テーブル作りのお手伝い

友達のKさんが、天板は桂と思われる1枚板を購入され、気に入った鉄の脚を接合してテーブルを作っています。
先日、Kさんから板のひびの割れ止めと、塗装をお手伝いしてほしいとのことで、工房にテーブルを持ち込まれ、私の出来る範囲のことで出来るだけお手伝いさせてもらいました。
ひび割れの止めは、黒檀のちぎりを入れましたが、久しぶりの加工で、彫りに少々緊張しました。
塗装は、食器にも使えるウレタンオイルを塗布しました。
黒檀のちぎりを入れると、アクセントとして雰囲気が引き締まり、オイルを塗布して耐水ペーパーで研磨すると杢目の美しい重厚感のあるテーブルに仕上がりました。
なんとか、いい感じのテーブルが出来上がったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

2018年8月17日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

金継ぎを習う

昨年から、漆塗り技術を身に着ける一貫として、金継ぎを習っています。
金継ぎは、割れたり欠けたりした陶器などを漆を使い、金粉や銀粉で意匠的に修復し、修復された姿を、完品とは違った趣として見立てる修復の仕方です。
兵庫県の漆芸家の江藤雄造先生の講座で、習っていますが、江藤先生は、文化財の修復や古美術品の修復、金継ぎも仕事として行っておられるので、技術的に大変高度で、また美術価値の高いものとして、修復をされています。
講座の最初は、割れた器を接着剤で張り合わせる、簡易的な技法で金継ぎの簡単な流れを体験するところから始めました。
その後は、すべて漆で修復する金継ぎを習っていますが、用途に応じた漆の扱いそのものから学んでいく必要があり、その奥の深さと難しさをつくづく感じます。
先生の話では、一口に金継ぎと言っても、その技術や表現は多様で、陶器の種類や欠けひびの状態により、やり方を見極めていくそうです。
今は、所有している古伊万里などを中心に金継ぎをしていますが、修復後の器に趣を感じるまでにはなっていないようです。
なかなか、しっかりとした技術の習得には至りませんが、漆を扱う面白さとその奥の深さに興味が尽きません。

 

 

 

 

 

 

 

明珍火箸の風鈴

我が家では、ながらくエアコン(冷房)のない生活をしていました。
四季に寄り添って生活をすると言う、ささやかな思いの中で、エアコンのない夏の暮らしを続けていました。
そんなことから、夏を涼しく感じるグッズにはいろいろこだわりを持って、買い集めていました。
なかでもお気に入りは、地元兵庫県の鍛冶屋さんが作る明珍(みょうちん)火箸の風鈴。
風鈴にはいろいろなものがありますが、明珍火箸の風鈴の音は、群を抜いていて、涼しさもさることながら、その音色は芸術的とも思える音色です。
ミュージシャンのスティービー・ワンダー氏も「近くで響いているのに遠くで響いているように聞こえる東洋の神秘の音色」と絶賛しています。
明珍火箸の風鈴を作られている、明珍家は平安時代より続く甲冑師の家系で、12世紀半ばに近衛天皇よりその技を賞賛され「明珍」の姓を賜られ、江戸時代には姫路藩のお抱え甲冑師として姫路へ移り住んで、鍛冶を営まれている、大変由緒ある鍛冶職人さんです。
さすがに近年の猛暑に耐え切れず、数年前にエアコンを設置したことで、風鈴の出番は少なくなりましたが、五感で涼しさを感じれるような、風情のある夏はもうなくなってしまったのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

