梅雨に豆皿を彫る

6月の工房定期Openの3日間日が終わりました。
梅雨の時期とあってか、お客様も少なく、ひたすら栗の木で豆皿を彫っていました。
それでもOpen最終日は雨も上がり、晴れ間こそ出ませんが、雑木林を渡る風が梅雨の湿度を払い、とても心地よい気分にさせてくれます。
お客様とお茶を飲みながら、お互いに「風に揺れる木を見ているのは飽きないですね」と。
工房の土地に自生していたシバグリやコナラの木は、今だ成長を続け10メートルを超えるものもあります。ゆったりと風になびく枝や葉を見ていると、地球の大気が動いているのを感じるようで、本当に時が経つのを忘れそうになります。
工房にお越しいただいたお客さまありがとうございました。

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すてきな曲物漆器

日々使う木の器で好きなのが、薄くした檜などの木を曲げて作られた、曲物と言われる器。とりわけ漆の塗られたものがお気に入りです。
軽くて丈夫、コンパクトにまとまって、漆が塗られているのでどんな料理でも入れることができて、とても使い勝手のよい器です。
写真のものは、長野県木曽の曲物で故 土川昇一さんが作られたものと、入れ子になってコンパクトにまとまる静岡県の井川めんぱ。
いづれも20年以上前に購入して以来、弁当箱や重箱代わりにと日々使っています。さすがに傷はたくさんついていますが、何ら器自体の傷みはなく、使用にはまったく支障はありません。
木曽の曲物の場合は、曲げる薄板も底板や蓋板の入る側の部分を薄くして、テーパー状にした板をはめ込むという構造で、丈夫に隙間なくはめ込み、反りの軽減や熱に対する収縮を抑える構造になっているそうです。
軽いにもかかわらず、丈夫で堅牢な作りに頭が下がります。
そしてシンプルだけどスタイリッシュで、使っていて飽きのこない、すてきな器です。

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木製のミルクピッチャーをつくる

カフェを開業される方からのご依頼で、木製のミルクピッチャーを作っています。
以前に私が作った小さな木製の片口を使っていただいて、カフェのミルクピッチャーにはこれがいいとのお話をいただきました。
栗の木を彫って、まだ塗りは途中ですが、漆塗りで仕上げています。
最近は、ブラックで飲む機会が増えたコーヒーですが、以前はよくミルクを入れていました。
ミルクピッチャーの素材は、陶器、ガラス、金属などが一般的ですが、注ぐミルクのキレの悪さから、垂れたミルクでテーブルやソーサーを汚すものが、時折あるのが気になっていました。
木製の漆塗りミルクピッチャーは、小さなものですが、少しはその点を意識して作っていますので、使い勝手の良いものになっていればと思います。
コーヒーは好きで、いろいろなところでコーヒーを飲みましたが、木製のミルクピッチャーを使っているところには、まだ出会ったことがありません。
いろいろ細部にまでこだわられたカフェのようですが、どんな素敵なカフェになるのか楽しみです。

木製ミルクピッチャー

 

 

 

 

 

 

2016年6月15日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

馬川晴美 陶芸展

神戸市須磨区の「ぎゃらりーゆふ」で開催されている、陶芸家の馬川晴美さんの陶芸展「紫陽花のうた」を見てきました。
日頃からいろいろクラフト制作活動等についてアドバイスなどをいただいて、親しくしていただいている陶芸家の方です。
伺った時はご不在でしたが、馬川さんのプロフィールに添えられた言葉に、作品は、ひとつに持ち味を大切にされているとのこと。
器を持った時のバランスや感触など、それは、器の使い勝手につながるとても重要なこととして作品作りをされているとのことでした。
確かにどの器を取っても、手にしっくりと収まり、重さも適度で、とてもバランスがいいのです。
作陶の修業時代を経て、長い年月をかけて、沢山の作品作りをされてこられた方だからこそできる器だと感じました。
そして、上品で、現代的な文様や象嵌が作品を引き立てて、 和食、洋食のどんなシーンでも使える器になっています。
日頃、漠然と木の器を作っている自身にとって、器のあるべき姿とは何かを考えさせられ、非常に得るものが多い作品展でした。

馬川晴美 陶芸展「紫陽花のうた」
2016年6月4日(土)~12日(日)
ぎゃらりーゆふ 兵庫県神戸市須磨区竜が台6-14-6

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2016年6月7日 | カテゴリー : 作家の方々 | 投稿者 : えらむ

天然の椎茸

工房の片隅に、ストーブの薪にしようとして、二股になっていたり、太かったりして割るのが大変なので、2、3年ほっておいたコナラの木数本にキノコが生えてきました。
どう見ても椎茸に見えるので、とても気になっていたのですが、食べる勇気がなくそのままにしていました。
工房を時々訪ねて来る、植物に詳しい知り合いの女性に見てもらったら、「こりゃ 椎茸だよ」と言って、すぐに焼いて食べてみて、間違いないと、「ほら 食べてごらん」と勧められ、恐る恐る食べてみると、まさしくしいたけの味と香り。
その後、腹痛をおこすこともなく、椎茸であることを確信しました。
特に近くに椎茸栽培をされているところもないことから、自然に椎茸の菌が繁殖したようです。
以来、有難く、市販のものより味濃く、香り高いと感じる天然の椎茸を頂く日々です。
決して山深いところでもない、平凡な田園地帯なのですが、野生の力が残っているのが、嬉しく感じます。

