三重県の武田製材所と本のトークイベント

先日、三重県大台町林業総合センターで開催された『原色 木材加工面がわかる樹種事典 第3版』刊行記念トークイベント&武田製材見学会」に行ってきました。
『原色 木材加工面がわかる樹種事典 第3版』の刊行に際し、共著者(河村寿昌、西川栄明)が木材に関するマニアックな話題のトークイベントです。
三重県大台町の山深い林業施設でしたが、全国から木に携わる沢山の方が参加されていました。
会場には、挽物木工家の河村寿昌氏の作品の小箱、木材見本(100種以上)などを展示され、それらを手に取りながら、各種木材の特徴(木目、硬さ、色、匂いなど)や用途などについて、編集者の西川栄明氏により話がありました。
特に河村さんからは、ロクロ加工時に感じる木の感触、挽きにくい材への対応など、挽物木工家ならではの経験に基づいたディープな話が語られました。
そして会場からほど近くにある、希少な木も含めた少量多樹種を取り扱うことで知られる武田製材有限会社を訪問させていただきました。
親しくさせていただいている武田製材有限会社の武田社長さんと久しぶりにお会いして、ほとんど流通していない樹種豊富なマニアックな在庫の材を見せていただきました。
木の図書館と名付けられた材木の陳列棚は、何時間での見ていたいスペースで、やはり購入してしまいました。
まさにディープな木とのかかわりの一日でした。

板皿とアケビの実

今年は工房の敷地に自生しているアケビが、沢山の実をつけました。
サツマイモのような赤紫色をした大きな実が、秋の深まりを感じさせてくれます。
きれいな実だったので、ブナの木で作った長い板皿にのせてみました。
古いブナの木を、少し切れ味の悪いバンドソーでざっくりと裁断し、アクセントとして部分的に和紙を貼って、拭き漆塗りで仕上げています。
板皿は縦14㎝、横88㎝、高さ2.5㎝のとても長くてワイルドな仕上がりですが、野生のアケビの実と相性が合うように思います。
この板皿は、もちろん料理も盛れますが、このようにインテリア感覚で使用した方が面白いかもしれません。

 

2025年の渋柿の収穫

工房の敷地に植えた、西条柿の収穫をしました。
今年は、猛暑続きで雨も少なかったので、あまり収穫は期待していませんでしたが、厳しい気象条件にもかかわらず例年になく沢山の柿を収穫できました。
西条柿の実は大きくて、ちょっと角ばって艶やか、黄色く色づいた実はなんとも美しく、秋の象徴のように感じます。
渋柿なので、残念ながらそのまま食べることができませんので、ひたすら皮をむいて干し柿にしていただきます。
つややかな実を、栗の木を彫って拭き漆塗りで仕上げた鉢に入れてみました。

2025年10月20日 | カテゴリー : 工房の四季 | 投稿者 : えらむ

栗の木の小盆を彫る

栗の木で小盆を彫りました。
縦16、横26、厚さ1.8センチの小さなお盆です。
丸ノミを多用してざっくり彫り上げています。
お茶やコーヒーをいただく際の茶托やソーサー代わりに使えて、お菓子や豆皿を一緒に載せて楽しめるサイズです。
収納のためのスタッキングにも考慮して作っています。
今回は、拭き漆塗りで仕上げる予定です。
2025年10月16日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

2025年の栗の収穫

2025年も栗の収穫をしました。
工房の敷地内には、4種類の栗の木があって、工房に自生している野生の「しば栗」、収穫用に植えた早生品種の「丹沢」、甘みの強い「銀寄」、地元品種の「大丹波」。
9月上旬に早生品種の「丹沢」から栗の実が落ち始め、「銀寄」「大丹波」が同時に落ち始めて、早々に収穫は終りを迎えました。
今年は、猛暑と夏場の雨が少なかったこともあってか、一つのイガの中にある栗の実は普通は3個あるものが多いのですが、今年は1個か2個がほとんどで収穫は昨年の半分ぐらいと少な目。
猛暑続きで、栗の木にとっても厳しい年だったようです。
それでも、毎年栗を食べれるのはありがたいことです。
栗の木を彫っで拭き漆塗りで仕上げた丸鉢に、収穫したイガ栗を入れてみました。

 

 

2025年10月6日 | カテゴリー : 工房の四季 | 投稿者 : えらむ

暮らしを彩る、うつわと道具展始まりました

2025年10月4日(土)~10月12日(日)まで、兵庫県三木市にあります、ころは・うつわと道具と喫茶室にて開催の「「暮らしを彩る、うつわと道具展」が始まりました。
本日初日は、愛知県から来られた木工家の松島修平さんと共に在廊させていただきました。
雨交じりのあいにくのお天気でしたが、沢山のお客様にお出でいただき、とても嬉しく思っております。
閑心窯さんのごはん鍋や陶器のうつわ、後藤睦さんの漆の器、松島周平・知美さんのおかもちなど、工房えらむの木のトレイや器が展示販売されています。
築150年の古民家で、作家の器と暮らしの道具に出会える、喫茶も楽しめる、くつろぎのうつわ屋「ころは」は落ち着いた素敵なお店です。
秋の食卓を彩る、器や道具をお楽しみください。