暮らしに寄り添ったオーダーにお応えして

同じようなタイミングで、3人のお客様からオーダーをいただき、作らせていただきました。
お一人は、納豆べらのご注文。今まで使っていた、納豆べらがすり減ってしまったので、同じようなものを少し改良して作ってほしいとのこと。
柄を少し長くとのご注文でサクラの木で作りました。
お味噌を少しすくったりするのにも具合がいいのだとか。
お一人は、カッティングボードのご注文。料理をのせたりするのにちょうどいい希望のサイズの市販のものがないとのことで、ご希望のサイズでお作りしました。クルミ材で、少し細身で長めのもの。
もうお一人は、パンや料理をのせるプレート。こだわりのサイズで、10ミリ厚の薄いものがご希望とのことで、クルミ材を使いました。表面は、フラットなものより少し削り跡があるものをご希望により、鑿で彫り目を入れました。
すべて納品済みですが、みなさん気に入っていただいて良かったです。
昔は、どこの村や町にも鍛冶屋さんがいて、生活に必要な刃物類の道具や農具などを作って、また修理をすると言う環境があったようですが、私のものづくりも木の器に関連する狭い範囲の道具ですが、かつての鍛冶屋さんのように、暮らしに寄り添って、いろいろなご要望にお応えするかたちで、存在していくことができればいいかなと思います。

納豆べらのオーダークルミのカッティングボードクルミのプレート

 

 

 

 

 

 

 

2018年8月3日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

エンディングノート入れの文箱を彫る

ご依頼をいただいて、エンディングノートを入れる文箱を彫りました。
エンディングノートは、終末期や死後に、家族が様々な判断や手続きを進める際に必要な情報を書き残すためのノートですが、その保管のための文箱の制作です。
A4
サイズのノートや書類がゆったり入る箱を、と言うご要望以外に特に難しいご注文はありませんでしたので、その方のイメージから作らせてもらうことにしました。
その方の人生を大木になぞらえて、栗の木の厚板を刳り抜いて作ることにしました。
選んだ栗の木は、緻密な年輪の木なので、ご本人が亡くなられて、ご家族がそっとその文箱を開けるとき、その方の歩まれた永い人生や、実直なお人柄が偲ばれる文箱になればと言う思いで彫り上げました。
しっかり杢目の感じられる拭き漆塗りにて仕上げます。

エンディングノート入れの箱エンディングノート入れの箱

 

 

 

 

 

 

 

2018年7月28日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

豆鉢を彫る

ご依頼をいただいて、小さな豆鉢を彫りました。
栗の木で、直径6.5センチ、厚さ3センチの小さなものです。
手で彫るので、ひとつずつ微妙に形の違う、陶芸で言う手びねり感覚の器です。
日頃作っている豆皿の口径が10センチほどなので、器としては、かなり小さく感じます。
木製のものは、このくらいの小ささになると意外と少ないようです。
漆を塗って仕上げますので、どのような料理にでも対応できるようになります。
木製のごく小さな器ですが、テーブルコーディネートの中で、脇役として汎用性の高い器になってくれればと思います。

木の豆鉢

 

 

 

 

 

 

 

2018年7月25日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

栗と栃の木でお椀を彫る

栗と栃の木でお椀を彫っています。
お椀と言えば、端正な丸いお椀を木工ろくろを使って、作るのが一般的ですが、私は手で彫って作っています。
時間をかけて手で彫って作ることに、どれほどの意義があるのかとも思いますが、手で彫って出来上がる端正ではない丸いお椀の個性が面白いかなと思っています。
高度なろくろ技術で、使いやすいお椀の飲み口や外側の絶妙なカーブを考えて量産されるお椀は、安定感のある素晴らしいものだと思います。
その点、私のものは、陶芸で言うところの手びねりに近い作り方ですので、ひとつずつが微妙に違っています。
なので、持った感じや、飲み口の感じもそれぞれ異なりますし、それも持った位置によって、また違ってくると言うことになります。
私が考えて、使いやすいようにと思って作ったお椀の個性が、使い手の方にうまくマッチングして、しっくりとなじむマイ椀として使っていただけるようになればと思います。
これから漆塗りで仕上げます。

手彫りのお椀

 

 

 

 

 

 