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2016年6月3日 | カテゴリー : 工房の四季 | 投稿者 : えらむ

飾り台をつくる

日頃は、木の器を中心に制作していますが、時々飾り台も制作しています。
木との一期一会みたいなものがあって、器用の材木を買いに行ったときに、これは飾り台の方がいいだろうと思う時が時々あります。
飾り台は、あくまで脇役で、飾るものを引き立てて、それでいて存在感のあるものであることが求められると思うのですが、単に木の質感だけではなく、かたちや表現の仕方も重要だと思います。
この木の質感は、きっと飾るものを引き立ててくれるだろうと感じる時は、飾り台に作ります。
写真の飾り台は、永い年月の間、地中に埋もれて独特の色合いになった神代楡の木を使ったもの。
左の無塗装のものと、右側のオイル仕上げのもの、いづれも木の質感を生かしながら、飾るものを引き立てるようシンプルなかたちに仕上げました。

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2016年5月31日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

しのぎ片口の仕上がり

ここ最近の投稿を振り返ってみると、展示会とワークショップの報告がほとんどだったような気がします。
実際、ゴールデンウィーク前後は、展示会を中心に活動し、思いがけずワークショップのご依頼をたくさんいただいたこともあって、あまり制作時間が取れていなかったことも確かです。
それでも漆塗りだけは、ほぼ毎日続けています。
どんなに忙しくても、漆を塗り重ねることで美しく表情をかえていく木の器を見ているのは、楽しく嬉しい時間です。
写真は、塗り上がった栗の木で彫ったしのぎ片口です。
口の広い片口なので、料理を入れてもいいかなと思います。
ふたつ作ったのですが、すぐに一つは、気に入っていただいたお客様のもとへ行きました。
そろそろ制作モードへ切り替えて頑張ろうと思うのですが、いろいろあってなかなか落ち着かない日々です。

木の器 しのぎ片口

 

 

 

 

 

2016年5月26日 | カテゴリー : 作品づくり | 投稿者 : えらむ

工房での木のスプーンとお皿のワークショップ

最近ありがたいことに、工房でのワークショップのお申し込みを良くいただくようになりました。
今日は、同じ会社にお勤めの5名のグループの方からのご依頼。3人がスプーン制作、お二人がお皿づくりと、2種類のメニューを同時進行する内容でのご希望でしたが、あらかじめオーダーをお聞きしていましたので、スムーズに進行することができました。
気心の知れたお仲間同士の、本当に和気あいあいとした雰囲気でのワークショップ。
みなさんで冗談を言い合ったり、出来栄えを批評しあったり、一緒になって大笑いしながら、楽しい時間を過ごさせていただきました。
みなさん、とても熱心に取り組んでいただいて、それぞれ個性あるマイスプーンとマイ皿が出来上がりました。
ご参加いただいたみなさんありがとうございました。

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工房での木のスプーンワークショップ

今日は工房で、オーダーでの木のスプーン制作ワークショップ。
お二人でのワークショップお申込みいただきました。
木のスプーンを使ってみたかったのですが、なかなか気に入ったものがみつからないので、ならば自分で作ってみようということで、ワークショップのお申込みいただきました。
良く切れる刃物に緊張したと言われながらも、慎重に作業していただいて、マイスプーンが出来上がりました。
楽しく、気に入ったスプーンが出来上がったとおっしゃっていただいて、こちらも嬉しくなりました。
ご参加ありがとうございました。
明後日には、5名様のグループからの、ワークショップをお申込みをいただいています。
オーダーなので、カップルやお友達同士など、ゆったりとリラックスして楽しんでいただけるワークショップです。
ご希望の日時にオーダーで行っております。お気軽にお問合せください。

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ひめじアーティスト フェスティバル終了しました。

2016年5月14日から15日に開催された、「ひめじアーティスト フェスティバル」が終了しました。
「ひめじアーティスト フェスティバル」という名前で、新たにスタートしたフェアでしたが、2日間天候に恵まれ、またスタッフの方の献身的な運営により、とても楽しく有意義な時間を過ごさせていただきました。 期間中は、本当にたくさんの方とお会いし、いろいろな出会いの機会をいただきました。
工房展でワークショップを楽しんでいただいた方、フェイスブックつながりで遠路はるばる他府県からおいでいただいた方、そして久しぶりに会う作家の方々、初めて知り合い親しくさせていただいた作家の方、木工家を目指しておられる方、木工の技術本をプレゼントくださったり、飲み物を差し入れいただいた先輩木工家の方、風で倒れた展示棚の作品を素早く拾い集めてくださった作家の方々など、本当にたくさんの方のお世話になりながら、有意義な時間を過ごさせていただきました。
沢山のお客様、作家の方々、運営スタッフの皆様、本当にありがとうございました。

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2016年5月16日 | カテゴリー : 展示会 | 投稿者 : えらむ