会期:2025年10月4日(土)~10月12日(日)
開催時間:11:00 ~ 16:30 ※会期中は休まず営業されます。

会場:ころは -うつわと道具と喫茶室‐
@koroha.ceramics
兵庫県三木市口吉川町大島55

2025年10月4日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

第4回おのクリエイターラボ作品展

所属しております、「おのクリエイターラボ」の展示会が、2025年10月6日~10月17日に、兵庫県の小野市役所1階ロビー、ウエルカムギャラリーにて開催されます。
おのクリエイターラボは、小野市文化連盟の所属団体として、小野市在住の工芸品製作者、伝統工芸作家、アート作家などのクリエイターが集まって、それぞれの作品を公開し、互いに情報交換などを行う中で、技量を高め合おうと言う目的で集まったグループです。

今回は、8名による展示会です。(販売はいたしません)
トンボ玉 多鹿由美
ソラフラワー 山野真紀
写真 神内信夫
木の器 田中陽三
陶芸 桝本明彦
陶芸 井上仁志
金属アート 佐藤憲一
伝統工芸 高山辰則

2025年10月6日(月)~10月17日(金)土日祝休み  9:00~17:00
会場 小野市庁舎1階ウエルカムギャラリー (兵庫県小野市中島町531)

2025年9月29日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

ころはにて「暮らしを彩る、うつわと道具展」

2025年10月4日(土)~10月12日(日)まで、兵庫県三木市にあります、ころは・うつわと道具と喫茶室にて「「暮らしを彩る、うつわと道具展」に出品させていただきます。
私の工房から車で約15分にあるお店。築150年の古民家で、作家の器と暮らしの道具に出会える、喫茶も楽しめる、くつろぎのうつわ屋「ころは」はとっても落ち着いた素敵なお店。
こちらで、陶芸・木工による4人・工房展が開催されます。
閑心窯さんのごはん鍋や陶器のうつわ、後藤睦さんの漆の器、松島周平・知美さんのおかもちなど、工房えらむの木のトレイや器が展示販売されます。
秋の食卓を彩る、器や道具をお楽しみください。

会期:2025年10月4日(土)~10月12日(日) ※初日10月4日は午後から在廊予定
開催時間:11:00 ~ 16:30 ※会期中は休まず営業されます。

会場:ころは -うつわと道具と喫茶室‐
兵庫県三木市口吉川町大島55

 

2025年9月25日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ

万博で輪島塗大型地球儀を見てきました

先日、EXPO2025 大阪・関西万博に行ってきました。
1970年の大阪万博を体験している者としては、やはり一度は見ておきたい衝動に駆られて、EXPO2025 大阪・関西万博へ。
9月中旬になって初めての訪問、かけこみ万博の猛烈な来場者に圧倒されました。
パビリオンの見学もままならない状況でしたが、その中で一番印象に残っているのが、パビリオン「夜の地球 Earth at Night」に展示されていた輪島の漆塗りの職人の方々の技術を結集して作られた大型地球儀。
その正式な作品の説明は、「輪島塗の伝統的な技術を高度に凝縮した「夜の地球 Earth at Night」は、椀木地・曲物木地・指物木地・朴木地・髹漆・呂色・蒔絵・沈金の8部門からなる技術者たちが、それぞれの職能を存分に発揮して完成させました。その球体は宇宙に浮かぶ幻想的で美しい地球の夜景を表しており、漆芸にしか生み出せない深い黒に、蒔絵や沈金による金の輝きが地上の光を映し出します。」とあります。

薄暗い会場に浮かび上がる漆塗りの地球儀や世界の都市を表現した夜のランドスケープの作品は、本当に美しいと感じました。
そして輪島塗の技術の高さと、幾多の災難を乗り越えてきた底力に感動しました。

2025年9月18日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

MINGEI ALIVE いま、生きている民藝 展

2025年9月6日、兵庫県丹波篠山市にあります、兵庫陶芸美術館で開催されている「MINGEI ALIVE いま、生きている民藝」 展を見てきました。
開催初日は、記念講演とトークセッションがあり、展示作品とともに大変興味深いお話を聞くことができました。
鞍田崇氏(哲学者、明治大学理工学部准教授)による「いまなぜ民藝か」と言う記念講演と、鞍田崇氏を交えて出品作家の安藤雅信氏と内田剛一氏によるアーティストトークを聞かせていただきました。
今、民藝をどうとらえるか、そしてこれからの民藝はどのように暮らしのなかに息づいていくのかを、学者、作家の立場から熱く語られました。
安藤雅信氏と内田剛一氏、お二人ともその作品は、新しい感覚と味わい深いもので、今もその作品に私は興味深々の日々です。
お二人のトークセッションの話題の中で、雑誌「芸術新潮 2001年4月号の現代のうつわ」「芸術新潮2005年7月号の日本民藝館へいこう」は、作品のターニングポイントになったと語られていましたが、私も芸術新潮 2001年4月号の表紙で見た内田剛一氏の作品に衝撃を受け、掲載されていた安藤雅信氏の作品、 古道具 坂田和實氏のものの見方などに出会い、これまでなかった感覚を覚えました。
お二人の作品は新しくなりながら今なお多くの人の心をつかみ続けていることに、なにか民藝に由来する底力のようなものを感じずにはおられません。
2001年頃に出会った作品とこの感覚が、はたして私の今の作品に反映されているかと言えば、まったくお恥ずかしい限りです。

2025年9月8日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