器が思いがけず、大賞の経済産業大臣賞をいただくことになりました。
フェスティバル初日のオープニングに際して、経済産業大臣賞と東京都知事賞の表彰式があり、入念なリハーサルの後、生演奏をバックに進行される厳粛な授賞式に大変緊張しました。
受賞セレモニー終了後、とてつもなく広い会場にしつらえられた、沢山のテーブルコーディネート作品や器や関連商品のブースを見て回りました。
沢山の来場者に圧倒されながら見ていると、偶然にも、同じ兵庫県在住で日本クラフトデザイン協会会員の陶芸家 藤岡光一さんが私を見つけてくれて声をかけてくれました。
藤岡さんは、2015年に同公募展で東京都知事賞を受賞されておられ、私たちの受賞を大変喜んでくれました。藤岡さんは、今年は、「My Style セレクション 創り手からの提案」と言うブースでご自身の作品展示しておられ、またゲストテーブルコーディネーターの雅楽演奏家の東儀秀樹さんからのオファで藤岡さんの器を使っていただいて、東儀さんがコーディネート展示をされているとのこと。素敵なテーブルコーディネート作品を見せていただきました。
私たちの作品は、神代けやきを使った拭き漆塗りの作品です。木と言う素材だから無理なくできる細長いシンプルな、少し遊び心を入れた器。木と言う自然素材に盛ることで、自然が生む食材の恵みを感じていただければという思いを込めて作っています。
大変大きな賞をいただきましたが、まだまだ拙い技術しか持ち合わせておらず、おごることなく自分たちの思いを器にしていきたいと思います。
有料のイベントですが、機会がございましたらご覧ください。
(応募作品は、テーブルウェア・フェスティバル2017のホームページよりご覧いただけます。)

テーブルウェア・フェスティバル2017  2017年1月29日(日)〜2月6日(月)
会場 東京ドーム

 

 

 

 

 

 

 

 

テーブルウェアフェスティバル2017

今週末は、1月29日から東京ドームで開催されるテーブルウェア・フェスティバル2017に行ってきます。
フェスティバルで開催される、第25回テーブルウェア大賞のオリジナルデザイン部門(プロフェッショナル)に共同製作者の芦田俊一さんと製作した、木の器が一次審査を通過しましたので、会場で展示いただけることになりました。
フェスティバル初日のオープニングに際して、最終の審査結果発表があるので、器の勉強を兼ねて会場の東京ドームへ、芦田さんと行くことにしました。
私たちの作る木の器のコンセプトは、料理いわゆる食材のほとんどが自然の産物であるということから、木と言う自然素材に盛ることで、自然の恵みへの感謝を表現する器という思いを込めて作っています。
東京ドームと言う、とてつもなく大きな空間で催される、テーブルウェアの祭典の中に置かれるわずか1点の器ですが、現代のテーブルウェアとして受け入れていただけるのか、そして私たちの思いを少しでも伝えることができるのかを、感じ取ることができればと言う思いで、会場に足を運びたいと思います。
有料のイベントですが、機会がございましたらご覧ください。

テーブルウェア・フェスティバル2017  2017年1月29日(日)〜2月6日(月)
会場 東京ドーム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年1月25日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

焼酎のぐい呑を彫る

以前から酒器を作るのが好きで、時々彫っていたのですが、日本酒を想定したものがほとんどでした。
私のホームページを見られた方から焼酎用のぐい呑を作ってほしいとのご依頼をいただいて、作らせていただきました。
私の酒器がいいねと言いていただいて、作らせていただくのは嬉しいかぎりです。
やはり焼酎となると、日本酒より容量が大きくなるので、私が普段作っているものよりひとまわり大きいサイズのぐい呑となり、おおよそのサイズのオーダーもいただきました。
かたちは、面取りしたものと、しのぎのものを気に入っていただいて、材は栗とけやきで彫りました。
もうすでに、漆塗りの作業に入っていて、ほぼ塗り上がりの状態になっています。
気に入っていただけるとよいのですが。

木のぐい呑み木のぐい呑み

 

 

 

 

 