2018年7月14日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

酒蔵「ふく蔵」さんでの常設販売

兵庫県加西市の酒造会社 株式会社富久錦さんのギャラリー「ふく蔵」にて、作品の常設販売をしていただけることになり、納品に行ってきました。
以前から陶芸家の方との合同展示会などでお世話になっている、「ギャラリーふく蔵」さんで、かねてより作品を一部常設販売していただいていたのですが、販売コーナーの整理のため、常設販売をお休みされていましたが、あらためて販売の再開していただけることになりました。
加西市の郊外にある酒蔵は、美しい屋敷に囲まれたとても落ち着いた、雰囲気のある場所です。
酒蔵である「ふく蔵」は、お酒の販売の販売はもちろんのこと、季節の食事もできます。
株式会社富久錦のお酒のラベルやロゴマークなどのCI.ブランディングは、世界的に有名なグラフィックデザイナー・アートディレクターの北川一成さんによるもので、なかなかおしゃれな雰囲気もあります。
現在、ギャラリーコーナーでは、親しくしていただいている、木工家の永瀬浩之・水晴(籐工芸)ご夫妻と陶芸家の伊藤岱玲・花青ご夫妻による「丹波の手仕事 四重奏(カルテット)」が7月16日まで開催されています。素敵な展示会になっていますのでぜひご覧ください。
私の作品の常設販売は、カッティングボードや豆皿だけですが、よろしければ手に取ってご覧ください。

 

 

 

 

 

 

2018年7月10日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

茶庵 瀧屋さんを訪ねてきました。

先日、開業にあたり、お店で使用される木製食器やカトラリーの一部を作らせていただいた、兵庫県芦屋市の日本茶の専門店「茶庵 瀧屋」さんを訪ねてきました。
今年、5月8日にグランドオープンされて、またお訪ねくださいと案内をいただいていたのですが、なかなか訪問の機会がなく、やっと先日訪ねてきました。
JR芦屋駅から北東へ宮川沿いを約10分のところにお店はあります。
宮川の川面に面した落ち着いた佇まいのお店です。店内は、和洋折衷の落ち着いた作りに、大変居心地の良いインテリアでまとめられています。
カウンターも広くとられ、日本茶を楽しむバーのような雰囲気もあります。
お茶は、生産農家さんから直接買い付けされた厳選の日本茶を、最良の入れ方で、入れていただけます。茶器も全国から日本茶にふさわしいものを選ばれて、器とともに味わうことができます。
かき氷やわらび餅などのお茶請けや卵掛けごはんやお蕎麦などの軽食も楽しめます。
私は、煎茶と国産の本わらび粉のみで作られたわらび餅をいただきましたが、これまで経験したことのない、上質の味わいを楽しませていただきました。
機会がございましたらぜひお訪ねください。

「茶庵 瀧屋」ホームページ

 

 

 

 

カフェで木のスプーンを作るワークショップ

兵庫県多可郡多可町にある、森に囲まれたカフェ チャッタナの森で、木のスプーン制作のワークショップをさせていただきまました。
今回は、クルミの木でスプーンを作って、出来上がったスプーンでカフェで昼食をいただく楽しいメニューです。
最初は、慣れない道具に苦労されていましたが、すぐに道具の使い方にも慣れていただいて、木を削る感触を楽しんでおられるようでした。
私は、良い刃物を使って、なるべく刃物だけで仕上げて、手の跡を残しながら、最小限に毛羽立ちや凹凸を均すためにサンドペーパーを使うようにしてきたのですが、直接口に入れる木地仕上げのスプーンなどは、できれば自然なものでできないかと言う思いで、最近は昔から研磨に使われていた、植物のトクサ(砥草)を使ってサンドペーパー替わりに仕上げることにしています。
初めて使われるトクサにもみんさんも興味を持っていただきました。
参加された初対面の皆さんもしだいに打ち解けられて、和気あいあいとした雰囲気で楽しまれ、それぞれに自分仕様のスプーンを作られました。
さっそくマイスプーンでお昼にカレーやピラフをいただき、出来栄えをすぐ実感できるワークショップは、楽しくていいものです。
ご参加いただいたみなさん、お疲れさまでした、そしてありがとうございました。