きれいな杢目の栃の木があったので、板皿を作りました。
全体的に、ひび割れや、入皮のある板でしたが、落ちついたテキスタイル模様のような雰囲気があったので、板皿として表現してみました。
裏表、どちらも捨てがたい表情があったので、裏表どちらでも使えるようにしています。
きれいな杢目模様を少し落ち着いた表情に見せるために、漆に少し煤を混ぜて、モノトーンの表情にしました。
何とか意図した雰囲気になったと思います。
銘々皿や料理皿、飾り台などとして、いろいろな場面で使っていただければと思います。
9月7日~13日に東京 日本橋高島屋7F 暮しの工芸にて開催の、丹波焼のコウホ窯 市野吉記さんと工房えらむ田中陽三の二人による、「陶と木のある食卓」展で展示販売の予定です。
期間中は、終日在廊予定にしています。(不在の場合もありますので、その際はご了承ください)
機会がありましたらお立ち寄りください。
2022年のアーカイブ
山の日より
昨日は、2022年の山の日で祝日でしたが、工房で仕事をしていました。
私が、地域の社会人山岳会に所属して、登山に熱中していた若いころは、山の日と言うのは無かったのですが、お盆の前後は、ほとんど山にいる生活でした。
サラリーマン生活をしながら、年間60日ぐらいは、山に行っていたと思います。
夏山、冬山、岩登りと、ほとんど若いころのエネルギーの発散場所が、山登りだったのだと思います。そしていろんな山の本を読んでいました。
山登りに熱中する、個性的で、独特の価値観を持った不思議な人たちが、面白くて、そんな人たちと一緒にいることが楽しかったのだと思います。会社での将来性より、ヒマラヤ登山が重要と、長期休暇を取ってヒマラヤ遠征に行く人。ネパールのカトマンズに宿屋を作ると言って、脱サラして行った人など。今ではそう珍しくはないかもしれませんが、こうした人たちから、いろいろ影響を受けたことは間違いないと思います。
私も年齢とともに、山から遠ざかり、山や自然とともに暮らすことにあこがれを感じ、50歳前半で脱サラし、今に至っています。
最近は、恥ずかしながらほとんど山には行っていませんが、一応、今の自然素材を使ったもの作りの生活は、登山の延長線上ということと位置付けて、山の日も休みなく仕事をする日々です。
2022年の夏野菜
今年の夏の前半は雨の日が続き、最近は厳しい暑さとスコールのような突然の雷雨の襲来と言う、激しい気象条件の中で、工房の畑の夏野菜も翻弄されながら、出来不出来の明暗を分けながら育っています。
今年は、キュウリとトマトが早々と枯れてしまい、期待した収穫がなく残念。
期待して植えたスイカの4本の苗から収穫できたのは、小さなスイカが4個。15センチ径ほどのものが3個で、一番多いものが18センチ径。それでも食べてみるとしっかり熟した赤い果肉は甘く、夏の日の冷やしたスイカをささやかながら味わうことができました。とは言え、スイカの苗4本で、収穫が4個と言う、コストパフォーマンスの悪さは否めません。
今年は、例年出来の悪かったピーマンの出来がなぜか良く、毎日沢山の収穫となっています。
ウリが大好きで、今年も沢山植えたのですが、収穫はそこそこなのですが、どれも甘みが薄く、期待外れ。さっぱりとした甘みと、シャキシャキした歯ごたえが、暑い夏の日にぴったりなのですが、なぜか今年は甘みが乏しく、何を食べているのかよくわからない状態で残念です。
野菜作りは難しい。
栃の輪花盆の仕上り
先日彫っていた、栃の木の輪花盆が仕上がりました。
お盆は、直径約35センチの少し広めですが、厚さ2センチと薄めなので、軽い持ち心地で、取り回しよく使えると思います。
栃の木の白いきれいな板で、特有のにじんだような杢目模様もあって、オイル仕上げで涼しげな感じになりました。
来月、9月7日~13日に東京 日本橋高島屋7F 暮しの工芸にて開催の、丹波焼のコウホ窯 市野吉記さんと工房えらむ田中陽三の二人による、「陶と木のある食卓」展で展示販売の予定です。
東京 日本橋高島屋 暮しの工芸での展示会
来月、9月7日~13日に東京 日本橋高島屋7F 暮しの工芸にて、丹波焼のコウホ窯 市野吉記さんと工房えらむ田中陽三の二人による「陶と木のある食卓」展をさせていただくことになりました。
この度ご縁をいただいて、同じ兵庫県内の陶芸家コウホ窯の市野吉記さんと展示会をさせていただくことになりました。
市野吉記さんの陶芸作品は、とても人気が高く、日本橋高島屋さんでも何度か展示会の経験のある方なので、市野吉記さんの仕事場が、私の工房から車で45分ぐらいのところということもあって、直接お会いして、展示会ことを教えていただいたり、打ち合わせをさせていただいたりしています。
私は、東京の百貨店での初めての展示会ということもあり、定番の作品に加えて、一点ものの作品などもできるだけ作っていきたいと思っています。
展示会の期間中は、終日在廊予定なので、関東方面の方と直接お会いできることを楽しみにしております。
だた、新型コロナウイルスの感染状況により、在廊の変更もありますのであらかじめご了承ください。
コウホ窯 市野吉記・工房えらむ田中陽三「陶と木のある食卓」展