2017年1月24日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

カフェでの木の小鉢ワークショップ

いつもワークショップのご依頼をいただいている、兵庫県多可郡多可町にある、お洒落なカフェ・チャッタナの森にて、木の小鉢づくりのワークショップを行いました。
木の小鉢を作るワークショップは、自身初めてなので、はじめて彫刻刀を握るような方にも時間内に完成できるよう、素材と作りやすさを考慮して準備をしているのですが、実際に参加者の方にやっていただいて、できるのか心配なところです。
結果から言いますと、皆さん順調に作業いただいて、カフェタイムの休憩もとりながら、時間内にマイ小鉢が完成しました。
私のワークショップは、2種類の彫刻刀と小刀という、購入しやすいシンプルな道具で行っています。なので、ワークショップに参加された方が、その後自分でもできる内容にしています。
今回の小鉢は、クルミの木を使い、おおまかに下彫りをしておいた素材を掘っていただくことにしました。
最初は、彫刻刀での深い彫りに少々苦労しておられましたが、ほどなくクルミの木がサクサク彫れる感覚をつかんでいただくと、みなさん良く切れる刃物で木を削る感触を楽しんでおられるようでした。
木を彫る感触が楽しいと言っていただけるととても嬉しくなります。
最後にクルミオイルを塗って仕上げた小鉢の出来栄えを、それぞれ楽しまれました。
今回は、遠く県外の鳥取県からの参加もいただき、雪の残る森のカフェで、楽しいひと時を皆さんと過ごすことができました。
ご参加いただいた皆さんありがとうございました。
そしてお疲れさまでした。


 

 

 

 

 

初春を彩るうつわ展終わりました

新年の最初の展示会として、2017年1月4日〜1月15日まで、兵庫県加西市の酒造会社 株式会社富久錦さんのギャラリー「ふく蔵」にて、渓水窯 陶芸家の芥川清さん・芥川啓子さんとともに、私の木の器の展示会として開催させていただいた「初春を彩るうつわ展」が終わりました。
新春にふさわしい、酒蔵ギャラリーでの展示会の機会をいただきとても嬉しく思っています。
そして新年から沢山の方に会場に足を運んでいただきましたことにお礼申し上げます。
豆皿等の作品の一部は、引き続きふく蔵ギャラリー内で販売いただけることになりました。また機会がございましたらお立ち寄りください。
以前のブログで、渓水窯の芥川ご夫妻は、とても器用な陶芸家の方で、有名な映画やテレビドラマのセットとしての陶芸作品を作られたり、俳優さんへの陶芸の所作指導をされたりして幅広く活躍されておられとことを書きましたが、近日公開される映画、遠藤周作 作 マーティンスコセッシ監督の「沈黙 サイレンス」の撮影に際し、撮影現場の台湾に作られた陶器を送られ、映画のセットに使用されているとのことです。
本当に素敵な仕事をされておられるご夫妻です。
私のような者に一緒に作品展をと、お誘いをいただいて本当に感謝いたします。


 

 

 

 

 

2017年1月16日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

ジャマイカ大使館とのアート作品

2017年1月14日・15日に東京タワーを会場に開催される「東京タワー文化フェスティバル2017」に作品を出展しました。
邦楽から現代音楽・文学・美・観・味・触、五感で文化を体験できる2日間と言うテーマで開催され、
東京タワーのある東京都港区には81ヶ国の大使館があり、各国の「伝統楽器や伝統音楽」をテーマとして港区大使館等からの文化資料の展示と各国の資料からインスピレーションを得たプロのアーティストの作品を展示する催しです。
私は、沢山の大使館の中からジャマイカの大使館を選ばせていただいて、大好きなジャマイカ発祥の音楽、レゲエにインスピレーションを得た木の器作品を出展させていただきました。
ジャマイカを代表する音楽と言えばレゲエ。 そして私の大好きな音楽。
作品は、 レゲエアーティストの代表的ファッションである、タム帽子をモチーフにした木の器。
日本で古くから建築や器に用いられる栗の木を手で彫って器を作り、伝統的な器装飾として、器の側面に彫り溝を入れる「しのぎ」の模様を入れました。
塗装は、日本の伝統的な技法の漆塗りで仕上げています。
器に刻んだ「しのぎ」は、帽子のニット感と、レゲエの心地よいリズムやグルーブ感を表現しています。
器の中に入れているのは、ジャマイカの代表的な果物である「アキー」をモチーフにした、くすの木で作った小物入れ。
ジャマイカの人々の愛や魂を歌い上げて、暮らしに根付いた音楽であるレゲエの精神を、日本の伝統的な素材や技法を用いた器作品で現してみました。
私は、会場の東京タワーには行っていないのですが、ジャマイカの方に何か伝わるのもがあれば嬉しいのですが。

しのぎの器

 

 

 

 

 

2017年1月15日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