9月7日(水)~13日(火)(営業時間につきましては、日本橋高島屋S.C.のホームページをご覧ください)
東京 日本橋高島屋 7F暮しの工芸
栃の輪花盆を彫る
栃の木で輪花盆を彫っています。
薄くて幅広の栃の木の乾燥材を買ったのですが、長期保管でも反りも捻じれもなく、広いお盆ができると思い、彫ってみました。
お盆の直径は、約35センチの少し広めですが、厚さ2センチと薄めなので、軽い持ち心地になります。
栃の木の白さのきれいな板で、特有のにじんだような杢目模様もあって、清楚な感じを生かすため、輪花型にしました。
漆塗りでの仕上げに魅力も感じるのですが、この白さを生かして、オイル仕上げにしようかと思っています。
タモの木の皿仕上がり
先日作っていた、タモの木の皿の漆塗りが終わりました。
美しい杢目のタモの板があったので、木工ろくろは使わず、かんなで削り出してざっくり仕上げています。
美しい杢目のお皿ですが、あまり杢目が強すぎると食器として使いにくいところもあるので、拭き漆塗りの色合いを調整して、落ち着いた雰囲気に仕上げることにしました。
このタモの木の力のある杢目の美しさを残しつつ、料理が映える皿として、杢目が目立ちすぎないように、漆に煤などを調整しながら混ぜ、拭き漆塗りを重ねていきました。
果たして意図した通りになっているかと言うと、評価が分かれるところかもしれませんが、自分なりに表現したいお皿になったかと思っています。
このお皿は、9月7日~13日に東京 日本橋高島屋7F 暮らしの工芸で開催予定の、コウホ窯 市野吉記さんと工房えらむ田中陽三の二人による「陶と木のある食卓」展に出品予定です。
工房の必需品 虫取り網
工房では、木工機械や木工道具に加えて、虫取り網が重要な必需品。
工房では、冬場以外ほぼ窓と入り口扉は、明けている状態で、夏場は全開状態。
そうするといろいろな虫が次々と入ってきます。
ハチにアブ、蝶々、蛾、カメムシ、トンボ、セミ、ハエ、蚊などなど。時には野鳥も。
特に多いのが、ハチとアブ。
巨大な、スズメバチもよく入ってきます。仕事中の頭の上を大きな羽音をたてて、ぐるぐる回っていきますが、たいていは何事もなく出ていくのですが、時々ガラス窓にぶつかって、そのまま出口を求めてガラス窓にへばりついていることがあります。そこで必要なのが虫取り網。なるべく刺激しないようにさっとすくって外に追い出します。
怖そうなハチは、意外とすんなり出ていくのですが、厄介なのがアブ、猛スビートで飛び回って、体にまとわりついてきてなんとも始末が悪い。これもなんとか虫取り網で追い詰めて、外に出すのですが、手のかかる厄介な作業。
入れ替わり立ち代わり入ってくる虫を、追い出す虫取り網は、工房での仕事を支障なく行うために必要不可欠なものになっています。
100均ショップで買売っていた、200円のちょっと高級な虫取り網は、何と言っても工房の必需品。
梅雨にアートな思い出
工房のある近畿地方は、早々に梅雨が明けましたが、その後も戻り梅雨のような鬱陶しい日々が続いています。
そんな梅雨の時期に思い出されるのが、美術家 堀尾貞治さんらと私の工房で、アートパフォーマンスを楽しんだこと。
廃材で工房を建てて間もないころ、かつての前衛美術家団体、具体美術協会に所属しておられた美術家の堀尾貞治さんとそのお仲間の方に工房にお出でいただきました。当時、堀尾さんは、ヨーロッパ、アメリカ等で「具体・GUTAI」の人気が高まっていることもあって、世界中を回っておられましたが、縁あって私の工房で、アートパフォーマンスを楽しむことになりました。
当日は「雨」をテーマにそれぞれのアーティストの方により、さまざまなアート作品やインスタレーション、パフォーマンスが繰り出されました。
堀尾貞治さんは、私の工房のファサード、格子状のガラス窓に、一見無造作に紙きれを張り付けていき、工房の構造体と紙で連続する「雨」の文字を即興で表現されました。工房の構造を見事にとらえて、巨大な雨の文字を浮かび上がらせるパフォーマンスには、さすが!と脱帽でした。
私の工房の建物を見て即興で思いついたと言われていました。
堀尾さんは、気さくな素晴らしい美術家の方でしたが、2018年に亡くなられたことを本当に残念に思います。
風蘭の花
工房のコナラの大木の幹に置いた風蘭(フウラン)の花が咲きました。
風蘭は、工房に時々来られる隣町の鍛冶師のOさんから頂いたもの。
鍛冶師のOさんは、素晴らしい木工刃物を作られる方ですが、山野草への造詣も深い方で、工房のどこかに植えたらいいと折に触れてめずらしい山野草をもって来てくれます。
ちょうど1年前、自宅に植えていた風蘭の株をもって来られ、着生植物なので、どこか木の幹の間に置いたらいいと言われ、仕事場の窓から見えるコナラの大木の幹に、根元にミズゴケを絡めて置いていました。
そして、1年経過して、細く繊細ですが、欄の花の風格を備えた、気品高い白い花が咲き始めました。
日本原産の蘭というのも魅力的ですが、小さな花ですが、花の香りもとても良いのです。
ちょっと梅雨の戻りのような鬱陶しい日々の中で、ちょっと清々しいしい気分になります。